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【解説】Googleコアアップデートとは何か?2018年から2019年に立て続けに実施されたアルゴリズムアップデートの意味

2019年11月03日

2019年3月・6月・9月のコアアップデートの特徴


2018年8月1日に実施されたGoogleのコアアルゴリズムアップデート、いわゆる「コアアップデート」は、ペンギンアップデート以後のアップデートの中ではすさまじいスケールとなりました。

そして翌年2019年3月12日、6月3日、9月24日にもコアアップデートは続けざまに実施されました。

この重大なアップデートは早めに理解しないと、Webマーケティングの点で重大な支障をきたします。では深く理解するためには何が必要でしょうか? まずは、その経緯から掘り下げて学ぶことが好ましいでしょう。

コアアルゴリズムアップデートを取り巻く、海外での一連の騒動を振り返る


英語圏のSEO専門のニュースサイトにアクセスすると、ペンギンアップデート以来久しぶりとなる、検索順位が大幅に変動したことが大きく伝えられています。



ペンギンアップデートが実施されたのは、2012年4月のことでしたから、6年ぶりの大変化だったことになります。あのときは、不正な被リンクを増やしたりキーワードを過度に使うことで順位を上げてきたサイトの順位が一気に突き落とされたのですが、今回のコアアルゴリズムアップデートも、それに近いスケールで順位が入れ替わってしまったのです。

8月1日を境に、何割も順位および流入が上がったサイトもあれば下がったサイトもあることが、グラフから容易に読み取れます。



コアアルゴリズムアップデートを取り巻く、国内での一連の騒動を振り返る


日本国内においても、コアアルゴリズムアップデートの影響はけた違いでした。最もその影響が大きかったジャンルとそうでもないジャンルに分かれています。

8月1日以後、順位が大きく変わったWebサイトの特徴を探すと、次のようなジャンルで変動が相次いだことが判明しました。

・整体院・治療院
・病院
・歯科医院
・漢方薬局


このため、しばらくの間は「医療関係のサイトが順位変動の対象になったらしい」という噂話がネット上でよく流れていました。

実際にその噂は的外れだったわけではありません。海外のSEOニュースサイトが、その憶測を裏付けるデータを発表しています。






これらのデータが物語るのは、健康や医療関係のサイトに対していちばん影響が大きかったということです。しかしこれらのデータは、それら以外のサイトも、影響を受けていることを報告しています。総括するなら、コアアルゴリズムアップデートの影響を受けた業界はとんでもなく多かったということになるでしょう。

さて国内におけるコアアルゴリズムアップデートの影響が顕著だった業界を集計すると? これまでの情報を総合すると、次のようになります。

・医療(病院・クリニック、歯科医院、医療雑誌)
・健康(整体・治療院、健康食品)
・美容(コスメ、エステ)
・教育(語学学校、資格専門学校、学習塾、コンサルティング)
・物販(既製品販売、中古品販売、オーダーメイド品販売)
・物品買取(高級品買取)
・不動産(賃貸、買取)
・求人


やはり、日本国内でも海外と同様の特徴があることは間違いなさそうです。

したがって、あらゆる業界で自社のWebサイトを振り返って、コアアルゴリズムアップデートの影響から脱出する方法を探さなくてはならない、ということになります。

コアアルゴリズムアップデートに関する、Googleの公式発表の内容とは?


コアアルゴリズムアップデートに関するGoogleの声明を振り返ると、興味深い推察が可能となります。

今後のSEO施策およびWebプロモーションの方針を激しく揺さぶる、重大な教訓が見えてくるのです。その詳細を解説します。

Googleの公式声明と、そこから浮かび上がる今後のSEOの行方とは?


Googleはこれまで、「SearchLiaison (@searchliaison)」というTwitterアカウント(https://twitter.com/searchliaison)で重要なアップデートについて発表してきました。

コアアルゴリズムアップデートのときも(翌日の8月2日付でしたが)声明をリリースしています。



Twitterでは字数制限があるため、対策等はもちろん発信しづらいのですが……、その代わりに「3月に発信したアドバイス内容を参照するように」というメッセージを出している模様です↓

『今週、当社では広範囲なコアアルゴリズムのアップデートを実施しました。これまでコアアルゴリズムのアップデートは年数回実施されています。当社のこのコアアルゴリズムのアップデートへの対策のアドバイスは3月のものと同じです。詳細は
https://twitter.com/searchliaison/status/973241540486164480
を御覧下さい。』

"This week we released a broad core algorithm update, as we do several times per year. Our guidance about such updates remains the same as in March, as we covered here: https://twitter.com/searchliaison/status/973241540486164480 …"

実は、2018年3月から4月にかけてもGoogleは、アップデートに踏み切っていました。ここで海外のSEOニュースサイト「Search Engine Land」の公開内容に目を向けてみましょう。

『Googleが検索順位を決めるコアアルゴリズムのアップデートを実施。
GoogleがSEO業界内で推測されていたアルゴリズムアップデートを認め、今回のアップデートに対して検索順位が落ちたサイトのサイト管理者が出来ることはないと発言』
(2018年3月12日)
"Google confirms core search ranking algorithm update
Google acknowledged the suspected update but says there is nothing
webmasters can do to fix their sites if they dropped in rankings."



