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2026年01月05日
AI検索時代、ユーザーはどう商品・サービスを購入するのか?質問から始まる「新しい購買プロセス」
2026年01月05日

2024年・2025年は、Webマーケティング史の中でも大きな転換点になりました。
その理由は、Google検索の衰退ではなく、ChatGPT、Gemini、Perplexity など AI検索の台頭です。
私が全国で講演・企業コンサルティングを行う中でも、「検索順位が高いのに問い合わせが増えない」「ChatGPT経由での集客導線が作れない」という相談が増えています。その背景にあるのは、ユーザーの「情報収集の入口」がAI検索へと移動し、Google検索中心の直線的ジャーニーが崩れた という構造変化です。
今回は、世界的な調査データと私自身の実務現場での観察をもとに、「AI検索を使ったユーザーは、商品・サービスを購入するまでにどのような行動をとるのか?」を解説します。
AI検索ツールの利用が急増:特に「買い物目的の使用」が伸びている

まず最初に押さえるべきは、AI検索ツールの利用者数が急拡大し、その中でも ショッピング・比較検討目的の利用が増えていることです。
以下の調査結果がこのことを裏付けています。
ChatGPTプロンプトの利用数が急増

Bain のレポートによると、2025年上半期だけで ChatGPT の利用プロンプト数は 約70%増加。特に「ショッピング・比較検討」カテゴリのプロンプトは 約25%増加 と分析されています。
これは、AI検索が「情報検索+比較+要約」の初期フェーズを代替し始めたことを意味します。
国内でも半数以上が「AI検索で商品を調べた経験あり」
日本国内の調査では、「商品・サービスの選定にAI検索を使った経験がある」と答えたユーザーは 52.6% にのぼっています。
さらに注目すべきなのは、そのうち 61.4% が「AI検索で得た情報が購買意思決定に影響した」と回答している点です。
《出典》 生成AIの普及実態調査(インプレス)
これは、「AI検索は参考程度に使われているだけ」という段階をすでに超え、
実際の購入・申し込みを考える上での判断材料として使われ始めていることを示しています。
ただし重要なのは、AI検索だけで即決しているわけではなく、
AI検索を「考えるきっかけ」や「候補を絞るための入口」として活用しているユーザーが多いという点です。
AI検索の第一段階:質問(クエリ)→「一次比較」をAIが代行

AI検索、とくに ChatGPT を使った検索行動の最大の特徴は、 ユーザーが「検索キーワードを入力する」のではなく、「質問すること」から行動を始める点にあります。
従来の Google 検索では、
「福岡 リフォーム おすすめ」
「シェフナイフ 比較」
といったように、単語を組み合わせたキーワード検索が一般的でした。
一方、AI検索では、
「福岡でおすすめのリフォーム会社を比較して」
「プロが選ぶシェフナイフのベスト3は?」
というように、人に話しかける感覚で自然文のまま質問します。
この質問を受け取った AI は、そのまま答えを探すのではなく、 質問内容を内部で複数の条件や視点に分解します。
たとえば、
・地域はどこか
・どんな基準で「おすすめ」を判断するのか
・価格帯か、実績か、専門性か
といった 複数のサブクエリに自動的に分解(クエリファンアウト)し、 それぞれについて外部情報を参照したうえで、 「まずはここから検討するとよい」という 初期の比較結果をまとめて提示します。
つまり AI検索は、比較サイトを何ページも見て回る前段階の作業をまとめて代行してくれる存在になっているのです。
会話型商品検索の研究が示す未来
この論文では、LLM(大規模言語モデル)が、ユーザーとの対話を通じて 「最初は曖昧だったニーズを、段階的に明確にしていくプロセス」をどのように支援できるかが検証されています。
従来の検索では、ユーザー自身が
・条件を整理し
・比較軸を考え
・候補を絞り込む
という作業をすべて自分で行う必要がありました。
しかし会話型検索では、ユーザーが質問を重ねるだけで、AIがその意図の変化や深まりを読み取り、
「何を重視しているのか」
「どこで迷っているのか」
「比較ポイントは価格なのか、品質なのか」
といった点を自動的に補正しながら、その時点のニーズに最も合った商品候補を提示します。
つまりこの研究が示しているのは、AIが単に商品を並べるのではなく、「探す → 整理する → 比較する」 という購買前の思考プロセスそのものを代行し始めているという事実です。
このような検索モデルは、すでに研究段階を超え、実際のAI検索体験の中で現実のものになりつつあります。
AI検索後のユーザーは必ず「信頼性確認フェーズ」に入る
AI検索は非常に便利ですが、その回答をそのまま信じて即座に購入するユーザーは、現時点ではまだ少数派です。多くのユーザーは、AIの回答を「方向性を掴むための参考情報」として受け取り、そのうえで次の行動に移ります。つまり、AI検索は購入を決めるための「スタート地点」にはなっても、「ゴール」にはなっていないのです。
「AIの回答を参考にしつつ、最終判断は自分で行う」ユーザーが多数
Adobe の調査によると、AI検索を利用しているユーザーの多くは、「AIの回答は効率的で助かるが、その内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、その後に公式サイトやレビューを確認してから判断する」と回答しています。
この結果から分かるのは、ユーザーは AI を「答えを決めてくれる存在」ではなく、「調査や比較を効率化してくれるアシスタント」として使っているという点です。
そのため、AI検索は購買プロセスにおいて入口としての役割を担う一方、最終的な意思決定は必ずユーザー自身が行う構造になっています。
ユーザーは次の3つを必ず確認する

