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2020年05月12日

Googleが発表した「サイト評価リスト」を使って2020年5月コアアップデートから回復するには?

2020年05月12日

前回の記事でお伝えしたようにGoogleは2020年5月4日に「2020年5月コアアップデート」を実施しました。

Googleの公式発表によるとコアアップデートで検索順位が落ちたサイトが復旧するには:

1、クエリ(検索キーワード)とコンテンツの関連性を高めること

2、Google公式ブログで発表した集『コアアップデートについてウェブマスターが知るべきこと』にあるサイト評価リストを使ってサイトを改善すること

という2つの柱があります。

クエリ(検索キーワード)とコンテンツの関連性を高める方法については:

で複数回に渡って解説しています。

今回から、複数回に渡りそのサイト評価リストにどのような事が書かれているかを検証し、コアアップデート実施後の検索順位回復策を探ります。


Googleが発表した「サイト評価リスト」とは?


そもそもGoogleが発表した「サイト評価リスト」とは:

に記載されているもので、4つの重要ポイントから構成された自己診断のチェックリストです。

その4つの重要ポイントとは:

(1)《コンテンツと品質に関する質問》
(2)《専門性に関する質問》
(3)《プレゼンテーションと制作に関する質問》
(4)《相対的な質問》


です。



これら4つの重要ポイントの1つ1つには複数のセルフチェックリストがあり、その数は20問に渡ります。

私のクライアントや全日本SEO協会の会員企業の中の多くがこれら20問の中で出来ることをやりきった結果、順位の回復に成功した企業が何社も存在します。


サイト評価リストが発表されるに至った背景


2019年6月3日にGoogleのコアアップデートが実施されました。その結果、検索順位は「激動」しました。順位がいきなり低迷してしまったサイトが続出したのです。
このあおりを受けて、アクセスが減った企業が激増しました。

極端な例では、検索エンジンからのアクセス数が9割以上減ってしまったケースすらありました。



さて、この2019年6月のコアアップデート直後のGoogleの公式発表の内容を振り返ってみましょう。

英文によるGoogleの公式発表を翻訳すると・・・
「今回のコアアップデートにより検索順位が落ちてアクセス数が減少したサイトには何も悪いことはありません。それらのサイトはGoogleのウェブマスターガイドラインを犯したわけではなく、手動によるペナルティーやアルゴリズムによって順位を下げられたわけでもありません」

「当社のコアアップデートは特定のページやサイトをターゲットにしたものではありません。むしろ、コアアップデート実施の目的は当社のシステムがWeb上に存在する全てのサイトのコンテンツを評価する方法を改善したものです。それによりこれまで過小評価されていたサイトの検索順位を適正な位置に引き上げることも可能になりました」

これを読んだ方の中には「何か自分のサイトに悪いコンテンツがあったから落ちたのでは?」と思った方も多いでしょうが、悪いコンテンツがあったことが原因ではなかったとGoogleは断言しています。順位が落ちたサイトは軒並み、根本的な部分が違っているとGoogleはほのめかしている、そう解釈するのが妥当でしょう。

「コンテンツにフォーカスしてください。先程述べたようにコアアップデート実施直後に検索順位が落ちたサイトには何も修正すべきものはありません」
「検索順位が落ちたウェブマスターはサイトに対して何か修正を加えなくてはならないと感じているでしょうが、今後は最良のコンテンツを作ることに集中してください」
「その努力が当社のアルゴリズムによって報われるでしょう」


というメッセージをGoogleはその公式ブログで発表しました。

この発表の意味ですが、例えば「ダイエット」というクエリでGoogle検索すると、女性誌が運営するWebマガジンにある縦長の文字数が何千文字もあるWebページが2019年6月のコアアップデートが実施される前までは上位表示していました。

同時期に「インプラント」でGoogle検索すると、経済誌のWebサイトのある文字数が比較的少ないコラム記事のWebページが上位にランクインしていました。

しかし、2019年6月のコアアップデート実施後にはこれら有名企業のWebページの順位が10位だとか、20位くらいまで落ちました。

Googleの見解を読み解くと、こうしたWebページには特に悪いコンテンツが載っているわけでは無いということです。サイト運営企業の知名度やサイトのアクセス数が多いといった条件がコアアップデート以前は有利に働いていたために上位表示していたとしたら、それらのサイト運営者は何も悪いことをしていなくても順位が落ちてしまいます。
その理由は、GoogleがそれらのWebページの中にあるコンテンツが「ユーザが欲する情報」= 「検索意図」ではないと判断した可能性が高いのです。

