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AI活用とAEO・AIO

AIモードがSEOに与える影響 - 順位を追いかけてきた人ほど知っておくべき検索体験の変化

2026年02月10日

ここ最近、私のもとには次のような質問が増えています。
「AIモードが始まったと聞いたのですが、SEOはもう意味がないのでしょうか?」
「AIモードが出ると、検索順位はどうなるのですか?」
「AIによる概要と何が違うのか、正直よくわかりません」

こうした不安を抱く方が増えているのは、無理もありません。なぜなら GoogleのAIモードは、これまでの「検索」とは性質がまったく違うからです。本記事では、感覚論や噂話ではなく、米国の信頼できるデータに基づいて、AIモードがSEOに与える影響を解説します。


AIモードとは何か?


「検索結果」ではなく「相談相手」に近い存在。AIモードを理解するうえで重要なのは、「検索結果を表示する機能」だと思わないことです。

Google自身は、AIモードを次のような位置づけで説明しています。
・複数回の検索をまとめて処理する
・推論と計画を支援する
・ユーザーの意思決定を助けるための対話型体験

つまりAIモードは、
「どのページが1位か」を探す場ではなく、
「どう考えればよいか」を整理する場なのです。



この時点で、従来のSEOが前提としてきた構造とズレが生じています。


なぜAIモードはSEOに大きな影響を与えるのか


従来のSEOは、極端に言えば次の流れで成り立っていました。
1. ユーザーがキーワードで検索
2. 検索結果にページが表示
3. 上位にあればクリックされる
4. サイトに流入が生まれる

しかしAIモードでは、この流れが途中で断ち切られます。

検索 → クリック → 流入 という導線そのものが、前提ではなくなるのです。では、それは単なる仮説なのでしょうか。いいえ。すでに「実データ」が出始めています。


AIモードを実データで分析した、ほぼ唯一のレポート


現時点で、ータで分析している公開レポートは、実質的に一つしかありません。それが、Semrush による調査です。Semrushは、世界中のSEO担当者が利用する分析ツール企業であり、クリックストリーム(実際の検索行動データ)を扱える数少ない存在です。


Semrushレポートが示した、AIモードの現実


Semrushのレポートは、「AIモードがどのように使われ、どんな行動が起きているのか」を推測ではなく行動データで示しています。
・対象:米国デスクトップ検索
・調査期間:2025年5月1日〜7月5日
・検索セッション数:約6,900万

この規模のデータでAIモードを切り出して分析している点が、非常に重要です。


AIモードの利用率は「まだ少ない」が、本質はそこではない


Semrushのデータによると、AIモードの利用率は全体から見れば、まだ数%未満です。しかし、注目すべきは 増加スピード です。

・AIモード利用セッション比率
約0.25% → 1%超(短期間で約4倍)

これは、「流行っていない」ことを意味しません。むしろ、新しい検索行動が、すでに一定数のユーザーで定着し始めているというサインです。

SEOにおいて本当に怖いのは、「一部のユーザーが、すでに別の行動を取り始めている」状態です。


AIモードのクエリは、もはや「キーワード」ではない


Semrushの分析で、もう一つ重要な点があります。それは 検索文の長さ です。
・通常検索:平均 約4語
・AIモード:平均 約7.2語

これは偶然ではありません。AIモードでは、ユーザーは「単語」ではなく「相談文」を入力します。

例を挙げると、
・×「SEO AI 影響」
・○「AIモードが始まると、これまでのSEO対策はどう変わるのか知りたい」

この変化は、キーワード最適化を前提にしたSEO設計に大きな問いを投げかけています。


SEOに最も衝撃的なデータ:ゼロクリック率


そして、Semrushレポートの中でSEO担当者が最も直視すべき数字があります。それが外部サイトへのクリック率です。

AIモードの検索セッションにおいて、
・外部サイトがクリックされる割合:6〜8%
・92〜94%は、AIモード内で完結

つまり、AIモードは「検索結果ページ」ですらないということです。検索しても、Webサイトに行かずに意思決定が進んでしまう。これは、「順位が下がる」というレベルの話ではありません。