AI検索で候補を知ったあと、ユーザーはほぼ例外なく、次の3つを自分の目で確認します。
1. ブランド公式サイト
2. レビューサイト・比較サイト
3. YouTube・SNS(口コミ・実体験)
これは調査データだけでなく、私自身が現場で数多く見てきたユーザー行動とも完全に一致しています。
まず、ブランド公式サイトで確認されるのは、「この会社・このサービスは本当に信頼できるのか」という点です。
具体的には、
・実績や事例がきちんと公開されているか
・専門家や運営者のプロフィールが明示されているか
・情報が古くなく、継続的に更新されているか
といった、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)に関わる要素が見られています。
次に、レビューサイトや比較サイトでは、「第三者から見てどう評価されているのか」が確認されます。
ここでは、
・良い評価だけでなく、悪い評価も含めて自然か
・評価の内容に具体性があるか
・自分と近い立場の人の意見があるか
といった点を通じて、「公式サイトの主張が、外部から見ても妥当かどうか」を判断しています。
そして最後に、YouTubeやSNSで確認されるのが、「実際に使った人の「生の声」や「リアルな体験」です。
動画や投稿を通じて、
・実際の雰囲気はどうか
・使っている様子に違和感はないか
・本音で語っていそうか
といった、文章だけでは分からない感覚的な部分を補完しています。
たとえば、ある歯科クリニックの事例では、ChatGPTがそのクリニック名を回答の中で挙げていたにもかかわらず、公式サイトに症例写真や治療実績の掲載が少なく、さらに口コミや体験談も十分に蓄積されていなかったため、AI検索経由のアクセスが「問い合わせ」や「来院」には結びつきませんでした。
このケースから分かるのは、AI検索で名前が挙がること自体は「スタート地点」にすぎないという点です。
ユーザーはその後、
AI検索 → 公式サイトで信頼性を確認 → SNS・動画で人の声を確認 → それらを踏まえて比較・検討
というプロセスを経て、初めて行動に移ります。
つまり現在では、
AI検索 → 公式サイト(E-E-A-Tの確認) → SNS・口コミ(人の声の確認) → 検討・判断
という流れが、特別なケースではなく「一般的な購買行動」として定着しつつあるのです。
AI検索ユーザーの行動は「螺旋型(らせん型)」になる:AIと人間情報を行き来する
AI検索は便利ですが、人間は最終的に「自分で確かめたい」生き物です。そのため、現代ユーザーの行動は 直線ではなく螺旋状にループします。
《螺旋型ジャーニーの典型例》
1. ChatGPTに質問する
2. AIが候補を要約して提示
3. 気になった商品・企業名を Google検索で確認
4. さらに 比較サイト・レビュー を調べる
5. YouTubeで 第三者の解説・口コミ動画 を見る
6. InstagramやXで 実際の使用感・写真 を探す
7. 再びChatGPTに「この商品で大丈夫?」と質問する
8. 最後に公式サイト・LPで申し込み判断
この流れを見ると分かるように、ユーザーは一度AIの答えを見て終わるのではありません。
AI検索で全体像を把握したあと、
「本当に信頼できるのか」
「自分と似た立場の人はどう感じているのか」
を確かめるために、人間が発信した情報へと移動します。
そして、外部情報を確認したうえで生まれた新たな疑問や不安を、再びAIに投げかけて整理します。
この「AI → 人間の情報 → AI」という往復こそが、螺旋型ジャーニーの最大の特徴です。
重要なのは、このプロセスが「迷っているから起きている」のではなく、むしろユーザーが慎重に、合理的に判断しようとしている結果だという点です。
AIは判断材料を整理する役割を担い、人間の情報(公式サイト・口コミ・動画)が最終的な納得を支えています。
このような行動ループは、日本だけの特殊な現象ではありません。海外の複数の調査でも、AI検索を起点にしながら、最終判断は必ず人間が発信した情報で行う、という購買行動が一般化しつつあることが確認されています。
ユーザーは AI と Web 情報を「行き来しながら判断する」