何よりも要注目な部分は? やはり、
・今回のアップデートに対して検索順位が落ちたサイトのサイト管理者ができることはない
というくだりではないでしょうか!? 

これまでのGoogleの法則によると、大きなアップデートの際は何かしらのヒントをくれたものでした。しかしこのときは、何もヒントらしいことは出していません。

Googleがあえて、できることがないと表明した理由は、
「検索キーワードとの関連性が低いWebコンテンツの順位を下げる決定を下したため」
と推察できました。

それからわずか1ヶ月経つと、また新たなニュースが飛び込んできました! 今度は、前回とはまた異なるSEOニュースサイト「Search Engine Journal」の発表です。

『Googleのジョン・ミュラー氏は3月7日のアルゴリズムアップデートは品質が低いサイトをテーゲットにしたものではなく、むしろコンテンツと検索キーワードとの関連性をターゲットにしたものだと発言した)』
Google’s John Mueller has confirmed the March 7th algorithm update did not necessarily target low quality sites. Rather, it had more to do with content relevance.


● 検索キーワードとの関連性が低いコンテンツがあるサイトの順位を落とす

● コンテンツと検索キーワードとの関連性をターゲットにした

やはり、Googleのユーザが検索したキーワードと、Webコンテンツの関連性がカギを握っていると結論せざるを得なくなったのです。

1.関連性が高いと? 
 →検索順位が上昇する


2.関連性が低いと? 
 →検索順位が下降する


したがって、自社のWebページの検索順位を高めたいなら、ユーザが好む検索キーワードとの関連性が高いWebコンテンツを用意しないといけないのです。

少し品質を上げたり文章を追加したりするだけでは、何も起こせないのです。

現代のGoogleの上位表示対策の優先順位


今回のコアアップデートの実施によりGoogleで上位表示するには次の5つの対策を以下の優先順位で実施する必要が生じるようになりました。

《優先順位 1》クエリ(検索キーワード)に対して的確な答えを返すコンテンツをつくる【関連性】


実際に海外でGoogleのカンファレンスに出席すると、Googleの社員が登壇する様子を観察できますが、「クエリに対して的確なアンサーを返すページをつくりましょう」と語ることが多いですね。

※「クエリ」とは、Googleの社員が頻繁に用いる用語です。
 本来は、データベースからデータの抽出や操作を行うための命令を意味する語で、「問い」や「問い合わせ」と訳されることがあります。
 Google側は主に「検索ユーザが入力した検索キーワード」の意味で用いています。一般人は誰もがGoogleで検索しますが、それを「問い」と捉えるべきです。

《優先順位 2》Googleからの流入を増やす【トラフィック】


この点は、9月28日のアルゴリズムアップデート以降に強まっています。

Googleからのアクセス数を増やすには、ユーザのニーズに合わせたコンテンツを掲載したWebページを増やすことです。

※どんなコンテンツをつくったらいいか迷ってしまうときは無料で使えるツール「サーチコンソール」を用いてみましょう。つくるべきコンテンツの方向性が見えてきます。

《優先順位 3》エンゲージメントを高める【ユーザエンゲージメント】


Googleが評価するページは決まって、ユーザエンゲージメントが高いページばかり。
また「ユーザエンゲージメントが高い」ということは、そのユーザのクエリとWebページの内容が合致しており、関連性が高いという証拠でもあります。

したがって、ユーザの平均ページビューを増やすことやサイト滞在時間を長くする(直帰率を減らす)ことが大切です。

《優先順位 4》被リンクを増やす【被リンク】


外部サイトからリンクされているサイトは、そうではないサイトよりも人気があります。この点が、検索順位を高めてくれることがあるのです。

したがって、よそのサイトから自社サイトにリンクを貼ってもらって、紹介してもらうことは今でもプラスになるのです(ただし優先順位は、明らかに低下しています!)。

《優先順位 5》内部最適化をする【内部対策】


タイトルタグにキーワードを入れたり、本文中にキーワードを増やしたり〜といった施策を意味します。これは以前から行われていましたしいまだに大事な対策の一種ではあるのですが、優先順位および重要性は下がってしまいました。