それでもSEOは終わらない。その理由


ここまで読むと、「もうSEOは意味がないのでは」と感じる方もいるでしょう。しかし、私はそうは考えていません。なぜなら、AIモードは「何もないところから答えを作っているわけではない」 からです。

AIは、
・信頼できる情報源
・整理された知識
・文脈のある説明

をもとに、回答を組み立てています。つまり、AIモードの裏側には、必ずWeb上のコンテンツが存在するのです。


AIモードには「順位」という概念が存在しない


まず理解しておくべきなのは、AIモードの画面には、順位が存在しない という点です。

従来の検索では、
・1位
・2位
・3位

という序列がありました。そのためSEOは、「いかに順位を上げるか」という競争になっていました。

しかしAIモードでは、
・ページ一覧がない
・上位・下位の区別がない
・ユーザーは「比較」をしない

つまり、順位というKPI(=物事がどの位置にあるかを数字で示す指標)そのものが意味を失うという状況が生まれています。これは、SEOが終わることを意味しているのではありません。SEOの目的が変わるということです。



AIモードにおける本当の競争軸は「AIに採用されるかどうか」


AIモードで起きている競争は、順位争いではありません。それは、AIが「回答を組み立てる際に、その情報を使うかどうか」という競争です。

言い換えれば、
・読まれるかどうか
・クリックされるかどうか

ではなく、
・参照されるか
・前提情報として使われるか

が問われています。ここで重要なのは、AIは 情報の正確さ・文脈・網羅性・一貫性 を重視するという点です。


なぜAIモードは「強いサイト」を必要とするのか


AIモードは、単純な質問応答ツールではありません。Google自身が説明しているように、AIモードは
・複数の検索を束ね
・推論し
・行動計画を組み立てる

ための仕組みです。

このときAIが困るのは、
・情報が断片的
・立場が不明確
・信頼性が判断できない

といったコンテンツです。

だからこそAIは、
・専門性が明確
・テーマが一貫している
・継続的に情報を発信している

「理解しやすいサイト」を必要とします。



これは、従来のSEOで言われてきたE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)と、本質的に同じ方向を向いています。


AIモードは「まとめサイト」より「専門家」を好む


AIモードの構造を考えると、今後さらに厳しくなるのが次のタイプのサイトです。
・表面的な情報を寄せ集めただけのまとめ
・出典や立場が不明確な記事
・何を専門にしているのかわからないサイト

