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2026年10月09日
「関連する質問」を開くとほぼ100%「AIによる概要」が表示される!――強調スニペットの時代の終わりと、質問に答えるページの新しい役割
2026年10月09日

Googleで検索したとき、検索結果の途中に「関連する質問」という欄が表示されることがあります。関連する質問がいくつか並び、気になる質問をクリックすると、その答えが開く機能です。
この「関連する質問」の答えの中身が、大きく変わりました。これまでは、Webサイトの文章をそのまま抜き出した「強調スニペット」と呼ばれる形で答えが表示されていました。それが今では、「AIによる概要」(英語圏では「AI Overviewと言われる)というラベルの付いた、AIが作った回答にほぼ置き換わっています。
英語の検索を分析した民間企業の調査によると、AIの回答の割合は2026年8月の86%から、9月初めには97%に増えました。別の調査会社は、8月の時点ですでに100%だったと報告しています。
この記事では、この変化の中身とデータの読み方、影響を受けやすいページの特徴、そしてサイト運営者が今確かめておきたいことを、SEOのコンサルティングに長く携わってきた立場から解説します。
「関連する質問」とはどんな機能か
「関連する質問」は、英語ではPeople Also Ask(PAA)と呼ばれる機能です。検索した言葉に関連して、ほかの人がよく調べている質問を一覧で表示します。
たとえば「確定申告」と検索すると、「確定申告はいつまで?」「確定申告をしないとどうなる?」といった質問が並びます。質問をクリックすると答えが開き、さらに関連する質問が下に追加されていきます。

これまで、この答えには「強調スニペット」が使われてきました。強調スニペットとは、Googleが質問への答えとしてふさわしいWebページを選び、その文章の一部をそのまま抜き出して表示するものです。答えの下にはそのページへのリンクが表示されるため、ここに選ばれることは、サイトにとって大きな集客の機会になっていました。
回答の97%がAIに置き換わった
この変化を報じたのが、海外のSEO専門メディアSearch Engine Roundtableです。2026年9月9日の記事で、2つの調査結果を紹介しました。
一つは、「関連する質問」の分析ツールを提供するAlsoAsked社のマーク・ウィリアムズ=クック氏の調査です。英語の検索およそ2,000万件を分析したところ、答えがAIの回答になっている割合は、8月の86%から、9月の第1週には97%に増えていました。同氏は「まもなく100%に達する可能性が高い」と述べています。
もう一つは、Allintitle社のサイード・コスラヴィ氏の報告です。同社のツールでは、2026年8月の時点で「関連する質問」の答えは100%AIが作ったものになっていたとしています。
新しい答えには「AI Overview」というラベルが付き、答えの下には出典となったWebページのリンクが表示されます。なお、Googleはこれらの数字についてコメントしていません。
《出典》 Almost 100% Of People Also Ask Results Are Answered By Google AI Overviews(Search Engine Roundtable)
海外メディアのSearch Engine Watchも同じ日にこの変化を伝え、コスラヴィ氏の「Googleは従来の『関連する質問』の答え、つまりWebページから直接抜き出した文章を完全に引退させた」という言葉を紹介しています。
14か月で12.6%からほぼ100%へ
この変化は、ここ2年ほどの間に段階的に進んできたものです。
最初に確認されたのは2024年11月です。Search Engine Roundtableによると、検索順位を調べるツールを開発するデレク・パーキンス氏が、「関連する質問」の答えとして、強調スニペットの代わりに「AIによる概要」が表示されるテストを見つけました。
2025年5月には、SEOのデータを提供するDataForSEO社が、「関連する質問」の答えが強調スニペットなのかAIの回答なのかを見分けられるよう、データの取得の仕組みを更新したと発表しています。ツールの会社が対応を急ぐほど、AIの回答が無視できない量になってきていたということです。
そして2025年7月の時点で、AlsoAsked社の計測では、AIの回答の割合は12.6%でした。残りの87.4%は、Webサイトを引用した強調スニペットです。そこからわずか14か月ほどで、ほぼすべてがAIの回答に置き換わったことになります。
新聞にたとえると分かりやすいでしょう。これまでの強調スニペットは、ある記事の一部を「切り抜き」としてそのまま見せるものでした。切り抜きの下には新聞社の名前が載っていて、続きを読みたい人はその新聞を手に取ります。これからのAIの回答は、記者がいくつもの記事を読んで、自分の言葉でまとめ直した解説のようなものです。元の記事の名前は添えられていますが、読者は解説だけで満足しやすくなります。
数字を読むときに押さえたい3つの限界
ただし、「ほぼ100%」という数字をそのまま受け取るのは注意が必要です。2026年9月11日に、デジタルマーケティング会社Relevant Audienceがデータの限界を整理しています。
1. 英語の検索だけが対象
どちらの計測も英語の検索だけを対象にしており、英語以外の市場の数字はありません。
2. クリックへの影響は分かっていない
クリック数やクリック率がどう変わったのかについてのデータはありません。
3. Googleは認めていない
数字はいずれも民間企業のツールによるもので、Googleの公式な発表やコメントではありません。第三者の検証も経ていません。
影響を受けやすいページと受けにくいページ
Relevant Audienceは、影響を受けやすいページと受けにくいページについても整理しています。
影響が大きいとみられるのは、やり方の解説、サポート情報、用語集、医療や金融の解説、質問の形をとったブログ記事などです。つまり、「◯◯とは」「◯◯のやり方」「◯◯はいつまで」といった質問に答えるページです。これまで強調スニペットとして「関連する質問」に選ばれやすかったページほど、影響を受けやすいことになります。
一方、社名や商品名での検索、購入を目的とした検索、地図の情報が中心となる地域の検索では、影響は比較的小さいとしています。
日本語の検索ではどうなっているのか
日本のサイト運営者にとって気になるのは、日本語の検索でも同じことが起きているかどうかです。結論から言うと、日本語の検索で「関連する質問」の答えがどれだけAIの回答に置き換わっているかを示すデータは、見つかりませんでした。
参考になるのが、SEOツールを提供する株式会社JADEの観測です。同社の2026年9月9日の記事によると、日本語の検索結果で「関連する質問」が表示されたキーワードの数は、8月12日の週に171,039件となり、前の週より11.3%増えました。検索結果の上位2枠以内に表示される割合も、10.85%から15.29%に広がっています。日本語の検索でも、「関連する質問」の存在感そのものは増しているということです。
同じ記事では、商品やサービスを比べる検索で「AIによる概要」が表示される割合が0.6%から47%に伸びたことも紹介されています。ただし、これらは同社が独自に追跡している十数万件のキーワードでの暫定的な数字で、日本全体を集計したものではありません。また、日本語の「関連する質問」の答えがAIの回答になっているかどうかについては書かれていません。
強調スニペットで集客してきた動物病院
先日、ある動物病院のクライアントさんから「以前は『関連する質問』に病院のページがよく表示されていたが、最近はAIの回答ばかりになった気がする」というご相談をいただきました。
その病院では、「子犬のワクチンは何回打つ?」「猫の避妊手術は何歳から?」といった飼い主さんの疑問に答えるページを、長年こつこつと書いてきました。こうしたページは強調スニペットに選ばれやすく、病院を知ってもらう入り口になっていました。
一緒に実際の検索結果を開いてみると、答えはAIの回答に変わっていましたが、その下の出典には病院のページが含まれていました。私は「これまで書いてきたページは、今もAIに信頼できる情報源として使われています。そのうえで、一般的な答えの先にある情報を足しましょう」とお伝えしました。地域で多い病気の傾向や、病院で実際によく受ける相談、費用の目安など、病院にしか書けない情報を加えていただきました。
自社の「関連する質問」を確かめる方法
日本語の検索でどこまで変化が進んでいるかを知るいちばん確実な方法は、自社に関わるキーワードで、実際に「関連する質問」を開いてみることです。

