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2026年07月

失敗して分かったAIに仕事を奪われる人の本当の特徴

2026年07月29日

「先生、この仕事はAIに奪われますか。」ここ一年ほどで、私が一番多く受けた質問かもしれません。講演会でも。企業研修でも。コンサルティングでも。年齢や職業に関係なく、本当に多くの方が同じ不安を口にされます。

「事務職はなくなるのでしょうか。」
「ライターはもう必要なくなるのでしょうか。」
「Web担当者もAIに置き換わりますか。」

その質問を聞くたびに、私は数年前の自分を思い出します。

実は私も、AIが急速に進化し始めた頃、「どの仕事がなくなるのだろう」と考えていました。新聞記事を読み、海外ニュースを調べ、AI研究者の話を聞きながら、「この仕事は危ない」「次はこの職業かもしれない」と考えていたのです。しかし、企業支援を続ける中で、その考え方は大きく変わりました。仕事がなくなるのではありませんでした。変わったのは、仕事のやり方だったのです。


私は「職業」がなくなると思っていた


ChatGPTが登場した当初、私はある意味で世間と同じ考え方をしていました。

・ライター
・デザイナー
・プログラマー
・翻訳者

次はどの仕事がAIに置き換わるのだろう。そんな記事を読むたびに、「確かにそうかもしれない」と思っていました。

ところが実際に企業を訪問してみると、現実は全く違っていました。ライターはいなくなっていません。デザイナーもいます。プログラマーもいます。むしろ以前より忙しくなっている会社も少なくありませんでした。

私は不思議でした。ニュースでは「AIが仕事を奪う」と言われています。しかし現場では、そのようなことは起きていません。一体何が違うのでしょうか。


あるライターさんとの会話で考え方が変わりました


ある日、長年記事を書いているライターの方とお話しする機会がありました。私は率直に聞きました。「AIが出てきて、不安はありませんでしたか。」すると、その方は笑いながらこう答えました。「もちろん最初は不安でした。でも、今は前より忙しいですよ。」理由を聞くと、とても興味深い答えが返ってきました。

「記事を書く時間は半分になりました。でも、その分、お客様への取材や企画に時間を使えるようになったんです。」その瞬間、私はあることに気付きました。AIが奪ったのは、記事を書く仕事ではありません。記事を書く時間だったのです。これは非常に大きな違いでした。


仕事はなくならない。でも仕事の中身は変わる


私は最近、仕事を「一つの塊」として考えないようになりました。例えばSEOコンサルティングという仕事も、一つではありません。情報収集。分析。資料作成。企画。お客様との打ち合わせ。改善提案。検証。

こうして細かく分けると、AIが得意な仕事もあれば、人間でなければ難しい仕事もあります。つまり、AIは仕事そのものを奪うというより、その仕事の中にある一部の作業を引き受けるようになっているのです。

私はこのことに気付くまで、「仕事」という大きな単位で考えていました。しかし現実には、「仕事の中身」が変わっていたのです。


AIに置き換えられる人には、一つの共通点があった


ここまで読むと、「では、AIに仕事を奪われる人はいないのでしょうか」と思われるかもしれません。実は、私は「AIに仕事を奪われる人はいる」と考えています。ただし、その理由は職業ではありません。

数多くの企業を支援する中で感じているのは、AIに置き換えられやすいのは、「作業しかしていない人」だということです。少し厳しい言い方になりますが、これは能力の問題ではありません。仕事への向き合い方の問題なのです。