なぜならAIにとって、それらは推論の材料として使いにくいからです。

一方で、評価されやすいのは、
・特定分野に特化している
・なぜそう言えるのかを説明している
・過去の記事とも整合性が取れている

こうした「思想のあるサイト」です。


AIモード時代にやるべきSEOの方向性


ここからは、私が考えるAIモード時代のSEOの実践的な方向性を整理します。

@ キーワードを狙うより「問い」を想定する


AIモードでは、
・「◯◯ 比較」
・「◯◯ おすすめ」

といった短い検索語よりも、
・なぜそれを選ぶのか
・どういう条件で判断すべきか

といった 思考プロセス が入力されます。

したがって、
・キーワードを並べる記事
・検索語を無理に散りばめた文章

よりも、読者の悩みを一段深く掘り下げた記事が、AIにとって使いやすくなります。

A 単発記事ではなく「文脈のある集合体」を作る


AIは、単体の記事よりも、
・サイト全体で何を語っているか
・どんな立場で発信しているか

を見ています。

そのため、
・記事を量産する
・トレンドだけを追う

よりも、一貫したテーマで積み上げた記事群が重要になります。

これは、ピラーページや専門特化型ブログの価値が再評価されることを意味します。

B 「説明できるかどうか」を基準に書く


AIモードは、ユーザーに代わって「考える」存在です。だからこそ、
・結論だけ書いてある
・理由が省略されている
・前提が共有されていない

記事は、AIにとって扱いにくい。これからのSEOでは、なぜそう言えるのかを、丁寧に説明しているかが、これまで以上に重要になります。


「SEOは終わった」のではない


AIモードの登場によって、
・順位が下がる
・CTRが落ちる
・アクセスが減る

という現象は、今後も起きるでしょう。しかし、それはSEOが無意味になったことを示しているのではありません。

むしろ、AIに理解され、信頼される情報を作れるかという、より本質的な競争に移行したのです。


まとめ


これまでSEOに真剣に取り組んできた方ほど、AIモードに不安を感じているかもしれません。しかし私は、こうした方々こそが、AIモード時代に最も強い立場にあると考えています。なぜなら、
・検索意図を考え
・読者に向き合い
・情報の質を高めてきた

その積み重ねは、AIにとって最も価値のある土台だからです。順位を追いかけるSEOの時代は、確かに終わりに近づいています。しかし、「検索されるに値する情報を作る」というSEOの本質は、これからも変わりません。AIモードは、その本質をよりはっきりと私たちに突きつけているだけなのではないでしょうか。

AIモードとGeminiは何が違うのか? - 同じ質問を入れて比べてみると、答えの出方がまったく違った

2026年02月09日

最近、SEOやWeb集客を学び始めた人たちから、「AIモードとGeminiって、何が違うんですか?」と聞かれることが増えました。

この質問が増えている理由は、とても分かりやすいと思います。Googleで検索をすると、AIが文章で答えてくれる場面が増え、同時に「Gemini」という名前のAIも頻繁に目にするようになったからです。どちらもGoogleのAIで、どちらも自然な文章で答えてくれる。そのため、多くの方が「名前が違うだけで、やっていることは同じなのでは?」と感じてしまいます。

しかし、SEOやWeb集客という視点で見ると、この2つを同じものとして扱うのは、かなり危険です。なぜなら AIモードとGeminiは、役割も、立っている場所も、そしてWebサイトとの関係性もまったく違う存在だからです。今回は、専門用語をなるべく使わずに、まずAIモードとGeminiの基本的な違いを整理し、そのうえで「同じ質問を入れたとき、なぜ答えが変わるのか」という点を解説します。


AIモードとGeminiは「どこで使われるAIか」が違う


最初に理解しておいてほしいのは、AIモードとGeminiの違いは「賢さ」や「性能」の違いではない、という点です。どちらもGoogleが開発している高度なAIであり、どちらが優れているか、という話ではありません。

決定的に違うのは、どこで使われ、何を目的としているAIなのかという点です。AIモードは、Google検索の中で使われるAIです。検索結果の一覧をそのまま見せるのではなく、検索結果に含まれる情報をAIが読み取り、整理し、要点をまとめたうえで答えを提示します。つまり、検索という行為そのものを、より分かりやすく、より効率的にするための仕組みです。

一方、Geminiは検索専用のAIではありません。Geminiは、GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートなど、Googleのさまざまなサービスに組み込まれ、人の作業や思考を助けるためのAIです。文章を書いたり、要約したり、アイデアを整理したりと、「人が何かを進めるための相棒」のような立ち位置にあります。



この違いは、Google自身が公式に説明しています。Googleは、AIモードを「検索体験の進化形」と位置づけ、Geminiについては「ユニバーサルAIアシスタント」、つまり検索に限らず、あらゆる場面で人を支援する存在として説明しています。


「検索の場」と「相談・作業の場」という決定的な違い


AIモードとGeminiの違いを、もう少し感覚的に言い換えると、「検索の場にいるAIか」「相談や作業の場にいるAIか」という違いになります。

AIモードが使われる場面を思い浮かべてください。ユーザーは何かを調べたくて検索しています。複数の情報を比較し、正しそうな情報を見つけ、判断したいと考えています。そのため、AIモードは「判断に必要な材料」を整理して提示することを重視します。

