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Web業界の動向

検索はもうGoogleだけじゃない!Googleの利用率低下と多様化する検索行動に中小企業はどう対応すべきか?

2025年04月04日

かつて私たちは、何かを調べたいときには「とりあえずGoogleで検索する」のが当たり前でした。しかし、ここ数年でその常識は静かに、しかし確実に変わりつつあります。2018年のコアアップデート以降、Googleの検索結果には大企業や政府機関、大学など権威ある情報ばかりが並ぶようになり、個人や中小企業の声は埋もれがちに。消費者は「本音」や「人気」「体験談」などを知るために、X(旧Twitter)やInstagram、YouTube、Amazonといった他のプラットフォームを使い分けるようになっています。

こうした検索行動の多様化は、集客に悩む中小企業や個人事業主にとって、大きなチャンスでもあり、見直すべき課題でもあります。本記事では、なぜGoogleの利用傾向が変わったのか、消費者がどのように情報を探すようになっているのかを解説しながら、これからの時代に合った「脱Google依存」のマーケティング戦略を提案します。


Google検索では権威あるサイトが優遇されるようになった


2018年前後のGoogleコアアップデート(検索アルゴリズムの大幅変更)以降、検索結果の上位表示にはサイトの権威性が非常に重要になりました。具体的には、大企業・政府機関・大学など「信頼性の高い公式サイト」が優先的に表示される傾向が強まったのです。反対に、個人ブログや中小企業、アフィリエイトサイトといった小規模サイトは、以前より上位表示されにくくなりました。

例えば健康や医療に関する検索では、2017年の日本向けアルゴリズム変更(いわゆる「医療アップデート」)以来、公的機関や医療専門家のサイトが最上位に出るようになっています。

これは過去に誤った医療情報が出回った事件(WELQ問題)を受け、Googleが信頼性を重視した結果です。同様に金融や法律など生活に重大な影響を与えるテーマ(Googleの呼ぶ「YMYL領域」)でも、「誰が書いたか不明な個人の意見より、公的で正確な情報」が優遇されています。
《関連情報》 YMYLとは?

実際、「糖尿病」など真剣なテーマを検索すると、病院や行政のページが上位に来て、匿名の個人ブログはまず出てきません。

Googleがこうした方針に舵を切った背景には、ネット上のフェイク情報対策があります。信頼度の低い掲示板投稿や体験談が上位に来て、ユーザーが間違った情報を鵜呑みにすると大きな危険があります。そこでアルゴリズムで経験・専門性・権威性・信用(E-E-A-T)の高いサイトを評価し、ユーザーには「正確で信頼できる情報」を提供しようとしているのです。

《関連情報》 E-E-A-Tとは何か?

この結果、2ちゃんねるのスレッドまとめやAmebaブログ、ライブドアブログなど一般人の体験談は検索上位に現れにくくなりました。Googleは良質な情報を優先するあまり、玉石混交だった個人発信の情報はフィルタリングされるようになったと言えます。

YMYLの領域では個人ブログが上位表示しにくい仕組みになっており、信頼できる運営者のサイトしか上位に表示されなくなっています。たとえば検索結果で誰か分からない人の記事が上位だと、読者が誤って命に関わる判断をするリスクがあります。そのためGoogleは病院や公的機関のページを優先的に上位表示するようにしているのです。


検索アルゴリズムの変化が消費者の行動に与えた影響


このようにGoogle検索が公式情報中心になったことで、日本の消費者の情報収集行動にも変化が見られるようになりました。ユーザーは目的に応じて使い分けをするようになっています。

ユーザーはネットで情報収集しようとする時に次のように複数のプラットフォームを使い分けていると思われます。

1. 公式で正確な情報はGoogleで検索する


まず、公的機関の発表や大手企業の公式発表など「信頼性重視の情報」を得たいとき、人々は引き続きGoogleを使います。Google検索結果は権威ある情報源が中心なので、「事実関係を確認したい」「公式の数字を知りたい」場合に適しているからです。

ただし公式情報は一般に内容が固く情報量も限られがちです。必要最低限のことしか書いていないケースも多いため、「もっと具体的な口コミが知りたい」と感じる人もいます。

2. 生の声や流行を知りたいときはX(旧Twitter)やInstagramを活用


他の消費者の体験談やクチコミ、今まさに広まっている流行情報を探す際、若者を中心にSNSで検索する行動が増えています。Googleでは公式情報ばかり出てくるため、「リアルな本音」を知りたいユーザーはXやInstagram上でハッシュタグ検索やキーワード検索を行います。SNS上にはユーザー自身が発信する率直な感想や経験談が溢れており、リアルタイムな話題や口コミをつかみやすいのが利点です。

