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2025年12月05日

Googleの「関連する質問」が押せない・開かない原因と対処法

2025年12月05日

最近、会員さんから、「Google検索で『関連する質問』を押しても開かない」といった相談が複数ありました。「関連する質問」とは、Google検索結果に表示される質問形式のボックスで、「SEOとは?」「SEOは無料でできますか?」といったユーザーの関連疑問を自動で表示する機能です。

通常なら、質問をクリックするとその下に回答(抜粋テキスト)と出典ページへのリンクが展開されます。しかし、最近はこれが開かない、反応しないという現象が報告されています。私もクライアント企業の分析中に、複数のブラウザ・端末で同様の症状を確認しました。特にスマートフォンや広告ブロッカーを使用している環境では発生率が高いようです。この記事では、私が現場で検証して得た経験をもとに、「Googleの関連する質問が押せない・開かない原因」と「具体的な解決策」を初心者にもわかりやすく解説します。


「関連する質問」が開かないのはバグ?それとも仕様?


結論から言えば、この現象はGoogleの一時的な不具合またはブラウザ環境の影響によるものであり、ほとんどの場合は端末側の設定を調整することで解消できます。


ただし、近年はGoogleが検索UIを段階的に刷新しており、仕様変更の影響で一時的にクリックイベント(開閉動作)が無効化されるケースもあります。Googleは定期的に検索機能の実験(A/Bテスト)を実施しており、「関連する質問」の動作仕様が地域・端末・ユーザーごとに異なることも珍しくありません。実際、Search Engine Roundtableでは、2024年後半に「関連する質問セクションが一部ユーザーで動作しない」問題が報告されています。


よくある原因@:ブラウザの広告ブロッカー・拡張機能の影響


最も多い原因は、広告ブロッカーやスクリプト制御系のブラウザ拡張機能(例:uBlock Origin、AdGuard、Privacy Badger など)が、GoogleのJavaScript動作を部分的にブロックしてしまっているケースです。



Googleの「関連する質問」は、クリック時にJavaScriptが非同期通信(AJAX)を行って回答データを読み込みます。そのため、スクリプトブロックやプライバシー強化設定を有効にしていると、データの取得が妨げられ、結果的に「押しても何も起きない」状態になります。

■ 対処法


1. 一時的に広告ブロッカーをオフにする
2. Google検索を「例外サイト(ホワイトリスト)」に追加する
3. ブラウザのキャッシュとCookieを削除し再起動する

特にスマートフォンのブラウザでは、セキュリティアプリやプライバシー設定が自動的にスクリプトを制御する場合があります。それらを一時的に無効化すると解消するケースが多いです。


よくある原因A:ブラウザやアプリのバージョンが古い



Googleは検索インターフェースを頻繁に更新しているため、古いバージョンのブラウザやGoogleアプリを使用していると、UI要素が正常に動作しないことがあります。
特にAndroidの標準ブラウザやiOSの旧Safariなどでは、クリックイベントが反応しない不具合が過去にも複数報告されています。
《参考情報》 Google Search Not Working

■ 対処法


・Google ChromeやSafariを最新バージョンに更新する
・Googleアプリ(モバイル)を最新版にアップデートする
・別のブラウザ(Edge、Firefoxなど)で試してみる

私がサポートしている企業の担当者が遭遇したケースでは、Android端末のChromeを更新しただけで「関連する質問」が正常に開けるようになりました。Googleの新しいレンダリングエンジンが導入された影響と思われます。


よくある原因B:JavaScriptが無効になっている



「関連する質問(People Also Ask)」は、JavaScriptを使って質問ボックスを展開します。そのため、ブラウザでスクリプトを無効化している場合、ボックスが開かなくなります。とくにセキュリティ強化のために「JavaScriptをブロック」設定している企業ネットワーク環境ではこの現象がよく発生します。

■ 対処法


・Chromeの場合:
右上メニュー → 設定 → プライバシーとセキュリティ → サイトの設定 → JavaScriptを「許可」にする

・Safariの場合:
設定 → 詳細 → JavaScriptをオンにする
設定後にGoogle検索を再読み込みすれば、クリックで質問が開くようになります。Google自身も公式ヘルプで「検索機能の一部はJavaScriptに依存している」と明記しています。


よくある原因C:Googleのテスト仕様・地域差



GoogleはAIによる概要やAIモードを展開しており、これにより一部の地域やユーザーでは関連する質問の動作が変更されることがあります。2025年現在、米国ではAIによる概要と関連する質問が統合テストされており、AI概要が表示される検索では「関連する質問」が非表示またはクリック無効になるケースがあります。

私のコンサルティングクライアントのうち、米国市場向けにサイトを展開している企業では、「AIによる概要が表示されるクエリでは関連する質問ボックスが押せない」現象が実際に確認されました。これは一時的な実験の可能性が高く、日本の検索でも同様の現象が見られると推測されます。


