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2026年10月04日

ChatGPT広告が「会話できる広告」に――Sponsored AgentsとShopify連携で何が変わるのか

2026年10月04日

ChatGPTの画面に広告が表示されるようになって、半年余りがたちました。日本でも2026年8月に広告の提供が始まり、ChatGPTの回答の下に「スポンサー」と書かれた広告を見かけた方もいるはずです。

その広告が、新しい段階に入ろうとしています。OpenAI社は2026年9月16日、ChatGPT広告の新機能をまとめて発表しました。目玉は「Sponsored Agents(スポンサード・エージェント)」と呼ばれる仕組みです。広告をクリックすると、その企業が用意したAIと会話できるようになります。

あわせて、広告文や画像をAIが提案する機能や、顧客管理ツールのHubSpot、ネットショップ作成サービスのShopifyとの連携も発表されました。

この記事では、発表された内容と日本の事業者への影響、そして実際に試すときの考え方を、SEOとWeb集客の相談に長く携わってきた立場から解説します。


ChatGPT広告に4つの新機能が加わった


OpenAI社が公式ブログで発表した主な新機能は、次の4つです。

1. 会話できる広告「Sponsored Agents」
広告をクリックした人が、その企業のAIと会話できる新しい広告の形です。現在は米国の一部の広告主とテストしている段階です。

2. 広告管理画面でのAIによる提案
広告文や画像の案を、AIが提案してくれる機能です。広告を出す手間を減らすためのものです。

3. HubSpotとの連携
HubSpotの画面から、ChatGPT広告の作成や成果の確認ができるようになりました。発表日から使えるとされています。

4. Shopify向けのアプリ
Shopifyでネットショップを開いている事業者が、専用アプリからChatGPT広告を出せるようになりました。米国で先に提供が始まり、9月23日からはChatGPT広告を扱うほかの国でも使えるようになるとされています。




Sponsored Agentsは会話できる広告


今回の発表で最も新しいのが、Sponsored Agentsです。

ここでいうエージェントとは、利用者の質問に答えたり、手続きを手伝ったりするAIの担当者のことです。Sponsored Agentsは、広告主である企業が用意したAIの担当者を、広告の先に置く仕組みです。

流れはこうです。ChatGPTで調べものをしていると、関連する広告が表示されます。その広告をクリックすると、企業のAIとの会話を始めるかどうかを選べます。会話を始めると、商品について質問したり、自分に合った説明を受けたりできます。納得したら、リンクから企業のサイトに進みます。

OpenAI社は、この会話にははっきりとラベルが付き、ChatGPT自身の中立的な回答とは区別されると説明しています。また、もともとChatGPTとしていた会話とも切り離されるとしています。



ここは、SEOやAI検索対策に取り組んでいる企業にとっても大事なポイントです。OpenAI社は広告を始めたときから、広告がChatGPTの回答の中身に影響することはないと説明してきました。つまり、お金を払えばChatGPTの回答の中で自社が推薦されるようになる、というわけではありません。

ChatGPTの回答そのものに自社の名前が出てくるかどうかは、これまでどおり、自社サイトの情報の質や、ほかのサイトでどう紹介されているかで決まります。広告はあくまで回答とは別の枠で、お金を払って見てもらう道です。自然に紹介されるための取り組みと、広告で見てもらう取り組みは、分けて考えておく必要があります。


広告をクリックした後に何が起きるのか


これまでのネット広告は、クリックすると企業のサイトに移動するのが普通でした。そこから先は、サイトの文章を読んで自分で判断するしかありません。

Sponsored Agentsは、そのあいだに「店員さんとの会話」を挟むようなものです。家具店でテーブルを見かけたとき、店員さんに「これは何人座れますか」「うちの部屋に入りますか」と聞いてから買うかどうかを決める。その体験を、ChatGPTの中で再現しようとしているわけです。

実際、OpenAI社の発表でも、広告で見かけたダイニングテーブルが自分の部屋に合うか気になっている買い物客の例が紹介されています。

なお、企業のAIとの会話の内容を広告主がどこまで見られるのかについては、今回の発表文では触れられていません。日本で提供が始まる際には、この点も確認しておきたいところです。

海外のSEO専門メディアSearch Engine Roundtableも、この発表を同じ日に報じています。同メディアによると、今回の発表には、成果を数える期間を7日、14日、30日から選べる機能や、広告の表示回数に応じて課金しながら成果につながるよう配信を調整する仕組みも含まれています。


広告づくりもAIが手伝う


続いて、広告管理画面でのAIによる提案です。広告管理画面とは、広告主が広告の作成や予算の設定、成果の確認を行う画面のことです。

OpenAI社の説明では、広告の飛び先となるページの内容と、広告の目的をもとに、AIが広告文と画像の案を出してくれます。さらに、見出しや説明文を会話の流れに合わせて調整したり、自動で翻訳したりする機能も加わりました。

広告文を考えるのが苦手な中小企業にとっては、出稿のハードルが下がる変化です。ただ、AIが出した案をそのまま使うのではなく、事実と違う表現や、自社らしくない言い回しがないかを必ず人の目で確かめてください。