以前見たYouTube動画である女性が「Googleは企業の情報ばかりが表示される。企業によって情報操作されているのでほとんど使わない」と言っていたのを聞いて驚いたことがありますが、それから数年経って私もその意味がやっとわかる気がします。

特に10〜20代の若年層では、何か調べ物をする際にいきなりInstagramで検索を始める人も少なくありません。インスタ世代にとっては、「ハッシュタグで同じ趣味嗜好の人の投稿を見る」「フォロワーが多い人のお薦めを信頼する」といった行動が自然になっています。要するに、「みんなの評価や人気」を知りたい時にはGoogleよりSNSが頼られているのです。

Instagramには画像やテキストを投稿するだけのフィード投稿の他に、TikTokの縦長ショート動画の人気を受けてリール動画がたくさん投稿されているのでYouTubeに行かなくとも動画が見れます。また、アプリの画面下にある「発見タブ」を押して、画面右上の「地図アイコン」を押すと地図検索ができるようになっているのでGoogleマップを使う必要すらありません。

DM機能を使えばGmailやLINEを使わなくとも人とコミュニケーションが出来ます。Instagramのアプリを使えば他のプラットフォームを使わなくても生活ができるといっても良いほどユーザーの囲い込みがされています。

3. 商品の購入検討ではAmazonや楽天市場で検索


欲しい商品があるとき、多くの消費者は最初から通販サイト内で検索して口コミレビューや価格を比較するようになりました。実際、ある調査では「オンラインで商品を探す人の58%が最初にAmazonで検索を開始する」というデータもあります。

Googleで商品名を検索するより、Amazonや楽天市場で商品のレビュー評価や写真、価格帯を一度に確認できるためです。とくにAmazonはレビュー件数が多く信頼性の指標になりやすいことから、「とりあえずAmazonで評判チェック」という行動が一般化しています。楽天市場でも複数店舗の価格やポイント還元率を横断比較できるため、価格比較には通販サイトが便利です。

こうした傾向から、メーカー公式サイトよりも先にAmazonの商品ページを見る消費者も増えています。Google検索が公式情報中心になった分、商品の生の評価は通販サイト上で探すのが手っ取り早いと認識されているのです。

4. 学習や趣味の習得にはYouTubeを活用


医療・健康の解説、金融知識、ITの使い方、旅行先の情報、日常生活のコツなど、「何かを学びたい/知りたい」ときにYouTubeを使う人が非常に増えました。YouTube上には専門家による解説動画から一般ユーザーのノウハウ紹介まで幅広いコンテンツがあり、動画で視覚的に理解できるため初心者にも分かりやすいからです。

実際、中高生の約8割が勉強にYouTubeを利用しているとの調査もありますし、新社会人を対象とした調査でも半数近くが「お金(金融知識)」の勉強にYouTubeを活用していると報告されています。

特にお金やビジネス、語学といった分野は若年層に人気で、新人社員の45%がマネー関連のYouTubeチャンネルで学習し、30%がビジネススキル習得の動画を見ているという結果もあります。医療・健康情報についても、お医者さんが解説する健康チャンネルや、実際に病気を経験した人が語る動画などが多数再生されています。

旅行や料理など生活全般のテーマでも「百聞は一見に如かず」で、文章より動画で手順を見る方が理解しやすいため、多くの人がまずYouTubeで検索する時代になっています。

このように、Google検索だけでは得られない「他の人の声」や「具体的なイメージ」を補うために、SNS・通販サイト・動画プラットフォームがそれぞれ活用されるようになりました。特に若い世代は検索=Googleとは限らないという新常識が定着しつつあります。

こうした消費者行動の多様化は、「Googleで見つからない情報は他で探す」という合理的な適応と言えるでしょう。Google検索が公式情報中心になった副作用として、ユーザーは目的別に情報源を選ぶスキルを身につけ始めたのです。


中小企業・個人事業主は「脱Google依存」で情報発信を強化すべき


このような検索環境の変化に対応するため、日本の中小企業や個人事業主にとって重要なのはGoogleだけに集客を頼らない戦略です。従来はSEO(検索エンジン最適化)で自社サイトを上位表示させることが集客の王道でした。しかしこれまで説明してきたように、Googleのアルゴリズム変更によって小規模サイトは不利になりがちです。たとえ役立つ情報を発信していても、検索順位の変動一つでアクセス激減というリスクがあります。

