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生成AIと人工知能

Googleが生成AI検索を有料化する!?広告収入依存からの脱却とサイト運営者が取るべき対応策

2024年04月14日

米アルファベット傘下のGoogle社が、生成AIを活用した高度な検索サービスを有料化する方向で検討しているというニュースが報じられました。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、Googleは既存のサブスクリプションサービスにAI検索を含めることを検討しており、実現すれば同社の中核サービスが初めて有料化されることになります。



この生成AIを活用した高度な検索サービスというのはGoogleが2023年8月30日に日本で公開したSGEのことだと考えられます。SGE(Search Generative Experience)は、Googleが開発した新しい検索機能で、生成AIによって検索体験を改善するものです。SGEは、検索されたキーワードの検索意図に沿った回答をGoogleが自動で生成します。SGEは、Microsoft Bing のような、Web検索を生成AIチャットボットとのやりとりで行うサービスです。


Googleの収益モデル



Googleの基本的な収益モデルは、主に広告収入に依存しています。同社は、検索エンジンサービスを無料で提供することで大量のユーザーを獲得し、そのユーザーデータを活用して広告主に的確なターゲティング広告を販売することで収益を上げてきました。

具体的には、Googleは広告主に対して、Google検索結果ページやGoogleが提携するウェブサイト上に広告を掲載するサービスを提供しています。広告主は、キーワード入札システムを通じて広告枠を購入し、ユーザーがその広告をクリックした場合に料金を支払う仕組みになっています。この広告モデルは、パフォーマンス課金型広告(PPC)と呼ばれ、広告主にとって費用対効果の高い広告手法として知られています。PPCとは、Pay Per Clickの略で日本語でクリック課金型広告を意味します。

Googleは、膨大なユーザーデータを解析することで、ユーザーの検索意図や興味関心を把握し、広告主にとって最適なタイミングで最適なユーザーに広告を表示することができます。また、GoogleはDoubleClickなどの広告プラットフォームを通じて、他のウェブサイトやアプリ上での広告掲載も行っており、広告ネットワークの規模を拡大してきました。DoubleClickとは、2007年にGoogleが買収したオンライン広告配信サービスのことで、バナー広告(ディスプレイ広告の一種)の配信で大成功を収めたサービスのことです。

加えて、Googleは無料のサービスを多数提供することで、ユーザーのGoogleエコシステムへのロックインを図っています。ロックインとは、利用中のサービスや製品をほかの同種の製品やサービスに変えづらい状態のことを指します。 IT分野では「ベンダーロックイン」と呼ばれ、特定の企業や製品に依存したシステムを構築した結果、他社製品への切り替えが難しくなる状態を指します。

Gmail、Google マップ、YouTube、Google ドキュメントなど、様々なサービスを無料で提供し、ユーザーの利便性を高めることで、自社サービスへの依存度を高めてきました。これにより、ユーザーデータの収集とターゲティング広告の精度向上につなげています。

Googleは、このような広告モデルを軸に、イノベーションを続けることで成長を遂げてきました。検索アルゴリズムの進化、モバイル端末への対応、動画広告の強化など、時代の変化に合わせて常に新たな技術と広告ソリューションを開発してきました。その結果、Googleは世界で最も利用されている検索エンジンとなり、インターネット広告市場で圧倒的なシェアを獲得するに至っています。

他のGAFAMの事業モデル


今回のGoogleの動きはある意味自然なものだと言えます。何故なら、Google以外のGAFAMと呼ばれる企業はすでに広告収入に頼らない事業モデルを展開し大きな成功を収めているからです。GAFAMとは、Google、Apple、Facebook(現Meta)、Amazon、Microsoftの頭文字を取った5つの巨大IT企業の総称です。Google以外のGAFAMのビジネスモデルは次のようになっています。

1. Appleの事業モデル



Appleは、ハードウェアとソフトウェアを自社で設計・開発し、統合的なエコシステムを提供することで収益を上げています。iPhone、iPad、Macなどのデバイス販売が主要な収益源であり、iTunes StoreやApp Storeを通じたコンテンツ及びアプリの販売、iCloudなどのサブスクリプションサービスも提供しています。プレミアム価格戦略と高いブランド力で高収益を維持しています。

《Appleが提供するサブスクリプションサービス》
・Apple Music
音楽ストリーミングサービス。7000万曲以上の楽曲を広告なしで聴くことができる。

・Apple TV+
オリジナルのTV番組や映画を提供するビデオストリーミングサービス。

・Apple Arcade
モバイルゲームのサブスクリプションサービス。広告や追加課金なしで100以上のゲームをプレイできる。

・Apple News+
人気の新聞や雑誌を読み放題できるサービス。300以上の出版物にアクセス可能。

・Apple Fitness+
ワークアウトビデオとトレーナーによるパーソナルトレーニングを提供するフィットネスサービス。

・iCloud+
クラウドストレージサービス。写真、動画、文書などのデータを保存・同期できる。プライバシー保護機能も含む。

2. Meta (旧Facebook)の事業モデル



Metaは、Facebook、Instagram、WhatsAppなどのSNSを無料で提供し、ユーザーの行動データをを取得し活用した広告収入で収益を上げています。広告主は、ユーザーの属性や行動データに基づいたターゲティング広告を配信できます。

