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SEO専門家131人が選んだ2026年のランキング要因――1位は検索意図との一致・AI記事の量産はマイナス評価

2026年10月24日

「AIで検索が変わった今、SEOでは何を優先すればいいのか」。最近、こうした質問を受けることがよくあります。「AIによる概要」や「AIモード」、ChatGPTの検索など、新しい話題が次々に出てくるので、何から手を付ければいいのか分からなくなるのも無理はありません。

その疑問に一つの手がかりを与えてくれる調査が、2026年9月9日に公開されました。米国のSEO会社Zyppy(ジッピー)が実施した、2026年版のGoogleランキング要因の専門家調査です。SEOの実務者131人が、Googleの検索順位を決める要素について評価しました。

ランキング要因とは、Googleが検索順位を決めるときに参考にしているとされる、さまざまな要素のことです。Googleはその中身をすべて公開していないため、専門家の経験や検証にもとづく見立てが、実務の重要な判断材料になっています。

この記事では、調査の結果と、そこから学べる重要ポイント、そして今週から取り組みたいことを、SEOのコンサルティングに長く携わってきた立場から解説します。


SEO専門家131人に聞いたランキング要因調査


調査を行ったのは、Zyppy社のサイラス・シェパード氏とドーン・シェパード氏です。サイラス・シェパード氏は、米国のSEO業界で長く活動してきた人物として知られています。

調査の方法は次のとおりです。SEOの実務者131人が、103項目の要素について、順位を強く押し上げる「プラス3」から、強く押し下げる「マイナス3」までの7段階で評価しました。あわせて、最も重要だと思う要素を3つ、自由に挙げてもらっています。集まったデータは、合計で13,665件にのぼります。

先に、注意を一つ。この調査は、あくまで専門家の意見を集めたアンケートです。Googleが公式に認めた順位の決め方ではありませんし、実際の順位のデータを測って因果関係を確かめたものでもありません。調査を行ったZyppy社もSEOの支援を事業とする民間の会社です。ただ、現場で日々順位の変動を見ている131人の見立てがどこに集まっているかを知ることには、十分な意味があります。


上位3つは関連性と被リンクとコンテンツ品質


「最も重要な3つ」として挙げられた割合が高かった要素は、次のとおりです。

1. 関連性:57.1%
ページの内容が、検索した人の求めているものに合っているかどうかです。Zyppy社は、これを検索意図との一致という意味で説明しています。

2. 被リンク:54.8%
被リンクとは、ほかのサイトから自社のサイトに向けて張られたリンクのことです。とくに、信頼できるサイトや、内容の近いサイトからのリンクが重視されています。

3. コンテンツ品質:47.6%
独自性、正確さ、情報の新しさなど、内容そのものの質です。

4位以下は、サイトの権威性や信頼性が36.5%、クリックなど利用者の行動のデータが29.4%、ブランドの認知が27.0%と続きます。上位の3つだけが45%を超えており、ほかの要素とのあいだに大きな差があります。

海外のSEO専門メディアSearch Engine Roundtableも、関連性、被リンク、コンテンツ品質の3つがランキング要因の土台になっているという調査の結論を紹介しています。




単独で最も評価が高かったのは検索意図との一致


103項目の一つひとつを7段階で評価した結果では、最も高い評価を受けたのが「検索意図との一致」でした。

検索意図とは、検索した人がその言葉で本当に知りたいこと、やりたいことです。たとえば「エアコン 掃除」と検索した人は、自分で掃除する方法を知りたいのか、業者に頼みたいのか。その意図に合った答えを出せているかが問われます。

調査に協力した専門家の一人は、技術的に完璧な記事でも、検索した人が求めていたものと違う答えを出していたら、何をしても救われないという趣旨のコメントを寄せています。

これはレストランに例えると分かりやすいと思います。どれほど内装が美しく、料理の盛り付けが見事でも、ラーメンを食べに来たお客さんにフランス料理を出したら満足してもらえません。見出しの付け方やページの作りは、あくまで料理の盛り付けです。まず、お客さんが食べたいものを出すことが先なのです。




メタディスクリプションはなぜ最下位なのか


一方、103項目の中で最も評価が低かったのが、メタディスクリプションでした。メタディスクリプションとは、検索結果でページのタイトルの下に表示される、ページの説明文のことです。

多くの回答者が、メタディスクリプションには順位への効果がほとんどないと評価しました。これは、メタディスクリプションを順位の決定には使っていないというGoogleのこれまでの説明とも一致しています。

ただし、メタディスクリプションが不要というわけではありません。検索結果に表示される説明文は、検索した人がクリックするかどうかを判断する材料になります。順位を上げる道具ではなく、クリックしてもらうための道具として考えるのが正しい使い方です。


被リンクは今も強い評価を受けた


「AIの時代に、被リンクはもう古いのでは」と考えている方もいるかもしれません。しかし今回の調査では、被リンクは「最も重要な3つ」の2位に入り、依然として強い評価を受けました。

PPC Landの報道によると、103項目の中でも、信頼性の高いサイトからのリンクや、内容の近いページからのリンクは、特に高い評価を受けた項目の一つでした。反対に、スパムのような質の低いリンクは、最も大きなマイナス要因の一つに数えられています。