実際に「ある日突然、検索からサイトが消えてしまいアクセスの大半を失った」という事例も多数報告されています。私はSEOコンサルタントですが、コンサルティング契約の動機の多くが検索順位変動によるサイトのアクセス減です。Googleに依存しすぎるとビジネス継続が危うくなる可能性があるのです。

そこで求められるのが情報発信チャネルの多様化(リスク分散)です。具体的には、Google検索経由の流入だけでなく:

1. SNSでの発信・コミュニティ形成


XやInstagram、Facebookなどで役立つ情報や顧客との交流を行い、直接ファンを増やす。
特にTwitterやInstagramは拡散力があり、共感を呼ぶ投稿をすれば自社サイトを経由せずとも商品・サービスの認知を広げられます。SNS上に濃い繋がりを作っておけば、検索順位に左右されない安定したファン基盤になります。

2. YouTubeやTikTokでの動画コンテンツ


商品の使い方紹介や専門知識の解説など、動画ならではの情報発信でユーザーの興味を引く。検索だけでなくYouTube内検索からの流入や、関連動画から自社を知ってもらうチャンスが生まれます。最近はTikTokやInstagramリールで短い動画情報を探す若者も多いため、そうしたプラットフォームで存在感を出すことも有効です。

3. Amazonや楽天への情報掲載・活用


自社商品がある場合、公式サイトだけでなくAmazonや楽天の商品ページを充実させる。詳しい説明や高品質な画像、丁寧なレビュー対応を行い、ECモール内検索で選ばれる工夫をする。ユーザーは最初からモールで検索するケースが多いので、そこをおろそかにしないことが重要です。

4. メールマガジンやLINE公式アカウント


一度接点を持った顧客には、メールやLINEで定期的に情報提供する仕組みを作ることで、プッシュ型で再来訪を促進できます。検索エンジンに頼らずとも自社から直接情報を届けられるチャネルを持つことで、Googleの影響に左右されにくくなります。

これら複数のプラットフォームを組み合わせれば、仮に「Googleからの集客が落ちても大丈夫」と言える状態に近づけます。重要なのは、自社の持つ情報をユーザーが求める場所・形態で提供することです。検索エンジン経由だけでなく、SNSや動画、EC、直接発信などマルチチャネル戦略をとることで、リーチできるユーザー層も広がります。

また、Google検索向けの施策自体も質が求められます。権威性・信頼性が重視される以上、自社サイトには専門家の監修を入れたり、実績や資格を明記したりして信頼性をアピールすることが欠かせません。

中小企業でも、自社の強み領域についてはオウンドメディアで専門的で正確な記事を出すなど、権威を高める工夫が必要です。それと並行して上記のような他チャネルも育て、「公式情報も発信しつつ、ユーザー目線の声も拾える企業」として存在感を高めていくことが求められます。


まとめ


2018年頃からのGoogle検索アルゴリズム変更により、「公式情報 vs 個人の声」という構図で検索結果が様変わりしました。Googleはフェイクニュース対策やユーザー保護の観点から権威ある情報源を優遇し、その結果として中小企業・個人発信の情報が埋もれやすくなっています。その一方で、ユーザーは知りたい内容に応じてSNS・動画・ECサイトを使い分けるようになり、検索行動は多元化しました。

こうした状況下で、中小企業や個人事業主が情報発信で成功するには「脱Google依存」の発想が不可欠です。Googleだけを頼みにせず、SNSでファンとの関係を築き、動画で魅力を伝え、ECでレビューを充実させ、直接アプローチできる仕組みを持つ。このように複数のプラットフォームを活用して発信・集客する戦略が今後ますます重要になるでしょう。

要は、ユーザーの行動変化を理解し、自社も対応を進化させることです。公式的な正確さと、ユーザー目線の親しみやすさの両面を備え、どの経路から調べても自社にたどり着けるような情報発信を心がけましょう。Google検索の上位に自分たちのサイトがなくても、別の場所でユーザーとしっかり出会える企業がこれからの時代に強いと言えます。検索環境の変化を逆手にとって、賢く発信チャネルを広げていき集客力の最大化を目指しましょう。

CMSとは? その基本から選び方までを詳しく解説

2025年01月12日

SEO(検索エンジン最適化)の効果を最大限に引き出すためには、数多くの施策を講じる必要があります。しかし、単にコンテンツを作成するだけではなく、ウェブサイト自体の作り方を見直すことも重要です。特に、サイト構造や管理の効率化を図るためには、CMS(コンテンツ管理システム)を導入することが非常に効果的です。今回は、CMSがどのようなツールであり、どのように活用することでSEOに効果的なサイト運営ができるのかを詳しく解説します。


CMSとは?


