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2026年02月10日
AIモードがSEOに与える影響 - 順位を追いかけてきた人ほど知っておくべき検索体験の変化
2026年02月10日

ここ最近、私のもとには次のような質問が増えています。
「AIモードが始まったと聞いたのですが、SEOはもう意味がないのでしょうか?」
「AIモードが出ると、検索順位はどうなるのですか?」
「AIによる概要と何が違うのか、正直よくわかりません」
こうした不安を抱く方が増えているのは、無理もありません。なぜなら GoogleのAIモードは、これまでの「検索」とは性質がまったく違うからです。本記事では、感覚論や噂話ではなく、米国の信頼できるデータに基づいて、AIモードがSEOに与える影響を解説します。
AIモードとは何か?
「検索結果」ではなく「相談相手」に近い存在。AIモードを理解するうえで重要なのは、「検索結果を表示する機能」だと思わないことです。
Google自身は、AIモードを次のような位置づけで説明しています。
・複数回の検索をまとめて処理する
・推論と計画を支援する
・ユーザーの意思決定を助けるための対話型体験
つまりAIモードは、
「どのページが1位か」を探す場ではなく、
「どう考えればよいか」を整理する場なのです。

この時点で、従来のSEOが前提としてきた構造とズレが生じています。
なぜAIモードはSEOに大きな影響を与えるのか
従来のSEOは、極端に言えば次の流れで成り立っていました。
1. ユーザーがキーワードで検索
2. 検索結果にページが表示
3. 上位にあればクリックされる
4. サイトに流入が生まれる
しかしAIモードでは、この流れが途中で断ち切られます。
検索 → クリック → 流入 という導線そのものが、前提ではなくなるのです。では、それは単なる仮説なのでしょうか。いいえ。すでに「実データ」が出始めています。
AIモードを実データで分析した、ほぼ唯一のレポート
現時点で、ータで分析している公開レポートは、実質的に一つしかありません。それが、Semrush による調査です。Semrushは、世界中のSEO担当者が利用する分析ツール企業であり、クリックストリーム(実際の検索行動データ)を扱える数少ない存在です。
Semrushレポートが示した、AIモードの現実
Semrushのレポートは、「AIモードがどのように使われ、どんな行動が起きているのか」を推測ではなく行動データで示しています。
・対象:米国デスクトップ検索
・調査期間:2025年5月1日〜7月5日
・検索セッション数:約6,900万
この規模のデータでAIモードを切り出して分析している点が、非常に重要です。
AIモードの利用率は「まだ少ない」が、本質はそこではない
Semrushのデータによると、AIモードの利用率は全体から見れば、まだ数%未満です。しかし、注目すべきは 増加スピード です。
・AIモード利用セッション比率
約0.25% → 1%超(短期間で約4倍)
これは、「流行っていない」ことを意味しません。むしろ、新しい検索行動が、すでに一定数のユーザーで定着し始めているというサインです。
SEOにおいて本当に怖いのは、「一部のユーザーが、すでに別の行動を取り始めている」状態です。
AIモードのクエリは、もはや「キーワード」ではない
Semrushの分析で、もう一つ重要な点があります。それは 検索文の長さ です。
・通常検索:平均 約4語
・AIモード:平均 約7.2語
これは偶然ではありません。AIモードでは、ユーザーは「単語」ではなく「相談文」を入力します。
例を挙げると、
・×「SEO AI 影響」
・○「AIモードが始まると、これまでのSEO対策はどう変わるのか知りたい」
この変化は、キーワード最適化を前提にしたSEO設計に大きな問いを投げかけています。
SEOに最も衝撃的なデータ:ゼロクリック率
そして、Semrushレポートの中でSEO担当者が最も直視すべき数字があります。それが外部サイトへのクリック率です。
AIモードの検索セッションにおいて、
・外部サイトがクリックされる割合:6〜8%
・92〜94%は、AIモード内で完結
つまり、AIモードは「検索結果ページ」ですらないということです。検索しても、Webサイトに行かずに意思決定が進んでしまう。これは、「順位が下がる」というレベルの話ではありません。
それでもSEOは終わらない。その理由
ここまで読むと、「もうSEOは意味がないのでは」と感じる方もいるでしょう。しかし、私はそうは考えていません。なぜなら、AIモードは「何もないところから答えを作っているわけではない」 からです。
AIは、
・信頼できる情報源
・整理された知識
・文脈のある説明
をもとに、回答を組み立てています。つまり、AIモードの裏側には、必ずWeb上のコンテンツが存在するのです。
AIモードには「順位」という概念が存在しない
まず理解しておくべきなのは、AIモードの画面には、順位が存在しない という点です。
従来の検索では、
・1位
・2位
・3位
という序列がありました。そのためSEOは、「いかに順位を上げるか」という競争になっていました。
しかしAIモードでは、
・ページ一覧がない
・上位・下位の区別がない
・ユーザーは「比較」をしない
つまり、順位というKPI(=物事がどの位置にあるかを数字で示す指標)そのものが意味を失うという状況が生まれています。これは、SEOが終わることを意味しているのではありません。SEOの目的が変わるということです。

