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あなたの会社がAI検索で取り上げられない理由は何か?BrightEdge最新レポートから見えた改善ポイント

2025年12月01日

2025年10月17日、米国のSEOテクノロジー企業 BrightEdgeが、AI検索エンジン(ChatGPT、Googleの「AIによる概要」「AIモード」、Perplexity など)が「どのブランドをおすすめとして紹介するのか」を調べた、とても興味深いレポートを発表しました。BrightEdge は世界10万社以上が使うSEO分析プラットフォームを提供している企業で、海外のプロフェッショナルから最も信頼されていると感じる会社の一つです。

今は「AI検索」が急速に広がっている時代です。私の元にもクライアント企業や会員企業から「ChatGPTで名前が出てこない」「GoogleのAIでうちは表示されない」という相談が増えています。今回のBrightEdgeのレポートは、その原因をとてもわかりやすくデータで示した内容です。


BrightEdgeレポートの大事なポイント


今回のレポートは、いくつかのAI検索エンジンに同じ質問(クエリ)をして、それぞれのAIがどのブランドをどれくらい紹介するか?を調べたものです。レポートの中で、AI検索エンジンにはそれぞれ「性格の違い」がある、という表現があります。

“Each AI engine has its own personality that determines which brands are surfaced.”
(AI検索エンジンは、それぞれが「どんなブランドを出すか決める性格」を持っている。)

これは、まさに私がSEOの現場で感じてきたことです。
「同じ質問でも、AIによって答えるブランドが違う」という現象が実際に起きています。


ChatGPTは「たくさん紹介するタイプ」、Googleは「控えめタイプ」


今回の調査で特に衝撃的だったのは、「AIによって紹介するブランドの数が全然違う」という点です。


ChatGPT の回答の特徴


“ChatGPT mentioned brands in 99.3% of ecommerce queries and named an average of 5.84 brands per response.”
(ChatGPTは、EC関係の質問の99.3%でブランドを名前入りで紹介し、1回の回答で平均5.84社ものブランドを挙げていた。)

ChatGPTは、とにかくたくさんの選択肢を見せてくれるタイプです。
「おすすめの〇〇は?」と聞くと
・大手
・人気
・新しいブランド

など、どんどん出してきます。


Googleの「AIによる概要」 は逆の特徴


“Google AI Overview mentioned brands in only 6.2% of ecommerce responses.”
(Googleの「AIによる概要」 はブランド名を紹介したのは6.2%だけ。)

GoogleのAIは「慎重な性格」です。あまりブランドの名前を出さず、解説がメインになります。
これは、Googleが昔から「偏りなく情報を見せる」ことを重要視してきたためです。


GoogleのAIモード(日本でも2025年9月に提供開始)はその中間


“Google AI Mode mentioned brands in 81.7% of ecommerce responses.”
(Google AI Mode は81.7%の回答でブランド名を紹介。)

GoogleのAIモード は「ちょうど良いバランス型」と言えます。
ChatGPTほど多くはないけれど、Googleの「AIによる概要」 ほど控えめでもない。


これが何を意味するか?


とてもシンプルな結論があります。
「AIによって、紹介される会社が違う」ということです。

例えば、
・ChatGPT ではあなたの会社が出てくる
・でも Googleの「AIによる概要」 では全く出てこない
・Perplexity では競合ばかり紹介される

ということが普通に起こるのです。

実際、私のもとにも最近このような相談が増えています。私がサポートしているあるサービス業のクライアントも、
「GoogleのAIモードでは1位なのに、ChatGPTでは名前すら出てこない」
という状態でした。

その会社はSEOで成功していたので、本人たちは
「なぜAIでは出てこないのか?」
と強い不安を感じていました。

BrightEdgeのレポートは、その答えをデータで示してくれたのです。


Google公式の説明と照らし合わせるとどうなるか


Googleは「AIによる概要」について、次のように説明しています。
“AI Overviews are designed to help users quickly understand complex topics with summarized information.”
(「AIによる概要」は複雑な話をすばやく理解できるように、要点をまとめて説明するためのもの。)

つまりGoogleは、
・ブランドをたくさん出すこと
よりも
・解説として正しい内容を出すこと
を大事にしているのです。

だからブランドをあまり出さない傾向になるのです。


中小企業がAI検索で「名前が出ない理由」


では、なぜ多くの会社がAI検索で名前が出てこないのでしょうか?
これも、BrightEdgeレポートと私の現場経験が完全に一致します。

原因の多くは次の3つです。

1. 外部サイトでの情報が少ない


AIは1つのサイトだけでは判断しません。「ネットのあちこちに同じ情報があるか?」を確認します。

例えるなら、
「その人を知っている第三者が何人いるか?」
を見ているようなものです。

2. 会社の特徴が文章で説明されていない


AIは文章で企業の特徴を理解します。

しかし中小企業は…
・SNSのプロフィールが短い
・外部サイトに紹介されていない
・自社サイトでも「どんな会社か」が曖昧

というケースがとても多いです。

3. E-E-A-T(信頼性)の証拠がない


Googleは次のように説明しています。
“High-quality content demonstrates expertise, authoritativeness, and trustworthiness.”
(高品質なコンテンツは、専門性・権威性・信頼性を示す。)
Search Quality Rater Guidelines(Google)
AI検索もこの考え方を強く受け継いでいます。


中小企業でもAI検索に「選ばれる」ための方法


これまで「AI検索で名前が出ない理由」をお伝えしてきました。

ここからは、私が実際にコンサルティングで行っている改善方法を、初心者でも今日から取り組めるレベルにかみ砕いて解説します。
AI検索に選ばれるためのポイントは、とてもシンプルです。
「AIがあなたの会社のことを正しく理解できるようにすること。」
これだけです。

