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ロゴを変更したらSEOに悪影響があるのか?ブランドを一貫させることの重要性

2025年12月12日

企業がサイト名や事業者名を変更するとき、多くの場合ロゴ画像も一緒に作り直すことになります。そのタイミングで相談されるのが、「ロゴを変えたらSEOに悪影響がありますか?」という質問です。

ロゴは一見ただの画像に思えますが、実際にはalt属性に書かれたテキスト や、スタイルシートで画像の後ろに配置されている企業名テキスト など、HTML内の文字情報とセットで扱われます。つまり、ロゴを変えるということは、ページ内の「ブランドを表すテキスト」も変えるということ です。

そしてこのテキスト部分こそが、GoogleやAI検索が企業名・サイト名を理解するための重要な材料になります。また、最近では、Googleだけでなく ChatGPT、Gemini、Perplexity などのAIが急速に普及しています。これらのAIは、企業の情報を「文章」として読み取り、意味を組み立てています。そのため、ロゴに連動するテキスト情報の変更は、以前よりもさらに重要になっています。まずは、ロゴ変更がSEOにどう関わるのかを整理して説明します。



ロゴの変更そのものは検索順位を直接下げない


最初に知っておいてほしいのは、ロゴ画像のデザインや見た目が変わっただけでは、Googleの検索順位が直接落ちることはありません。Googleは順位を決める際に、文章の内容、外部サイトからのリンク、ページの質、ユーザーの反応などを評価しており、画像そのものを評価軸にはしていません。

しかし、ロゴを変更した企業でアクセスが減るケースがあるのも事実です。これは、ロゴ画像そのものが原因なのではなく、ロゴによって変わる「ブランドの伝わり方」や「外部評価」がSEOに影響するため です。


なぜロゴ変更でアクセスが落ちる企業があるのか?


その理由は、ロゴ変更とあわせてブランド名に関するテキスト情報まで変わってしまうから です。ロゴの alt 属性や画像の裏にある企業名のテキストは、Googleにとって「このサイトは何のサイトか」を判断する手がかりです。

ここが変わると、Googleは一時的に以前のブランドとのつながりを理解しづらくなります。さらに問題は外部サイトにも及びます。


外部サイトの紹介文が変わり、ブランドの意味が弱くなる


名前が変われば、当然、他社サイトがあなたのサイトを紹介するときの「言葉」も変わります。
以前は
「日本SEOデザインは〜」
と紹介されていたのが、名前変更後は
「JSDは〜」

というように略称の紹介になってしまうこともあります。

この変化がSEOに影響する理由は2つあります。

1. Googleはリンクに使われる言葉(アンカーテキスト)を重視するGoogleは、どのような単語でリンクされているかをもとに、「その企業が何の専門家なのか」「どういう分野で信頼されているか」を判断します。



正式名称でリンクされていた過去の評価が、略称やよくわからない短縮表記ばかりになると、ブランドの意味が弱くなってしまいます。

2. Googleはリンクの周囲の文章も注意深く読み取っている


実はGoogleはリンクそのものだけでなく、リンクの前後に書かれた文章 からも企業の専門性を理解しています。つまり、紹介文の中に「SEO」「コンサルティング」「支援」などの文脈が含まれていたものが、ロゴや名前変更をきっかけに
「JSDは〜」
「新会社名の〜」

程度の情報に薄まり、専門性を示す「言語的な手がかり」が減ってしまうことがあるということです。このような変化が積み重なると、Googleが把握していたブランド像が薄まり、検索評価に影響します。


ロゴのデザインがブランドイメージを下げ、紹介の質にも影響する


名前変更にあわせてロゴを変更すると、そのデザインの印象も大きく変わります。ここで意外に見落とされがちなポイントがあります。

ロゴの印象が良くないと、外部の企業・ポータルサイトが紹介をためらうケースがあるということです。第三者が企業を紹介するとき、ロゴはその企業の「顔」として強い印象を与えます。ロゴが急にカッコ悪くなったり、雑に見えてしまうと、
・信頼度が下がって見える
・安定した企業に見えなくなる
・何をしている会社かわかりづらくなる

