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医療・健康サイトのアクセス数が激減している理由は?

2018年11月26日

最近増えている相談で多いケースが医療・健康関連のサイトでGoogleからのアクセス数が激減しているというものがあります。Googleが実施した8月1日のコアアルゴリズムアップデートと9月28日の小規模なアルゴリズムアップデートにより80%近くのアクセス数が減ったという深刻な事態です。

具体的にどのような業種からの相談かと言うと:

病院
歯科医院
整体院
漢方
サプリメント販売会社


などの業種です。

現在、原因を調査して様々な提案を行っていますが、こうしたお話をお聞きすると非常に心が痛みます。
せっかく増やしてきたGoogleからのアクセスがここまで減少して非常にお困りになっているからです。

調査を続ける中で、気になる点を1つ発見しました。

それはサイト上での表現、つまりコンテンツに大きな問題を抱えているところであるほど検索順位の下がり幅が多く、Googleからのアクセス数の減り方も多いという点です。

そのコンテンツの大きな問題とは、医療・健康情報の表現に関する問題のことです。

医療・健康業界を取り巻く変化はGoogleが実施した8月1日のコアアルゴリズムアップデートと9月28日の小規模なアルゴリズムアップデート以外にも実は2つあります。

1つはGoogleが今から約一年前の2017年12月6日に日本でだけ実施した「医療アップデート」です。Googleはその公式サイトで「医療や健康に関連する検索結果の改善について」という重要な発表をしました。


この発表によるとGoogleは:

● 2017年12月6日、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートした

● この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなる

● このアップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響する

● 医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行く

という方針を取ることにしました。

この発表がされた直後に、医学的根拠のない医療関連コンテンツを載せているサイトの順位が下げられました。その一方でそれまで検索順位が低かった地味な医療機関のサイトの検索順位が引き上げられました。

この医療アップデートはその時に実施されて終わったのではなく、今でも継続的にGoogleの品質チェック担当のスタッフが1つ1つの医療・健康情報サイトのコンテンツをチェックして問題のあるサイトの検索順位が下げられている可能性があります。

もう一つの、医療・健康業界を取り巻く大きな変化は厚生労働省が2018年6月1日に実施した医療広告ガイドラインという規制です。

厚生労働省によるこの規制は:

1、比較広告
2、誇大広告
3、広告を行う者が客観的事実であることを証明できない内容の広告
4、公序良俗に反する内容の広告


を一切禁止するもので、インターネット広告、Webサイト、ポータルサイト、ブログ、SNS、書籍(バイブル商法)、印刷物、取材など考えられるありとあらゆるものを包括的にカバーするものです。


このときから患者さんの声のサイトへの掲載は禁止になり、ビフォーアフターの掲載は副作用等のリスクの表示と実際にかかった費用等も掲載しなければならなくなりました。

この規制はGoogleと直接関係あるものではなく、日本の厚生労働省が実施したものです。そのためGoogleのアルゴリズムが自動的にチェックしてペナルティーを与えているとは考えにくいものです。

しかし、Googleは常日頃から品質チェックスタッフ(サーチクオリティーチーム)が疑いのあるサイトを1つ1つ目視でチェックしてサイトの品質に点数をつけています。

Googleが自社サイト上で公開している「Google General Guidelines」を見ると非常に多くのページに渡って人の命に関わる業界のコンテンツを厳しくチェックしていることがわかります。

通常、Googleはサイトのコンテンツに重大な問題があり、ペナルティーを与えて順位を下げる時にはサーチクオリティーチームがサーチコンソール宛に品質に関する警告のメッセージを送信します。そしてそこで指摘されている問題点を修正して再審査リクエストをして合格すると順位を復旧してくれます。

しかし、今回の医療・健康に関しての警告をサーチコンソール宛にもらったというケースを私は未だ一度も聞いたことも見たこともありません。

何故なのでしょうか?

ここからは推測ですが、考えられる理由は、警告メッセージを発するとサイト管理者はサイトにある問題のあるコンテンツを修正して再審査リクエストを出してきます。そうするとそこでGoogle側での確認作業が発生します。一発で問題点が修正されれば良いですが、通常そんなに簡単なものではありません。

ほとんどの場合、サイト運営者が問題点を直したつもりでもページやサイト内の他にたくさんの修正点が残っているものです。それを1つ1つGoogleのスタッフが対応していったらば膨大な人件費がかかります。Googleがいくら裕福でも無料で一人ひとりのサイト運営者に信頼できるコンテンツとは何か、医療広告ガイドラインに触れない書き方を添削していったら経済的にGoogleは立ち行かなくなるはずです。

こうした問題は以前ヤフージャパンが抱えていました。ヤフージャパンは以前ヤフーカテゴリというリンク集への掲載審査サービスを提供していました。

通常の業種だと一回の審査料金は50,000円でしたが、医療関連やその他規制が厳しい業界の審査料金は3倍の150,000円をとっていました。

その理由はサイトにある1つ1つのページをみてチェックすることが手間のかかるものであり、審査に落ちたときは落ちた理由をいくつか申請者に対して伝えなくてはならなかったからだと思われます。

当時は150,000円を払ってもたくさんの問題点がある場合はその中の1つか2つの問題点しか教えてくれず、あとはサイト管理者が何が問題なのかを推測して修正する必要がありました。

150,000円を払っても他人がしてくれるのはこの程度のものです。Googleが無料で日本中の医療・健康サイトの1つ1つのページをチェックしてサイト運営者に添削サービスを提供出来るわけがありません。

こうした理由から、自サイトに医療アップデート違反、医療広告ガイドライン違反のコンテンツが少しでもあった場合、誰も指摘してくれず、Googleは無言でそのサイトの順位を下げるほかないのでしょう。

ではここで

病院
歯科医院
整体院
漢方
サプリメント販売会社


などの医療・健康関連のサイト運営者はどうすべきかを述べます。

それは:

1、医療広告ガイドラインを読み、そこに書かれている禁止事項に触れるコンテンツを削除、または修正する
2、薬機法(旧薬事法)に触れるコンテンツを削除、または修正する


の2点です。

さらに言うと:

1、医者だからといって医学的根拠に欠ける発言は許されないので医学的根拠のあることだけを述べる
2、外国に所在するふりをしたり、実際に所在していても、実際に日本語で書かれていて日本人向けに作られているコンテンツもペナルティーの対象になるので医学的根拠のあることだけを述べる


という点です。

以前私に相談してくれた方の中に、外国に会社が所在している企業が運営しているサイト上で癌を治すと説明されているサプリメントを販売している方がいました。
また、薬機法に触れる書き方をしているページに医師の顔や肩書、コメントが書かれているサイトがありました。

これらのサイトはいずれもアクセス数が以前より8割近く減少しておりほとんどの検索キーワードで上位表示できなくなっています。

以上が医療・健康サイトを取り巻く最近の状況と復旧への対策です。

これまでの古い感覚を捨て去り、客観的に自サイトのコンテンツを点検してください。
そして少しでも修正すべき点があったらすぐに修正してください。
そしてGoogleが検索ユーザーに見せても安全だというレベルにサイトを高めてください。

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