ユーザーの「検索意図」には様々なものがあります。

「ダイエット」で検索するユーザーの検索意図としては:
(1)特定のダイエットの紹介記事を見たい
(2)複数のダイエットを比較する記事を見たい
(3)ダイエットサプリメント販売ページを見たい
(4)一般市民のダイエット体験記を見たい
(5)ダイエットジムの紹介ページを見たい
など少なくとも5種類あります。

「インプラント」で検索するユーザーの検索意図としては:
(1)インプラントの意味が知りたい
(2)インプラント治療の費用が知りたい
(3)インプラント治療を提供するクリニックサイトのトップページが見たい
など複数あります。

このように多種多様な検索意図があるなかで先程の女性誌が運営するWebマガジンのダイエットに関する記事は
(1)特定のダイエットの紹介記事
でしかなく、コアアップデートが実施されたときにGoogleは他の検索意図を満たすサイトのWebページをユーザーのために上位表示させるのです。

Googleから選ばれる検索意図は定期的に変更され、その結果、検索順位が変動します。

特にコアアップデートはこれまで10回近く実施されてきましたが、その度に上位表示されやすい検索意図のチョイスがロシアンルーレットのように変化するのです。

こうした理由により恐らくGoogleは:
「コンテンツにフォーカスしてください。先程述べたようにコアアップデート実施直後に検索順位が落ちたサイトには何も修正すべきものはありません」
「検索順位が落ちたウェブマスターはサイトに対して何か修正を加えなくてはならないと感じているでしょうが、今後は最良のコンテンツを作ることに集中してください」
「その努力が当社のアルゴリズムによって報われるでしょう」

という情報を発信しているのだと思われます。

だとすると、検索順位が落ちたサイト運営者は自分が上位表示させたい既存のページをこねくり回すことよりも、

・各キーワードに関してユーザの欲求を予測する
・それを起点として、その通りのページづくりを目指す


これらを優先すべきでしょう。

何故なら一度決めた検索意図の満たすためのコンテンツを別の検索意図を満たすコンテンツにするためにページの内容をどんなにいじっても結局は中途半端なページになり、どの検索ユーザーの検索意図も十分に満たせないものになる恐れがあるからです。

(1)特定のダイエットの紹介記事を見たい

という検索意図を満たすために作ったページをどんなにいじったとしても

(5)ダイエットジムの紹介ページを見たい

にすることは困難ですし、可能だとしても中途半端な内容のページになったり、完全に改造できたとしても当初のサイト運営者のビジネス的目的を達成するページでは無くなってしまうはずです。

こうした理由から恐らくGoogleは「コンテンツにフォーカスしてください。先程述べたようにコアアップデート実施直後に検索順位が落ちたサイトには何も修正すべきものはありません」というような一見冷たいと取られるような言い方をしているのではないかと思われます。

こうした事情を知って行動を起こしているサイト運営者の中には複数の検索意図を狙うために検索意図毎にページを作り、1つのクエリで2つのページを上位表示させている人もいます。

必ず検索意図毎にページを作り分けるようにして下さい。そうすることによりコアアップデートで検索順位が落ちたサイトが復旧するための柱である:

1、クエリ(検索キーワード)とコンテンツの関連性を高めること

2、Google公式ブログで発表した集『コアアップデートについてウェブマスターが知るべきこと』にあるサイト評価リストを使ってサイトを改善すること

のうち、

1、クエリ(検索キーワード)とコンテンツの関連性を高めること

を達成できるようになるはずです。


海外での反響と、それが巻き起こした結果


それでは本題の

2、Google公式ブログで発表した集『コアアップデートについてウェブマスターが知るべきこと』にあるサイト評価リストを使ってサイトを改善すること

のほうに話を戻します。

海外では日本と比べると、コアアップデートの影響が大きく報道されました。

英国のデイリーメール等の、知名度の高いメディアサイトがもろに2019年6月のコアアップデートの打撃を受けたそうです。

デイリーメール側は、Google側に直接この件で質問をぶつけるといった行動に出ています。しかしGoogle側の回答を受けても同誌は納得しませんでした。



結果としてGoogleは、情報公開の一環で「サイト評価リスト」の発表に踏み切ったのです。

これが、Googleがサイト評価リストを発表した経緯です。

次回のレポートからは「サイト評価リスト」の中にあるチェック項目の1つ1つを検証して、具体的なサイト改善案を提案します。
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