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2015年08月04日

敵は死角からやってくる!ディスラプターとは?

2015年08月04日


日経電子版 2015/7/30「あなたの業界に迫るウーバー ディスラプターは敵か :山川 隆義ドリームインキュベータ社長
という記事があり、そこでマーケティングの世界での新しい言葉が紹介されていました。

それは・・・

ディスラプター = 関係のなさそうな業界を横から切り取っていく戦法

というものです。

ディスラプターは業界を超えて、こちらが予測もできないような死角から突然市場に進出してお客を奪っていく企業のことだそうです。

この言葉を知って、この20年くらいの間、日本市場で起きてきたことの多くの説明がつくと感じました。

例えば・・・

(1)iモードでケータイ王国を築き上げたユーザーを、パソコン業界のアップルが突然iPhoneというスマートフォンを発明して奪っていった

(2)同じくスマートフォンをというハードを販売しているアップルにソフト業界であるCD販売業界の顧客が奪われた

(3)コンビニが100円コーヒーや、ドーナッツを販売してドトールコーヒーや、ミスタードナッツの顧客が奪われた

などがすぐに思い浮かびます。

これらはリアルの世界での事例ですが、これから増えることが予測されるのがネットの世界です。

自社の商材とは全く違ったものを売っている企業が突然、競争力の高い練りに練った販売戦略でこちらの市場に入ってくることが予想されます。

何故このようなことが増えて来ているのかというと、同記事によると「背景には、(1)全てのものがつながることで業界の壁がなくなったこと(2)情報レイヤーと物理的な人のレイヤーの両方のつながりが生まれたこと−−この2つがある。」だということです。

ITの普及とクラウドや低コスト、高速ネット接続が可能になったことで顧客リストさえあれば誰でも何でも売れる時代になったというのはチャンスが増えて良いことでありますが、何も手を打たずに静観する企業にとっては怖い時代だとも言えます。

特に、国内というある意味身内ばかりを見ていると突然海外からディスラプターが入ってきて顧客を奪い去ることがあります。

そうした意味で今最も多くの業界にとって脅威なのがウーバーというタクシー配車サービスだと言えます。この会社の恐ろしいところはタクシー配車の専門会社というわけではなく、今後は空いているリソースをそれを必要とするユーザーにコンピューターとネットの力で最安値で紹介するシェアリングエコノミーを実現しようとするところです。

ビジネスの形態には色々とありますが、その一つが余っているものを蓄えて、それが最も高値で売れる時に高く売るという形態があります。

ITが普及していなかった時代は確かにそうしたことが可能でしたが、今後は難しくなるはずです。何故なら情報を蓄えて隠そうとしても競合他社がその情報をいち早くネットに放出することによりユーザーは余分な出費をしないでその時その時最適な購買決定をほとんどリアルタイムで実施することが出来るからです。

コンピューターの出現によりたくさんの情報を蓄えて、その情報を活用して高値で商品やサービスを販売することが可能だったはずのものが、ディスラプターの登場により情報が加速度的に早く出回ることになり企業ではなく、消費者が得をする時代が来るようになったのです。

現在の業績が安定している企業ほどディスラプターには気をつけなくてはなりません。何故ならそうした業界に魅力を感じたディスラプターが予想外のアングルからこちらの市場に侵入してくるからです。その時業界が破壊されて過去のやり方が通用しなくなります。

いつディスラプターが入ってくるのかを考えていても意味はありません。入ってくるということを前提としてこちらも動いて、手を打たなくてはなりません。

防御策は、ディスラプターが入ってきても全く問題が無いように現在のサービス、商品のクオリティーを高め、競争力を圧倒的に高めること

そして積極策は自社の顧客基盤を拡大するために自らがディスラプターになることです。
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