まず、CMSという言葉自体について理解しておきましょう。CMSは「Contents Management System(コンテンツ管理システム)」の略です。これは、ウェブサイト上のコンテンツ(テキストや画像、動画など)を効率的に管理・運営するためのシステムのことを指します。

具体的には、CMSを使うと、技術的な知識が少ない方でも、WordやExcelのように簡単な操作でウェブページを作成したり、既存のページを更新したりすることができるようになります。HTMLやCSSの知識がなくても、CMSを使えば、ほぼ直感的にサイトのコンテンツを管理できるのが最大の特徴です。


CMS導入のメリット


CMSを使うことで、ウェブサイトの運営がとても簡単で効率的になります。特に、以下のようなメリットがあります。

1. 時間と手間を大幅に減らせる


CMSは初心者にも使いやすいデザインになっており、直感的に操作できます。

簡単な操作でページを作成・更新できる


専門知識がなくても、文字を入力したり画像をアップロードするだけで、すぐに新しいページを作ったり、既存のページを更新できます。HTMLやCSSの知識がなくても大丈夫です。

何故なら、CMSは初心者でも直感的に操作できるように設計されており、複雑なコードを書く必要がないからです。CMSにはあらかじめ用意されたテンプレートがあり、これを選ぶだけでプロが作ったような美しいデザインのWebページを簡単に作成できます。また、編集画面はワープロソフトのような使いやすいインターフェースになっており、文字を入力したり画像をドラッグ&ドロップでアップロードするだけでページを作成・更新することができます。

さらに、CMSはユーザーの操作に基づいて必要なHTMLやCSSのコードを自動で生成する仕組みを備えています。そのため、専門知識がなくても、裏側の複雑な処理を気にすることなく、完成度の高いページを作成できるのです。作業内容はプレビュー機能でリアルタイムに確認できるため、修正も簡単に行えます。このように、CMSは誰でも手軽に使える便利なツールなのです。

2. 複数人で効率的にサイト運営ができる


CMSでは、複数のユーザーを登録することができます。

チームでの分担が簡単


例えば、誰かが記事を書き、別の人がその記事をチェックしたり公開したりする、といった役割分担が可能です。これにより、大きなプロジェクトでもスムーズに進行できます。私が管理する全日本SEO協会の公式サイトもCMSで作られていますが、ブログ記事の作成は私で、会員紹介ページや検定合格者ページの作成は東京のスタッフが行い、LPの作成などは外注している企業のデザイナーさんが行っておりチームとなってページを増やしており非常に便利だと感じています。

3. SEO対策が手軽にできる


SEO(検索エンジン最適化)は、サイトのアクセスを増やすために重要です。CMSなら簡単に対応できます。

便利なプラグインを活用できる


キーワードの最適化やサイトマップの自動作成、ページタイトルやメタデータの編集などが、初心者でも手軽に行えます。特に、WordPressのようなCMSには、多くのSEO用プラグインが用意されています。

SEOを成功させるためには、継続的なコンテンツ更新が必要不可欠です。検索エンジンは定期的に更新されているウェブサイトを評価し、上位表示させる傾向があります。そのため、SEO対策を本格的に行うためには、頻繁にコンテンツを追加・更新できる体制が必要です。

ここでCMSの強みが発揮されます。CMSを使うことで、誰でも簡単に新しいページを追加したり、既存のページを修正したりできるため、SEOに必要な作業を迅速に行えます。さらに、SEOに最適化されたページを作成しやすくするための機能(タイトルタグやメタディスクリプションの設定など)も多くのCMSには備わっています。


CMSの種類


CMSにはさまざまな種類があり、大きく分けて「インストール型」と「レンタル型(クラウド型)」に分類されます。

1. インストール型CMS


インストール型CMSは、Webサーバーにソフトウェアをインストールして使用するタイプのCMSです。もっとも代表的なものにWordPressやMovable Typeがあります。これらは、カスタマイズ性が高く、必要に応じて機能を追加したり、独自のデザインを取り入れたりすることができます。

WordPress


WordPressは世界中で圧倒的なシェアを誇るインストール型CMSです。ブログ用のシステムとして誕生しましたが、現在では企業サイトやECサイト、メディアサイトなどさまざまなウェブサイトで利用されています。
主な特徴としては以下の点が挙げられます。