ただし、この「理解できる」ためにはコツがあります。

ポイント@:あなたの会社の「説明書」をネット上に作る


AIは、会社のことを文章で理解しようとします。つまり、人間が読んでわかりやすい文章=AIにとっても理解しやすい文章なのです。

ここで重要なのが、
「あなたの会社は何をしている会社なのか?」
という説明がネット上に十分あるかどうかです。

私が支援した企業では、説明が弱いケースがほとんどでした。

《よくある悪い例》
・「地域密着店です」だけ書いてある
・「私たちの強み」に関するページに強みが3行しか書かれていない
・SNSのプロフィール欄に会社紹介の説明がほぼゼロ
・外部サイトでの紹介が一切ない

これだとAIは判断できません。

《改善のために必要なこと》
・自社サイトに「会社の特徴」「サービスの特徴」を詳しく書く
・SNSにも「少し長め」のプロフィールを書く
・外部サイト(地元メディア・口コミサイト)に紹介してもらうための掲載依頼をする

AIは、いろいろなサイトの情報を組み合わせて会社を理解します。そのため、複数の場所に「同じ説明」があると理解が加速します。

BrightEdgeのレポートでもこう言っています。
“AI engines rely heavily on consistency across the web to validate brand identity.”
(AIエンジンは、ブランドの正当性を判断するため、ウェブ全体における説明の一貫性に強く依存している。)

まさにその通りです。

ポイントA:外部サイトで「第三者から紹介」されるようにする


AIは自社サイトの情報を参考にはしますが、それよりも第三者サイトがあなたの会社についてどう説明しているかを重視します。

つまり、あなたの会社を
・地元のニュースサイト
・業界団体のサイト
・口コミサイト
・専門ブログ
・比較サイト

などが紹介していると、AIにとって「信頼できる会社」に見えます。ここが「SEOとAI検索の大きな違い」です。

検索エンジン対策(従来)は主に
・自社サイトを改善して順位アップ

しかし…
AI検索は
・ウェブ全体で信頼されている企業を推薦する

という違いがあります。

私が支援したある歯科クリニックは、外部サイトで院長の紹介記事を増やしたところ、ChatGPTで地域のおすすめとして名前が出るようになりました。

ポイントB:FAQ(よくある質問)を作るのが効果的


これは初心者にもすぐにでき、AI検索でも一番効果が出やすい方法です。GoogleはFAQを非常に高く評価していて、AIが理解しやすい構造だと明言しています。
“Structured Q&A content helps AI systems understand question–answer relationships.”
(Q&A形式の構造化コンテンツは、AIが質問と回答の関係を理解するのに役立つ。)

あなたのサイトに FAQ があると、
・AIがあなたの会社の得意分野を理解しやすい
・お客さんの疑問を解消できる
・高品質なページとしてGoogleにも評価される

という「三つの効果」があります。


AIに「好かれる会社」は何が違うのか?


AIにはそれぞれ「性格」があり、好む会社の特徴も違います。
ここでは初心者向けに極限までわかりやすくまとめます。

● ChatGPTに好かれる会社


ChatGPTは「話題が多い会社」が好きです。
・SNSでレビューが多い
・ブログで紹介されている
・比較サイトで言及されている
・お客様がネットで質問している会社

こういう会社は ChatGPT によく名前が出ます。

● Googleの「AIによる概要」、AIモードに好かれる会社


Googleは「説明がしっかりしている会社」が好きです。
・サービスの説明が丁寧
・専門性のある文章が多い
・お客様の役に立つ情報が豊富
・医療・法律など専門分野は特に丁寧な解説が必要

大事なのは「正しさ」と「丁寧さ」です。

● Perplexity に好かれる会社


Perplexity は「証拠がある会社」を好みます。
・具体的なデータ
・専門的な根拠
・外部リンク
・出典がはっきりしている情報

こうした「裏付け」がある会社が上位になります。


私が現場で見た「AI検索の成功例」と「失敗例」


成功例:地域の工務店がAI検索で「急浮上」


ある工務店はGoogle検索で強かったのに、ChatGPTで名前が出ませんでした。

そこで
・外部サイトに施工事例を掲載
・地元新聞に寄稿
・FAQを強化
・SNSで施工の裏側を丁寧に紹介

これを行った結果、ChatGPTの「おすすめの工務店」で名前が出るようになりました。

失敗例:EC企業がAIに完全無視されたケース


あるEC企業は、
・サービス説明が2行
・SNSに会社紹介がゼロ
・外部サイトから紹介されていない
・商品カテゴリが曖昧

という状態でした。

AIは「何の会社かわからない」と判断し、どのAI検索にも全く出ませんでした。AI検索は「正体が見えない会社」を選びません。ここが最大のポイントです。


まとめ


BrightEdgeのレポートが教えてくれたことは、とてもシンプルです。
・AIには「それぞれ性格がある」
・AIは「情報量の多い会社」を優先する
・AIは「外部からの紹介」を強く重視する
・AIは「丁寧でわかりやすい説明」が好き
・SEOで勝っていてもAIでは勝てないことが多い

そして、私のコンサル経験から言えることは、AI検索の時代は「理解される会社」が強い。

今までは「Google検索で上位に入れば十分」という時代でした。しかしこれからは「AIに理解されるための情報発信」が必要になります。

その第一歩は、
・会社の説明を丁寧に書く
・SNSにプロフィールを整える
・FAQを作る
・外部サイトで紹介してもらう
・記事やページの文章を増やす

…という、誰にでもできることから始まります。

AI検索はこれからもっと普及し、企業選びの基準は大きく変わっていきます。この記事が、その変化にいち早く適応するためのヒントになれば幸いです。


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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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