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2019年10月

サーチコンソールにGoogle上での動画の再生回数、表示回数を表示するレポートを追加

2019年10月10日

Googleは2019年10月7日にサーチコンソールの新機能としてGoogleの検索結果ページ上での動画の再生回数、表示回数等のデータをするレポートを追加したと発表しました。



この機能は自分のサーバに動画をアップして自社サイトのページ上に動画を貼り付けている場合に適用されるものです。

自社サイトのページ上に動画を貼り付ける時にはGoogleが指定する構造化データをソース内に貼り付けるとサーチコンソールのサイドメニューに「ビデオ」という広告が表示され、それをクリックすると次のようなデータを見ることが出来るということです。



そしてその画面にある「検索での見え方」というタブ(英語では:SEARCH APPEARANCE)というところを押すと



というようにGoogle検索結果ページ上での動画のクリック数(=視聴回数)と表示回数が見えるようになります。

これにより自社サイトに貼り付けた動画の反響がわかるようになります。

Googleが指定する構造化データの詳細は公式サイト内の「動画」というページで見ることが出来ます。

【動画の構造化データの詳細ページ】



【動画の構造化データの例】



この機能はYouTubeに動画をアップしている場合は使えません。

YouTubeに動画をアップするのが最も普及した動画公開方法なので今回追加された機能はYouTubeで動画を公開している企業には関係の無いことです。

ではYouTubeに動画をアップしている場合はどうすれば動画の反響を見ることが出来るかというと従来どおりYouTube Studioにログインをして:

サイドメニューにある「アナリティクス」→ 「リーチ」→ 「トラフィック ソース: 外部サイト」をクリックするとGoogleの検索結果ページ上からどのくらいの視聴者が動画を視聴してくれたがわかります。



これはチャンネル全体としてもデータだけでなく、各動画のデータも個別に見ることが出来ます。

問題は何故今この時期にGoogleが動画のデータをサーチコンソール上で見せるようにしたかです。

その理由は、動画の需要が高まってきているからに違いありません。通勤電車などでも周りをみるとYouTube動画を見ている人たちがとても増えてきていることがわかります。

よく言われることですが、2020年からは5Gが普及するため高速で安価で動画が見れる環境が整います。

「コンテンツ イズ キング」という言葉が一時期WebやSEOの世界で流行ったことがありますが、時代は変わり「ビデオ イズ キング」という標語を覚えておいたほうが良いでしょう。

テキスト主体のWebから動画主体のWebに移行することは明らかです。

従来のテキスト主体のWebページには文字だけでなく画像や動画を掲載して下さい。

そして同時にYouTube内での存在感を出しそこから新規客を獲得するために長期に渡って継続的に動画を制作しアップする体制を整備して下さい。

それにより動画が主役になるインターネットの世界でのWebマーケティングが可能になります。

【公式発表】Googleが人工知能活用を強化してさらに検索の精度をアップした!BERTを導入

2019年10月28日

Googleは2019年10月25日にBERTという技術を導入することにより人工知能活用を強化しさらに検索の精度をアップしたという発表をしました。


『昨年当社はオープンソースのニューラルネットワーク(脳機能に見られるいくつかの特性に類似した数理的モデル)技術を利用したBERTと呼ばれるオープンソースの人工知能による自然言語処理を導入しました。この技術はハイレベルな質疑応答を可能にするものです』
"Last year, we introduced and open-sourced a neural network-based technique for natural language processing (NLP) pre-training called Bidirectional Encoder Representations from Transformers, or as we call it--BERT, for short. This technology enables anyone to train their own state-of-the-art question answering system. "

『この技術的躍進はGoogleの研究により文章内にある単語を1つ1つ順番に分析するのではなく、それら単語同士の関係性を理解するものです。これにより単語が置かれている文章の完全な文脈をシステムが理解するようになり、このことは検索ユーザーが抱く検索意図を理解するのに特に役立ちます』
"This breakthrough was the result of Google research on transformers: models that process words in relation to all the other words in a sentence, rather than one-by-one in order. BERT models can therefore consider the full context of a word by looking at the words that come before and after it—particularly useful for understanding the intent behind search queries."

『しかしこのBERTを実装するにはソフトウェアだけでなく、ハードウェアの進歩も必要です。BERTは非常に複雑な処理をするために既存のハードウェアの機能の限界を超えるものであるため当社は最新のハードウェアであるCloud TPUを導入しました。このハードウェアの導入により検索ユーザーが求める情報をよりスピーディーに提供することが可能になりました』
"But it’s not just advancements in software that can make this possible: we needed new hardware too. Some of the models we can build with BERT are so complex that they push the limits of what we can do using traditional hardware, so for the first time we’re using the latest Cloud TPUs to serve search results and get you more relevant information quickly. "


かなりの長文ですが要約するとGoogleは:

1、既存の文書解析技術では検索ユーザーが探しているWebページを上位表示させるのには限界がある
2、その限界を突破するために今回BERT技術という人工知能を導入した
3、ソフトウェアのアップグレードでは処理能力に限界があるので、ハードウェアをアップグレードするために新型サーバのCloud TPUを導入した


ということです。

Cloud TPUというのはGoogleが独自開発した、翻訳、フォト、検索、アシスタント、Gmail などの Google サービスを強化するカスタム設計の機械学習 ASICです。
Googleの公式サイトによると「そのカスタム高速ネットワークは、1 つのポッドで 100 PFLOPS 以上のパフォーマンスを発揮します。ビジネスを変革し、次の研究のブレークスルーを生み出すのに十分な計算能力を備えています。」という非常にパワフルな人工知能実行デバイスです。

【Cloud TPU】

【出典】 Cloud TPU

これまでGoogleは限定的に人工知能をその検索アルゴリズムに実装してきたと言われてきましたが遂にGoogleは最新のCloud TPUというハードウェアを独自開発してまで人工知能を活用するというになったということです。

これが私達サイト運営者にどのような影響を及ぼすかですが:

(1)上位表示をするために単に自社のWebページにキーワードを一定の比率散りばめるというような表面的な内部対策テクニックは通用しなくなる

(2)これまで以上に、検索ユーザーが見たがっている内容を知るために、実際に上位表示しているページの構成を分析しそれらを自サイトのページに盛り込む必要がある
→ つまり検索ユーザーの検索意図を推測してそれを満たすコンテンツを提供する必要がある

(3)検索ユーザーの検索意図を満たす上で邪魔になる情報(文章、画像、広告、メニュー項目)はユーザーにとってノイズなのでそれらノイズを限り無くゼロに近づける

(4)近いうちに検索意図に沿っていないページの検索順位を落とすコアアップデートがまた実施される可能性がある

ということが考えられます。

Googleは検索サイトの質を高め最高のサービスをユーザーに提供するためソフトウェアだけでなくハードウェアまで独自開発する時代になりました。

私達サイト運営者も自社サイトの質を限りなく高めなくてはなりません。

サイトの質を高めるには:

1、検索ユーザーが求めるコンテンツだけがページにあること
2、オリジナル文章を増やす
3、オリジナル画像を増やす
4、動画を増やす(主にYouTube動画の貼り付け)
5、文章内からの関連ページへのサイト内リンク
6、情報の根拠をユーザーが確認できるように根拠となる情報を載せている参照サイトに外部リンクを張る


などがあります。

自社サイトの全ページを点検して質が低いと判断したページにはこれら6つの全てあるいはいずれかの対策を実施して一刻も早くサイトの質を高めて下さい。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

鈴木将司
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