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2025年10月06日
AppleがPerplexity買収を検討中!AppleによるPerplexity買収が実現したら何が起きるのか?
2025年10月06日

AppleがついにAI検索に本格参入か──。もしAppleが急成長中のAI検索スタートアップ「Perplexity」を買収すれば、Safariのデフォルト検索エンジンはGoogleから一気に塗り替わるかもしれません。これは単なる検索エンジンの変更ではなく、ユーザー体験、広告モデル、そしてウェブのトラフィック構造そのものを揺るがす一大転換です。果たしてAppleは、長年続いたGoogle依存を断ち切り、検索市場の覇権争いに挑むのでしょうか。その先に待つシナリオを探ります。
Perplexityとは?
Perplexity(パープレキシティ)は、いま世界中で急速に注目を集めているAI検索エンジンです。従来の検索のように「キーワードに対応するリンク一覧」を返すのではなく、ユーザーの質問に対してAIが分かりやすい答えをまとめて提示し、その根拠となる情報源へのリンクも必ず添える仕組みを採用しています。
この特徴により、利用者は複数のサイトを行き来せずとも短時間で要点を理解でき、さらに「どの情報から導かれた答えなのか」が透明性をもって確認できます。その信頼性の高さが評価され、GoogleやChatGPTに次ぐ「新しい検索の選択肢」として台頭してきました。
資金調達ではジェフ・ベゾス氏やNVIDIAといった大手も出資し、2024年時点で評価額は140億ドル規模に到達したと報じられています。今やPerplexityは、AI時代の検索体験を牽引する存在として、Appleをはじめとするテック大手からも強い関心を集めているのです。

AppleがPerplexity買収を検討?
まず事実ベースで整理します。2025年6月、ReutersはBloombergの報道を引用し、Appleの幹部がPerplexity買収について社内で議論したと伝えました。記事では、これは初期段階の検討に過ぎず、Perplexity側との交渉は行われていないこと、そしてPerplexityが「M&Aの話は聞いていない」とコメントしたことも明記されています。また、記事はSafariへのAI検索統合の可能性や、Google依存を見直す意図に触れています。
さらに8月には、The Informationの報道を受けて再びReutersが「AppleはMistralとPerplexityの買収を社内で議論した」と報じました。CEOのティム・クック氏がAI関連の大型M&Aに前向きであることも紹介されており、AppleのAI戦略が従来よりも積極的に変化していることが示されています。
また9to5Macは、Apple内部での力学として「Eddy Cue氏はM&Aに積極的だが、Craig Federighi氏は内製を好む」との違いがあり、社内で議論が分かれていることを伝えています。
さらにBloombergのMark Gurman氏も、AppleのM&A責任者Adrian Perica氏とサービス部門トップのEddy Cue氏らがPerplexityの可能性を検討したと報じています。
要するに「AppleがPerplexityを実際に買収するかは未確定だが、社内で真剣に議論されたのは事実」というのが現時点の状況です。
なぜAppleはPerplexityに目を向けるのか?
Perplexityは、AIを使った検索で急成長しているスタートアップです。質問に答えると同時に必ず情報源のリンクを提示する設計で、透明性と信頼性を売りにしています。資金調達ではジェフ・ベゾス氏やNVIDIAも出資し、評価額は140億ドル規模に達したと伝えられています。
《出典》 SoftBank to invest in search startup Perplexity AI at $3 bln valuation, Bloomberg reports(Reuters)
AppleがPerplexityに関心を持つのは大きく三つの理由があります。第一に、AI人材と技術を一括して獲得できるという買収効果。第二に、SafariやSiriに「会話型検索」を組み込むことで、ユーザー体験をGoogle以上に差別化できる点。第三に、長年続けてきたGoogle依存からの脱却です。特に三番目は重要で、米司法省による独禁訴訟でGoogleが「デフォルト検索契約」を禁じられる可能性が高まる中、Appleが検索戦略を再構築する動機は強まっています。Safariのデフォルト検索をPerplexityに切り替える可能性
ここで筆者の予想に立ち戻ります。AppleがPerplexityを買収した場合、最も大きな変化は「Safariのデフォルト検索エンジンをGoogleからPerplexityに置き換える」ことです。

