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画像はサイトとSNSで使い回して大丈夫?SEOとSNS運用の正しい考え方

2025年11月19日

企業からよくいただく質問の一つに「Webサイトの画像をSNSに使い回しても問題ないか?」「Googleビジネスプロフィールにも同じ画像を載せても大丈夫か?」というものがあります。

特に最近は、Instagramの投稿画像をそのままサイトに使ったり、Googleマップにも同じ写真を載せたりする企業が増えているため、SEOや検索結果への影響を不安に思う方が多いようです。画像の「重複利用」に関する誤解は非常に根強く、会員企業からも定期的に相談を受けます。

結論から言えば、現在のGoogle検索の仕組みでは、Webサイトに掲載した画像とSNSに投稿した画像は別物として扱われるため、同じ画像を使い回してもSEO上の問題はありません。 ただし、SNS運用・Googleビジネスプロフィール運用を行う企業は、画像活用の「考え方」を誤ってしまうと、ユーザーの信頼を失う可能性があります。

この記事では、初心者の方にも理解しやすいよう、Google検索が画像やSNSをどう扱っているのか、Google公式情報や海外の権威サイトの知見も交えながら解説します。


サイトの画像とSNSの画像が「別扱い」になる理由


まず最初に理解しておきたいのは、Google検索は「原則としてSNSの投稿を検索対象にしていない」という点です。これを前提に考えると、サイトとSNSで同じ画像を使っても検索上の競合が起きない という理由が明確になります。Googleは検索の対象を「インデックスされているWebページ」と明確に定義しています。

Instagram、X、FacebookなどのSNSの投稿は、Googleのクローラーが自由に読み取れる構造になっていないため、Google検索の対象になりません。つまり、Webサイトに掲載した画像とSNSに投稿した画像は、検索エンジン上では完全に別の存在として扱われます。

会員企業の相談でも、「Instagramの写真を再利用したらSEO的に不利にならないか?」と聞かれることがよくありますが、そもそもInstagramの投稿はGoogle検索の対象になっていないため、まったく心配はいりません。


Googleビジネスプロフィール(Googleマップの写真)との重複も問題なし


Googleビジネスプロフィールに投稿した写真と、Webサイトの写真が同じでも問題ありません。これはGoogleビジネスプロフィールが、Google検索の「通常検索」ではなく「ローカル検索(Googleマップ枠)」に紐づいているためです。

Google検索では、ローカルパック(地図の枠)と通常の検索結果は別々のシステムで運用されており、投稿画像の「重複」を評価対象とする仕組みではありません。むしろ、Googleビジネスプロフィールでは、写真や動画の更新がユーザーの来店判断に影響するため、画像を積極的に投稿したほうが良いとGoogle自身が案内しています。


GoogleがSNS投稿を検索結果に表示しない理由


次によく聞かれるのが「なぜInstagramやFacebookの投稿はGoogle検索に出てこないのか?」という質問です。これは主に次の2つの理由があります。

理由 @:検索意図に合わない場合が多い


一般的な検索キーワード(例:歯医者 東京、ラーメン 池袋、リフォーム 費用など)では、SNSの投稿はユーザーの意図に合致しません。ユーザーはSNSの投稿が見たいのではなく、公式サイトや専門記事を求めています。

理由 A:SNSの投稿はGoogleがインデックスしにくい構造になっている


Googleがインデックスできるのは、基本的に「Webページ」です。Instagramの投稿ページはログイン前提、JavaScript依存、URL構造が安定しないなどの理由で、Google検索向きではありません。これはアメリカの検索分析サイトでも繰り返し指摘されており、SEO業界では常識です。


例外はYouTubeだけ:なぜYouTubeは検索に出るのか?


YouTubeだけはGoogle検索に頻繁に表示されます。これはYouTubeがGoogle傘下であり、さらに動画が検索ニーズに強くマッチするためです。

Googleは公式に「動画はユーザーが求めている可能性が高い」と説明しており、検索結果でも積極的に動画を表示するようにしています。

動画は画像以上に情報量が多く、操作手順・商品説明・レビューなどを伝えるのに最適な形式なので、Google検索では自然と表示機会が増えます。


ではSNS投稿はSEOに関係ないのか?答えは「関係はある」


SNS投稿が通常のGoogle検索に表示されないことと、SNS活用がSEOに無関係であることは別問題です。たとえば、私のコンサルティング先でも、

・SNSで企業を知る
・プロフィールを見る
・企業名で検索する
・サイトに訪れる

という行動パターンが非常に多く観測されています。

つまりSNSは「検索されるきっかけを作る媒体」としてSEOに間接的に貢献します。GoogleもE-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性)の判断基準として「Web全体での存在感」を参考にしているとされています。