・無料で利用可能:基本的に無料で使用できますが、有料のプラグインやテーマを追加することでさらに機能を拡張できます。
・カスタマイズ性の高さ:数多くのプラグインやテーマが用意されており、サイトの機能やデザインを自由にカスタマイズできます。
・SEO対策が簡単:SEOプラグインを利用すれば、SEOに最適な設定を簡単に施すことができるため、初心者でも効果的にSEO対策が可能です。
《参考サイト》 WordPress公式サイト

Movable Type(MT)


Movable TypeはかつてはWordPressと並んで人気があったCMSですが、現在ではWordPressの普及に押されてややシェアが減少しています。それでも、企業向けの高いサポートが特徴で、大規模なサイトやセキュリティを重視する企業などに選ばれています。

・有料のライセンス費用:Movable Typeは有料のソフトウェアですが、その分サポートが充実しており、技術的なトラブルにも迅速に対応してもらえるメリットがあります。
・セキュリティの高さ:WordPressに比べ、セキュリティが強固であると評価されています。特に、大企業や官公庁など、セキュリティが重要視されるサイトに導入されることが多いです。
《参考サイト》 Movable Type公式サイト

2. レンタル型(クラウド型)CMS


一方、レンタル型(クラウド型)CMSは、インターネット上で提供されるサービスを利用する形でウェブサイトを構築します。ソフトウェアをインストールする必要がなく、サーバーの管理やメンテナンスも不要です。

代表的なサービスには、WixやJimdoがあります。これらは特に技術的な知識が不要で、テンプレートを選んで簡単にウェブサイトを作成できるため、小規模なビジネスや個人ユーザーに人気があります。

Wix


Wixは非常に使いやすく、初心者向けのウェブサイト作成ツールとして人気です。ドラッグ&ドロップで簡単にデザインやレイアウトを変更でき、プロフェッショナルなデザインをすぐに実現できます。

・テンプレートが豊富:業種ごとに適したデザインテンプレートが用意されており、初心者でもプロ並みのウェブサイトを作成できます。
・無料プランあり:基本的な機能は無料で使用でき、さらに高度な機能が必要な場合は有料プランにアップグレードできます。
《参考サイト》 Wix公式サイト

Jimdo


Jimdoは、ドイツ発のCMSで、こちらも初心者向けに非常に簡単に使えるシステムです。日本でも多くのユーザーが利用しており、直感的に使える編集画面が特徴です。

・SEO機能も充実:Jimdoには、SEOに役立つ設定が標準装備されており、SEO対策を手軽に行うことができます。
・アプリ連携:モバイルアプリを使って、どこからでもウェブサイトを編集できるのも魅力です。
《参考サイト》 Jimdo公式サイト


CMSを選ぶ際のポイント


初心者の方がCMS(コンテンツ管理システム)を選ぶときに大切なポイントには次のようなものがあります。

1. 予算と目的をはっきりさせる


まずは、どれくらいのお金を使えるかと、どんな目的でサイトを作るのかを考えましょう。

無料で使いたい場合


初期費用をかけずに始めたいなら、「WordPress(無料プランあり)」や「Wix」がおすすめです。これらは基本機能が無料で使えます。

有料でも安心を求める場合


サポートがしっかりしているものや、より多機能なサービスが必要なら、有料プランがあるCMSを検討すると良いでしょう。

2. カスタマイズのしやすさ


次に、自分がどれくらいサイトを自由にデザインしたり、機能を追加したいかを考えます。

細かくカスタマイズしたい場合


自分のビジネスに合わせたデザインや機能を作りたいなら、「WordPress」や「Movable Type」など、自分でインストールするタイプのCMSがおすすめです。これらは多くの設定が自由に変更できます。

簡単に始めたい場合


デザインや機能のカスタマイズがあまり必要ない場合や、すぐに使い始めたい場合は、「Wix」や「Jimdo」のような、簡単に使えるCMSが便利です。登録後すぐに使え、操作も直感的です。

3. 将来の拡張性を考える


サイトを成長させたい場合、後から機能を追加したり、デザインを変更できるかどうかも大切です。

例えば、商品の数が増えたり、新しいページを追加する可能性がある場合は、「WordPress」のようにプラグイン(追加機能)が豊富なCMSを選ぶと安心です。これにより、必要な機能を後から簡単に追加できます。

CMSを選ぶときは、「予算」「使いやすさ」「将来性」の3つを意識しましょう。初心者の方には、無料でも多機能な「WordPress」や、簡単に使える「Wix」などが人気です。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選んでみてください。


