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2025年11月12日

Google検索で「AIによる概要」を非表示にする方法

2025年11月12日

最近、SEOコンサルティングのクライアントさんや全日本SEO協会の会員さんから、「Googleで検索すると、ページの上の方に 「AIによる概要」が出て邪魔だ」「通常の自然検索結果ページのリンクだけ見たいのに要約が先に出てしまう」といった相談をよく受けます。確かに、「AIによる概要」は便利な場合もありますが、視覚的に邪魔に感じたり、リンクを探しづらくなったりすることもあります。

本記事では、「Google検索で 「AIによる概要」を非表示にしたい」方向けに、現時点で使える設定・回避策・注意点を解説します。完璧な「オフスイッチ」が公式に用意されているわけではありませんが、現場で使われている有効な方法はいくつかありますので、まずは実践できる手順から見ていきましょう。


Google は 「AIによる概要」を完全にオフにできる設定を提供していないが不可能ではない


まず押さえておきたい基本として、Google は現時点で、「AIによる概要」を完全に無効化する公式の「グローバルなオフスイッチ」を提供していません。Google サポートの説明では、「AI Overviews and more」を Search Labs でオフにできる可能性はあるが、それでもすべての 「AIによる概要」を抑制できるわけではないと明記されています。


つまり、Google が 「AIによる概要」は検索体験の一部として組み込んでおり、完全には排除できない設計になっている、というのが今の状況です。ただし、ユーザーが自分の使いやすい表示に近づけるための「設定」や「裏技的手段」はいくつか報告されています。以下、それらを順に紹介します。


公式オプション:Search Labs での切り替え(限定的)


Google が試験的に実施している Search Labs(検索ラボ) では、「AI Overviews and more」という実験機能をオン/オフできる場合があります。

ただし、この設定はあくまで 試験機能としての 「AIによる概要」 に対してのみ作用する場合があり、すべての 「AIによる概要」を排除するものではありません。公式にも「AIによる概要」 は Google Search の一部であり、完全にオフにできるわけではないとの注意書きがあります。

また、Android端末で Google アプリを使っている場合、この Labs 設定を調整できることがありますが、すべての地域で提供されているわけではありません。つまり、Search Labs のオン/オフは 一部の場合に 「AIによる概要」を非表示にする手段にとどまり、万能ではありません。


検索結果を「Web フィルタ」で絞る


もっとも手軽にできる方法として、検索後に表示される「フィルタ」を使って結果を絞る手段があります。この方法では、「AIによる概要」を除いた「通常の Web リンクだけの表示」に切り替えることができます。

具体的には、検索結果画面で「Web(ウェブ)」というフィルタを選ぶと、「AIによる概要」や強調スニペットなどのリッチ要素を除いたクラシックな青いリンク中心の一覧が表示されます。この「Web」フィルタは、Google が公式に提供している表示モードの一つです。

ただし、この方法は 「検索ごとに切り替える」 必要があります。デフォルト表示を Web モードに固定する設定が Google が提供されているわけではないため、毎回操作が必要となる点は手間です。


URL パラメータ 「&udm=14」 を使う裏技


Web フィルタを使う方法のもう一歩進んだバージョンとして、検索 URL に特定のパラメータを加える方法があります。それが 「&udm=14」 というパラメータです。たとえば、あなたが検索したいキーワードが「SEO 対策」であれば、通常の検索 URL が

https://www.google.com/search?q=SEO+対策
ですが、これを
https://www.google.com/search?q=SEO+対策&udm=14

とすると、「AIによる概要」を非表示にして 「Web 表示モード」 に切り替わる検索結果が返ってきやすくなります。この手法は、いわゆる「URL 改変による裏技」として多くのユーザーが情報共有しており、ブラウザの検索エンジン設定に組み込むことで手間を軽減できます。

また、Tom’s Guide 記事でもこのパラメータ方式が紹介されています。

さらに、カスタム検索エンジンとしてこの 「&udm=14」 を常時付与するよう設定しておく手法も広く報告されています。

例:Chrome の「Manage Search Engines(検索エンジン管理)」で、デフォルト検索に 「{google:baseURL}search?q=%s&udm=14」 を使う設定を追加するなど。