今回のコアアップデートが実施される前まではGoogleで上位表示するには:

《優先順位 2》Googleからの流入を増やす【トラフィック】
《優先順位 4》被リンクを増やす【被リンク】
《優先順位 5》内部最適化をする【内部対策】


の3つの対策だけをしていれば何とかなっていました。

しかし、コアアップデートの実施により新たに:

《優先順位 1》クエリ(検索キーワード)に対して的確な答えを返すコンテンツをつくる【関連性】
《優先順位 3》エンゲージメントを高める【ユーザエンゲージメント】


という2つの対策が要求されるようになったのです。

しかもやっかいなことにこれら2つの要因を改善することは一朝一夕では出来ないのです。
このことにより表面的なテクニックを駆使するSEOの時代が終わり、検索ユーザーに好まれるコンテンツとサイトを作ることが新しいSEO対策になりました。
この流れについてこれない人たちはすでに「SEOはオワコンだ!」、「SEO対策は死んだ」と声高に叫んでいます。

私の意見を率直に述べます。

それは幼稚なSEOはオワコンになり、大人のSEOがやっと始まったのです。

今後は意識の高いSEOをしならければならないということです。最初は戸惑うかもしれませんが安心して下さい。

すでに多数のサイト運営者が意識を変えて大人のSEO、つまり検索ユーザーに好まれるコンテンツとサイトを作ることにフォーカスして結果を出しています。自力で検索順位を回復させてGoogleの自然検索結果ページからのアクセス数を増やしているのです。

【筆者のクライアントサイトのアクセス数推移の例】





これは決して危機なんかではなく、非常に大きなチャンスなのです。
何故なら表面的なテクニックやGoogleを欺くトリックのような手法で順位が上がっていたサイトが消えてくれたからです。
そして新しいSEO技術を素直に実施すればGoogleの自然検索結果ページから膨大な数の新規客を獲得出来るようになったのです。

【コアアップデートで順位が落ちたページの共通点と具体的な検索順位復旧対策】


文字数が多すぎるページの順位が落ちた!文字数を適正なものに改善するには?

コアアップデートで検索順位が落ちたサイトの5つの共通点と復旧対策

【公式発表】Googleが人工知能活用を強化してさらに検索の精度をアップした!BERTを導入

2019年10月28日

Googleは2019年10月25日にBERTという技術を導入することにより人工知能活用を強化しさらに検索の精度をアップしたという発表をしました。


『昨年当社はオープンソースのニューラルネットワーク(脳機能に見られるいくつかの特性に類似した数理的モデル)技術を利用したBERTと呼ばれるオープンソースの人工知能による自然言語処理を導入しました。この技術はハイレベルな質疑応答を可能にするものです』
"Last year, we introduced and open-sourced a neural network-based technique for natural language processing (NLP) pre-training called Bidirectional Encoder Representations from Transformers, or as we call it--BERT, for short. This technology enables anyone to train their own state-of-the-art question answering system. "

『この技術的躍進はGoogleの研究により文章内にある単語を1つ1つ順番に分析するのではなく、それら単語同士の関係性を理解するものです。これにより単語が置かれている文章の完全な文脈をシステムが理解するようになり、このことは検索ユーザーが抱く検索意図を理解するのに特に役立ちます』
"This breakthrough was the result of Google research on transformers: models that process words in relation to all the other words in a sentence, rather than one-by-one in order. BERT models can therefore consider the full context of a word by looking at the words that come before and after it—particularly useful for understanding the intent behind search queries."

『しかしこのBERTを実装するにはソフトウェアだけでなく、ハードウェアの進歩も必要です。BERTは非常に複雑な処理をするために既存のハードウェアの機能の限界を超えるものであるため当社は最新のハードウェアであるCloud TPUを導入しました。このハードウェアの導入により検索ユーザーが求める情報をよりスピーディーに提供することが可能になりました』
"But it’s not just advancements in software that can make this possible: we needed new hardware too. Some of the models we can build with BERT are so complex that they push the limits of what we can do using traditional hardware, so for the first time we’re using the latest Cloud TPUs to serve search results and get you more relevant information quickly. "


かなりの長文ですが要約するとGoogleは:

1、既存の文書解析技術では検索ユーザーが探しているWebページを上位表示させるのには限界がある
2、その限界を突破するために今回BERT技術という人工知能を導入した
3、ソフトウェアのアップグレードでは処理能力に限界があるので、ハードウェアをアップグレードするために新型サーバのCloud TPUを導入した