まとめ


CMSを導入することで、ウェブサイト運営は格段に簡単かつ効率的になります。特に、専門知識がなくても直感的に操作できる仕組みが整っているため、初心者の方でも気軽に始められるのが最大の魅力です。これまでHTMLやCSSの知識が必要だった作業も、簡単な操作で短時間に完了させることができるので、日々の運営がスムーズになります。

さらに、CMSはSEO対策の強い味方でもあります。SEOに必要な設定や管理を簡単に行える機能が充実しており、検索エンジンでの順位を上げるための基礎をしっかり整えることができます。例えば、キーワードの最適化やメタデータの編集、サイトマップの自動生成など、初心者にはハードルが高い作業もCMSならスムーズに行えます。

これからウェブサイトを立ち上げたい人や、既存のサイト運営をもっと効率化したいと考えている人にとって、CMSはまさに頼りになるツールです。手軽さと拡張性を兼ね備えたCMSを使うことで、時間と労力を大幅に削減しながら、より多くの人にリーチできるウェブサイトを運営することができるでしょう。

Webコンサルティングとは?初心者でもわかる基礎知識と活用法

2025年01月09日

私は2003年からSEOを軸にWebコンサルティングをしてきました。現在、Webコンサルティングの需要は高まっていますが、「そもそもWebコンサルティングって何をするの?」と思っている方も多いかもしれません。この記事では、初心者の方にもわかりやすくWebコンサルティングの概要、実施内容、そして適切なコンサルタントの選び方を解説します。


Webコンサルティングとは?


Webコンサルティングとは、ウェブサイトを活用して企業の成長をサポートするサービスです。企業の目標や課題に合わせて、集客支援やサイト改善などの施策を提案し、実行を支援します。大きく分けて以下の2つの視点があります:

経営視点


→ 事業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援
「経営視点」とは、会社全体をデジタル化して効率を上げたり、新しいビジネスチャンスを見つけるためのサポートをすることです。たとえば、紙で行っていた業務をデジタル化するだけでなく、データを活用して経営戦略を立てたり、社員の働き方をより効率的にする仕組みを導入します。

具体的には:
・業務の効率化:手作業で行っていた仕事を自動化するためのツールを導入する(例:会計ソフトやタスク管理ツールの活用)。
・データ活用:売上データや顧客データを分析して、今後の戦略を立てる材料にする。
・新しい価値の創出:オンライン販売を始めたり、新しいサービスをWeb上で展開する方法を提案。

「経営視点」のサポートは、単なるウェブサイトの改善に留まらず、会社全体の成長を目指した広い視点で行われます。

マーケティング視点


→ 集客やリード獲得、コンバージョン改善を中心にサポート
「マーケティング視点」とは、インターネットを活用してお客様を増やしたり、商品やサービスを買ってもらう仕組みを作るお手伝いをすることです。この視点では、主にウェブサイトや広告を使って「お客様を引き寄せる工夫」を行います。

具体的には:
・集客:検索エンジン(Googleなど)で見つけてもらいやすくするためにSEO対策を行ったり、SNSや広告を活用してアクセスを増やします。
・リード獲得:興味を持ったお客様から問い合わせをもらう仕組みを作ります(例:資料請求やメルマガ登録フォームの設置)。
・コンバージョン改善:商品の購入やサービスの契約につながるよう、ウェブサイトのデザインや使い勝手を改善します(例:ボタンを見やすくする、フォームを簡単にする)。

このように、「マーケティング視点」のサポートでは、より多くの人に興味を持ってもらい、最終的に商品やサービスを利用してもらう仕組みを構築します。

どちらの視点も、目的に応じて適切な施策を組み合わせることで、Webを活用したビジネスの成功につながります。初心者の方も、この2つの視点を意識することで、自分のビジネスに合ったWeb活用の方法を考えるヒントにしてください。


主な施策内容


Webコンサルティングでは、以下のような施策がよく行われます:

1. 現状分析と課題発見


現状分析と課題発見は、ウェブサイトを改善するための最初のステップです。まずは今の状況を正しく把握し、どこに問題があるのかを見つけ出します。

・ユーザー行動のデータ分析
ウェブサイトに訪れた人が、どのページをどれくらい見ているのか、どんな操作をしているのかをデータで確認します。たとえば、Googleアナリティクスなどのツールを使い、「どのページでお客様が離脱しているか」「どのリンクがクリックされていないか」といった情報を調べます。これにより、何がうまくいっていて、何が改善が必要かがわかります。

