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ソフトバンクが通信・エネルギーのコンビニになるのか?加速する携帯キャリアのオムニチャンネル

2015年05月19日
ネットとリアルの融合「オムニチャンネル」に関連するニュースが同時期に3つも報道されました。

「ソフトバンクは10月にも、ネット通販の買い物代金を携帯電話料金とまとめて支払えるサービスを始める。スマートフォン(スマホ)の電話番号で認証してクレジットカードやサイトの事前登録を不要にする。まず子会社ヤフーの通販サイトで始め、グループ外に広げる。携帯電話市場は頭打ちになっており、自社のスマホの利便性を高めて契約者を囲い込む。」(日本経済新聞 2015年5月19日) 

この報道によるとクレジットカードを持たなくてもスマートフォンを持っていればクレジットカード代わりになり、請求がソフトバンクの通信料金と一緒に来るようになるということです。
これが成功したらソフトバンクは携帯電話利用料収入の他に、決済手数料収入が増えるだけでなく、サービスの離脱を防ぐことが可能になるはずです。

また、子会社のヤフージャパンが運営しているヤフーショッピングはアマゾンや楽天と比べると精彩を欠く状況ですが、親会社のこうした後押しによってアクセス増、売上増が期待できるという一石二鳥、三鳥の施策です。

オムニチャンネル時代の怖さはここにあります。リアルでの拠点を持たないネット企業が突然リアルで活躍する企業と提携して相互送客を始めるのです。

こうした流れに取り残されるとその業界の勢力図が一変することが有りえます。

さらにソフトバンクはほとんど時期を同じくし次のような発表もしました。

「ソフトバンクが2016年4月の電力小売りの全面自由化を見越し、新たな攻勢をかける。東京電力、ヤマダ電機とそれぞれ提携し、営業力を武器に新市場を開拓する。」「ヤマダが全国展開する約1000店の直営店舗網。電気の顧客を取り込む新たな「接点」として活用する。さらに、ソフトバンクのメガソーラー、ヤマダが手掛ける太陽光発電システムや蓄電池と、東電の発電所を組み合わせ、次世代住宅「スマートハウス」などへの新たな電気の供給モデルを作り上げる。」(日経ビジネス2015年5月18日号)

これはもっとすごい作戦です。

ソフトバンクのスマートフォンの契約者数を増やすために売り場にスマートフォン売り場を抱える家電量販大手のヤマダ電機と資本提携をし売り場の有利な場所を押さえる。さらにヤマダ電機が数年前に買収したヤマダ・エスバイエルホームという住宅メーカーと提携しそこにペッパーというロボットやスマートハウス化をするための通信サービスや機材を売り込む。そしてかねてから取り組んでいるソフトバンクグループの太陽光発電事業もそこに含めてしまう。同時に太陽光発電事業を補完するために東京電力と組み、電力自由化で困っている東京電力の拡販の手伝いもする。

これは一石二鳥、三鳥どころか複数の企業との提携によりいわば通信とエネルギーのコンビニを始めるかのようです。

auもリアルビジネスの強化をがんばっています。

「KDDIは14日、今夏から全国2500店舗あるauショップを活用し、食品や雑貨を“お取り寄せ”する物販事業を行うと発表した。東京都と大阪市、名古屋市、福岡市の直営店で開始し、平成27年度中に全国に広げる。「2?3年に1回の機種変更以外にも、販売店へ足を運んでもらいたい」田中孝司社長は、物販事業「auウォレットマーケット」の狙いをこう説明する。auショップの厳選した食材や先進的な家電、体験型商品などを紹介し、その場で発注する。野菜や肉は「秋川牧園」(山口市)などの商品を扱う。携帯電話の周辺機器も取り扱う。ネット通販だけでなく、販売店でも商品を並べ、来店増につなげたいという。」(産経新聞2015年5月14日)

という発表がありました。auの場合、ソフトバンクほどの壮大さは無いにしてもこうしたアクションを起こすことによって、何か気付きを得てそれがきっかけで大きくauショップが通信、その他のコンビニなる可能性があります。

ユニクロも以前野菜を売ろうとして大失敗しましたが、そうしたエネルギーがあるからこそ自社の強みに目覚めてかつて無い成功を収めて急速にグローバル企業にすらなろうとしています。

インターネットというのはそもそもインターネットユーザー1人1人と直接つなげる素晴らしいサービスとして出発しましたが、ビジネスの世界でも普及した今、企業と企業をもつなげるネットワークツールになってきています。

御社も自力でのオムニチャンネルは無理だとしても、会社の近所にある普段は見過ごしてきたお店や、テレビや雑誌で何気なく眺めてきた企業と提携し売上を拡大することが出来るかも知れません。

御社を中心とするネットワークを築きあげてそのリーダーを目指して下さい。

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