HubSpotとShopifyとつながる意味


残る2つの新機能は、外部のサービスとの連携です。

HubSpotは、見込み客や顧客の情報をまとめて管理するためのツールです。今回の連携で、HubSpotの中からChatGPT広告を作り、成果を確認し、広告経由で問い合わせてきた見込み客へのフォローまで一か所で行えるようになりました。

Shopifyは、ネットショップを簡単に作れるサービスです。専用アプリを使うと、ChatGPT広告のアカウントを作ったり、すでにあるアカウントとつないだりして、ショップの商品データを広告管理画面に取り込めます。商品データとは、商品名、価格、画像、説明文などをまとめた一覧のことです。広告の作成や成果の確認も、Shopifyの画面から行えます。

米国のマーケティング調査会社eMarketerは、こうした連携によって新しいブランドが参入しやすくなる一方で、ChatGPTの利用者はGoogle検索よりずっと少ないため、当面は検索広告の予算のごく一部にとどめるべきだという見方を示しています。


日本の事業者はいつから使えるのか


日本の事業者にとって気になるのは、どの機能がいつから使えるかです。

まず、ChatGPT広告そのものは、日本でも使えます。OpenAI社は8月11日に、日本を含む5か国で広告を始めたと発表しました。また、広告主が自分で広告を出せる広告管理画面の提供国の一覧にも、日本が入っています。

Shopifyアプリについて、OpenAI社は9月23日からChatGPT広告の提供国でも使えるようになるとしています。発表文に日本の名前は出てきませんが、日本は広告の提供国に入っているため、対象に含まれると考えられます。実際に使えるかどうかは、自社のShopify管理画面でアプリを確認するのが確実です。

一方、Sponsored Agentsは、現時点では米国の一部の広告主とのテストにとどまっています。日本でいつ使えるようになるかは、発表されていません。


「Shopifyのお店でも出すべきか」というネットショップの相談


先日、インテリア雑貨のネットショップを運営しているクライアントさんから、こんなご相談をいただきました。「ShopifyからChatGPT広告が出せるようになったと聞きました。うちも今すぐ始めたほうがいいでしょうか」と。

拝見すると、このショップは商品数は多いものの、商品の説明文が短く、サイズや素材が書かれていない商品が目立ちました。私は「広告を出す前に、まず商品データを整えましょう」とお伝えしました。

ChatGPT広告は、会話の内容に合わせて広告が選ばれる仕組みです。説明が薄い商品は、どの会話に合うのかをAIが判断しにくくなります。さらに将来、Sponsored Agentsのような会話型の広告が日本でも使えるようになれば、AIの担当者が答えられるのは商品データに書いてあることだけです。

そこで、売れ筋の商品から順に、サイズ、素材、使い方、お手入れ方法を説明文に書き足していただくことにしました。広告はその作業が一段落してから、少額で試す予定です。


試すときに気をつけたい3つのこと


ネットショップや中小企業がChatGPT広告を試すなら、次の3つを意識してください。

1. 少額で始めてGoogle広告と比べる
ChatGPT広告には、まだ業種ごとの成果の基準値がありません。期間と予算の上限を先に決めて少額で始め、同じ期間のGoogle広告と比べて、問い合わせや売上につながったかを見ます。

比べるときは、成果を数える期間をそろえることも大切です。今回の発表で、ChatGPT広告でも広告に接してから何日後までの購入や問い合わせを成果として数えるかを、7日、14日、30日から選べるようになりました。Google広告の設定と期間が違うと、正しい比較になりません。

2. 商品データと飛び先のページを整える
AIが広告文を提案するときも、広告を会話に合わせるときも、材料になるのは自社のページと商品データです。古い価格や在庫切れの商品が残っていないかを確かめておきます。

3. 出せない話題があることを知っておく
OpenAI社は、健康や心の健康、政治といった慎重な扱いが必要な話題の近くには広告を表示しないとしています。また、広告が表示されるのは無料プランとGoプランの利用者だけです。自社の商品がどんな会話に合いそうかを考えてから出稿してください。


まとめ


今回の話をまとめると、OpenAI社は9月16日にChatGPT広告の新機能を発表しました。広告の先で企業のAIと会話できるSponsored Agentsは、米国の一部の広告主とのテスト段階です。AIによる広告文や画像の提案、HubSpotとの連携、Shopify向けアプリも加わり、Shopifyアプリは9月23日からChatGPT広告の提供国でも使えるようになるとされています。日本ではChatGPT広告そのものは使えますが、Sponsored Agentsの提供時期は未定です。

これまでのネット広告は、通りに立てる看板のようなものでした。Sponsored Agentsは、その看板の横に店員さんを立たせる仕組みです。ただ、どれほど話し上手な店員さんでも、商品のことをよく知らなければお客さんの質問には答えられません。会話できる広告が日本に来る日に備えて、今のうちに自社の商品情報を、AIが胸を張って説明できる中身にしておきましょう。

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