HOME > 2026年10月01日
このエントリーをはてなブックマークに追加

2026年10月01日

「AIによる概要」が「出るキーワード」と「出ないキーワード」の見分け方――データで見る出現パターン

2026年10月01日

「AIによる概要」は、すべての検索クエリで表示されるわけではありません。実際にGoogleで色々なキーワードを検索してみると、「AIによる概要」が出るクエリと出ないクエリが、明確に分かれているのが分かります。

自社ビジネスに関わるキーワードで「AIによる概要」が出るのか出ないのか、これを把握できていないと、SEO対策の優先順位を間違えてしまいます。「AIによる概要」が頻繁に出るキーワード群にリソースを集中させないと、AI検索時代の対策としては不十分だからです。

長年SEOコンサルティングを行い、多くの企業の検索順位改善を支援してきた経験から言うと、「出るキーワード」と「出ないキーワード」を見分ける明確なパターンが存在します。この見分け方を知っておくと、AI検索時代のリソース配分が大きく変わります。

今回は、実際の調査データを踏まえながら、「AIによる概要」が出るキーワードのパターンと、自社キーワードの現状を調べる方法を解説します。


「AIによる概要」が出るキーワードには明確なパターンがある


Semrushの2024年調査によると、「AIによる概要」は英語圏の検索クエリのうち約13〜18%で表示されており、日本語圏でも徐々に表示率が上がってきています。ただし、全キーワードで均等に表示されるわけではなく、特定のクエリタイプに集中しているのが特徴です。

具体的には、質問形式のクエリ・比較検討クエリ・ハウツー系クエリで表示率が高く、ブランド指名検索・地名検索・トランザクション系クエリでは表示率が低い、という傾向が見られます。

つまり、キーワードの「タイプ」によって「AIによる概要」の表示確率が大きく変わるということです。この違いを知らずにすべてのキーワードを同じ扱いで対策していると、AI検索時代の変化に対応できません。




出やすいキーワードの4つの特徴


「AIによる概要」が出やすいキーワードには、以下の4つの特徴があります。

1. 質問形式である
「◯◯とは何か」「◯◯はなぜ起きるか」「◯◯はいつ始まったか」といった、明確な疑問形のクエリでは、「AIによる概要」の表示率が非常に高くなります。AIが「これは答えが求められているクエリだ」と即座に判断できるためです。

2. 比較・検討系である
「◯◯と△△の違い」「◯◯を選ぶ基準」「◯◯のメリット・デメリット」といった、複数の選択肢を比較するクエリでも表示率が高くなります。AIは複数のソースから情報を統合して比較表を作りやすいためです。

3. ハウツー系である
「◯◯する方法」「◯◯のやり方」「◯◯を始めるには」といった手順を求めるクエリも、「AIによる概要」が出やすいカテゴリーです。AIが段階的な手順を要約して提示しやすいためです。

4. 情報探索クエリである
具体的な購入や予約ではなく、情報を集めたい段階のクエリ全般で表示率が上がります。「◯◯とは」「◯◯について知りたい」といった、購買前のリサーチ段階のクエリです。




出にくいキーワードの3つの特徴


逆に、「AIによる概要」が出にくいキーワードにも、明確な特徴があります。

1. ブランド指名検索
「トヨタ」「アマゾン」「〇〇株式会社」といった、特定の企業名やブランド名を含むクエリでは、「AIによる概要」の表示率が低くなります。ユーザーが求めているのは要約情報ではなく、そのブランドの公式ページだからです。

2. 地名+店舗タイプのローカル検索
「渋谷 ラーメン」「新宿 歯科医院」といった、地域と店舗タイプを組み合わせたローカル検索では、「AIによる概要」ではなくGoogleマップの検索結果が優先されます。答えを要約するより、地図上の店舗リストを見せる方が有用だからです。

3. トランザクション系クエリ
「◯◯ 購入」「◯◯ 予約」「◯◯ 通販」といった、具体的な行動を伴うクエリでも「AIによる概要」の表示率は低くなります。ユーザーは要約が欲しいのではなく、購入や予約のためのページに直接飛びたいからです。



業界別に見る出現率の実データ


Semrushの業界別調査データによると、「AIによる概要」の表示率には業界差が明確にあります。

教育・学習分野:約25〜35%(最も高い部類)
健康・医療分野:約20〜30%(高い表示率、ただしYMYL領域では慎重な出方)
テクノロジー分野:約20〜30%
ビジネス・金融分野:約15〜25%
旅行分野:約10〜20%
不動産分野:約8〜15%
Eコマース分野:約5〜10%(低い表示率)

自社が属する業界の平均表示率を知っておくと、AI検索対策のリソース配分が判断しやすくなります。


自社キーワードの出現状況を調べる具体的な方法


自社が対策しているキーワードで「AIによる概要」が出ているかどうかを調べる方法は、大きく3つあります。

1. 実際にGoogleで検索してみる
最も確実な方法は、対策キーワードを1つずつGoogleで検索してみることです。ただし、シークレットモード(パーソナライズを避けるためのブラウザ機能)を使い、自分のログイン状態や過去の検索履歴の影響を除外することが重要です。

