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Web業界の動向

米国での検索シェアはGoogleが65%、Bing陣営が33%になりBingの存在感が増している

2015年10月21日
米国の検索エンジン市場調査会社のcomScoreの2015年7月の発表によると米国での検索シェアはGoogleが65%、Bing陣営が33%になりBingの存在感が増しているということです。



Bing陣営というのはマイクロソフト関連サイトには当然同社のBingを採用しているのと、Bingを2010年から採用している米国Yahoo!、そしてアップルによるものだと思われます。

何故、長年マイクロソフトと敵対していたアップルがマイクロソフトの検索エンジンBing陣営にいるのかというとアップルの一番の人気商品であるiPhoneに搭載しているSiriやSpotlightで検索した時に優先的にBingを採用しているからです。

そして何故アップルがBingを採用しているのかは2007年にマイクロソフトのビルゲイツとアップルのスティーブ・ジョブズが和解をして共通の敵に立ち向かうためです。

では、その共通の敵とは何かというとGoogleです。

Googleは両者の領域を深く侵食するようになってきています。

それはWindowsという世界No.1のシェアをもつOSが無くてもWindows用のパソコンを動かすCromeOSと、InternetExplorerというブラウザのシェアを完全に奪い去り世界ナンバーワンになったCromeブラウザ、そしてMicrosoftOffice無しでも無料で使えるオフィススイートのGoogleDocなど明らかなマイクロソフトへの挑戦によるものです。

次にアップルの方ですが、これも苦労して発明したスマートフォン市場をアンドロイドOSにより席捲し、OSだけではなく、NEXUSというスマートフォンとタブレットを発売されてしまい泥沼の訴訟を繰り返しています。

古い格言で「敵の敵は見方」というものがあるくらいなので、古参のPC市場のスターであるマイクロソフトとアップルは気がついてみれば仲間だということにビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズが気づいたのが2007年でその仲の良い様子は「Steve Jobs and Bill Gates Together at D5 Conference 2007」という動画から見て取れます。



アップルが実際にどのようにBingを優遇しているかはiOS9をiPhoneにインストールした方、あるいは最新のiPhone6S、iPhone6S plusを使っている方は、ホーム画面を右にスライドして出てくるSpotlight検索の画面の一番上にある検索ボックスにキーワードを入れて検索をしてみてください。

私は先程自分の使ってるiOS9をインストールしたばかりのiPhone6でホーム画面を右にスライドして「ダイエット」というキーワードを入れて検索してみました。

検索結果の中段あたりに「BING検索」という欄が出てきてそこに3件のBingの検索結果が表示されています。



ところでBingのSEO対策はどうすれば良いのでしょうか?

あまり知られていないことですが、Bingは以前ヤフーが運営していたYSTという検索エンジンが統合されています。YSTのアルゴリズムと当時のデータが2010年よりマイクロソフトとヤフーが締結した契約によりBingに統合されています。

現在のBingのアルゴリズムは当時のYSTの特徴をかなり持っています。

では、当時のYSTの特徴とは何でしたでしょうか?

それは・・・

(1)古いサイトからのリンクが効果がある
(2)ヤフーカテゴリ登録が上位表示に効果がある
(3)ヤフーカテゴリに登録されているリンクが効果がある


の3つです。

現在Googleでは上位表示されているけれどBingでは何故か上位表示出来ていないというサイトには上の3つの全てあるいはいくつかが欠乏しています。

反対にBingでは上位表示出来ているがGoogleでは上位表示していないという場合は、クリックされて流入が起きるリンクが不足していること、内部要素(キーワードの書かれ方、コンテンツの独自性、十分な文字数)が弱かったり、アクセスが少ないサイトであることが理由です。

現在の米国の検索市場ではBingが33%のシェアが有り、Googleが65%ということはすでにBingはGoogleの半分にまで成長しているということです。

これまで完全に無視してもよいほどだったBingのシェアは、思わぬ援軍であるアップルの存在により今再び脚光を浴びるようになりました。

そして何故が無料で配布されるようになったWindows10の日本語版にはもうじき日本語版のコルタナというパーソナルアシスタントが実装されます。コルタナはユーザーからの音声やテキストによる質問に対して様々な情報ソースから答えを返します。そしてWeb検索に関しては当然自社のBingを採用します。

