HOME > 2026年10月15日
このエントリーをはてなブックマークに追加

2026年10月15日

AIで書いた記事は「公開前に人が事実確認」が極めて重要――Googleが公式ガイドに明記した理由と見直すべき4つの場所

2026年10月15日

AIで記事を書くことは、もはや特別なことではなくなりました。ChatGPTやGemini、Claudeを使って下書きを作り、少し手を入れて公開する。そうした制作の流れは、企業のWebサイトでもすっかり当たり前になっています。

そうした中、Googleが生成AIで作ったコンテンツについての公式ガイドを2026年10月1日に更新しました。新たに書き加えられたのは、生成AIの仕組みについての説明と、「AIが作ったコンテンツは、公開前に人の手で事実確認することが極めて重要だ」という一文です。

今回の更新は英語版ドキュメントでの変更です。しかし、ガイドの考え方は日本語のサイトにもそのまま当てはまります。しかも、9月24日から始まったスパムアップデートが進行している最中の更新ということもあり、AIで記事を量産しているサイトにとっては見過ごせない内容です。

この記事では、Googleのガイドに何が加わったのか、なぜ人による確認がそこまで重視されるのか、そして本文以外にどこを確認すればよいのかを、長年SEOのコンサルティングに携わってきた立場から解説します。


Googleの生成AIガイドに何が加わったのか


今回更新されたのは、Google検索セントラルにある、ウェブサイトで生成AIコンテンツを使う際のガイダンスをまとめたドキュメントです。サイト運営者が生成AIをコンテンツ制作に使うときの考え方をまとめたもので、これまでも「AIを使うこと自体は問題ないが、ユーザーにとって価値のあるコンテンツであることが前提」という立場が示されてきました。

今回の更新で新しく加わったポイントは、大きく分けて次の3つです。

1. 生成AIは事実を取り出すのではなく、言葉の並びを予測している
Googleは、生成モデルは事実を検索して取り出しているのではなく、学習データをもとに「次に来そうな言葉の並び」を予測しているのだと説明しています。

2. AIの出力には不正確な内容が含まれることがある
そのため、生成AIの出力には誤り、いわゆるハルシネーション(AIが事実ではない内容を、もっともらしく作り出してしまう現象)が含まれる可能性があると明記されました。

3. 公開前に人の手で事実確認することが極めて重要
そのうえで、AIが生成したすべてのコンテンツについて、正確性と信頼性を公開前に人の手で事実確認し、見直すことが「極めて重要(critical)」だと書かれています。




生成AIは事実を「調べて」いない


今回の更新でまず注目したいのは、Googleが生成AIの仕組みそのものを説明に加えたことです。

生成AIの中心にあるのは、LLM(大規模言語モデル:膨大な文章を学習し、文章の続きを予測することで言葉を生成するAI)と呼ばれる技術です。LLMは、質問を受けると百科事典を引いて正解を探しにいくわけではありません。学習した膨大な文章のパターンから、「この流れなら次はこの言葉が来る確率が高い」という予測を積み重ねて文章を組み立てています。

スマートフォンの予測変換をイメージすると分かりやすいでしょう。「お世話に」と打てば「なっております」が候補に出てきます。これは、スマートフォンが意味を調べたからではなく、その並びが多く使われているからです。生成AIは、この予測変換を比べものにならないほど高度にしたものだと考えてください。

この仕組みだと、文章としては非常に自然なのに、中身の数字や固有名詞が間違っているということが起こります。「それらしい言葉」と「正しい事実」は必ずしも一致しないからです。しかも、AIは間違っているときも自信がありそうな文体で書くため、読み手が誤りに気づきにくいという問題もあります。

Googleがわざわざこの仕組みをガイドに書き込んだのは、「AIが書いたものは正しいはずだ」という前提で公開してしまうサイト運営者が少なくないからだと私は考えています。



「極めて重要」という強い言葉の重み


今回の更新を報じた海外のSEO専門メディアSearch Engine Landでは、記者のバリー・シュワルツ氏が「critical(極めて重要)」という言葉づかいに注目しています。Googleはこうした強い言葉を気軽には使わない、という指摘です。