《Metaが提供するサブスクリプションサービス》
・WhatsApp Business API
ビジネス向けのWhatsAppメッセージングサービス。顧客とのコミュニケーションを効率化し、自動化することができる。

・Workplace
企業向けのコラボレーションおよびコミュニケーションプラットフォーム。社内のチームや部門間のつながりを強化し、生産性を向上させる。

・Meta Quest+
バーチャルリアリティ(VR)ゲームおよびアプリのサブスクリプションサービス。人気のVRタイトルやアプリに広告なしでアクセスできる。

・Meta Verified
Facebookおよび Instagramアカウントの認証サービス。認証バッジ、追加セキュリティ機能、優先サポートなどの特典が含まれる。

・Horizon Workrooms
バーチャルリアリティ(VR)を活用したリモートワークソリューション。没入型のバーチャルオフィス環境で、チームとのコラボレーションやミーティングを行える。

3. Amazonの事業モデル



Amazonは、オンラインショッピングモールを運営し、物販での収益を上げると同時に、出品者から手数料を収受しています。また、Amazon Prime会員向けのサブスクリプションサービスや、クラウドコンピューティングサービスのAWS(Amazon Web Services)も提供しています。Kindleなどのデバイス販売やデジタルコンテンツの販売も行っており、総合的なエコシステムを構築しています。

《Amazonが提供するサブスクリプションサービス》
・Amazon Prime
お急ぎ便、お届け日時指定便などの配送特典に加え、Prime Video、Prime Music、Prime Readingなどの特典が含まれる総合的なサブスクリプションサービス。

・Amazon Music Unlimited
1億曲以上の楽曲を広告なしで聴くことができる音楽ストリーミングサービス。Prime Musicよりも多くの楽曲が利用可能。

・Kindle Unlimited
200万冊以上の電子書籍、マンガ、雑誌が読み放題になるサービス。Kindle端末だけでなく、スマートフォンやタブレットでも利用可能。

・Audible
オーディオブック(音声書籍)のサブスクリプションサービス。50万冊以上のオーディオブックが聴き放題。

・Amazon Kids+
子供向けの絵本、教育アプリ、ゲーム、動画などのコンテンツが利用できるサブスクリプションサービス。年齢に応じたコンテンツが提供される。

・Amazon Business Prime
ビジネス向けの配送およびサービス特典を提供するサブスクリプションサービス。業務用品の割引や、複数ユーザーでの購入管理機能などが含まれる。

・AWS(Amazon Web Services)
クラウドコンピューティングサービスのサブスクリプション。ストレージ、データベース、分析、機械学習などの各種サービスを提供。

4. Microsoftの事業モデル



Microsoftは、Windows OSやOfficeなどのソフトウェアライセンス販売で収益を上げてきましたが、近年はクラウドサービスに注力をしています。Microsoft 365、Office 365、やMicrosoft Azureなどのサブスクリプションサービスを提供し、法人向けのソリューション販売も強化しています。また、ゲーム機Xbox関連の収益も大きな割合を占めています。

《Microsoftが提供するサブスクリプションサービス》
・Microsoft 365
Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリケーション、クラウドストレージ、メール、ビデオ会議ツールなどを含む包括的なサブスクリプションサービス。

・Office 365
Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリケーションとクラウドサービスを提供するサブスクリプション。Microsoft 365の一部の機能が含まれる。

・OneDrive
クラウドストレージサービス。ファイルの保存、同期、共有が可能。Microsoft 365およびOffice 365に含まれるが、単体でのサブスクリプションも可能。

・Xbox Game Pass
Xboxおよび Windows PC向けのゲームサブスクリプションサービス。100以上のゲームタイトルが追加料金なしで遊び放題。

・Xbox Live Gold
オンラインマルチプレイヤーゲームや毎月の無料ゲームなどの特典を提供するXbox向けのサブスクリプションサービス。

・Microsoft Azure
クラウドコンピューティングプラットフォームのサブスクリプション。仮想マシン、ストレージ、データベース、IoT、AI などの各種サービスを提供。

・Microsoft Intune
クラウドベースのエンタープライズモビリティ管理(EMM)サービス。企業のデバイスやアプリケーションの管理、セキュリティ保護を行う。

・Microsoft Dynamics 365
CRM(顧客関係管理)とERP(企業資源計画)のクラウドサービス。販売、カスタマーサービス、財務、サプライチェーン管理などの機能を提供。

これらの企業は、それぞれ異なるビジネスモデルを持ちながらも、共通してデジタル技術を活用した革新的なサービスを提供し、ユーザーのデータを活用することで高い収益性を実現しています。また、自社のエコシステムを構築し、ユーザーをロックインすることで、強固な競争優位性を維持しています。現在、AI やIoTなどの新たな技術を取り込みながら、さらなる事業領域の拡大に取り組み、収益モデルを強化しつつあります。