現在、AppleはSafariのデフォルト検索をGoogleに設定する代わりに、年間150〜200億ドル規模の巨額収入を得ています。これはAppleのサービス収益の中でも大きな柱であり、簡単に手放すとは考えにくい金額です。
しかし、もし独禁法の是正措置によってこの契約が無効化されれば、Appleは「どうせ失う収益なら、自ら主導して次の検索体験を握る」という選択肢を取る可能性があります。SafariのデフォルトをPerplexityに変えることは、AppleにとってGoogle依存を断ち切り、自社のAI体験を主導する大胆な一歩となり得るのです。
買収が実現したら何が起きるのか?
もしAppleがPerplexityを買収し、Safariのデフォルト検索をGoogleから切り替えた場合、ユーザー体験は大きく変わります。これまでの「キーワード検索 → リンクのクリック → 情報にアクセス」という流れが、「質問 → AIによる要約回答 → 必要なら出典にジャンプ」という形式に置き換わるのです。
ユーザーはわざわざ複数のサイトを行き来しなくても要点をすぐに理解でき、効率的な検索が可能になります。一方で、従来型の検索流入に依存してきた多くのウェブサイトにとっては「アクセス減少リスク」が現実化します。
広告ビジネスの変化
次に広告ビジネスです。Google検索は広告収入によって支えられており、AppleもGoogleからの契約料で莫大な利益を得てきました。しかしもしPerplexityをデフォルト検索にすれば、この収益構造は根底から変わります。
Appleはプライバシーを重視する企業であり、トラッキングベースの広告には慎重です。そのため、Perplexityを軸とした新しい広告モデルは「文脈ベース広告」や「回答内スポンサー表示」のような形式に進化する可能性があります。たとえば、Perplexityの回答に「おすすめのホテル」と表示される際に、スポンサーのホテルが自然に組み込まれるような仕組みです。
開発者・メディアへの影響
開発者やメディア運営者にとっては、SEO(検索エンジン最適化)だけでは不十分になります。Perplexityは「回答エンジン」として機能するため、AEO(Answer Engine Optimization) や GEO(Generative Engine Optimization) といった新しい最適化手法が不可欠です。
たとえば、自社の情報をAIが正確に引用するようにするには、構造化データや出典明記を徹底し、AIに読み取られやすい形でコンテンツを整備する必要があります。すでにSEO業界では「AIに選ばれるコンテンツ作り」が大きなテーマとなっており、もしSafariがPerplexityに切り替わればこの動きは加速するでしょう。
Perplexity側の課題
一方で、Perplexityにも課題があります。短期間で評価額140億ドルに到達した注目株とはいえ、Appleレベルの膨大な検索トラフィックを処理するためには、インフラの拡張や推論コスト削減、誤情報の排除といった課題を解決する必要があります。
特に「回答にどの情報源を引用するか」という透明性は、Perplexityの強みであると同時にリスクでもあります。もし出典が偏っていたり、不正確な情報を混入させてしまえば、Appleブランドにとって大きな打撃となりかねません。そのため、Appleが買収した場合には、品質管理とガバナンスの仕組みを大幅に強化する必要があるでしょう。
実現シナリオと残る不確実性
では、Appleが実際にPerplexityを買収する可能性はどれほどあるのでしょうか。現時点での報道はすべて「社内で検討が行われた」という段階であり、実際に交渉が始まったわけではありません。ReutersやBloombergも明言しているように、あくまで初期の議論に過ぎず、今後の展開は不透明です。
また、Apple社内でも意見が分かれていると伝えられています。サービス部門のEddy Cue氏はM&Aに積極的ですが、ソフトウェア部門のCraig Federighi氏は内製志向が強いと報じられています。つまり「買収でAI力を一気に強化するのか」「自社開発を重視するのか」という戦略的な葛藤が残っているのです。
SafariのデフォルトがPerplexityになったら?
まとめると、AppleがPerplexityを買収してSafariのデフォルト検索を切り替えれば、検索市場の構造は大きく変わります。ユーザーはAI回答中心の検索体験を享受し、広告モデルは新しい形に再構築され、開発者やメディアは「AIに選ばれる」ための新しい最適化手法を求められるでしょう。
現時点ではまだ憶測の域を出ませんが、米司法省によるGoogleへの独禁法是正措置や、AppleのAI戦略転換が重なれば、このシナリオは十分に現実味を帯びてきます。
私の予想としては、AppleがPerplexityを買収し、Safariのデフォルト検索をPerplexityにする可能性は十分にあると考えています。もしこれが実現すれば、AI検索時代の覇権争いは一気に加速し、Google対Appleという新たな構図が鮮明になるでしょう。
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