スマートフォンで「関連する質問」が開かないときの対処法


クライアントから最も多く寄せられるのは、「スマホでだけ関連する質問が押せない」という相談です。この現象は、モバイルブラウザやGoogleアプリ固有の問題であるケースが多く、次のような手順で解決できる可能性があります。

(1)ブラウザのキャッシュとCookieを削除する


モバイル端末ではキャッシュが破損していると、クリックイベントが動かなくなることがあります。ブラウザ設定からキャッシュとCookieをクリアして再起動すると、多くの場合正常に開けるようになります。

(2)Googleアプリではなくブラウザで検索する


Android端末やiPhoneでGoogleアプリを使っている場合、アプリ版では一部のJavaScript機能が制限されることがあります。この場合、SafariやChromeブラウザを開いて「google.com」で検索してみてください。アプリでは反応しなかった関連質問が、ブラウザ経由では正常に開くケースが多いです。

(3)省データモードをオフにする


モバイルの「データセーバー」や「省データモード」が有効になっていると、Googleの非同期通信が途中で遮断されることがあります。設定からデータセーバーをオフにし、Wi-Fi環境で再試行すると改善されやすいです。

(4)別の端末・アカウントで検証する


Googleは検索結果の表示をアカウント単位でテストしているため、自分のアカウントでのみ不具合が出ることもあります。他の端末・アカウント・ネットワークで同じキーワードを検索し、動作を比較すると原因の切り分けがしやすくなります。


その他の技術的要因と確認ポイント


(1)VPNやセキュリティソフトの干渉


VPNを利用している場合、アクセス地域の違いによってGoogleが異なるインターフェースを提供することがあります。特に米国以外のVPNを通している場合、関連する質問が非表示・非反応になることがあります。VPNを一時的にオフにして試すと改善することがあります。

また、企業内ネットワークで通信制御ソフトを導入している場合、Googleのajax.googleapis.comドメインがブロックされていることもあります。これによりクリック後の展開動作が止まる場合があります。システム管理者に確認するのが良いでしょう。

(2)JavaScriptエラーの確認


Webブラウザの開発者ツール(F12キー)を開き、「コンソール」タブでJavaScriptエラーが出ていないか確認します。もし「Uncaught TypeError」「Blocked by client」といったエラーが出ていれば、拡張機能やスクリプト制限が干渉しています。特に「Blocked by client」は広告ブロッカー系拡張機能が原因のサインです。

(3)GoogleのA/Bテストによる一時的挙動


Googleは機能変更を段階的にテストするため、「一部ユーザーだけ関連する質問が押せない状態」になることがあります。Search Engine Landでも、「関連する質問が開かない問題はテスト中の副作用であり、数日後に修正された」と報告されています。

こうした場合はユーザー側での修復は不可能で、Googleの修正を待つしかありません。


SEO視点から見た「関連する質問が開かない」現象の意味


私のSEOコンサルティング経験上、「関連する質問」が開かない状態が一時的に発生しても、検索順位や評価に直接影響することはありません。これはあくまでUI(ユーザーインターフェース)の不具合であり、インデックスや評価ロジックとは無関係だからです。

ただし、GoogleがAIによる概要とAIモードを世界的に展開していく中で、「関連する質問」はAIによる質問生成のデータ基盤として機能しています。もしこの部分に頻繁な不具合が生じている場合は、検索画面の改修やAI統合の準備段階である可能性があります。

つまり、「関連する質問が押せない・開かない」という現象は、Googleが次世代検索に移行している兆候でもあるのです。


現場で見られた実例


ある協会会員のWeb担当者が報告してくれた例では、社内ネットワーク上では「関連する質問」が押せず、家庭のWi-Fi環境では正常に動作していました。調べてみると、企業のセキュリティソフトがJavaScript通信を遮断していたことが原因でした。設定を調整することで解決しています。

また、別のクライアントでは、uBlock Originを使っていたChromeで関連する質問が動作せず、Edgeブラウザでは問題なく開けるという現象もありました。


こうしたケースからわかるのは、「関連する質問の不具合のほとんどはGoogleではなく、端末や拡張機能側にある」ということです。一方で、AIモードや新しいUI実験が始まった直後に全世界的な関連する質問不具合が起きることもあり、最新ニュースを追うことも重要です。


まとめ


Googleの「関連する質問」が押せない・開かないとき、焦る必要はありません。ほとんどの場合、広告ブロッカーや拡張機能、JavaScriptの設定など「環境依存の問題」です。ブラウザのキャッシュ削除、アプリの更新、スクリプト許可設定を確認すれば、ほぼ解消できます。

ただし、AIモードの導入が進む中で、Googleは検索結果の構造を大きく再設計しています。今後は、関連する質問 が「AIによる概要」や「AIモード」に統合され、クリック展開式の質問が廃止される可能性もあります。そのため、SEO担当者としては「関連する質問が動かない=チャンス減少」ではなく、「AIに引用される構造を整える好機」と捉えるべきです。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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