一方でGeminiは、ユーザーの隣に座っているアシスタントのような存在です。ユーザーが何に困っているのか、何をしたいのかを探りながら、会話を続け、作業を前に進めようとします。そのため、答えは長くなりやすく、説明も丁寧になり、場合によっては質問を返してくることもあります。この前提の違いが、同じ質問をしても、答え方が変わる理由です。


同じ質問@「池袋で歯科医院を選ぶときのポイントを知りたい」


この質問をAIモードに入力した場合、検索体験としての答えが返ってきやすくなります。例えば、立地や診療内容、費用の考え方、口コミの見方など、「選ぶときに見るべきポイント」が整理され、それぞれについて簡潔な説明が加えられます。

AIモードは検索結果をもとに答えを組み立てるため、実際にWeb上に存在する情報を参照しながら説明する傾向があります。その結果、「どんな点をチェックすればよいか」が一目で分かり、さらに「次はここを調べるとよい」という流れが自然に生まれます。

一方で、同じ質問をGeminiに入力すると、雰囲気は少し変わります。いきなりポイントを並べるのではなく、「どんな治療を考えていますか」「通いやすさを重視しますか」といった質問が返ってくることがあります。これはGeminiが、一般論を並べるよりも「あなたに合った答え」を出そうとするためです。会話が進むにつれて説明は丁寧になり、文章量も多くなります。検索結果を整理するというより、「相談に乗る」感覚に近づいていきます。


同じ質問A「遮熱塗料って、本当に効果があるの?」


AIモードでは、この質問に対して、遮熱塗料の効果が出やすい条件、期待できる点、注意点といった情報が整理されやすくなります。実験データやメーカー情報、専門サイトの内容など、Web上の情報を土台に、冷静に判断できる形で説明されるのが特徴です。

一方でGeminiでは、「結局どうなのか」という結論を分かりやすく文章で説明する傾向が強くなります。条件を仮定したうえで話を進めるため、読み物としては理解しやすい一方、検索結果の出典が前面に出ない場合もあります。ここでも、どちらが良い悪いではなく、「役割が違う」ことがはっきり見えてきます。


AIモードはSEOにどんな変化をもたらしているのか


ここから、SEOという視点で非常に重要な話に入ります。AIモードは、検索の中で答えを整理し、その場で完結させやすい仕組みです。その結果、ユーザーがWebページをクリックせずに満足してしまうケースが増えています。

実際に、Semrushが米国で行った調査では、AIモード利用時の検索のうち、9割以上が外部サイトにクリックせずに完結しているというデータが示されています。これは「順位が下がった」という話ではなく、「検索の役割そのものが変わり始めている」ことを意味します。


同じ質問B「不用品回収業者を選ぶときに注意すべき点を知りたい」


このような質問は、実際の検索でも非常によく見かけます。では、これをAIモードとGeminiに入れると、どう違ってくるのでしょうか。

AIモードの場合、検索結果を土台にして、「業者選びでよくある失敗」「確認すべきポイント」「料金トラブルを防ぐ考え方」といった観点が整理されて提示されやすくなります。その際、「なぜその点が重要なのか」という理由も簡潔に添えられ、判断材料として使いやすい形になります。また、AIモードは検索の文脈にいるため、Web上に存在する情報を引用しやすく、説明の中に「公式サイトで確認すべき点」や「事例としてよく挙げられるケース」といった形で、情報源の存在を意識した書き方になります。

一方でGeminiでは、少し違った流れになります。最初から一般的な注意点を並べるのではなく、「どんな不用品を処分したいのか」「急ぎなのか」「費用を重視するのか」といった質問を返してくることがあります。Geminiは、一般論よりも「あなたに合った判断」を重視するため、会話を通じて条件を絞り込もうとします。その結果、説明は長くなり、読み物としては分かりやすい一方で、検索結果としての整理感はやや薄くなります。


