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パーソナルアシスタント

Googleの口コミ投稿に関するポリシーを読むと「越えてはならない一線」が分かる

2017年09月01日
『社員インスタグラマーによる青汁のステマが判明 企業がサイトを閉鎖し謝罪(ヤフーニュース 2017年8月31日)
メディア運営会社「フライ」が、自社運営サイトの宣伝に第三者に見せかけたInstagramアカウントを活用していたことを認め、謝罪しました。同社サイト「いろはに青汁」は既に閉鎖済み。』

参照元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170831-00000037-it_nlab-sci

というニュースがありました。



ネットが未だマイナーだった時代では許されていたステルスマーケティングですが、出稿されている広告量がテレビに迫る社会的影響力を持つようになった今、消費者のふりをして自社商品の口コミを書くというやらせ投稿は日本国内でも社会的に許容されない行為になってきています。

自社商品の評判を操作したいという誘惑に負けると、情報操作を行った企業は、それが自分で行ったか、情報操作業者にさせたかに関わらずサイトの閉鎖はもとより、企業の倒産を引き起こすような最悪の自体を招くという時代になりました。

ところで何故こうしたことが起きるのかというと、その背景に日本のネットユーザーがネット上の口コミに影響を受けやすいという性質があるからだと思われます。

総務省の情報通信白書ICT白書(平成28年版)によると下図のようにどの年代の日本人でもレビューを見てネットで購入した経験があるという人たちが80%を超えていることがわかります。

《情報通信白書ICT白書 経済社会に対する ICTの多面的な貢献より引用》



この調査結果によると『どの年代でも「何度もある(5回以上)」、「何回かある(5回未満)」を合わせると8割強となり大部分の人がそのような経験があることがわかる。「何度もある(5回以上)」の割合は年代が低いほど高い傾向がみられた』ということです。

こうした中、私達サイト運営者は次のことに気をつけなくてはなりません:

1、根拠の無い、あるいは薄いランキングサイトを運営してはならない。運営している場合はランキング決定の根拠を公平なものに改善するか、それが無理な場合は即時に閉鎖すること

2、根拠の無い、あるいは薄いランキングサイトに金銭を払って掲載されるという広告出稿を行ってはならない

3、エキテン、食べログのようなレビュー機能がある業種別ポータルサイトや、楽天やAmazonのようなレビュー機能のあるショッピングモールに出稿、または出店している場合は、不正レビューを投稿しない、あるいは不正レビューを投稿する業者を利用してはならない

4、不正レビューが書き込まれていると思われる業種別ポータルサイトやショッピングモールを運営している企業は早急にそれら不正レビューを探し出し早急に削除する。場合によっては悪質な投稿者を突き止めて法的措置を講じる

5、Googleマップに表示されている自社の情報に不正レビューを投稿しない、あるいは不正レビューを投稿する業者を利用してはならない

6、すでにGoogleマップに表示されている自社の情報に不正レビューが投稿されているかを確認して、見つかったら削除依頼をGoogleに出す

この中でも特に、SEOに響くのがGoogleマップに表示される自社情報のレビューです。

以前より、Googleマップに表示される自社情報のレビューに自分たちで、あるいは不正投稿業者を使ってレビューを書き込んだ場合、それが発覚するとGoogleによってアカウント停止処分を下されてレビューが全て非表示になるということがあります。その場合、善意で書き込んでもらったレビューも非表示になり営業面でのダメージが発生します。

さらには、Googleマップ内でそれまで上位表示していたとしてもレビューの数や質がGoogleマップ内での表示順位を決める大きな要因になっているため、レビューが消されたことによりマップ内での順位が落ちることになります。

幸いにしてGoogleはかなり具体的にGoogleマップ内のレビュー投稿に関するガイドラインを発表しています。

《Google マイビジネス ヘルプ 口コミに関するポリシー
https://support.google.com/business/answer/2622994?hl=ja



Google マイビジネス ヘルプ すぐれたクチコミを書くためのヒント
https://support.google.com/local-guides/answer/2519605?visit_id=1-636398406139716005-438967668&rd=1



Maps Photo & Video Policy ヘルプ 禁止されているコンテンツ
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7411351



これらを見ると恐ろしく具体的にあれをしてはいけない、こうするべきだということが事細かく書かれています。

Web集客に関わる人は必ず目を通しておくべき情報だと思いますのでぜひご覧下さい。

これまで軽く考えていたレビューがいかに重大、深刻な影響を生むかがわかり背筋が寒くなるくらいです。

以前も:
『やらせの口コミをGoogleマイビジネスに書き込むと取り返しのつかない損害を被ることになる!』
https://www.web-planners.net/blog/archives/000254.html

