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ChatGPTとMicrosoft Copilotの違いは?ー Copilotが生まれた経緯から、その評判と評価

2025年12月07日

ChatGPTが登場してから、私たちの働き方や情報の集め方は大きく変わりました。文章を考えてくれたり、分からないことを説明してくれたり、アイデアを広げてくれたりする「対話型AI」は、これまでのインターネットにはなかったまったく新しい存在です。

一方で、MicrosoftはChatGPTと同じOpenAIモデルを使いながら、「ソフトの中にAIを組み込む」という独自のアプローチをとりました。その結果として生まれたのが Microsoft Copilot です。登場した当初は、「これがOffice仕事を劇的に変えるのではないか」と大きな期待を集め、Windowsにも標準搭載されるなど、かなり強気の展開が続きました。

しかし現実には、ChatGPTほど高い評価を得られていません。むしろ、「期待したほど便利ではなかった」「思ったより使いこなしが難しい」という声が目立ちます。その一方で、企業ユーザーからは一定の評価を受けている部分もあり、両者の性質は大きく異なります。


Copilotが生まれた経緯


Copilotという名前が初めて広く知られたのは、2021年に登場した GitHub Copilot でした。これはプログラマー向けのAIアシスタントで、コードの続きを提案したり、関数を丸ごと書いてくれたりするツールです。利用者のあいだで「とても便利だ」と評判になり、MicrosoftのAI戦略に大きな手ごたえをもたらしました。

この成功があったことで、Microsoftは「AIを単体のサービスとして提供するより、すでに世界中で使われているOfficeやWindowsに組み込んだほうが圧倒的に普及する」と判断します。そして2023年、ついに Microsoft 365 Copilot を発表し、Word、Excel、Outlook、Teamsなど日常業務で必ず使うアプリにAIを統合し始めました。

Microsoftはこの動きを「AIの副操縦士」という意味で「Copilot」と呼び、社員全員がAIを使える未来をアピールしました。WindowsにもCopilotボタンを組み込み、EdgeブラウザにもAIを搭載し、「Microsoft製品を使う=AIを使う」という状況をつくろうとしたのです。

しかし、現実には、
・AIが状況を理解しきれない
・提案が不自然になることがある
・ユーザーが「どこで使えば便利なのか」をつかみにくい

という課題が表面化しました。そのため、当初の期待ほどのブレイクには至らなかったというのが正直なところです。


ChatGPTとは何か


ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模言語モデル(GPTシリーズ)を使った対話型AIです。2022年末に一般公開されると同時に大きな話題になり、今では世界で最も利用されているAIサービスとなりました。

ChatGPTは、使ったその瞬間から「こんなことまでAIができるのか」と感じられるほど、
・文章生成
・要約
・翻訳
・学習支援
・スクリプトやプログラムの生成
・アイデア出し

といった幅広い用途で活躍します。

ユーザーが自由に質問できる「能動的なAI」であり、初心者でも直感的に使えることから、10代〜シニア層まで幅広く普及しているのが特徴です。


Microsoft Copilotとは何か


Microsoft Copilotは、ChatGPTと同じ基本モデルを使用していながら、目的がやや異なります。こちらは「Office作業を効率化するためのAI」として設計されており、文章の下書きやメールの返信、エクセルの分析、会議の議事録作成など、主に業務作業をラクにする方向で機能が整えられています。

ただし、使ってみた人からは、
・思ったほど文章がうまく書けない
・Excelの分析結果が浅い
・アイデアや説明力はChatGPTのほうが上
・どの場面で使うと効率化できるのかが分かりにくい

という感想がよく出ています。


評判:ネット上での肯定・否定の声


Copilotへの否定的な声
ユーザーの書き込みでは「期待より使えなかった」という意見が少なくありません。Wordの文章生成が単調だったり、Excelでの分析が的外れだったりするケースも報告されています。

Copilotへの肯定的な声
一方で、企業ユーザーからは「定型作業が楽になった」「Teamsの議事録が便利」という評価もあります。特にメール処理やレポートの下書きでは一定の成果が出ているようです。


ChatGPTとCopilotの利用状況の違い


AIチャットボットの世界的な利用シェアを見ると、ChatGPTが圧倒的な強さを持っていることがデータからもわかります。Statcounterの2025年の調査では、ChatGPTが世界シェアの8割以上を占めています。それに対し、Microsoft Copilotは10%前後にとどまっています。

多くのユーザーが「Copilotの存在は知っているけれど、実際にはあまり使わない」と答えている背景には、
・Copilotの使い方が分かりづらい
・「どんな時に役に立つのか」イメージしにくい