同じ質問C「ホームページ制作を外注するとき、失敗しないためには?」


この質問でも違いははっきりします。AIモードでは、検索結果をもとに、「よくある失敗例」「事前に確認すべき契約内容」「制作会社を見極める視点」といった形で情報が整理されやすくなります。特に、「初心者がつまずきやすいポイント」を中心に構成されるため、検索している人が「なるほど、ここに注意すればいいのか」と理解しやすい答えになります。

Geminiの場合は、「なぜ外注しようと思ったのか」「自分でやろうとした場合、何が不安なのか」といった点に踏み込みながら、考え方を一緒に整理する方向に進みます。
制作会社選びというよりも、「あなたの状況整理」に重心が置かれるイメージです。この違いを見て、「AIモードは冷静」「Geminiは親切」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、これは優劣ではなく、役割分担です。


この違いを理解しないと、SEOの評価軸を見誤る


ここからが、SEO担当者にとって最も重要な話です。AIモードは検索体験の中にあり、検索結果をAIが再構成する存在です。つまり、AIモードにおいては、Webページは「クリックされる対象」である前に、「AIに読み取られ、判断材料として使われる情報」になります。

この点を理解しないままSEOを続けると、「順位はそこそこなのに、アクセスが増えない」「記事を書いても手応えがない」といった状態に陥りやすくなります。実際に、米国の調査では、AIモードが使われた検索のうち、外部サイトがクリックされる割合はごく一部にとどまり、9割以上が検索画面内で完結していることが示されています。これは、検索順位の問題ではなく、検索行動そのものが変わり始めている証拠です。


AIモード時代の検索エンジン最適化は「読まれる」より「使われる」


これまでのSEOでは、「検索順位を上げる」「クリックを増やす」という考え方が中心でした。しかしAIモードの登場によって、もう一つの視点が重要になってきています。
それが、「AIに使われる情報になっているか」という視点です。

AIモードは、検索結果に含まれる情報を材料にして答えを作ります。そのため、文章が分かりやすく、話題が一貫していること。初心者が疑問に思いそうな点を、先回りして説明していること。なぜそう言えるのか、理由や背景が書かれているページは、AIにとって扱いやすくなります。

逆に、表面的な情報だけを並べた記事や、結論だけを書いて理由が省略されている記事は、AIにとっては判断材料として使いにくくなります。ここで重要なのは、「AIに好かれるために書く」という発想ではありません。もともと人にとって分かりやすい記事が、結果的にAIにも使われやすくなるという点です。


Geminiが示している、もう一つの変化


Geminiは検索の外でも使われるAIです。Gmailやドキュメントの中で、文章を要約したり、下書きを作ったり、考えを整理したりする場面が急速に増えています。Googleの公式発表では、Geminiによる支援は月に20億回規模に達しているとされています。これは、ユーザーが検索結果を見る前、あるいは検索をしないまま、AIとやり取りを終える場面が増えていることを意味します。



SEO担当者の立場で考えると、これは「検索からの流入」だけを成果指標にする時代が、少しずつ終わりに近づいていることを示しています。情報がどこで、どのように参照され、理解されているのか。その全体像を考える必要が出てきています。


これからSEO初心者が意識すべきこと


AIモードとGeminiの違いを理解したうえで、SEO初心者の方に意識してほしいポイントは、とてもシンプルです。

まず、「キーワードを詰め込む」ことよりも、「疑問にきちんと答える」ことを重視すること。
検索する人が「なぜそれを知りたいのか」「どこで迷いそうか」を想像しながら文章を書くこと。
そして、結論だけで終わらせず、「なぜそう言えるのか」を丁寧に書くこと。

これは人にとっても、AIにとっても理解しやすい記事になります。



まとめ:AIモードとGeminiの違いが示す、SEOのこれから


AIモードは、検索体験を進化させるためのAIです。検索結果を整理し、比較し、判断しやすい形で提示します。Geminiは、人の作業や思考を前に進めるためのAIです。相談に乗り、文章を作り、考えを整理します。