SNSでの適切な情報発信は、企業の総合的な信頼性を高める効果があるのです。

サイトとSNSで画像を共通利用するメリット


画像をサイトとSNSで共通利用することには、実務的にも大きなメリットがあります。これはSEOとSNS運用を両立している企業ほど実感しやすいポイントです。

メリット@:ブランドイメージの統一ができる


企業の世界観がSNSとWebサイトで同じになるため、ユーザーが抱く印象に一貫性が生まれます。特に美容院・歯科・飲食店・ECなどは、画像の統一感がブランド力の形成に直結します。

メリットA:画像制作コストを抑えられる


毎回画像を別で作るとなると、時間的負荷もデザインコストも増えます。共通利用できればコンテンツ制作の効率が大幅に上がるため、継続的なSNS運用が可能になります。

メリットB:ユーザーの「見たことがある」という安心感が生まれる


SNSで見た画像が、サイトにもGoogleマップにも載っていると、ユーザーは「本物らしさ」や「信頼」を感じます。これは心理学でも「単純接触効果」として知られており、認知の積み重ねが信頼につながる典型的なケースです。


Googleビジネスプロフィールの画像投稿は「営業上の武器」


Googleビジネスプロフィール(Googleマップ内の企業情報)は、店舗・クリニック・飲食店・士業事務所など、地域ビジネスにとって極めて重要です。画像投稿はGoogle自身も推奨しています。

Googleが推奨しているのは以下のような写真です。

・店舗外観
・店舗内の雰囲気
・スタッフの写真
・商品、設備、サービスの写真
・メニュー、料金表などの画像
・イベントやキャンペーンの写真

これらはWebサイトにもSNSにも掲載されることが多いため、画像の重複利用はむしろ合理的です。重要なのは「選ばれる画像を増やす」ことであり、重複させないことではありません。


企業がSNSでも積極的に画像・動画を発信しなければならない理由


ここで重要なのは、画像の重複が問題かどうかではなく、SNSとサイト両方で発信しないことのほうが大きなリスクになるという点です。特にAIモード導入後の現在は、企業名検索の重要性が以前より高くなっています。


企業名検索でSNSが表示される


Googleは一般キーワードではSNS投稿を表示しませんが、企業名・店舗名・個人名の検索ではSNSアカウントを表示します。
その理由は Googleが以下のように判断しているためです。

1. 固有名詞を検索する人は、その企業の全体像を知りたい
2. SNSアカウントも企業の一部である
3. GoogleはSNSの「投稿」はインデックスできなくても、プロフィールページは認識できる

この3つが企業名検索でSNSが表示される原理です。実際に私の協会でも、経営者や担当者を指名検索する際に、SNSアカウントを必ずチェックします。今の時代、SNSが更新されていない企業は「活動していない」「リアルな情報が見えない」と判断されてしまい、信頼を失う恐れがあります。


SNSでの発信は「信頼の可視化」になる


Google検索はテキスト中心の媒体ですが、ユーザーはSNSで人柄や日常を見て判断しています。企業に興味を持ったユーザーは、必ずSNSもチェックし、それによって信頼度が大きく変わります。

私のクライアントでも、採用活動や企業営業において

・SNSが更新されている企業は好印象
・SNSが止まっている企業は不安に感じる

という声を多く聞きます。

SEOはあくまでも検索からの流入を増やす施策ですが、SNSは「信頼形成」に強い作用を持ちます。この2つを組み合わせることで、ユーザーの心理的ハードルが下がり、結果的にコンバージョンにつながっていきます。

動画は「画像よりも強力な説明コンテンツ」


GoogleがYouTubeを優先するのは、動画の説明力が画像の数倍高いためです。AIモードでも、動画内の音声と映像から情報を抽出する精度が上がっています。

動画は以下の点で有利です。

・サービス内容を視覚と聴覚で伝えられる
・操作説明、レビュー、ビフォーアフターが強い
・スマホユーザーと相性が良い
・SNSでもサイトでも再利用しやすい

画像の重複よりも、動画を積極的に制作するほうが、検索・SNS・ローカル検索のすべてで効果を発揮します。


まとめ


WebサイトとSNSに同じ画像を使ってもSEOに悪影響はなく、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)でも重複は問題ありません。Google検索はSNSの投稿を通常の検索対象としていないため、画像の重複そのものが評価に影響することはありません。

しかし、問題は「重複」ではなく、その企業がインターネット上でどれだけ情報を発信しているかという点です。AIモードが登場した現在、ユーザーは企業名検索でSNSもチェックし、画像・動画・投稿内容を通じてその企業を評価しています。

つまり企業は、Webサイトだけでなく、SNSでもGoogleマップでも、画像や動画を積極的に発信することが、ユーザーからの信頼形成につながります。画像の使い回しは問題ではなく、「情報を更新し続ける姿勢」こそが信頼を生む時代なのです。
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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