・サイトの壊れている箇所や改善点の特定
サイトに問題があると、せっかく訪問したお客様がすぐに帰ってしまう原因になります。たとえば:
@ 画像が正しく表示されていない
A リンクがクリックしてもエラーになる
B 情報が古くて分かりにくい
こうした問題点を探し出し、直す箇所をリストアップします。

2. 戦略立案と実行


問題が見つかったら、解決するための戦略を立て、それを実行に移します。

・SEO対策、サイト構造の見直し
SEO対策とは、検索エンジンで自分のサイトが見つけてもらいやすくするための工夫です。

たとえば:
@ ページに検索キーワードを自然に取り入れる
A サイト内のリンクを整理して、訪問者が情報を見つけやすくする
また、カテゴリやメニューの構造を見直して、お客様が迷わずに必要な情報にたどり着けるようにします。

・広告運用やフォーム改善
必要に応じて、オンライン広告を使い、もっと多くの人にサイトを訪問してもらう工夫をします。さらに、問い合わせフォームをシンプルで使いやすくすることで、お客様が気軽に連絡できるように改善します。

たとえば:
@ 入力項目を減らして簡単にする
A フォームデザインをわかりやすくする

3. PDCAサイクルの継続実行


ウェブサイトの改善は一度きりでは終わりません。効果を見ながら、さらに良くしていくためのサイクルを回し続けることが大切です。

・継続的なデータ分析と施策の調整
一度実施した施策が本当に効果を発揮しているかを確認するため、再びデータを分析します。たとえば:
@ アクセス数が増えたか?
A お問い合わせや購入が増えたか?

これを基に、さらに改善が必要な箇所を見つけ、新しい施策を試します。この繰り返しを「PDCAサイクル」と呼びます(Plan=計画、Do=実行、Check=確認、Action=改善)。

ウェブサイトを成功させるためには、現状を正確に把握し、問題を解決しながら継続的に改善していくことが欠かせません。これらのステップを一つ一つ丁寧に行うことで、訪問者にとって使いやすい、そして成果の出るウェブサイトに近づけることができます。

これらを通じて、ウェブサイトのアクセス数やコンバージョン率を向上させ、企業の収益拡大を目指します。

Webコンサルタントの選び方


適切なWebコンサルタントを選ぶことが成功の鍵です。以下のポイントを参考にしてください:

1. 実績を確認する


Webコンサルタントを選ぶときは、これまでの実績を確認することが重要です。どれだけの経験があり、どのような成果を出してきたかを見ることで、信頼できるかどうかが判断できます。

・直近1年間で複数の企業に実績があるか?
実績が豊富なコンサルタントは、最新のWebトレンドや技術を理解しています。特に直近1年間で複数の企業に対して成果を出した実績があれば、そのコンサルタントが現代の市場に適応していることが分かります。

具体的には:
@ どのような課題を解決したのか
A どれくらいの成果(アクセス数増加や売上向上など)を上げたのか
B これらの情報を問い合わせて確認しましょう。

・クライアントの業界特性を理解しているか?
コンサルタントが自分の業界に詳しいかどうかも重要です。例えば、飲食店向けの施策とIT企業向けの施策では必要なスキルや知識が異なります。自分のビジネスに関連した業界で成功経験があるかを確認し、その実績が自社の課題解決に役立つかどうかを判断しましょう。

2. 信頼できる担当者か?


コンサルタントのスキルだけでなく、人として信頼できるかも大切なポイントです。お互いにコミュニケーションを取りながら進めるため、担当者の姿勢や対応が鍵となります。

・ビジネス成長に関心を持っているか?
コンサルタントが自分のビジネスをどれだけ理解し、成長に関心を持ってくれるかは非常に重要です。たとえば、ヒアリングの際に細かい質問をしてくれる担当者は、あなたのビジネスに真剣に向き合っている証拠です。「単に契約を取りたいだけなのか、それとも本当に成果を上げたいと思っているのか?」を見極めましょう。

・コミュニケーションが円滑かどうかも重要
言いたいことを遠慮なく相談でき、相手の説明も分かりやすいかを確認してください。コミュニケーションがうまくいかないと、施策の方向性にズレが生じる可能性があります。初回の打ち合わせやメールのやり取りを通じて、信頼感が持てるかどうかをチェックしましょう。

3. 費用対効果を考慮する


Webコンサルティングには費用がかかるため、どれだけの成果が期待できるかを事前に考える必要があります。

・フリーランスなら月額20〜30万円程度
個人で活動しているフリーランスのWebコンサルタントは、比較的費用が抑えられることが多いです。特に小規模なプロジェクトやスタートアップ企業の場合、フリーランスがコスト面で有利です。ただし、スキルや対応範囲に差があるため、過去の実績をしっかり確認してください。