同じ質問を入れても、AIモードは「検索として役立つ答え」を返し、Geminiは「相談として役立つ答え」を返します。

この違いを理解すると、AIモードがSEOに与える影響も見えてきます。これからのSEOでは、順位やクリックだけでなく、「AIに判断材料として使われる情報になっているか」という視点が欠かせません。検索の形が変わっても、「分かりやすく、誠実に答える」という本質は変わりません。AIモードの時代は、その本質がよりはっきりと問われる時代なのだと、私は考えています。

「動物病院 練馬区」はAIモードで「病院一覧」ではなく「飼い主の判断を助ける医療マップ」として提示されている

2026年02月06日

最近、ペットを飼っている人から、次のような話を耳にしました。「地元で動物病院を探すとき、以前は「練馬区 動物病院 おすすめ」で検索していたけれど、最近はAIモードに『練馬区で、夜間も含めて安心できる動物病院は?』と聞いてから判断している」。

これは偶然ではありません。理由は明確で、AIモード検索は「病院の名前を探す行為」ではなく、「飼い主がどう行動すべきかを整理する行為」に変化しているからです。

従来の検索では、
・練馬区 動物病院
・練馬 動物病院 評判

といったキーワードに対し、病院一覧や口コミサイトが表示されていました。

しかしAIモードでは、
・日常的に通う病院なのか
・夜間の緊急対応が必要なのか
・専門治療が必要なケースなのか

といった「受診シーンの切り分け」が、回答の中心になります。

今回は、実際にAIモードで提示された「動物病院 練馬区」 の回答内容をもとに、
・AIはどんな軸で動物病院を分類しているのか
・なぜこの病院が「取り上げられやすいポジション」にあるのか
・練馬区の動物病院がAI検索時代に選ばれるために必要な視点

を、SEOとAIO(AI最適化)の観点から詳しく解説します。


まずは全体像を見る:AIモードで提示された回答の構造


AIモードでは「動物病院 練馬区」というクエリに対し、次のように診療の役割別で病院が整理されました。

《練馬区の動物病院(AIモード的な分類例)》
■ かかりつけ・一般診療を担う動物病院
・練馬高野台動物病院:駅から近く、土日祝も診療対応。予防医療を含めた日常的な通院先として認識されている

■ かかりつけ・地域密着型の動物病院
・江古田動物病院:丁寧な説明とインフォームドコンセントを重視し、飼い主との対話を大切にしている

■ かかりつけ+外科対応が可能な動物病院
・大泉動物病院:地域密着型で外科治療にも対応。駐車場があり通院しやすい点も特徴

■ 夜間救急を専門とする動物医療施設
・TRVA夜間救急動物医療センター:夜間救急に特化し、二次診療を担う専門医療機関として位置づけられている

■ 高度・専門医療を提供する動物医療センター
・日本動物医療センター:MRIなどの高度医療設備を備え、紹介制による専門診療を行っている

この回答結果を見ると分かる通り、AIは「人気順」や「口コミ評価順」で並べていません。


AIは「練馬区の動物病院一覧」を作っていない


ここで最も重要な前提を確認しましょう。AIモードは「練馬区にある動物病院をすべて列挙して」という質問として、このクエリを処理していません。

AIが理解している実際の問いは、次のようなものです。
「練馬区でペットと暮らす飼い主が、日常・緊急・専門治療のそれぞれの場面で、どこに相談すべきかを知りたい」

つまりAIは、検索エンジンではなく、「ペット医療の行動マニュアルを整理する案内役」として振る舞っています。

そのため、
・診療科目の羅列
・料金表
・写真枚数

だけでは、AIの回答に組み込まれにくくなります。


AIが最初に行っているのは「受診シーンの分解」


AIの回答構造をよく見ると、最初に行われているのは病院比較ではありません。最初に行われているのは、
・日常診療(予防・体調管理)
・夜間・緊急対応
・専門的・高度医療