つまり、数を集めればいいという時代はとうに終わり、どんなサイトから紹介されているかが問われているということです。中小企業であれば、取引先や業界団体、地域の商工会、取材を受けたメディアなど、実際のつながりのあるところから紹介してもらえる関係を地道に増やしていくことが、遠回りに見えて一番の近道です。


AI記事の量産はマイナス・独自データはプラス


今回の調査で特に注目したいのが、AIで作った記事の評価です。

人の手を加えずに量産したAI記事は、はっきりとマイナスの評価でした。一方で、AIを使いながらも、人が内容を確認し、編集を加えた記事は、良い評価を受けています。

コンテンツの品質に関する項目の中で、最も高い評価を受けたのは、独自の調査や自社で集めたデータでした。専門家の一人は、AIのおかげで記事は安く作れるようになり、誰でも一晩で千本の記事を作れる時代になったからこそ、品質がふるいになっているという趣旨の指摘をしています。

これは、Googleの公式の方針とも重なります。Googleはスパムに関するポリシーの中で、生成AIなどを使って、利用者に価値を加えないまま大量のページを作ることを、「大量生成コンテンツの不正使用」として禁止しています。問題はAIを使うこと自体ではなく、価値を足さずに量だけを増やすことなのです。




クリックの動きやブランドも見られている


上位3つ以外にも、実務に役立つ結果がいくつか出ています。

まず、利用者の行動に関する項目です。最も評価が高かったのは、検索した人が満足して用事を済ませられたかどうかでした。反対に、ページを開いた後すぐに検索結果に戻ってしまう動きは、マイナスに評価されています。米国の広告業界メディアPPC Landによると、回答者からは、クリックのデータを使うGoogleの仕組み「Navboost(ナブブースト)」が今も大きな影響力を持っているという声も上がっています。

次に、ブランドです。インターネット上での評判や、社名やブランド名で検索される回数が、信頼の重要な目印として挙げられました。

そして、技術的なSEOです。サイトの表示の速さやページの作りといった技術面は、できていて当たり前の「最低条件」と位置付けられました。技術面が悪ければ順位は下がりますが、技術面が良いだけで中身の薄いページが上がることはない、という評価です。なお、表示速度の指標については、過大評価だという声から、ネットショップでは本当に重要だという声まで、回答者の意見が最も割れた項目の一つでした。


「AIで記事を毎日10本出したい」という相談


先日、ある不動産会社のクライアントさんから、こんなご相談をいただきました。「AIを使えば記事がいくらでも書けるので、毎日10本ずつ公開していきたい。数が多いほど検索に強くなりますよね」と。

拝見すると、すでに公開されていたAIの記事は、「住宅ローンの選び方」「引っ越しの手順」といった、どこのサイトにも書いてある一般的な内容がほとんどでした。そうした記事のアクセスは、ほぼゼロに近い状態でした。

私は、「数を増やすより、この会社にしか書けない記事を月に数本作りましょう」とお伝えしました。たとえば、担当エリアの駅ごとの家賃の相場を自社の取引データからまとめた記事や、実際に案内したお客さんからよく出る質問への回答です。AIは下書きや構成づくりに使い、数字と経験は社内の担当者が書き足す。そうした体制に切り替えて、記事づくりを進めているところです。


今週やりたい主要ページの読み直し


今回の調査から分かるのは、AI検索の話題が増えても、SEOの土台は動いていないということです。奇策を探すより、基本の点検が効きます。今週は、自社の主要なページを一本ずつ、次の3つの視点で読み直してみてください。

1. 検索意図に本当に答えているか
そのページで上位を狙っている検索語を思い浮かべ、検索した人が知りたいことに、ページの最初のほうで答えているかを確かめます。

2. 自社にしかない情報が入っているか
自社のデータ、実例、料金、担当者の経験など、ほかのサイトにはない情報が入っているかを確かめます。なければ、一つでも書き足します。

3. 量産したまま放置している記事がないか
AIで作って手を加えないまま公開している記事があれば、内容を見直して価値を足すか、統合するか、公開をやめるかを検討します。


まとめ


今回の話をまとめると、Zyppy社がSEOの実務者131人に103項目を評価してもらった2026年版の調査で、「最も重要な3つ」に挙げられた割合は、関連性が57.1%、被リンクが54.8%、コンテンツ品質が47.6%でした。単独の評価で最も高かったのは検索意図との一致で、メタディスクリプションは最下位でした。人の手を加えないAI記事の量産はマイナス、独自調査や自社データはプラスの評価です。ただし、これは専門家の意見を集めたアンケートであり、Googleの公式発表ではありません。

家にたとえるなら、AI検索の新しい機能は、次々に運び込まれる新しい家具のようなものです。どの家具をどこに置くかを考えるのは楽しい作業ですが、家を支えているのは、目に見えない土台です。検索した人の知りたいことに正面から答え、自社にしか書けないことを書き、信頼できるサイトから紹介される。新しい家具に目を奪われる時期だからこそ、一度足元の土台を確かめておきましょう。

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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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