ただし、この方法も万能ではなく、Google が将来的に仕様を変えると動かなくなるリスクがあります。


Chrome拡張機能で「AIによる概要」を自動で非表示にする


デスクトップ版のGoogle Chromeを使っている場合、「AIによる概要」を自動で隠すための便利な拡張機能が登場しています。代表的なのが 「Hide Google AI Overviews」 や 「Bye Bye, Google AI Overviews」 といったChromeウェブストアで公開されている拡張機能です。

これらは検索結果ページのHTML構造を解析し、「AIによる概要」のブロック要素(id="ai-overview"など)を自動的に非表示にしてくれます。



拡張機能をインストールすると、Google検索を開いた瞬間に「AIによる概要」部分が消え、従来の青いリンク中心の表示になります。ただし、拡張機能の動作はGoogleのUI変更に影響を受けるため、Googleが要素構造を変えると効かなくなることもあります。定期的な更新チェックが必要です。拡張機能を使うメリットは、「毎回フィルタを切り替える手間がない」点です。日常的にデスクトップ検索を使う方にとっては最も快適な回避策と言えます。


モバイルで「AIによる概要」を減らすコツ


スマートフォンでGoogle検索を使う場合、PCほど自由度がありません。とはいえ、次のような工夫で「AIによる概要」の表示を抑えられるケースがあります。

(1)ブラウザ版Googleで「Web表示」に切り替える


モバイルブラウザ(SafariやChrome)で検索結果ページを開いたあと、上部の「すべて」「画像」「ニュース」などのタブの中から「Web(ウェブ)」を選ぶと、「AIによる概要」を含まないリンク一覧に切り替わることがあります。

(2)Googleアプリよりもブラウザ検索を使う


AndroidやiPhoneのGoogle公式アプリでは、「AIによる概要」が強制的に出る場合があります。もし非表示にしたい場合は、アプリではなくSafariやChromeの「google.com」に直接アクセスして検索する方が良い結果になることが多いです。

(3)URL末尾に 「&udm=14」 を付ける


前半で説明した 「&udm=14」 パラメータは、スマホのブラウザでも有効です。検索バーに入力したあと、URL末尾にこの文字列を加えて検索を実行すると、「AIによる概要」なしのページが表示されます。ブックマークしておくと毎回入力する手間が省けます。



注意点:「完全非表示」は現時点では不可能


ここまで紹介した手法を組み合わせると、ほとんどのケースで「AIによる概要」を見ないで検索できるようになります。しかし、完全に「AIによる概要」を非表示にする方法は現状存在しません。Google自身が「「AIによる概要」を検索体験の中心的要素」と位置付けているため、設定で完全にオフにする選択肢は用意されていません。


私のクライアントの現場で見た反応


私のクライアント企業や協会の会員の中には、「AIによる概要」を見たい派と消したい派に分かれています。

・見たい派は、「顧客の質問意図がわかる」「自社コンテンツが引用されているか確認できる」という目的で積極的にAI概要をチェックしています。
・消したい派は、「作業中にノイズになる」「結果が隠れてしまう」「正確性に不安がある」という理由で、なるべくAI概要を排除したいと考えています。

どちらの立場にも一理ありますが、私は「完全に消す」のではなく、「AIによる概要」がどう出ているかを観察しつつ、自分が見たいときだけ表示するという使い方をおすすめしています。SEO戦略を立てるうえで、「AIによる概要」の挙動を知ることは非常に重要だからです。


「AIによる概要」を「コントロールして使う」時代へ


「AIによる概要」は、Google検索の「新しい標準」として今後ますます普及していくと考えられます。その一方で、ユーザーが自由に情報を選びたいときには、これが「邪魔」になることもあります。現時点では「完全に非表示にする」ことはできませんが、

・Search Labs でAI機能をオフにする
・「Web」フィルタや 「&udm=14」 パラメータを活用する
・Chrome拡張機能で自動的に隠す

といった手法で、かなりの範囲で「AIによる概要」を避けることができます。SEOの現場では、「AIによる概要」をどう扱うか がこれからのテーマになるでしょう。「消す」だけでなく、「どう出ているかを理解し、引用されるようなサイトを作る」ことが最終的には最も強いSEO戦略です。AIを敵視するのではなく、自分の情報をAIに正しく届ける。これこそが、AI時代の検索とSEOの本質だと私は考えています。


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