アップルのiPhoneのユーザーが増えれば増えるほど、そしてマイクロフトのWindows10と同じくコルタナを実装するXboxのユーザーが増えるのほどGoogleの検索シェアは圧迫されます。そしてその時第三の勢力であるFacebookがどちらにつくかですが、FacebookとGoogleの対立もFacebookの真似をしたGoogle+と、反対にYouTubeを真似るFacebookの動画事業などの存在により深刻化してきています。

結局、私達Webサイト運営者は全てのプラットフォームに対応せざるを得ません。

これからもGoogle、マイクロソフト、アップル、そしてFacebookの動向から目を離すことが出来ません。

危険な書を読みました・・・SEO業界のルター・反逆者が生まれた!

2015年07月04日
先日、福岡の松村工さんという方の電子書籍を読みました。松村さんとは認定SEOコンサルタント養成スクールで知り合い、活躍されている方です。

以前より松村さんの動向はFacebookやブログなどを通じて拝見していましたが、氏の筆致はとても鋭く時にナイフのように感じることもあるくらいです。

何がナイフのように鋭く感じるのかというと既存のSEO業界、Web業界のありかたに警笛を鳴らしているところです。

特に驚くのは、昨今のSEOの世界はGoogleが完全にイニシアチブをとってしまい、あたかもWWWがGoogle’sWWWに成り果てているかのような状況に陥っていますが、そのことに大きな疑問を呈しておりGoogleだけを見ていてはいけないと警告を発してくれているところです。

数カ月前にGoogleはこれまでGoogleウェブマスターツールの名称をGoogleサーチコンソールという名前に変更しました。

この名前ではまるでGoogleという1つのソフトウェアを世界中のサイト管理者が操作装置を使い調整しているかのような印象です。

つまり私達はGoogleという巨大装置のオペレーター(操作員)になりつつあるということです。

本来なら顧客のために役立つ情報を提供して自社サイトに見込み客を集客するのが目的のはずが、Googleに気に入ってもらうことがまず先決だと錯覚してしまうのです。

私も自分のセミナーやコンサルティング中などに「自分はGoogleのPR担当者なのではないか?」と思う時があるはずです。

しかも、今日Search Engline Land という米国のSEOニュースサイトを電車の中で見ていたら何と・・・

「Yahoo Search Testing Google Powered Search Results:
Yahoo confirms they are testing supplementing other search ranking providers, including Google, to power Yahoo Search.(米国のYahooが自社搭載検索エンジンとしてGoogleをテストしている)」
(July 1, 2015 )

だとか、

「Yahoo Or Bing Could Now Divorce Before 10-Year Search Deal Expires
New terms allow either Bing or Yahoo to terminate with four-months notice.(米国のYahooまたはBingのいずれかが検索エンジン利用の10年契約の前に契約を解除する事がありえる)」
(April 21, 2015)

というように米国のYahooが2010年から検索エンジンとして採用してきたBingと離婚するのではないという事が書かれておりIT総本山の米国ですらこのままだとGoogleの一極支配になるのではないかと思われるバッドニュースがありました。

不適切な例えかもしれませんが、検索エンジン業界を中世のヨーロッパの歴史に例えてみると今のGoogleは当時のヨーロッパで絶大な権力を誇ってきたローマ・カトリックのローマ法王のような存在かも知れません。

Google = ローマ法王

です。

当時のローマ法王に逆らえる人はほとんどいませんでした。

そのような事をしたら消されるからです。

しかし、ドイツにルターという宗教改革者が登場してドイツ地方を中心に圧倒的な支持者が出てきました。
その後はプロテスタント運動に繋がる動きを起こしました。

私は松村さんの発する情報を見る中で「ルター」という名前を思い出しました。

私はこうした勇気あるSEOコンサルタント、Webコンサルタントが全日本SEO協会の認定SEOコンサルタントの中にいることが嬉しいです。

業界を守ることや自分の仕事を守ることが目的化してはなりません。

目の前の顧客が困っていることを言葉ではなく観察により読み取り、それを解決することをひたむきに取り組むほかないというSEOコンサルタント、Webコンサルタントのあるべき姿をその衝撃的な筆致と実際の行動によって教えてくれます。