自社のサイトに集客しているキーワードを、Search Console(Googleが無料で提供しているサイト運営者向けの分析ツール)で確認し、その中から質問の形のキーワードをいくつか選びます。実際に検索して「関連する質問」の質問を一つずつ開き、答えに「AI Overview」や「AIによる概要」のラベルが付いているか、出典に自社のページが含まれているかを確かめてください。
結果は日によって変わることがあるので、月に一度など、決まった間隔で同じキーワードを確かめて記録しておくと、変化をつかみやすくなります。
AIの要約では満たせない情報で選ばれる
最後に、「関連する質問」の答えがAIに置き換わっていく中で、サイト運営者が取り組みたいことを3つ紹介します。
1. 出典として選ばれ続けるページを保つ
AIの回答の下には出典のリンクが表示されます。正確で分かりやすい答えを持つページは、今もAIの材料として選ばれます。これまで書いてきた質問に答えるページを、最新の情報に保っておきます。
2. 要約の先にある独自の情報を加える
Relevant Audienceは、独自のデータ、実際に使ったうえでの商品の詳しい情報、価格、地域の事情など、AIの要約では再現できない情報が、読者がクリックする理由になると指摘しています。一般的な答えだけで終わらず、自社にしか書けない情報を加えます。
3. 質問に答えるページへの集客の変化を見る
Search Consoleで、質問の形のキーワードの表示回数とクリック数を定期的に比べます。表示回数は変わらないのにクリックが減っているページがあれば、そこから見直しを始めます。
まとめ
今回の話をまとめると、英語の検索では、「関連する質問」の答えが、Webサイトの文章を抜き出した強調スニペットから、「AI Overview」のラベルが付いたAIの回答へとほぼ置き換わりました。AlsoAsked社の調査では2026年8月の86%から9月初めに97%へ、Allintitle社は8月の時点で100%と報告しています。2025年7月の12.6%から、わずか14か月ほどでの変化です。
ただし、これらは英語の検索だけを対象にした民間企業の計測で、クリックへの影響は分かっておらず、Googleも認めていません。日本語の検索で同じことが起きているかを示すデータも、まだありません。だからこそ、自社のキーワードで実際に確かめることが大切です。
強調スニペットは、長い間「質問にきちんと答えたページ」へのごほうびのような存在でした。そのごほうびの形が、AIの回答の出典という形に変わろうとしています。これまで読者の疑問に誠実に答えてきたページは、形が変わっても材料として使われ続けます。次は、AIの答えを読んだ人が「もっと詳しく知りたい」と思ったときに、その期待に応えられるページになっているかを見直してみてください。
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