Googleは確実に広告収入に依存するビジネスモデルからの脱却を目指している



このようにApple、Meta、Amazon、MicrosoftはGoogleのように広告販売の収益に依存することなく、ハードウェアの販売、EC、ソフトウェアライセンス、コンテンツのサブスクリプションサービスといった多様な収益源を持っています。

実はGoogleはすでに次のような有料サブスクリプションサービスを提供して、広告以外にも収入があります。

《Googleが提供するサブスクリプションサービス》
・Google One
追加のストレージ容量や特典を提供するサブスクリプションサービス。Google ドライブ、Gmail、Google フォトの容量を拡張できる。

・YouTube Premium
広告なしでYouTube動画を視聴できるサブスクリプションサービス。オフライン再生、バックグラウンド再生、YouTube Originals(オリジナルコンテンツ)へのアクセスも可能。

・YouTube Music Premium
広告なしで音楽が聴き放題の音楽ストリーミングサービス。オフライン再生やバックグラウンド再生も可能。YouTube Premiumに含まれる。

・Google Workspace(旧G Suite)
Gmail、Google ドライブ、Google ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライド、Google Meetなどのビジネス向けアプリケーションを提供するサブスクリプション。

・Google Play Pass
Android向けのアプリとゲームのサブスクリプションサービス。広告や課金なしで多数のアプリやゲームを利用できる。

・Fitbit Premium
Fitbitウェアラブルデバイスと連携したフィットネスサブスクリプションサービス。パーソナライズされたワークアウト、健康指標の詳細分析などが提供される。

・Google Stadia Pro
クラウドゲーミングサービスのサブスクリプション。高品質でゲームをストリーミングでき、無料ゲームや割引など特典も提供される。

・Google Cloud
クラウドコンピューティングサービスのサブスクリプション。仮想マシン、ストレージ、データベース、ネットワーキング、AI、機械学習など多様なサービスを提供。

しかし、これらの収益は全体の数十%でしかなく、収入のほとんどを広告収入に依存しているのが現状です。

今回のGoogle検索の有料化の動きは、広告販売の収益に依存するGoogleの事業モデルに大きな影響を及ぼす可能性があります。大きな影響としては次のようなものが考えられます。

1. 収益構造の変化


AI検索の有料化により、Googleは広告収入以外の新たな収益源を獲得することを模索しています。ユーザーに毎月課金するサブスクリプションモデルを導入することで、ユーザーから直接の収入を得ることができ、広告主への依存度を下げることができるからです。ただし、検索エンジンを無料で利用するユーザーの減少により、広告収入の減少が予想されます。

2. ユーザーエンゲージメントへの影響


有料のAI検索サービスを提供することで、Googleはユーザーにより高度な検索体験を提供できます。一方で、無料検索ユーザーの満足度が低下する可能性があり、他社サービスへの流出リスクも懸念されます。それによりトラフィックが減少し、ユーザーエンゲージメントも減少することが予想されます。

3. 他のGAFAM企業との差別化が困難になる


GoogleがAI検索の有料化で先行することで、他のGAFAM企業もAI関連サービスの有料化を検討する可能性があります。各社のAI戦略に影響を与え、新たな競争の局面を迎える可能性があります。特にMicrosoftは、ChatGPTを統合したBingの検索サービスを強化しており、Googleとの競争が激化することが予想されます。長年Googleの検索ビジネスでの成功を指を加えて見ていたApple、Meta、Amazonも独自のAIサービスを以前から展開しているので現在のこの混沌とした状況をチャンスと捉えているはずです。このようにGoogle以外のGAFAM企業が生成AIサービスを提供することにより、同じく生成AIを提供するGoogleとの違いが見えにくくなる可能性があります。

Googleの検索有料化は、同社の事業モデルに大きな変化をもたらすと同時に、GAFAM企業を含む業界全体に影響を及ぼす可能性があります。Googleがいかにユーザーの利便性と公平性を維持しながら、新たなビジネスモデルを構築していくかが注目されます。同時に、他のGAFAM企業がどのようにAI戦略を進化させていくのかも、今後の重要なポイントになるでしょう。

これまでGoogleを使って集客をしてきた企業がとるべき対応策


これまで、多くの日本企業がGoogleの無料検索サービスを活用してウェブサイトへの集客を行ってきました。しかし、今回のニュースを受けて、これまでの集客戦略を見直す必要性に迫られています。これまでGoogleを使って集客をしてきた企業がとるべき対応策としては次のようなものが考えられます。

1. 自社サイトのコンテンツ充実


AI検索の有料化に伴い、無料の従来型検索だけでは集客が難しくなる可能性があります。そのため、自社サイトのコンテンツを充実させ、ユーザーにとって価値のある情報を提供することが重要です。独自のコンテンツを作成し、ユーザーの関心を引き付けることで、Google検索を介さずに直接、ウェブサイトへのアクセスを増やすことが目指せます。すでに、日経新聞デジタル版や、Amazon、メルカリ、ホットペッパー、Yahoo!JAPANなどの人気サービスはブラウザからユーザーが毎日のように直接サイトに来るため、Google検索からの流入に依存してはいません。