という 受診シーンの分解 です。

これは極めて重要なポイントです。AIは、「どの病院が一番良いか」ではなく「今、この状況で行くべき病院はどこか」を先に整理しています。


AIに選ばれやすい動物病院の共通点@「どの役割の病院か」が一言で説明できる


AIに取り上げられている動物病院は、例外なく 役割が明確 です。
・かかりつけ医
・夜間救急専門
・二次診療・高度医療

逆に、
・何でも診ます
・幅広く対応しています

といった表現だけでは、AIは推薦文を作れません。

「この病院は、どの場面で頼る病院か」が言語化されていることが、AI検索時代では極めて重要です。


AIに選ばれやすい動物病院の共通点A 医療技術より「安心して判断できる材料」が語られている


AIの説明文を読むと、
・使用機器の細かい型番
・専門用語だらけの治療説明

といった話は、意外と前面には出てきません。

代わりに強調されているのは、
・丁寧な説明
・インフォームドコンセント
・夜間対応の有無
・紹介制かどうか

といった飼い主の不安を減らす要素です。

AIは、「どれだけ高度な医療か」ではなく「飼い主が納得して選べるか」を重視しています。


AIに選ばれやすい動物病院の共通点B 練馬区という地域特性と結びついている


練馬区は、
・住宅地が広い
・ペット飼育率が高い
・車・電車の両利用が多い

という特徴を持っています。

AIはこの文脈を踏まえて、
・駅から近い
・駐車場がある
・夜間に対応できる拠点がある

といった要素を評価します。つまり、練馬区でペットと暮らす現実に合った病院ほど、AIに拾われやすくなります。


SEOではなくAIO(AI最適化)の評価軸


ここまでの分析を整理すると、動物病院検索では次のような評価軸が働いています。

■ 従来のSEOで重視されてきた指標
・口コミ評価:★の数やレビュー件数の多さが「良い病院かどうか」を判断する基準として使われていた
・診療科目数:対応している科目が多いほど、幅広く評価されやすいと考えられていた
・写真量:院内写真・スタッフ写真・設備写真を多く載せることで安心感を演出していた
・ランキング:「おすすめ◯選」「地域No.1」などの順位付けが選択の後押しとして使われていた

■ AIモード(AIO)で重視される指標
・役割適合度:その病院が「今の状況・症状・時間帯」に本当に合っているかが重視される
・受診シーン明確性:いつ・どんな時に受診すべき病院なのかが具体的に説明されているかが見られる
・安心材料:写真の多さよりも、説明の丁寧さ・対応範囲・注意点が明確かどうかが評価される
・行動判断支援力:「今すぐ行くべきか」「様子を見るべきか」「他院に紹介すべきか」など、行動の判断を助けているかが問われる

私はこれをAIO(AI最適化) と呼んでいます。

動物病院は、AIOの影響を非常に強く受ける医療分野です。


動物病院がAI検索時代に選ばれるためにやるべきこと


最後に、実務的な話をします。動物病院を運営する事業者が、AIモードに拾われるために必要なのは、「設備が充実」「実績豊富」といった主張ではありません。

次の問いに答えられる情報設計です。
・どんな場面の受診に向いている病院か
・どんな症状・時間帯に対応できるか
・かかりつけ医としての役割は何か
・専門病院との連携はどうなっているか

これらを、
・トップページ
・診療案内
・夜間・救急案内
・紹介状・連携医療の説明

で 一貫した文脈 として発信する必要があります。


まとめ


「動物病院 練馬区」というクエリは、ペット医療検索の未来を象徴しています。これからは、
・有名な病院
・規模の大きい病院

ではなく、AIが「この状況ならここ」と冷静に説明できる病院が選ばれます。

役割の明確さ、地域適合、説明力。

この3つを整えた動物病院だけが、AI検索時代に選ばれる動物病院になる資格を与えられるのです。
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