と感じられ、掲載自体が見送られることもあります。

さらに厄介なのは、紹介してもらえたとしても、以前なら「高い評価とともに紹介されていたのに、変更後は弱い紹介に変わってしまう」というケースがあることです。
外部サイトの紹介文は、そのままブランド力や専門性の判断材料としてGoogleに評価されます。紹介の「量」だけでなく「質」が落ちることは、SEOにとって大きな痛手になります。


既存顧客があなたを見つけにくくなる「検索迷子」の問題


もう一つのよくある問題は、既存顧客が、いつもの検索キーワードであなたのサイトを見つけにくくなるということです。人は習慣的に、旧サイト名・旧社名を検索してサイトに訪れています。そこで検索結果のロゴやサイト名のテキストがすべて変わってしまうと、「このサイト、前に見たところと違う……?」と感じてクリックしなくなることがあります。

このクリック率(CTR)の低下は、Googleが評価を下げる理由になります。つまり、ロゴ変更そのものが悪いのではなく、名前変更とロゴ変更による「ユーザーの混乱」がSEOに影響するということです。

ロゴ変更の正しい進め方@:ロゴに含まれる「言語情報」を大きく変えない


ロゴ自体は画像ですが、その裏側には必ず alt属性のテキスト が入っています。また、CSSでロゴ画像の後ろに企業名をテキストとして表示しているサイトも少なくありません。

さらにロゴの近くには、サイト名を示すテキストが置かれることが多く、Googleはこうした「文字の部分」を手がかりに「何のサイトなのか」を理解します。そのため、サイト名や事業者名を変更するときでも、既存のお客様や検索エンジンが混乱しないように、言語的な手がかりを急激に変えないこと が重要です。

私のクライアントでも、サイト名を変更し、それによりサイトのロゴ画像を変更たことがありSEO的にマイナスになり検索順位が著しく下がったことがあります。例えば、旧社名の「日本SEOデザイン」から「JSD」に変更した際、ロゴも略称のみのデザインに変えた結果、外部サイトの紹介文がすべて「JSD」になってしまい、Googleが企業の専門性を正しく認識できなくなるのです。

検索エンジンは「意味のある言葉」から企業の専門性を読み取ります。略称だけでは、SEOで伝えていた「SEOの専門企業」という文脈が薄れてしまい、AI検索でも取り上げられにくくなりました。つまり、ロゴを変えるときは、ブランドの意味を伝える言葉を残しながら変更することが最重要ポイント です。

ロゴ変更の正しい進め方A:新しいデザインは「断絶」ではなく「進化」にする


ロゴを一新したい気持ちはよくわかりますが、デザインを大きく変えすぎるとユーザーが戸惑います。人は、検索結果に並ぶサイトの中から「見慣れた色や形」を無意識に探しています。

そのため、急にまったく違うロゴに変わると、別の企業だと思われてしまいクリック率が下がることがあります。クリック率が下がるということは、Googleが「このサイトは選ばれていない」と判断することにつながり、最終的には検索順位にも影響します。

世界的な企業でも、ロゴを大きく変えるときは必ず「前のデザインの雰囲気」を残します。色やシンボル、フォントのニュアンスを引き継ぎながら、新しい印象を作っていく方法です。このアプローチは、検索ユーザーにも「同じ会社だ」と安心してもらえるため、SEO上も大きなメリットがあります。

ロゴを変えるときほど、
「変えるポイント」と「残すポイント」を丁寧に見極めることが成功の鍵
になります。

ロゴ変更の正しい進め方B:AI検索時代は「ブランド一貫性」が何より重要


AI検索が普及した今、ロゴに含まれるテキストや前後の文章の一貫性は、以前よりずっと重要になりました。

ChatGPT も Gemini も Perplexity も、企業の名前・活動内容・専門性を 外部サイトの文章から大量に読み取って理解しています。そのため、ロゴ変更をきっかけに企業名の書かれ方がバラバラになると、AIはその企業を正しく認識できなくなる恐れがあります。