2. SNSマーケティングの強化


SNSを活用したマーケティングに注力することも有効です。自社のSNSアカウントを通じて、ユーザーとのエンゲージメントを高め、ブランド認知度を向上させましょう。また、インフルエンサーとのコラボレーションやSNS広告の活用も検討すべきです。国内の人気SNSであるInstagram、X、Facebook、LINEや動画プラットフォームとして人気のあるYouTubeやTikTokを本気で集客ツールとして活用しなくてはならない時代になっています。

3. メールマーケティングの活用


メールマーケティングは、ユーザーとの直接的なコミュニケーションが可能な手法です。メールマガジンを通じて、自社の製品やサービス、最新情報などを定期的に発信することで、ユーザーとの関係性を維持・強化できます。

4. コンテンツマーケティングへの注力


ブログやYouTubeなどを通じて、自社の専門性を活かしたコンテンツを発信することも重要です。ユーザーにとって有益な情報を提供することで、自社の信頼性を高め、ブランドイメージを向上させることができます。

5. 他の検索エンジンの活用


Google以外の検索エンジン、例えばBingやDuckDuckGoなどを活用することも選択肢の一つです。これらの検索エンジンでも、自社サイトのSEO対策を行うことで、一定の集客効果が期待できます。

6. オフラインマーケティングとの連携


オンラインマーケティングだけでなく、オフラインマーケティングとの連携も重要です。イベントの開催やチラシの配布など、オフラインでの施策と連動させることで、相乗効果を生み出すことができます。

今回報じられたAI検索の有料化の動きは、Googleのビジネスモデルに大きな変化をもたらす可能性があります。無料の検索サービスを基盤とした広告モデルから、AI検索という付加価値の高いサービスを直接ユーザーに販売するサブスクリプションモデルへの転換を意味するためです。Googleがこの新たなビジネスモデルをどのように展開し、既存の広告モデルとのバランスを取っていくのかが注目されます。

結論として、GoogleのAI検索有料化の可能性を踏まえ、サイト運営者は集客戦略の多角化を図る必要があります。自社サイトのコンテンツ充実、SNSマーケティング、メールマーケティング、コンテンツマーケティング、他の検索エンジンの活用、オフラインマーケティングとの連携など、様々な手法を組み合わせることで、安定した集客が目指せます。今回の変化を機に、自社のマーケティング戦略を見直し、新たな成長の機会としてとらえていくことが重要です。

米国企業がSGE実施後のSEOへの影響調査の結果発表!ウェブサイト運営者が取るべきSGE対策とは?

2024年04月10日

GoogleがAIを活用した新しい検索機能「Search Generative Experience (SGE)」の導入を進めています。SGEは検索結果に大きな影響を与える可能性があり、ウェブサイト運営者にとっては対応が必要な変化と言えるでしょう。今回は、Authoritasの調査結果をもとに、SGE導入に向けてウェブサイト運営者ができる対策について解説します。



SGEとは?


SGEとはSearch Generative Experienceの略で、AIを活用してユーザーの検索意図に合わせた情報を要約し、検索結果ページにわかりやすく表示する機能です。SGEの結果は検索結果の上位を占めるため、従来の検索結果とは大きく異なる表示となります。

《SGEテスト版の検索結果例》




SGE導入によるウェブサイトへの影響


Authoritasの調査によると、SGEの導入により次のような影響が予想されています:

- SGEの結果が表示されると、1位の検索結果の表示位置が平均1,200ピクセル以上下がる
- SGEのリンクの62%は、検索結果1ページ目に表示されないドメインからのもの
- EC、電化製品、ファッション関連の検索で特に影響が大きい

つまり、SGEにより検索結果の表示が大きく変化し、これまでSEO対策で上位表示を目指していたウェブサイトにとっては、アクセス数減少のリスクがあるということです。

SGE対策のポイント


では、ウェブサイト運営者はSGE導入に向けてどのような対策をすべきでしょうか。今のところ次の4つのポイントが考えられます。

1. 充実したコンテンツの作成


SGEではより詳細で専門的な情報が優先的に表示される傾向にあります。そのため、自社の商品やサービスについて、専門家の意見を交えながら掘り下げて解説するコンテンツを作成しましょう。

SGEでは、詳細で専門的な情報を含むコンテンツが優先的に表示される傾向にあります。そこで、SGE対策に効果的な、充実したコンテンツを作成するコツには次のようなものがあります。

(1)製品やサービスの特徴を詳しく説明する


自社の製品やサービスについて、その特徴や強みを詳しく説明するコンテンツを作成してください。例えば、化粧品ブランドであれば、以下のような内容が考えられます:

・各製品の成分や効果について、図解入りで詳しく解説する
・製品の開発背景やこだわりのポイントを、インタビュー形式で紹介する
・ユーザーの疑問や悩みに合わせた、製品の使い方や選び方のガイドを作成する

(2)専門家の意見を取り入れる


自社の商品やサービスに関連する分野の専門家に、コメントや寄稿を依頼してみましょう。例えば、健康食品を扱う企業であれば、以下のような協力を仰ぐことができます:

・商品の監修を依頼している医師や管理栄養士のインタビューを掲載する
・社外の研究者に、商品の効果に関する解説記事の執筆を依頼する
・専門家が商品を実際に使用したレビューを掲載する

(3)ユーザー調査や実験結果を交える


自社で実施したユーザー調査や実験の結果を、コンテンツ内で紹介してみてください。例えば、家電メーカーであれば、以下のような情報が役立つでしょう:

・新製品の開発前に行ったユーザーアンケートの結果と、それを反映したポイントを解説する
・製品の性能や耐久性を検証した実験の様子を、動画で紹介する
・ユーザーモニターに製品を使ってもらい、その声を詳しく紹介する

(4)関連する話題や旬のトレンドと絡める


自社の製品やサービスと関連する話題や、旬のトレンドについて言及することで、コンテンツの幅を広げることができます。例えば、アウトドアブランドであれば、以下のような切り口が考えられるでしょう:

・環境保護への取り組みについて、自社の事例を交えて詳しく紹介する
・人気のアウトドアスポットや、最新のキャンプグッズのトレンドを解説する
・アウトドア経験豊富なインフルエンサーとコラボし、装備の選び方や使い方を紹介する

SGEで上位表示を狙うためには、自社の専門性を生かしつつ、ユーザーの関心や疑問に応える充実したコンテンツを意識的に作成していくことが大切です。データや実例を交えることで説得力が増しますし、専門家の意見を取り入れることで信頼性も高まるでしょう。ユーザー目線で、役立つ情報を詰め込んだコンテンツを目指しましょう。

2. 構造化データの最適化


構造化データを適切に設定することで、SGEに自社コンテンツの情報を正しく伝えることができます。特に製品情報やレビュー、企業情報などは構造化データでしっかり記述しておくことが重要です。

SGEでは、構造化データを適切に設定することが重要です。構造化データを使うことで、自社コンテンツの情報をSGEに正しく伝えることができます。SGE対策に効果的だと考えられる構造化データの最適化方法としては次のようなものが考えられます。

(1)製品情報の構造化データを設定する


自社の製品情報を構造化データで記述することで、SGEでの表示を最適化できます。例えば、以下のような情報を構造化データで記述しましょう:

・製品名や型番、価格、在庫状況などの基本情報
・製品の特徴や仕様、材質、サイズなどの詳細情報
・製品の画像や動画、関連するカテゴリー情報

(2)レビュー情報の構造化データを設定する


製品やサービスのレビュー情報を構造化データで記述することで、SGEでの表示を最適化できます。例えば、以下のような情報を構造化データで記述しましょう:

・レビューの対象となる製品やサービスの情報
・レビューの本文や評価点数、投稿日時などの詳細情報
・レビュー投稿者のプロフィール情報

(3)企業情報の構造化データを設定する


自社の企業情報を構造化データで記述することで、SGEでの表示を最適化できます。例えば、以下のような情報を構造化データで記述しましょう:

・企業名や設立日、代表者名などの基本情報
・企業のロゴ画像や、事業内容、ブランド説明などの詳細情報
・企業の所在地や連絡先情報

構造化データを適切に設定するためには、Schema.orgで定義されている語彙を使用することが重要です。自社コンテンツに合わせて必要な構造化データを選び、正しい形式で記述するようにしましょう。本記事で紹介した基本的な構造化データを設定することで、SGE対策に大きく前進するはずです。ユーザーにとって有用な情報を、検索エンジンにもわかりやすく伝える努力を続けるべきです。

3. ブランディングの強化


SGEの結果には、検索結果1ページ目以外のサイトも表示されます。自社ブランドの検索でも、競合他社が表示されるリスクがあるのです。日頃からブランディングを強化し、ユーザーから信頼されるブランドを築いておくことが大切です。SGEが正式導入されたら、自社ブランドの検索結果にも競合他社が表示されるリスクがあります。このリスクに備えるには、日頃からブランディングを強化し、ユーザーから信頼されるブランドを築いておくことが大切です。SGE時代に効果的なブランディング強化の施策としては次のようなものが考えられます。

(1)ブランドストーリーを発信する


自社ブランドの成り立ちや想いを、ストーリー仕立てで発信してみましょう。ユーザーに自社ブランドの価値観や個性を印象付けることができます。例えば、以下のような事例が参考になります:

・「クラフトボス」は、"仕事は自分だけのものではない"という創業者の想いを伝えるブランドストーリーを発信し、ユーザーの共感を集めています。
・「スノーピーク」は、創業者の故郷である新潟の自然への想いを紹介することで、ブランドの独自性を印象付けています。