で申し上げたように米国の企業はレビューについて非常に神経質になってきています。その理由はレビューが今後のボイスサーチによる検索の重要なデータになるため不正なレビューを許容することが出来ないからです。

Siri、Alexa、Googleアシスタントなどどの人工知能搭載のボイスサーチには検索順位はありません。ユーザーが「XXXXを教えて」と質問したとき、いくつも該当する企業をユーザーに伝えようとするとユーザーにとって不便になるからです。

ボイスサーチ(リビングルーム等に置くAI搭載機器に質問を発話して答えを教えてもらう、会話による検索)を使うユーザーにとって最も便利なのは自分の過去の行動履歴や他者のレビュー情報というデータによってベストな答えを一発で返してくれることです。



ボイスサーチ時代で自社サイトをAI(人工知能)が推奨してくれるようにするためにも、不正行為をしないで、クリーンなデータをネットに残す必要があります。どのような不正行為もいずれはAIによって見破られるはずです。

顧客満足度を高めるという正攻法以外にAIに勝つ方法はないのです。

オペレーションに力を入れること、それがボイスサーチ時代のSEO対策の不可欠な要素になるはずです。

パーソナルアシスタント開発競争に遅れたらGoogleは未来を失う!?

2015年08月18日
Googleがパーソナルアシスタント時代に向けて動き出しました。

"Google’s iOS App Now Provides Context-Aware Conversational Search
Functionality is imperfect, but useful, and does more than Siri can do."

『Googleが会話の文脈を理解する会話検索をiOSに提供開始:機能は完璧ではな無いものの、Siri以上の事が出来るようになった』(Search Engine Land 2015年8月14日 )

この記事によるとiPhoneユーザー向けに提供しているGoogleというアプリに人工知能機能を実装したということです。

どのような機能かというとiPhoneユーザーがGoogleというアプリを起動して、観光地の名前で検索した後に、ホームボタンを押して口頭で「XXXXで一番良いホテルはどこ?」と質問をするとその答えが検索結果として表示されるということです。

一見大したことは思えませんが、これまでのテキスト検索よりは少し便利になったようです。

Googleの弱点は、これまで構築した資産であるGoogle検索に拘るところです。今回の機能もこれまでのウェブ検索に毛が生えてようなものに感じられます。

何故検索に拘るかというと検索ビジネスで成功したからでしょう。いわゆる「成功の呪い」というものです。
過去の成功体験に囚われるために全く新しい世界に飛び出すことは得ることよりも、失うリスクがあるのでどうしても賢い人達ほどそれが出来ないものです。

しかし、検索ビジネスにおいて、完全に負けたBingを運営するマイクロソフトには何も失うものはありません。

以前、当ブログでもご紹介したWindows10英版やWindowsPhone英語版に実装されたコルタナというパーソナルアシスタントを紹介したYouTube動画をご覧下さい。



この動画ではSiri、GoogleNow、コルタナというパーソナルアシスタントに同じ質問を投げかけてそれぞれがどうユーザーを助けるかを検証しています。

現在のところGoogleのパーソナルアシスタントであるGoogleNowが一番優れているということは決してありません。
Siriやコルタナのほうが見やすかったり動作が早い時が多いのです。

サービスの普及を成功されるには初動が重要です。普及段階に入った時に最高レベルのプロダクトを持っていればそのプロダクトは先行者利得を得てそのマーケットを支配する可能性が増します。

検索ビジネスで負けたマイクロソフトは終わった勝負を捨てて、次のパーソナルアシスタントという人工知能のフィールドにチャレンジを始めました。

コルタナを何としてでも普及させるためにもWindows10を無償化したのではないでしょうか?

ところで、ウェブ検索エンジンとパーソナルアシスタントの違いは何でしょうか?