特にPerplexityは、外部サイトから企業名の文脈を広く集めて回答を生成します。略称ばかりで紹介されるようになると、企業の特徴や専門領域まで薄まってしまい、AIがあなたの会社を「その分野の専門家」と判断しにくくなります。

AI検索の時代においては、ブランド情報が「文章として」一貫していることが最大の武器になります。だからこそ、ロゴの alt テキスト、ロゴ周辺の企業名表記、サイト名の書き方など、言語情報を統一することが非常に重要なのです。

ロゴ変更の正しい進め方C:サイト内外すべてで「表記の統一」を徹底する


ロゴを変更すると、サイト名や企業名の表記が多くの場所で変わります。しかし、サイト内のすべてを同時に修正できないと、旧名と新名が混在してしまいます。

この「表記ゆれ」がSEOでもっとも大きなダメージになります。Googleは、サイト名・企業名の一貫性を強く重視しており、ページタイトル、メタディスクリプション、会社概要、SNSプロフィール、Googleビジネスプロフィール、外部ポータルサイトの掲載名などがバラバラだと、「一つの企業なのか?別の企業なのか?」という判断がしづらくなるからです。

AI検索でも同じで、ChatGPTはWeb上にある名前の書かれ方を「総合して」企業を特定しています。名前がバラバラだと、別の企業として扱われることすらあります。ロゴを変えるときは、「見た目」だけでなく「文字情報の統一」を徹底することが、もっともSEO効果を壊さない方法です。

ロゴ変更の正しい進め方D:旧ロゴと新ロゴを「併記」する移行期間をつくる


ロゴの切り替えを突然行うと、ユーザーも検索エンジンも混乱します。特に既存顧客は、旧社名や旧サイト名で検索して訪れているため、検索結果に新しいロゴや新しい名前が出てきても、「本当に同じ会社なのか?」と戸惑ってしまいクリックを避けることがあります。

そこで有効なのが、旧ロゴと新ロゴを一定期間「併記」する方法 です。サイトのヘッダーに「新ロゴ(以前のロゴはこちら)」と掲載したり、会社紹介ページでロゴ変更の理由を丁寧に説明するだけでも、ユーザーの不安は大きく減ります。

AI検索の観点でも、旧ロゴと新ロゴを併記すると、「ロゴは変わったが同じ企業である」という情報が文章として残るため、AIが正しく企業を理解しやすくなります。


まとめ


ロゴ画像そのものはSEOに直接悪影響を与えません。しかし、ロゴとセットで変わる altテキスト・企業名表記・外部サイトの紹介文 などが、検索評価に大きな影響を与えます。ロゴ変更で起こりやすい問題は次のようなものです。
・外部サイトの紹介文が変わり、ブランドの意味を示す言葉が弱くなる
・Googleはリンクに使われる言葉や周囲の文章を重視するため、評価が変わる
・ロゴの印象が悪くなると、紹介されなくなるだけでなく「紹介の質」まで下がる
・名前変更に伴ってユーザーがあなたを検索で見つけにくくなる
・サイト名・企業名の表記ゆれが発生し、GoogleやAIが企業を正しく認識できなくなる

そして、SEOに強いロゴ変更を実現するためには次の5つが大事です。
・ロゴに含まれる言語情報(altなど)を急に変えない
・デザインを断絶させず、旧イメージを残しながら進化させる
・AI検索時代は「ブランドの一貫性」が最重要
・サイト内外すべての名称表記を統一する
・旧ロゴと新ロゴを併記し、ユーザーとAIに「同じ企業である」と伝える

ロゴはただの画像ではなく、企業の「言語情報」と密接に結びついています。ロゴ変更は、SEOとAI検索の観点から計画的に進めることで、リスクを避けながらブランドの魅力を最大限に高めることができます。

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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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