(2)ユーザー参加型のキャンペーンを実施する


ユーザー参加型のキャンペーンを実施することで、自社ブランドとユーザーの絆を深めることができます:

・「FUJIFILM」は、ユーザーが撮影した写真を投稿してもらう「FUJIFILMフォトコンテスト」を定期的に開催し、ブランドへの愛着を高めています。
・「ユニクロ」は、Tシャツのデザインを一般公募する「UTグランプリ」を実施するなど、ユーザーとのエンゲージメントを重視したキャンペーンを展開しています。

(3)インフルエンサーとのコラボレーションを行う


自社ブランドの魅力を多くのユーザーに伝えるには、インフルエンサーとのコラボレーションが効果的です。例えば、以下のような取り組みが参考になるでしょう:

・「エチュードハウス」は、人気美容系インフルエンサーとのコラボ動画を定期的に配信し、ユーザーの注目を集めています。
・「カルビー」は、人気お笑い芸人とのコラボCMを制作し、ブランドイメージの向上につなげています。

(4)社会貢献活動を積極的に行う


自社ブランドが社会貢献活動に積極的に取り組むことで、ユーザーからの信頼や好感度を高めることができます。例えば、以下のような活動が注目されています:

・「ドトールコーヒー」は、コーヒー豆の生産地への支援活動に力を入れており、ブランドへの信頼感につなげています。
・「ロート製薬」は、子供の健康を守る活動に注力し、ユーザーから「子育てを応援するブランド」としての評価を得ています。

SGE時代のブランディングでは、自社の価値観を明確に打ち出し、ユーザーとの絆を深めていくことが求められます。ストーリー性のあるコンテンツや、ユーザー参加型の施策、インフルエンサーとのコラボなどを通して、ブランドの個性を印象付けていきましょう。さらに、社会貢献活動でブランドの信頼感を高めることも大切です。これらの取り組みをすることによりユーザーに愛されるブランド作りが目指せるようになります。

4. 多様なチャネルでの情報発信


SGEでは、SNSやQ&Aサイト、動画などの情報も積極的に取り込まれる傾向にあります。自社の強みを生かせる多様なチャネルを活用し、ユーザーとの接点を増やしていくことが重要です。GE時代に効果的な情報発信の施策の例としては次のようなものがあります。

(1)SNSを活用した情報発信


自社ブランドの魅力をSNSで積極的に発信することで、ユーザーとのエンゲージメントを高めることができます。例えば、以下のような取り組みが参考になります:

・「ドトールコーヒー」は、公式Twitterアカウントで季節のドリンクの紹介やキャンペーン情報を発信し、フォロワーとの交流を深めています。
・「SHISEIDO」は、Instagramで美容のお役立ち情報や新商品の紹介を行い、ユーザーからの反響を得ています。

(2)Q&Aサイトでの情報提供


Q&Aサイトで自社の専門性を生かした情報提供を行うことで、ブランド認知度の向上につなげることができます。例えば、以下のような事例が注目されています:

・「ファンケル」は、Yahoo!知恵袋で健康や美容に関する質問に丁寧に回答し、ユーザーからの信頼を獲得しています。
・「明治安田生命」は、教えてgooで保険に関する質問に詳しく答えることで、保険のプロとしてのブランドイメージを築いています。

(3)動画コンテンツの制作・配信


動画コンテンツを制作・配信することで、自社の商品やサービスの魅力を視覚的に伝えることができます。例えば、以下のような取り組みが参考になります:

・「日清食品」は、カップヌードルのCMをYouTubeで公開し、若者を中心に高い再生回数を記録しています。
・「パナソニック」は、商品の使い方や選び方を解説する動画をYouTubeで定期的に配信し、ユーザーの満足度向上につなげています。

(4)オウンドメディアの運営


自社でオウンドメディアを運営することで、ブランドの世界観を存分に伝えることができます。例えば、以下のような事例が注目されています:

・「モンベル」は、登山やキャンプに関する情報を発信するオウンドメディア「MONTURA」を運営し、アウトドア愛好者からの支持を集めています。
・「ヱビスビール」は、ビールの魅力を伝えるオウンドメディア「ヱビスビール記念館」を運営し、ブランドへの理解を深めています。

SGE時代の情報発信では、自社の強みを生かせる多様なチャネルを活用し、ユーザーとの接点を増やしていくことが求められます。SNSでの交流や、Q&Aサイトでの情報提供、動画コンテンツの配信、オウンドメディアの運営など、様々なアプローチを組み合わせることで、ブランドの魅力を効果的に伝えていきましょう。ユーザーとの絆を深め、長期的な関係性を築いていくことが、SGE時代を勝ち抜くカギとなるでしょう。

SGEはまだ発展途上の機能であり、今後も変化していくことが予想されます。ウェブサイト運営者には、最新の情報をウォッチしながら柔軟に対応していくことが求められるでしょう。SEOの基本に立ち返りつつ、SGE時代にマッチした新たな施策にもチャレンジしましょう。