・コンサル会社ならさらに高額になるケースもある
大規模な企業や複雑なプロジェクトの場合、コンサル会社を選ぶほうが安心です。ただし、費用はフリーランスよりも高額になり、月額50万円以上の場合もあります。
「自社の規模や課題に対して、どちらが適しているか?」を検討する際には、費用に見合った成果が得られるかを慎重に判断しましょう。

Webコンサルタントを選ぶ際には、実績・信頼性・費用対効果をしっかり確認することが大切です。初心者の方でも、上記のポイントを基準に選べば、成果を出せるコンサルタントと出会える可能性が高まります。焦らず慎重に選び、自社に合ったパートナーを見つけましょう!


導入のメリット・デメリット


Webコンサルティングを導入することで得られる良い点(メリット)と注意すべき点(デメリット)には次のようなものがあります。

《メリット》

1. 専門的なノウハウを獲得できる


Webコンサルタントは、専門的な知識と経験を持ったプロです。SEO、広告運用、コンバージョン改善など、ウェブサイトで成果を出すための具体的な方法を知っています。

初心者にとっての利点:
自分で試行錯誤するよりも効率的で、短期間で結果を出すことが期待できます。たとえば:
・検索エンジンで上位に表示されるための具体的な手法(SEO対策)
・広告を運用して適切なお客様を集める方法
・サイトを見た人が問い合わせや購入に至る仕組み作り

これらをプロがアドバイスしてくれるので、初心者でもスムーズに進められます。

2. 最新のWeb情報を常に活用可能


Webの世界は非常に変化が速く、新しい技術やトレンドが次々と登場します。コンサルタントは常に最新の情報をキャッチアップしているため、自分では知らなかった新しい方法やツールを活用できます。

初心者にとっての利点:
「何が今のトレンドなのか?」を知らなくても、プロがそれを教えてくれるので安心です。

たとえば:
・新しいSEOのアルゴリズム変更に対応する方法
・効率的なSNS活用や広告キャンペーンの最新トレンド
これらを取り入れることで、競合よりも有利にビジネスを進められます。

《デメリット》

1. 内製化が進みにくい


コンサルタントに頼りすぎると、社内でノウハウを蓄積できなくなる可能性があります。つまり、コンサルタントがいなくなったときに、自分たちだけではうまく運用できない状態になるリスクがあるということです。

初心者が注意すべき点:
コンサルタントに丸投げするのではなく、アドバイスをもらいながら社内でも学ぶ姿勢が必要です。たとえば:
・提案された施策を理解し、実行するプロセスを学ぶ
・社員が少しずつ専門知識を吸収する

これにより、コンサルタントに依存せず、自分たちでも運用を続けられる体制が整います。

2. 適切なコンサルタント選びに時間がかかる


信頼できるコンサルタントを見つけるには時間と手間がかかります。経験が少ないコンサルタントや自社に合わない提案をするコンサルタントを選んでしまうと、期待した成果が得られない可能性があります。

初心者が注意すべき点:
選ぶ際には、以下のポイントをチェックすることが大切です:
・実績が豊富で、あなたの業界や課題に合った経験があるか?
・料金体系が明確で、予算に合っているか?
・初回の打ち合わせや質問への対応が丁寧か?

これらを事前に確認することで、信頼できるコンサルタントに出会える可能性が高まります。

Webコンサルティングを導入することで、専門的な知識を活用し、最新のトレンドに対応できるという大きなメリットがあります。しかし、ノウハウを社内に蓄積する努力や、コンサルタント選びに慎重になることが重要です。これらを意識しながら進めれば、Webコンサルティングを最大限に活用できるようになります。


まとめ


私は2003年からWebコンサルティングに携わってきました。その中で、Webの世界は常に進化し続けており、特に近年ではその複雑さが増していると感じています。単に検索エンジンで上位に表示されるためのSEO対策を行うだけでなく、会社の全体的な戦略や経営の方向性を考慮した広い視野でのアプローチが、これからのWebコンサルティングには必要不可欠です。

Webコンサルティングは、初心者の方にとっても心強い味方です。プロの知識を活用することで、時間や労力を大幅に節約でき、結果を早く出せる可能性が高まります。
特に今の時代、Webはあらゆる業界で重要な役割を果たしています。初心者の方も最初は小さな改善から始め、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることで、確実にステップアップしていくことができます。
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