という問題があります。

これに対しChatGPTは、スマホからでも気軽にアクセスできるうえ、質問すればすぐに答えが返ってくる「わかりやすい体験」が強みです。


ChatGPTとCopilotの構造的な違い


両者は同じOpenAIのモデルを使うことがありますが、「AIとしての立ち位置」が大きく違います。ここを理解すると、なぜChatGPTのほうが広く使われているのかがよくわかります。

ChatGPTは、ユーザーが「何かを知りたい」「文章を書きたい」「アイデアがほしい」と思った瞬間に、自分からアクセスして使います。つまり、ユーザーが主体となってAIを使いにいく「能動的なAI」です。

質問すればすぐ答えが返ってきて、内容も丁寧です。困った時の「相談相手」として成り立つため、利用シーンが非常に広いのが特徴です。

一方Copilotは、Word、Excel、Outlook、Windowsに組み込まれたAIです。こちらは、ユーザーが使っているソフトの中でサポートすることを前提にしており、「文章を作成している時に案を出す」「メール返信のたたきを作る」といった「補助役」として設計されています。

つまり、AI自身に質問して活用するChatGPTとは真逆の性質で、「作業の中に自然に入り込んでアシストするAI」なのです。この構造の違いが、利用体験の差につながっています。


世間の評価はどうか?


ここでは、CopilotとChatGPTに対する世の中の評価を、第三者の報道や調査からまとめます。

Copilotの否定的な評価


The Guardianの記事では、「Copilotは期待されたほど文章作成能力が高くない」という意見が紹介されており、実際に使ってみたユーザーからも「文章が単調」「文脈を理解していない」といった声が寄せられています。


Copilotの肯定的な評価


Fast Companyでは、企業ユーザーから「Teamsの議事録が便利」「メール処理が早くなった」といった肯定的な声も挙げられています。特に、業務のなかで定型作業を多く行う人には、Copilotが一定のメリットをもたらしていることが明らかになっています。

ChatGPTへの評価


ChatGPTは、幅広い用途に使えること、文章生成の質が高いこと、学習コストが低いことから、多くのユーザーが「最も使いやすいAI」と評価しています。特に学生、ビジネスパーソン、クリエイターのあいだで強く支持されています。


私の使用感


結論:実用性ではChatGPTが圧倒的に優れています

私はSEO・Webマーケティングの現場で長年AIツールを使い続け、講座や企業研修でも両者を比較してきました。その経験から断言できるのは、実用的で「日々の仕事に役立つAI」を探している人には、ChatGPTのほうが圧倒的に向いているということです。理由は大きく3つあります。

@ ChatGPTは用途が広く、柔軟に対応できる


文章作成、要約、企画、データ整理、調査など、ほとんどの業務に対応でき、内容も高品質です。

A 直感的で、初心者でもすぐ使える


「AIに話しかけるだけ」というわかりやすい体験のため、学習コストがほぼゼロです。

B 拡張性が高く、企業利用にも向いている


APIやカスタムGPTなどが充実しており、小規模ビジネスから大企業まで利用しやすい仕組みになっています。

一方でCopilotは、あくまでOffice作業の補助として生まれたAIで、文章生成・アイデア出し・説明・企画・学習支援など、広い用途には向いていません。私自身が何度も使った結果としても、「ChatGPTほどの自由度はない」という印象が強いです。


今後のAI普及はどうなるのか?


MicrosoftはWindows・Office・Edgeといった巨大プラットフォームを持っているため、Copilotがこれからもビジネス向けに広がり続けることは間違いありません。特に、企業でOfficeを日常的に使っている人にとっては、今後AIによる自動化が進むでしょう。

しかし、個人ユーザーや中小企業、クリエイターなどが「主体的にAIを使って成果を出したい」と考える場合、ChatGPTのほうが向いています。


まとめ


・ChatGPTは「能動的に使う万能AI」
・Copilotは「Officeに埋め込まれた補助AI」
・世間の評判も、ChatGPTが高評価で、Copilotは賛否が分かれる
・私自身の評価でも、実用性・柔軟性・使いやすさではChatGPTが優位
・Copilotは企業の定型作業では役立つが、汎用AIとしての主役ではない

どちらも進化を続けていますが、「自分でAIを使って成果を出したい」という目的があるなら、ChatGPTのほうが活躍する場面は圧倒的に多いと感じています。用途に合わせて使い分けることで、AI時代をより効率的に進むことができるでしょう。

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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

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