例えば、毎日同じフォーマットに沿って資料を作るだけ。指示された文章を書くだけ。決められた情報を整理するだけ。こうした仕事は、AIが非常に得意な分野です。

一方で、

「この資料なら社長は理解しやすいだろう。」
「このお客様には、この順番で説明した方が伝わる。」
「今回は、この企画ではなく別の提案をした方がいい。」

こうした判断は、今でも人間が行っています。つまり、AIが苦手なのは「考えること」ではなく、「相手や状況に応じて判断すること」なのです。


私はAIを使うほど、人と話す時間が増えた


これも私自身が予想していなかったことでした。AIを使えば使うほど、パソコンに向かう時間が増えると思っていたのです。しかし現実は逆でした。文章を書く時間は短くなりました。資料を作る時間も短くなりました。調査も以前より速く終わります。その結果、何が増えたと思いますか。

お客様と話す時間です。企業の担当者と雑談する時間。社員の方の悩みを聞く時間。セミナー終了後に質問へ答える時間。つまり、人と向き合う時間が増えたのです。これは私にとって大きな発見でした。AIは人間とのコミュニケーションを減らすものではなく、むしろ増やしてくれる道具だったのです。


AI時代は「答えを知っている人」より「質問できる人」が強い


私が最近、特に重要だと感じている能力があります。それは、「良い質問をする力」です。以前は、知識をたくさん持っている人が評価されました。しかし今は、知識はAIがすぐに教えてくれます。

では、何が差になるのでしょうか。それは、「何を聞くべきか」を考える力です。私はコンサルティングでも、いきなり答えを出すことはほとんどありません。まず質問をします。

「本当に困っていることは何でしょうか。」
「その仕事は、なぜ今のやり方なのでしょうか。」
「もし時間が2倍あったら、何をしたいですか。」

こうした質問を重ねることで、本当の課題が見えてきます。

AIに質問するときも同じです。曖昧な質問をすれば、曖昧な答えしか返ってきません。良い質問をすれば、AIは驚くほど質の高い答えを返してくれます。つまり、AI時代は「答えを持っている人」よりも、「本質的な質問ができる人」の価値が高まっているのです。


仕事を奪われるかどうかは、自分で決められる時代になった


以前の私は、「AIによってどの職業がなくなるのだろう」と考えていました。しかし今は、その考え方自体が変わりました。本当に重要なのは職業ではありません。今の仕事を、昨日と同じやり方で続けるのか。それともAIを取り入れて、自分の役割を進化させるのか。その選択の方が、はるかに重要です。

例えば、ライターという職業は今も存在しています。しかし、「文章を書くだけのライター」と、「読者の悩みを深く理解し、企画まで考えられるライター」とでは、求められる価値は大きく違います。営業も同じです。資料を説明するだけの営業と、お客様の課題を一緒に整理できる営業では、AI時代の価値は全く異なります。つまり、AIが変えているのは肩書きではなく、「その仕事で何を提供しているか」なのです。


まとめ


私自身、AIが登場した当初は、「どの職業が生き残るのか」という視点で物事を見ていました。しかし、それは大きな勘違いでした。

企業を支援し、多くの現場を見る中で分かったのは、AIは仕事そのものを奪うのではなく、仕事の中にある作業を引き受ける存在だということです。だからこそ、人間に残される仕事は、これまで以上に価値を持つようになります。

考えること。
判断すること。
相手の気持ちを理解すること。
責任を持って決断すること。
そして、人と信頼関係を築くこと。

これらはAIには代わることができません。

もし今、「自分の仕事はAIに奪われるのではないか」と不安を感じているのであれば、一度だけ視点を変えてみてください。「私の職業はなくなるだろうか」と考えるのではなく、「私はAIにはできない、どんな価値を提供できるだろうか。」

そう考え始めた瞬間から、AIは脅威ではなく、あなたの力を何倍にも広げてくれる最高のパートナーになります。それが、私自身が数年間AIと向き合い、多くの企業の現場で試行錯誤を重ねる中でたどり着いた結論です。