Googleの公式ドキュメントは、多くの場合「〜するとよいでしょう」「〜を検討してください」といった推奨の書き方をしています。その中で「極めて重要」と言い切ったことは、人による確認を「できればやること」ではなく「必ずやること」として位置づけたと読むのが自然です。

同氏は記事の中で、AIで作ったコンテンツを人の確認なしに自動で公開するやり方はもはや通用しない、という趣旨の解説もしています。これはGoogle自身の発言ではなくメディアの解釈ですが、実務の受け止め方としては妥当だと私も考えます。


本文以外に確認すべき4つの場所


今回のガイドで見落としやすいのが、確認の対象範囲です。Googleは本文だけでなく、次のような要素も人の手で確認する対象として挙げています。

1. タイトル要素
ページのタイトル要素(タイトルタグ)は、検索結果で青い文字のリンクとして表示される部分です。AIに「SEOに強いタイトルを考えて」と頼むと、内容と合っていない数字や、誇張した表現が入ることがあります。

2. メタディスクリプション
メタディスクリプションは、検索結果のタイトルの下に表示される説明文の元になる情報です。本文を書き直したのに、説明文だけがAIの最初の案のまま残っているというケースがよくあります。

3. 構造化データ
構造化データとは、ページの内容を検索エンジンが理解しやすい決まった形式で記述したものです。商品の価格や在庫、記事の著者や公開日などを伝える役割があります。Googleは、構造化データについては一般的なガイドラインに沿っているかの確認と検証も求めています。

4. 画像の代替テキスト
画像の代替テキスト(alt属性)は、画像の内容を文字で説明するものです。目の不自由な方が使う読み上げソフトや、検索エンジンが画像の内容を理解するために使われます。

この4つに共通するのは、ページを開いた読者の目にはほとんど触れない場所だということです。だからこそ確認が後回しになりやすく、AIの出力がそのまま残ってしまいます。


なぜ見えない場所の誤りが危ないのか


タイトルやメタディスクリプション、構造化データは、読者の目には触れにくい一方で、検索エンジンにとっては「このページは何について書かれているのか」を判断する重要な手がかりです。

たとえば、構造化データの価格と、ページに表示されている価格が食い違っていたとします。人間の読者は表示されている価格しか見ませんが、検索エンジンは両方を読み取ります。情報が食い違っていれば、そのページの信頼性に疑問が生じるのは当然です。構造化データはリッチリザルト(検索結果に評価の星や価格などを加えて目立たせる表示)の元にもなるため、誤りがあれば検索結果に間違った情報が出てしまうおそれもあります。



また、同じガイドにはECサイト向けの記載もあります。AIで生成した商品画像には、IPTCという画像の情報を記録する国際的な規格に沿って「AIで生成した画像である」ことを示すメタデータを入れること、AIで作った商品データはその旨を分けて表示することなどが求められています。ECサイトを運営している方は、この部分もあわせて確認しておくとよいでしょう。


9月のスパムアップデートとの関係は?


今回の更新と同じ時期に、Googleは「2026年9月のスパムアップデート」を実施しています。スパムアップデートとは、Googleのスパムポリシーに違反するサイトを見つけ出す仕組みを改良する更新のことです。

海外のSEO専門メディアSearch Engine Journalによると、このアップデートは9月24日に始まり、完了まで最大2週間かかる見込みで、すべての地域と言語が対象です。つまり日本語のサイトも対象に含まれます。

ただし、Googleはこのスパムアップデートが何を対象にしているのかを明らかにしていません。Search Engine Landは今回のガイド更新とスパムアップデートの関連を指摘していますが、これもメディアの見方です。「このアップデートはAI記事を狙ったものだ」と決めつけるのは避けるべきでしょう。

一方で、Googleのスパムポリシーには「大量生成コンテンツの不正使用(Scaled content abuse)」という項目がはっきりと存在します。検索順位を操作する目的で大量のページを作る行為のことで、その例として「生成AIなどのツールを使い、ユーザーにとって価値を加えないまま多数のページを作ること」が挙げられています。