AIモードにおける本当の競争軸は「AIに採用されるかどうか」
AIモードで起きている競争は、順位争いではありません。それは、AIが「回答を組み立てる際に、その情報を使うかどうか」という競争です。
言い換えれば、
・読まれるかどうか
・クリックされるかどうか
ではなく、
・参照されるか
・前提情報として使われるか
が問われています。ここで重要なのは、AIは 情報の正確さ・文脈・網羅性・一貫性 を重視するという点です。
なぜAIモードは「強いサイト」を必要とするのか
AIモードは、単純な質問応答ツールではありません。Google自身が説明しているように、AIモードは
・複数の検索を束ね
・推論し
・行動計画を組み立てる
ための仕組みです。
このときAIが困るのは、
・情報が断片的
・立場が不明確
・信頼性が判断できない
といったコンテンツです。
だからこそAIは、
・専門性が明確
・テーマが一貫している
・継続的に情報を発信している
「理解しやすいサイト」を必要とします。

これは、従来のSEOで言われてきたE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)と、本質的に同じ方向を向いています。
AIモードは「まとめサイト」より「専門家」を好む
AIモードの構造を考えると、今後さらに厳しくなるのが次のタイプのサイトです。
・表面的な情報を寄せ集めただけのまとめ
・出典や立場が不明確な記事
・何を専門にしているのかわからないサイト
なぜならAIにとって、それらは推論の材料として使いにくいからです。
一方で、評価されやすいのは、
・特定分野に特化している
・なぜそう言えるのかを説明している
・過去の記事とも整合性が取れている
こうした「思想のあるサイト」です。
《関連情報》 ブログ記事の質を高める関連リンクと出典リンクの使い方
AIモード時代にやるべきSEOの方向性
ここからは、私が考えるAIモード時代のSEOの実践的な方向性を整理します。
@ キーワードを狙うより「問い」を想定する
AIモードでは、
・「◯◯ 比較」
・「◯◯ おすすめ」
といった短い検索語よりも、
・なぜそれを選ぶのか
・どういう条件で判断すべきか
といった 思考プロセス が入力されます。
したがって、
・キーワードを並べる記事
・検索語を無理に散りばめた文章
よりも、読者の悩みを一段深く掘り下げた記事が、AIにとって使いやすくなります。
A 単発記事ではなく「文脈のある集合体」を作る
AIは、単体の記事よりも、
・サイト全体で何を語っているか
・どんな立場で発信しているか
を見ています。
そのため、
・記事を量産する
・トレンドだけを追う
よりも、一貫したテーマで積み上げた記事群が重要になります。
これは、ピラーページや専門特化型ブログの価値が再評価されることを意味します。
B 「説明できるかどうか」を基準に書く
AIモードは、ユーザーに代わって「考える」存在です。だからこそ、
・結論だけ書いてある
・理由が省略されている
・前提が共有されていない
記事は、AIにとって扱いにくい。これからのSEOでは、なぜそう言えるのかを、丁寧に説明しているかが、これまで以上に重要になります。
「SEOは終わった」のではない
AIモードの登場によって、
・順位が下がる
・CTRが落ちる
・アクセスが減る
という現象は、今後も起きるでしょう。しかし、それはSEOが無意味になったことを示しているのではありません。
むしろ、AIに理解され、信頼される情報を作れるかという、より本質的な競争に移行したのです。
まとめ
これまでSEOに真剣に取り組んできた方ほど、AIモードに不安を感じているかもしれません。しかし私は、こうした方々こそが、AIモード時代に最も強い立場にあると考えています。なぜなら、
・検索意図を考え
・読者に向き合い
・情報の質を高めてきた
その積み重ねは、AIにとって最も価値のある土台だからです。順位を追いかけるSEOの時代は、確かに終わりに近づいています。しかし、「検索されるに値する情報を作る」というSEOの本質は、これからも変わりません。AIモードは、その本質をよりはっきりと私たちに突きつけているだけなのではないでしょうか。
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