失敗して分かったAIを導入しても成果が出ない会社の特徴

2026年07月30日

ChatGPTが話題になり始めた頃、多くの企業から同じ相談を受けました。

「先生、うちでもAIを導入した方がいいですよね。」

2023年頃から、この質問を何十回、何百回と聞いてきました。ところが、その数年後、今度は全く違う相談が増えてきました。

「AIを導入したのですが、思ったほど成果が出ません。」
「社員が最初だけ使って、今は誰も使っていません。」
「AIの利用料だけ払っている状態です。」

私はこの相談を受けるたびに、数年前の自分を思い出します。実は私自身も、AIを導入すれば自然と仕事が効率化すると考えていた時期があったからです。


私はAIさえ導入すれば会社は変わると思っていました


ChatGPTが登場した頃、私はかなり興奮していました。

「これは仕事のやり方を根本から変える。」
「どの会社でも生産性が大きく上がる。」

そんな期待を持っていました。

実際、私自身も毎日のようにAIを使い始めました。

・ブログ記事を書く。
・セミナー資料を作る。
・企画を考える。
・メールを書く。

次々とAIを仕事へ取り入れていきました。そして私は、「クライアントさんの会社でも同じことが起きる」と思っていました。

しかし現実は違いました。AIを導入して成果が出る会社と、ほとんど変わらない会社にきれいに分かれたのです。最初は理由が分かりませんでした。

・同じChatGPTを使っています。
・同じような研修も受けています。
・それなのに結果は全く違う。

私はこの違いがずっと気になっていました。


ある会社で気付いた「誰も悪くない失敗」


ある会社では、全社員へChatGPTのアカウントを配布していました。社長も、「どんどん使ってください。」と言っています。研修も実施しました。使い方も説明しました。これならAI活用は成功すると思っていました。



数か月後に訪問すると、ほとんど誰も使っていませんでした。理由を聞くと、「何に使えばいいか分からないんです。」という答えが返ってきました。

私はここで、自分の大きな勘違いに気付きました。私は「AIの使い方」を教えていました。しかし、「仕事の変え方」は教えていなかったのです。この違いは非常に大きいものでした。


包丁を配っただけでは料理は増えません


私はその出来事以来、AIを包丁に例えて説明するようになりました。包丁を買えば料理が上手になるでしょうか。もちろん、そんなことはありません。包丁は道具です。誰が使うか。何を作るか。どんな料理を目指すのか。それが決まって初めて価値が生まれます。

AIも全く同じです。ChatGPTを導入しただけで成果が出る会社はありません。AIをどの業務に使うのか。誰が最終判断するのか。浮いた時間を何に使うのか。そこまで設計して初めて成果につながります。

私は以前、この設計を十分考えないまま、「まずAIを使いましょう」と勧めていました。今思えば、それは反省すべき点でした。AIを導入することと、AIを活用することは全く別の話だったのです。


成果が出る会社は、AIではなく「仕事」を見直していました


多くの企業を見てきて、今では一つ確信していることがあります。成果が出る会社は、「AIを導入しよう。」とは考えていません。「仕事をどう変えよう。」と考えています。AIは、そのための手段でしかありません。

この考え方の違いが、数か月後、数年後には非常に大きな差になって現れます。私自身も、AIを見る時間より、お客様の仕事を見る時間の方がずっと重要だと考えるようになりました。それが、「AIを知ること」と「AIで成果を出すこと」の違いだったのです。


AI活用が定着する会社には共通点がありました


では、実際にAI活用が定着している会社には、どのような共通点があるのでしょうか。私は数多くの企業を支援する中で、一つの傾向に気付きました。成果を出している会社は、「AIを使うこと」を目的にしていません。

「社員がもっとお客様と向き合う時間を増やそう。」
「企画を考える時間を増やそう。」
「単純作業を減らそう。」

まず、この目的が明確なのです。その上で、「そのためにAIをどこへ使おうか」と考えています。

一方で、成果が出ない会社は逆です。「AIを導入しよう。」から始まります。その結果、「では何に使おうか。」という順番になってしまいます。この順番の違いは小さなことのように思えますが、実際には非常に大きな違いになります。