Adobe の分析によると、ユーザーは AI検索を利用して効率的に情報を把握したあとでも、最終的な判断にあたっては、必ず「外部サイトで自分自身の目で確認する」プロセスを挟む、という行動を取ることが明らかになっています。
これは、AI検索が非常に便利である一方で、ユーザーにとっては「その情報を100%信じ切るだけの材料」にはなっていないことを意味します。
言い換えると、AIは判断を代行してくれる存在ではなく、判断に必要な情報を整理し、考えやすくしてくれる存在として使われているのです。
そのためユーザーは、AI検索で全体像や候補を把握したあと、
「本当に正しいのか」
「自分のケースにも当てはまるのか」
を確かめるために、公式サイトや比較サイト、口コミ、動画などへ移動します。
そして外部情報を確認する中で生まれた疑問や不安を、再びAIに投げかけて整理し直す、という行動を繰り返します。
このように、AIとWeb情報を行き来しながら判断すること自体が、現在のユーザーにとっては自然な意思決定プロセスになっているのです。
AI検索が「情報の入口」になり、Google検索は「確認の場」へ役割変化
これまでの Web マーケティングでは、Google検索が「情報収集の入口」でした。しかし AI検索の普及により、その立場が変わりつつあります。
User Intent(ユーザーの意図)における役割の変化
User Intent(ユーザーの意図)における役割の変化では、検索行動そのものが大きく変わりつつあります。
従来は、Google検索が情報収集の入口となり、複数のサイトを自分で見比べ、口コミを探し、最終的に公式サイトで内容を確認して購入するという流れが一般的でした。
しかしAI時代では、情報探索の入口がChatGPTなどのAI検索に移行しています。比較や整理といった一次的な判断はAIが担うようになり、ユーザーは口コミを探すためにGoogle検索を続けるのではなく、SNSやYouTubeへ直接移動するケースが増えています。その結果、公式サイトは「最初に見る場所」ではなく、「最終的な意思決定を行う場所」としての役割がより強くなっています。
つまり、Googleは入口ではなく 「確認フェーズの重要ステージ」 に移行しているのです。
これは私が数十のクライアント企業で観察した現象とも一致します。
・Googleのクリック数は変わらない
・しかし 問い合わせ率(CVR)が変化している
・原因は「入口がGoogleではなく、AIになった」ため
というケースが急増しています。
AI検索の評価基準は E-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性)