それらの最大の違いは・・・

【ウェブ検索エンジン】検索結果から自分の頭脳で判断してウェブページを選ばなくてはならない

【パーソナルアシスタント】ユーザーの意図と好みを理解して1つだけ答えを出す

です。

また、ウェブ検索エンジンはパーソナルアシスタントの1つのパーツでしかなく、ユーザーが検索するのを待っている受け身のソフトでしかありません。

一方、パーソナルアシスタントは、ウェブ検索以外にもTwitter、Facebookなどのソーシャルメディアアプリや、地図アプリ、天気予報アプリ、計算機アプリなど様々な情報ソースから情報を収集することが出来ます。

また、ユーザーが検索という面倒な行為をしなくても、ユーザーの状況や気分を察して情報を必要としていそうなタイミングでタイムリーに提案という形で情報提供が出来ます。

そうなってくるとパーソナルアシスタントというのは誰もがスマホさえ持っていれば持てる個人的な秘書ロボットになるはずです。

そしてこの個人的な秘書ロボットとはすでにiPhoneのSiriやマイクロソフトのコルタナがしているように、ユーザーの話し相手になってくれたり、歌が聞きたければその時の気分にあった歌を歌ってもくれます。

もうそうなると個人的な秘書ロボットという段階を超えて友達にすらなるかもしれません。

そこまでいけば誰もが実態の無い「ドラえもん」のような凄い友達を持つようなことになるはずです。

すでに物質的実態のあるロボットが販売され人気を博しています。それはソフトバンクがこの夏に発売したペッパーです。

その顔はドラえもんというよりは鉄腕アトムに近いですが足りないのは脚くらいのものでかなりの話し相手になってくれるそうです。

こうした世界になってきたときに今のGoogleはどうなるのでしょうか?

それは、家電業界で日本が下請けメーカーのような立場になったように、あのGoogleも1つのコンテンツプロバイダーという下請けになる可能性があるということです。

無論こうした状況を避けるためにGoogleは必死で持ち金を使いM&Aという手段を駆使して人工知能技術を持っている企業を買収する動きに出ています。

もしもこの人工知能開発競争に負けたら、その時こそ「Googleが人工知能に敗北する日」が来るはずです。

話しはここでは終わりません。

何故なら、もし私達がGoogleのウェブ検索エンジンという1ツールに集客を依存していたら私達の会社もGoogleと一緒に共倒れになるからです。

では私達サイト運営者はどうすればよいのでしょうか?

それはGoogleだけに囚われるのではなく、視野をGoogle以外の企業の取り組みにまで広げる事です。

今日も国内で1つのニュースが報道されました。それは・・・

『楽天は、8月19日、Android(TM) OS向けのアプリストア「楽天アプリ市場」のサービスを開始した。同ストアでは、約180社のアプリ開発者が提供する、「楽天アプリ市場」限定アプリを含む約390タイトルのアプリを取り扱っている(※8月18日時点の数字)。
「楽天アプリ市場」の大きな特徴は、ストア内の支払いやアプリ内における課金に「楽天スーパーポイント」を利用できるだけでなく、支払い金額に応じて通常の10倍のポイントを獲得できること(※購入額100円毎に、「楽天スーパーポイント」を通常の10倍に当たる10ポイントを付与。一部のアプリは対象外)』
(Social Game Info 2015年08月20日)

これは明らかにGoogleアンドロイドが支配するアンドロイドアプリ市場をアマゾンのように独自のアプリストアを立ち上げてGoogle経済圏から逃れるための動きです。

楽天は着々と駒をすすめています。それは:

1、楽天市場で格安スマホ「楽天モバイル」を発売する

2、LINEのようなメッセージアプリのバイバーを買収、アマゾンKindleの対向するためにKoboを買収

3、楽天スーパーポイントの価値を高めるためローソンと提携

などの動きです。

Googleが未だ提供していないポイントという武器にレバレッジをかけてモバイル市場の川上から川下までを攻めようとしています。

楽天も現在、パーソナルアシスタントには関心を持っていることでしょう。

あのFacebookにも動き出しています。それは・・・

『フェイスブックは、ニューヨーク・シリコンヴァレーのオフィス間を跨ぐAIチームを結成し、さらにフランスはパリに、新たなAI研究所を開設する。ヨーロッパには、彼らAIに注力する北米企業が欲しがる「AI人材」が眠っているのだという。』(WIRED.jp 2015.6.3 )

FacebookというGoogleの5分の1の年商を稼ぐもう一つのインターネットにおいてユーザーを人工知能を使い囲いこもうとしているようです。

今後私達は楽天、ソフトバンク、マイクロソフト、Facebook、アマゾン、アップル等の動きにも目を配り、機会を見つけたら活用する必要があるはずです。

ようやく、Google一極の世界から多極的な世界に時間が戻る可能性が出てきました。

しかし、その先にはまた新たな支配者が登場することでしょう。

一つだけ確かなことは私達はもはや立ち止まることは許されないという事です。



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鈴木将司
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