この書を読むには覚悟がいります。

とくにSEO業界、Web業界の方は自分のやり方が否定されていると感じることがあるからです。

しかし、それは氏の本意ではないはずです。

共にビジネスの原点に立ち顧客志向を貫くべきだと伝えたいのだと思います。

SEO対策の方法というのはとてもおもしろいもので人によって様々なやり方、考え方があります。

異なった経験により異なった対策方法が生まれきます。

私は氏の今回の電子書籍の4分の1くらいしか未だ読めていませんが、時間をかけゆっくりと残りの情報を読ませていただき自分の知らないテクニックを学ぶだけではなく、仕事の励みにしたいと思います。

松村さんの電子書籍は
https://matsumuratakumi.com/sp/
からダウンロード出来ます。

楽天から私達が今、見習うべきことは何か?

2015年06月06日
6月5日、楽天が巨額な資金を調達して将来のために投資をするという報道がありました。

『楽天は4日、公募増資で1880億円を調達すると正式発表した。資本を拡充し、M&A(合併・買収)を活用した今後の成長投資に備える。2010年に現地の電子商取引(EC)サイトを買収して進出した米国。同業の米アマゾン・ドット・コムへの対抗策として「新たな経済圏をつくる」(三木谷浩史社長)との意気込みだ』日本経済新聞社2015/6/5版

楽天は

・昨年買収した世界2億5千万人が使う無料対話アプリ「バイバー」

・昨秋に1000億円で買収したネット通販関連サイト運営の「イーベイツ」

などでかなりの投資をしてその有利子負債に今回調達する1880億円を充てて、さらに将来の投資に備えるとのことです。

この記事を読んで思うのは・・・

(1)現状が上手く行っている時ほど、将来のために大胆な投資をする必要がある

そうしないと今の繁栄は過去の投資の賜であり、この今、時間か資金、あるいはその両方を投資しなければ将来の反映は絶対にないということ

(2)自分が売りたいものを売ろうとする前に先ず将来の見込み客を何らかの形で集めておかなくてはならない

「バイバー」、「イーベイツ」もそうですし、その前に買収した海外では一定数のユーザーがいる電子書籍のKoboにしろ、それらが今現在大きな収益を産んでいなくても、それらのサービスの億を超えるユーザーに情報を配信するインフラを先ずと整えることが先で、それが済んだら好きなだけ自社が売りたい商品、サービスを宣伝出来るということ。

実際にこれらのサービスの利用者が今後楽天からものすごい数のプッシュ配信による宣伝を受信することは明らかです。
まず無料サービスや非常に便利なサービスを提供して信用を得ることが先だということ

(3)日本のEC市場はかつてのように自然には成長しないので、海外進出、特にアジア方面への進出に巨大なチャンスがある

一見こうした2000億円近くの投資は他人ごとのように思えますが、私達サイト運営者にとっては人事ではありません。

これら3つのうち全てとは言わないまでもいくつかは見習えることがあると思います。

失敗をするリスクよりも、行動をしないことが最大のリスクです。

楽天の動きを座視して御社が何もしなければ、将来的に楽天に一方的にお金を払う側に立つということにもなりかねません。

それが来た時にいくら文句を言っても何の意味もありません。

米国経済、IT社会にはとても嫌な格言があります。それは「Winner takes all.(勝者が全てを取る)」という残酷な格言です。

私達日本人にはそうしたドライな生き方は似合わないですし、そうした考え方、生き方には抵抗を感じます。

しかし、何の力も無ければそうした思想を持つ企業に従う他なくなるのが現実の厳しさです。

あなたの業界でも他社に仕掛けられるのを待つのではなく、自分から仕掛けて下さい。

何を仕掛けるのか?それは同業他社が嫌がるくらいの素晴らしいサービスを消費者に提供する事です。

何故ならそれはほとんどの場合、消費者達に熱狂的に支持されることだからです。

御社が熱狂的に支持されることをする限り業績が伸びないわけがありません。

御社の業界に御社独自の経済圏を築いて下さい。

そしてその経済圏を楽天のように海外にまで広げて下さい。

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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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