現場でよく見る「直し忘れ」


先日、ある税理士事務所のクライアントさんから「AIで書いたコラムを毎週公開しているが、本当にこのやり方で大丈夫か」というご相談をいただきました。

拝見すると、本文は所長さんがきちんと目を通していて、税制の説明も正確でした。ところが、ページのタイトルには最新の制度とは異なる年度の数字が入っていて、メタディスクリプションにもAIが最初に出した文章がそのまま残っていました。画像のalt属性も、記事の内容とは関係のない一般的な説明になっていました。

私は「本文の確認は十分なので、公開前のチェックリストにタイトル、説明文、画像の説明の3項目を加えましょう」とお伝えしました。確認する作業そのものは数分で終わるものです。それでも、チェックの項目に入っていないだけで毎回見落とされてしまうのです。

これは、料理の味見に似ています。メインの料理はしっかり味見をしていても、添えてあるソースの味見を忘れてしまえば、お客さんの評価はそこで下がってしまいます。読者や検索エンジンが目にする部分は、本文以外にもたくさんあるということです。


AIで量産しているサイトが決めておくべき確認手順


AIで多くの記事を公開しているサイトほど、確認を担当者の注意力に任せるのではなく、手順として決めておく必要があります。私がおすすめしているのは、次の流れです。

1. 数字と固有名詞を一つずつ一次情報で確かめる
ハルシネーションが最も起こりやすいのが、数字、日付、人名、会社名、制度名です。これらは公的機関や公式サイトなどの一次情報(その情報を最初に発表した元の情報源)に当たって確認します。

2. タイトルとメタディスクリプションを本文と照らし合わせる
本文を修正したあとに、タイトルと説明文が本文の内容と一致しているかを確認します。

3. 構造化データと画像のalt属性を確認する
構造化データはGoogleのリッチリザルトテストなどのツールで検証し、alt属性は画像の内容と合っているかを見ます。

4. 誰がどう作ったのかを読者に伝える
Googleは「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツ」に関するドキュメントの中で、コンテンツが「誰によって」「どのように」「なぜ」作られたのかを意識するよう求めています。AIを使った場合は、その使い方を読者に分かる形で伝えることも推奨されています。


まず何から手をつけるべきか


とはいえ、すでに公開している記事が数百本あるサイトで、すべてを一度に見直すのは現実的ではありません。

まずはアクセスの多い記事10本から始めることをおすすめします。アクセスが多い記事ほど多くの人の目に触れ、誤りがあったときの影響も大きいからです。その10本について、数字と固有名詞、タイトル、メタディスクリプションの3点だけを確かめてみてください。

そして、これから公開する記事については、今回挙げた確認項目を公開前のチェックリストに組み込みます。過去の記事の見直しと、これからの記事の確認を分けて考えると、無理なく続けられます。

今回のガイドの更新は、AIを使うことを否定するものではありません。Googleは以前から、コンテンツの作り方ではなく質を評価するという立場をとっています。AIを使うかどうかではなく、公開する前に人が責任を持って確かめたかどうかが問われていると考えるべきです。


まとめ


今回の話をまとめると、Googleは生成AIコンテンツのガイドを更新し、生成AIは事実を調べているのではなく言葉の並びを予測しているという仕組みを説明したうえで、公開前に人の手で事実確認することを「極めて重要」と明記しました。確認の対象は本文だけでなく、タイトル要素、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストにまで及びます。

9月のスパムアップデートが何を対象にしているかは公表されていませんが、大量生成コンテンツの不正使用はGoogleのスパムポリシーに明記されています。AIで記事を量産しているサイトは、確認を個人の注意力に任せず、手順として決めておくことが大切です。まずはアクセスの多い記事10本の数字と固有名詞から見直してみてください。

AI検索時代になったからSEOが終わるのではありません。むしろ、本当に信頼される専門家や企業が評価される時代が始まったのです。今後のSEOで成果を出すためには、「検索順位を上げること」だけではなく、「AIやユーザーから信頼される存在になること」を目指す必要があるでしょう。
このエントリーをはてなブックマークに追加
                    
鈴木将司の最新作品

プロフィール
一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

フォローしてSEOを学ぼう!
X facebook insta tiktok youtube
2026年 10月 >>
日 月 火 水 木 金 土
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事