AIは「ランキング」ではなく「要約」を返します。では、AIはどのような情報源を引用するのでしょうか?複数の研究と Google の公式方針は、「E-E-A-T の高いサイトほど引用されやすい」と明言しています。
AIが良質な情報源を優先する理由
Google の品質評価ガイドラインでは、「AIによる概要」においても E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を基準に情報源を評価すると明記されています。
つまり、AI検索で紹介されるには、SEO以上に「専門性の証拠」が重要になります。
私は現場でこの傾向を何度も確認しています。
・施工事例を増やした歯科医院 → ChatGPTが積極的に引用
・専門家プロフィール・資格を明示した法律事務所 → AI回答に高確率で登場
・SNSで症例解説を投稿し続けた整体院 → ChatGPTで「地域名+施術名」で紹介される
これは偶然ではありません。
AI検索ユーザーの「購入の決め手」は2つある
AI検索を利用するユーザーが最終的に購入や申し込みに踏み切るかどうかは、次の2つの要素がそろっているかどうかで決まります。
@ AIが推薦した(=入口としての信頼)
A 自分で確認した「外部の証拠」(=最終判断の信頼)
まず@の「AIが推薦した」という要素は、ユーザーにとっての「最初の安心材料」です。
AI検索で名前が挙がることで、
「候補として検討してもよさそうだ」
「一定の評価や情報量があるサービスだ」
という前提がユーザーの中に生まれます。
この段階では、まだ購入を決めているわけではありませんが、数ある選択肢の中から「検討対象に入る」ための重要な条件になっています。
これは次のような調査データからも裏付けられています。
AI の回答は購入意思に影響する
《出典》 生成AIの普及実態調査(インプレス)
・AIで得た情報が「購入に影響した」と答えたユーザー:61.4%
この数字が示しているのは、AI検索が単なる情報収集ツールではなく、ユーザーの意思決定プロセスの初期段階に確実に影響を与える存在になっている、という点です。
一方で、Aの「外部の証拠」は、購入を決断するための「最後の後押し」です。
最終判断は「外部の一次情報」で行われる
Adobe の調査によると、ユーザーは AI の回答を参考にしつつも、最終的な判断は必ず、自分で確認した外部情報をもとに行っています。
具体的には、
・公式サイトでの説明や実績
・第三者によるレビューや比較情報
・SNSや動画での実体験・口コミ
といった「人間が発信した一次情報」を確認したうえで、納得できた場合にのみ、購入や申し込みに進みます。
つまり、AI検索は「判断を代行する存在」ではないということです。
AIは入口としての信頼を与え、外部の情報が最終的な納得と確信を支える、という役割分担がはっきりしているのです。
その結果、現在の購買行動では、
AIの推薦 × 人間の声(レビュー・口コミ・体験談)× 公式サイトの信頼性(E-E-A-T)
この3つがそろったときに、はじめてユーザーは「ここで大丈夫だ」と判断し、行動に踏み切ります。
まとめ
本記事で解説したように、AI検索を起点とするユーザー行動は、Google検索時代とは根本的に構造が異なります。
AI時代のカスタマージャーニーは次のように変わったのです。
1. 入口:ChatGPTなどAI検索
2. 一次比較:AIが代行
3. 確認:Google検索・比較サイト
4. 納得:YouTube・SNS・口コミ
5. 最終判断:公式サイト(E-E-A-T確認)
6. 問い合わせ・購入
これはまさに、「AI × 検索 × SNS × 口コミ × 公式サイト」がすべて連動した時代に入ったことを意味します。
私は長年全国の企業のSEO・Webマーケティングを支援してきましたが、その経験から、AI時代に成果を出す企業には共通点があるということがわかりました。
それは、
・AI検索で引用されるだけの「専門性を持つ」
・Google検索で「確認検索」に耐えうる充実したサイト構造を持つ
・SNS・動画で「人の声=社会的証明」を蓄積している
・口コミ・レビューの生成を怠らない
・自社の実績・経験を「証拠として公開している」
ということです。
AI検索が普及した今・・・
・SEOだけでは勝てない。
・SNSだけでも勝てない。
・AI対策だけでも勝てない。
勝つ企業は、このすべてを「つなげている企業」です。そしてその中心には必ず「E-E-A-T」があります。自社がどれだけ高い「E-E-A-T」を持っているのかを示すこと。これがAI時代の勝利への鍵です。
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