AIは優秀な新人社員によく似ています


最近、私はAIを説明するときに、「優秀な新人社員」という例え話をすることが増えました。

もし今日、非常に優秀な新人社員が入社したとします。その新人は、文章を書くのも速い。調査も得意。資料も短時間で作れる。そんな優秀な人材です。しかし、社長がその新人に、「とりあえず自由に仕事をしてください。」と言ったらどうなるでしょうか。

おそらく新人は困ってしまいます。何を優先すればいいのか。誰に相談すればいいのか。どこまで自分で判断していいのか。分からないからです。AIもまったく同じです。AIは非常に優秀です。しかし、目的や役割を与えなければ、本当の力を発揮できません。

私は以前、「AIは何でもできる」と考えていました。しかし今では、「AIは役割を明確にすると驚くほど力を発揮する」と考えています。




私が企業へ最初に質問することが変わりました


AI導入コンサルティングを始めた頃、私は企業へこんな質問をしていました。

「どんなAIを使いたいですか。」
「ChatGPTは導入されていますか。」
「画像生成AIにも興味がありますか。」

ところが今では、最初に聞くことは全く違います。

「社員の皆さんは、一日の仕事で何に一番時間を使っていますか。」
「その中で、一番面倒だと感じている作業は何ですか。」
「本当はもっと時間を使いたい仕事は何ですか。」

この質問をすると、企業の課題が見えてきます。

その課題が分かって初めて、「それならAIでこの部分を改善できます。」という提案ができます。つまり、AIから考えるのではなく、仕事から考えるようになったのです。これは私自身の大きな変化でした。


成果が出る会社は、小さく始めていました


もう一つ興味深いことがあります。成果が出ている会社ほど、最初から大規模なAI導入をしていません。例えば、議事録だけAIに任せる。メールの下書きだけAIに任せる。ブログ記事の構成だけAIに考えてもらう。こうした小さな成功体験を積み重ねています。

すると社員も、「これは便利だ。」「次はこの仕事にも使えそうだ。」と自然に活用範囲が広がっていきます。反対に、「今日から全部AIでやりましょう」という会社ほど、うまくいかないことが多いのです。



これはダイエットにも似ています。いきなり毎日10キロ走ろうとしても、多くの人は続きません。しかし、毎日15分歩くことから始めれば、少しずつ習慣になります。AI活用も同じです。続けられる小さな改善の積み重ねが、大きな成果につながります。


私がAI時代に考え方を変えた理由


今振り返ると、私はAIそのものばかり見ていました。

「新しいAIは何だろう。」
「どんな機能が追加されたのだろう。」

そんなことばかり考えていたのです。

しかし、企業を支援し続ける中で、私の視点は変わりました。見るべきなのはAIではありません。仕事です。働く人です。そして、その先にいるお客様です。

AIはその間をつなぐ道具に過ぎません。道具が主役になることはありません。主役は、いつも人です。だから私は今でもAIを学び続けています。しかし、それは新しい機能を自慢するためではありません。目の前のお客様が、より良い仕事をするためです。


まとめ


私は以前、「AIを導入すれば会社は変わる」と考えていました。しかし、それは間違いでした。本当に会社を変えるのはAIではありません。AIを使って仕事の進め方を変えようとする人たちです。

これまで数多くの企業を支援してきましたが、成果が出る会社には共通点があります。AIを目的にしていないことです。お客様への価値を高めること。社員がもっと創造的な仕事をできるようにすること。その目的があるからこそ、AIは力を発揮します。

もしこれからAIを導入しようと考えているのであれば、ぜひ最初に考えてみてください。「AIを導入すること」が目的になっていないでしょうか。本当に考えるべきなのは、「AIを使って、どんな会社になりたいのか」です。その答えが明確になった会社は、AIを一時的な流行ではなく、未来を切り開く強力なパートナーとして活用できるようになると、私は確信しています。

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