2. Search Consoleで「AIによる概要」経由の流入を確認する
Google Search Consoleでは、パフォーマンスレポートから「AIによる概要」経由のクリックとインプレッションが把握できるようになっています。特定のクエリでインプレッションが伸びているのにクリックが伸びていない場合、「AIによる概要」に取り上げられている可能性があります。

3. SEOツールの表示検出機能を使う
SemrushやAhrefs、SEランキングといった主要SEOツールは、「AIによる概要」の表示有無を検出する機能を提供しています。数百〜数千のキーワードを一括で分析できるため、規模の大きなサイトには特に有用です。


コンサル事例:キーワード分類でリソース配分を最適化した例


先日、あるリフォーム会社のクライアントさんからこんなご相談をいただきました。「200個以上の対策キーワードがあり、どこから手をつければよいか分からない」と。

拝見したところ、キーワードには「リフォーム 費用」「浴室リフォーム やり方」といった情報系のものと、「東京 リフォーム 会社」「◯◯市 リフォーム 見積もり」といった地域+行動系のものが混在していました。

私は、キーワードを「AIによる概要が出るタイプ」と「出ないタイプ」に分類してから、対策の優先順位を決めましょう、とお伝えしました。「AIによる概要」が出る情報系キーワードには「引用される段落」を意識した記事を作り、出ないローカル系キーワードにはローカルSEO(Googleマップ上の店舗情報最適化)に集中する、という戦略です。3か月後、AI検索経由の流入が着実に増えるようになりました。


「今後出るようになる」キーワードを予測する方法


現時点で「AIによる概要」が出ないキーワードでも、今後表示されるようになる可能性が高いものがあります。予測のポイントは3つです。

まず、そのキーワードで「フィーチャードスニペット(強調スニペット、検索結果の最上部に答えの一部が抜粋表示される枠)」が既に出ているかを確認します。フィーチャードスニペットが出ているキーワードは、「AIによる概要」への移行候補である可能性が高いです。

次に、「関連する質問(他の人はこちらも質問、関連する質問のリスト)」が表示されているかを確認します。関連質問リストが出ているキーワードは、AIが「このクエリには複数の答えが求められている」と認識しており、「AIによる概要」への移行が起きやすい傾向があります。

最後に、質問形式に近い言い回しに変換できるかを検討します。「東京 マンション 相場」というキーワードは、「東京のマンションの相場はいくらか」という質問形式に変換できます。こうした変換可能なキーワードは、AIが今後表示対象に加える可能性が高いです。

また、直近3か月のSearch Consoleのインプレッション推移を見て、じわじわ表示回数が伸びているキーワードは要注目です。Googleは新しいクエリタイプへの「AIによる概要」対応を段階的に広げているため、露出が伸びているキーワードは移行前のシグナルであることが多いです。


キーワードを3つのグループに分けて戦略を立てる


ここまでの分類を踏まえ、自社キーワードを3つのグループに分けて戦略を立てるのが実務的です。

グループA:現在「AIによる概要」が頻繁に出るキーワード
すぐに「引用される段落」を意識した記事作成に切り替えます。パッセージレベル抽出(Passage-level Extraction、Googleがページ全体ではなく特定の段落を評価単位として抽出する仕組み)を意識した段落設計が最優先です。

グループB:将来「AIによる概要」に移行しそうなキーワード
フィーチャードスニペットが出ているキーワードや、疑問形に変換できるキーワードがここに該当します。今のうちからAI引用対策の下準備を進め、移行時に一気に露出を伸ばせる状態にしておきます。

グループC:「AIによる概要」が今後も出ないキーワード
ローカル検索・ブランド指名検索・トランザクション系のキーワードは、従来型SEOやローカルSEO、広告運用に集中する対象です。AI対策のリソースは投入せず、別の施策で成果を上げます。


まとめ


今回の話をまとめると、「AIによる概要」が出るキーワードと出ないキーワードには明確なパターンがあり、そのパターンを理解することで、AI検索時代のリソース配分を最適化できるということです。

質問系・比較系・ハウツー系・情報探索系のキーワードには「引用される段落」を意識した対策を、ブランド指名検索・ローカル検索・トランザクション系のキーワードには従来型SEOや別の施策を、というように、キーワードのタイプ別に戦略を分けていく必要があります。

AI検索時代になったからSEOが終わるのではありません。むしろ、本当に信頼される専門家や企業が評価される時代が始まったのです。今後のSEOで成果を出すためには、「検索順位を上げること」だけではなく、「AIやユーザーから信頼される存在になること」を目指す必要があります。

このエントリーをはてなブックマークに追加
                    
鈴木将司の最新作品

プロフィール
一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

フォローしてSEOを学ぼう!
X facebook insta tiktok youtube
2026年 10月 >>
日 月 火 水 木 金 土
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事