SGEへの対応策は?Googleが検索1位に生成AIを表示した時にするべきこと

2024年04月02日

前回は、「SGE」と呼ばれる生成AIを搭載するGoogleが登場するということについてレポートしました。

今回は、「SGE」が実施された後、私達サイト運営者がどうすれば従来のようにGoogle検索からの自社サイトへの流入を維持することが出来るのかを考察します。

Google検索からの自社サイトへの流入を維持する方法の1つはGoogleの生成AIに引用されるくらいの高い質のページを作ることでしょう。


Googleの生成AIに引用されるための対策


高い質とは:

(1)正確性が高い情報であること
(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること
(3)実体験に基づいた情報であること
(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること
(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 
(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること 


の6つが今のところ考えられます。

実際に引用されているサイトへのリンクをクリックしてリンク先のサイトを見てみるとこれら6つの条件の全て、あるいは複数を見たいしているサイトであることが確認されています。これら6つの条件の全てまたはなるべく多くを満たすことが非常に重要になるはずです。

《生成AIの回答の中に表示される情報の引用元へのリンクの例》


(1)正確性が高い情報であること


Googleは情報の正確性を重んじる企業です。そのため当然、生成AIが作成した答えの情報源には高い正確性を求めるはずです。自社サイトには正確性の低い情報を無くしていきながら正確性の高い情報を増やすことが必要です。

(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること


その道の専門家は一般人が知らない希少性が高い情報を持っています。生成AIに引用してもらうためには一般人が書いたコンテンツではなく、専門家が書いたコンテンツをサイト内に増やす必要があります。

(3)実体験に基づいた情報であること


Googleはウェブ上にある情報を単にまとめたコンテンツではなく、著者自身の体験に基づいたコンテンツを高く評価するため体験に基づいたコンテンツは引用される可能性が高いと言えます。

(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること


生成AIによる答えの部分にはテキストやリンクだけでなく、画像も表示されます。そしてその画像は引用元サイトの画像が使われます。そのため、生成AIが引用したくなる画像を作成してサイトに載せることが有効です。そしてその画像が生成AIの答えの部分に表示された時にクリックしたくなるような画像であれば、その画像リンクをクリックして引用元のサイトをユーザーが見に行く確率が高まります。

(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 


記事の冒頭に専門家の肩書と氏名を掲載し、氏名をクリックするとその著者のプロフィールページに飛ぶようにリンクを張ることが有効です。

《著者のプロフィールページへのリンク例》


(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること


特定のページの著者の情報だけでなく、そのページが属するサイトを運営しているのは誰かを示すサイト運営者情報に正式な事業者名、所在地、連絡先、事業内容、沿革、挨拶などを載せることにしてサイトの信用性が高まりそのサイトに属するページの信頼性も高まります。

生成AIの答えの下にある通常の自然検索の部分に自社サイトが表示された時の対策


次に考えなくてはならないのは、検索結果ページ上にある生成AIの答えの下にある通常の自然検索の部分に自社サイトが表示された時に、どれだけの検索ユーザーがリンクをクリックして私たちのサイトに来てくれるかということです。

《生成AIの回答の下に表示される自然検索結果部分の例》


これは全く未知のことなので予測するのは困難ですが私は次のようになると思います。

【予想1】ユニークな内容のページならクリックしてもらえる

 
生成AIは優等生的な答えを返すのは得意ですが、個性的でユニークな答えを返すことはしません。そのため、ユニークな情報を探しているユーザーに喜んでもらえるような独自性が高い意見や見解、解説を軸にしてそれを前面に押し出したテーマのページを作ればクリックしてくれる可能性が高まることが期待できます。

【予想2】権威性が高いサイトのページならクリックしてもらえる


例えば、金利に関するキーワードで検索しているユーザーが、自然検索欄で「●●銀行・・・」、「三菱UFJ銀行・・・」、「●●●協会・・・」という文言を発見したら、信頼できそうな情報だということでクリックしてくれる可能性が高まるはずです。

【予想3】ブランド力が高い企業・個人が運営するサイトのページならクリックしてもらえる

 
その道で有名なブランド力を持つ企業や個人ならユーザーが見たくなってクリックしている可能性が高いはずです。

【予想4】筆者の経験に基づいた内容のページならクリックしてもらえる


生成AIの弱点の一つは、人間とは違い肉体を使った体験ができないということです。体験談を探している検索ユーザーならば生成AIではなく人が作ったコンテンツ、ブログ記事などを読みたがるはずです。

【予想5】独自の実験を発表するページならクリックしてもらえる

 
実際に商品を使って、それを検証、レビューする記事や、何らかの実験結果を発表するコンテンツは生成AIでは難しいので、そうしたコンテンツを作れば検索結果上でクリックされるチャンスが増すはずです。

【予想6】検索順位が1位か2位くらいならばクリックしてもらえる

 
生成AIのブロックは背景に色がついて、画像もあるため非常に目立ちますが、そのすぐ下に表示される自然検索の1位か、悪くても2位ならばある程度のクリック率が期待できると思います。

