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2025年12月10日

Google「AIモード」で選ばれるために必須の構造化データ6選

2025年12月10日

2025年9月、Googleが日本で「AIモード」を導入したことで、検索結果は大きく変化しました。AIが検索クエリに応じて文章を生成し、検索画面の上部に掲載する「AIによる概要」が多くのクエリで表示されるようになり、ユーザーはページをクリックする前にAIが作ったまとめを目にするようになりました。

この変化により、Webサイトの流入構造も従来とは異なるものになっています。私のところには協会の会員企業やコンサルティングクライアントから「AIモードに取り上げられやすいページ構造」「AIO(AI Optimization)における最適な構造化データの使い方」に関する質問が以前よりも増えてきました。

その中でも特に多い質問が、
「構造化データはAIモードで本当に重要なのか?」
「もし重要なら、どの構造化データを優先して実装すべきか?」

というものです。

結論を先に述べれば、構造化データはAI時代のSEO(AIO・AEO)において、以前よりも重要度が高まっています。しかし、Schema.orgのすべてを入れる必要はなく、どのビジネスでも優先順位をつけて実装する必要があります。今回は、私自身が長年のSEOコンサルティング経験と、AIモード導入後の検索動向の分析をもとに、「AIモードで参照されやすい構造化データ」だけを厳選して解説します。


なぜAIモード時代に構造化データが重要なのか?


構造化データとは、Webページの内容をAIや検索エンジンが理解しやすいように整理されたデータ形式のことで、Googleはこれを「検索結果の理解を助けるための手段」と明確に位置づけています。

AIモードは、ページを読む際に次のプロセスを行います。
・ページ本文の内容を理解する
・構造化データから「分類された情報」を取得する
・質問への回答に使える部分を抽出し、AIに回答として生成する

つまり、構造化データを入れることで、
・AIがページの内容を誤解しにくくなる
・必要な情報を取り出しやすくなる
・回答の信頼性を高める判断材料になる

というメリットがあります。

特にAIは文章の中に埋もれた情報よりも、「明確に形式化されたデータ」を参照しやすいため、AIによる概要に引用される確率を高めるためには、構造化データが実務的に重要になります。


なぜすべての構造化データを入れる必要がないのか?


Schema.orgは非常に多くの種類があります。しかし、そのすべてを実装する必要はありません。理由は2つです。

1. Googleが積極的に活用する構造化データは限られているから


Googleは公式に多くの構造化データを紹介していますが、実際に検索画面やAIモードが参照するのはごく一部です。

2. Webサイト側のリソース(時間・予算)を圧迫するから


構造化データを網羅的に入れようとすると、管理コストが急激に増えてしまいます。

そのため、特にAIモードの観点からは、
「AIが回答生成時に参照しやすい種類だけを選ぶ」

という考え方が重要です。


AIモード時代に優先して実装すべき構造化データ6選


ここからは、私自身が多くのサイトを継続的に観察してきた中で「AIモードに取り上げられやすい」と感じている構造化データを6つ紹介します。

1. Event(イベント)





セミナー、講演会、展示会、キャンペーンなどに使用するSchemaです。理由として、AIモードは「最新の開催情報」や「日付のあるアクティビティ」を回答に含める傾向があります。特に地域ビジネスや教育・研修関連では、イベント情報がAIに理解されやすくなります。

相性が良い業種例:
学習塾、イベント会社、セミナー運営者、医院・自治体の説明会など。

2. JobPosting(仕事・求人)





求人向けの構造化データです。Googleは求人情報をAIで整理する取り組みを強化しており、AIモードでも「求人条件」「職種」「勤務地」などの情報を抽出して提示する流れが見られます。

相性が良い業種例:
医療機関、建設業、飲食業、士業事務所など。

3. Product(商品)





ECサイトや店舗ビジネスに必須の構造化データです。AIモードは商品の比較やレビュー内容をまとめて提示する場面が多く、商品データが構造化されていると正しく理解されやすくなります。

特にAIは以下の情報を多く参照します。
・価格
・仕様
・レビュー評価
・メーカー名
・在庫の有無

これらを構造化しておくと、AIに理解されやすくなります。

4. Q&A(FAQPage)





AIモードとの相性が非常に良いのがFAQです。AIモードは「質問に対する明確な回答」を優先して生成するため、FAQPage Schemaがあると、AIが質問と回答の関係を正確に読み取れます。

特に相性が良い業種:
医療、法律、専門サービス、士業、教育など「質問が明確に発生する業界」。

5. HowTo(手順解説)





AIモードは、ユーザーが具体的な行動を知りたい場合、HowToを優先的に参照します。

たとえば、
・〇〇の作り方
・〇〇の設定方法
・〇〇の直し方

などの検索では、AIによる概要が手順をまとめて提示するケースが多いです。

特に相性が良い業種:
DIY、IT設定、美容、料理、修理系など。

6. Review(レビュー)





商品・サービスの評価情報を構造化するSchemaです。AIモードは信頼性の判断材料としてレビューを参考にするため、ユーザーの意思決定をサポートする情報として引用される可能性があります。


まとめ


GoogleのAIモードが導入され、AIによる概要が一般化した今、SEOは「人間だけに読まれる文章」から「AIにも理解される文章」へと変わりました。その中で構造化データは、AIにページ内容を正しく伝えるうえで重要な役割を果たします。

ただし、構造化データを大量に入れれば良いわけではありません。AIが参照しやすいもの、AIモードの回答生成に関わるものから優先的に実装することで、効率良くAIO・AEOに対応できます。

Event / JobPosting / Product / Q&A / HowTo / Review

この6ジャンルの構造化データは、AIによる概要に取り上げられやすい情報形式です。AI検索時代においては、検索エンジンとAIの両方に正しく理解されるサイト作りが不可欠です。ぜひ、この記事を参考に、段階的に構造化データの実装を進めてみてください。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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