しかし、自然検索の順位がそれ以下の場合、特に、6位、7位だとか、9位、10位だと従来と比べてクリック率はかなり減るはずです。

しかも、最近のGoogleは昔と比べて検索結果ページが少なくなってきています。以前なら検索結果が100ページくらい表示さて上位1000ページくらいは見れましたが、最近では4ページ目くらいで止まってしまうので上位40位くらいしか見れないことが増えています。

こうした理由により、SEOの競争率は各段に高まるはずです。

恐らく、多くのプレイヤー、つまりSEOでの集客を目指す企業がこの厳しい競争で脱落していくはずです。

やり方もわからず、ただ競争率が増すのを見ればほとんどの人たちが戦意を喪失する可能性があるのは無理もありません。

しかし、こうした生成AI時代の対応策を知ることにより、戦意を喪失するのではなく、むしろこれはチャンスだと積極的に受け止めて、以前よりもSEOで成果を上げる企業もでてくるはずです。

私たちはそうした企業になることを目指すべきです。

【予想7】指名検索ならば生成AIは表示されず、自社サイトが1位か2位には表示されるのでクリックしてもらえる

 
指名検索ならば競争はありません。自社が所有する社名や、店舗名、商品名などのブランド名では自社サイトが上位表示されやすくなっています。

SEOの最終的なゴールはそこです。

一般名詞での検索ではなく、私たちが所有するブランド名での上位表示を目指すべきです。

そのために、SEOをするのです。個性的なブランド名を考えてユーザーに覚えてもらう努力をしつつ、何よりも、競合他社とは別格の独自性が高く顧客に喜ばれる商品・サービスの提供に全力を尽くすべきです。

以上が、SGE時代の新しいSEO対策です。念のため、Googleの公式発表や直近のSGEに関するテストの動向も見てみましょう。

Googleの公式情報


GoogleはSGEの意味について「生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介」
https://japan.googleblog.com/2023/08/search-sge.html
というページで説明をしています。

この中に重要な一節があります。

『Google は、@ 生成 AI を検索に組み込む工程においても、トラフィックをウェブサイトに送ることに引き続き注力しています。広告は、ウェブが機能するための重要な要素であり、ユーザーが関連する製品やサービスを見つけるのに役立つと考えています。この新しい生成 AI の体験では、A検索広告はページ全体の専用広告枠に引き続き表示されます。また、広告の透明性を確保し、検索結果と広告が明確に区別できるように「スポンサー」と表示します。』

という部分です。

1つ目の重要な部分は・・・

@ 生成 AI を検索に組み込む工程においても、トラフィックをウェブサイトに送ることに引き続き注力しています。

という部分です。

Googleは情報を独占するのではなく、引き続き、生成AIの部分から参照元という形で情報を引用したサイトへリンクを張ります。これは冒頭で説明した



という赤枠で囲った部分です。

そして生成AIの情報の下には従来のように自然検索結果を表示して他のサイトにリンクを張ります。

2つ目の重要な部分は・・・

A検索広告はページ全体の専用広告枠に引き続き表示されます。また、広告の透明性を確保し、検索結果と広告が明確に区別できるように「スポンサー」と表示します。

というところです。現在の日本語のテスト版には表示されていませんが、英語版などで複数のパターンをテストしているといわれています。ここはGoogleにとって何兆円もの売り上げを稼ぎ出すビジネス的に非常に重要な部分なので慎重に決めるということです。

直近のSGEのテストの動向


海外のSEOのニュースサイトや英語版のGoogle公式サイトではこうした広告の表示場所のテストや、生成AIが生成した画像の表示、個人の検索履歴に基づいた結果のカスタマイズなど様々なテストをしているということです。重要な発表があったら必ずこのブログで報告させていただきます。

SGEへの対策まとめ


以上が、SGEのテスト版とは何か、そこから見えてくる正式版へのSEO対策についてです。

対応策をまとめると・・・

《生成AIの部分に参照元サイトして紹介してもらい自社サイトにリンクを張ってもらうための対策》
(1)正確性が高い情報であること
(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること
(3)実体験に基づいた情報であること
(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること
(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 
(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること 

《生成AIの部分の下に表示される自然検索欄から自社サイトにユーザーに来てもらうための対策》
(1)ユニークな内容のページを作る
(2)権威性が高いサイトになることを目指す
(3)ブランド力が高い企業・個人になることを目指す 
(4)筆者の経験に基づいた内容のページを作る
(5)独自の実験を発表するページを作る 
(6)検索順位を1位に、悪くても2位になるようにSEOに力を入れる
(7)指名検索ならば生成AIは表示されないので指名検索をしてもらうための取り組みをする

という合計13の対策があります。

SGEの事を知って驚いていた方、何をすれば良いのかがわからず不安だった方はこれらを参考にしてすぐに取り組んでください。今から準備すれば遅すぎるという事態は避けられるはずです。むしろこのピンチをチャンスにして躍進しましょう!
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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