ということです。

Cloud TPUというのはGoogleが独自開発した、翻訳、フォト、検索、アシスタント、Gmail などの Google サービスを強化するカスタム設計の機械学習 ASICです。
Googleの公式サイトによると「そのカスタム高速ネットワークは、1 つのポッドで 100 PFLOPS 以上のパフォーマンスを発揮します。ビジネスを変革し、次の研究のブレークスルーを生み出すのに十分な計算能力を備えています。」という非常にパワフルな人工知能実行デバイスです。

【Cloud TPU】

【出典】 Cloud TPU

これまでGoogleは限定的に人工知能をその検索アルゴリズムに実装してきたと言われてきましたが遂にGoogleは最新のCloud TPUというハードウェアを独自開発してまで人工知能を活用するというになったということです。

これが私達サイト運営者にどのような影響を及ぼすかですが:

(1)上位表示をするために単に自社のWebページにキーワードを一定の比率散りばめるというような表面的な内部対策テクニックは通用しなくなる

(2)これまで以上に、検索ユーザーが見たがっている内容を知るために、実際に上位表示しているページの構成を分析しそれらを自サイトのページに盛り込む必要がある
→ つまり検索ユーザーの検索意図を推測してそれを満たすコンテンツを提供する必要がある

(3)検索ユーザーの検索意図を満たす上で邪魔になる情報(文章、画像、広告、メニュー項目)はユーザーにとってノイズなのでそれらノイズを限り無くゼロに近づける

(4)近いうちに検索意図に沿っていないページの検索順位を落とすコアアップデートがまた実施される可能性がある

ということが考えられます。

Googleは検索サイトの質を高め最高のサービスをユーザーに提供するためソフトウェアだけでなくハードウェアまで独自開発する時代になりました。

私達サイト運営者も自社サイトの質を限りなく高めなくてはなりません。

サイトの質を高めるには:

1、検索ユーザーが求めるコンテンツだけがページにあること
2、オリジナル文章を増やす
3、オリジナル画像を増やす
4、動画を増やす(主にYouTube動画の貼り付け)
5、文章内からの関連ページへのサイト内リンク
6、情報の根拠をユーザーが確認できるように根拠となる情報を載せている参照サイトに外部リンクを張る


などがあります。

自社サイトの全ページを点検して質が低いと判断したページにはこれら6つの全てあるいはいずれかの対策を実施して一刻も早くサイトの質を高めて下さい。

サーチコンソールにGoogle上での動画の再生回数、表示回数を表示するレポートを追加

2019年10月10日

Googleは2019年10月7日にサーチコンソールの新機能としてGoogleの検索結果ページ上での動画の再生回数、表示回数等のデータをするレポートを追加したと発表しました。



この機能は自分のサーバに動画をアップして自社サイトのページ上に動画を貼り付けている場合に適用されるものです。

自社サイトのページ上に動画を貼り付ける時にはGoogleが指定する構造化データをソース内に貼り付けるとサーチコンソールのサイドメニューに「ビデオ」という広告が表示され、それをクリックすると次のようなデータを見ることが出来るということです。



そしてその画面にある「検索での見え方」というタブ(英語では:SEARCH APPEARANCE)というところを押すと



というようにGoogle検索結果ページ上での動画のクリック数(=視聴回数)と表示回数が見えるようになります。

これにより自社サイトに貼り付けた動画の反響がわかるようになります。

Googleが指定する構造化データの詳細は公式サイト内の「動画」というページで見ることが出来ます。

【動画の構造化データの詳細ページ】



【動画の構造化データの例】



この機能はYouTubeに動画をアップしている場合は使えません。

YouTubeに動画をアップするのが最も普及した動画公開方法なので今回追加された機能はYouTubeで動画を公開している企業には関係の無いことです。

ではYouTubeに動画をアップしている場合はどうすれば動画の反響を見ることが出来るかというと従来どおりYouTube Studioにログインをして:

サイドメニューにある「アナリティクス」→ 「リーチ」→ 「トラフィック ソース: 外部サイト」をクリックするとGoogleの検索結果ページ上からどのくらいの視聴者が動画を視聴してくれたがわかります。



これはチャンネル全体としてもデータだけでなく、各動画のデータも個別に見ることが出来ます。

問題は何故今この時期にGoogleが動画のデータをサーチコンソール上で見せるようにしたかです。

その理由は、動画の需要が高まってきているからに違いありません。通勤電車などでも周りをみるとYouTube動画を見ている人たちがとても増えてきていることがわかります。

よく言われることですが、2020年からは5Gが普及するため高速で安価で動画が見れる環境が整います。

「コンテンツ イズ キング」という言葉が一時期WebやSEOの世界で流行ったことがありますが、時代は変わり「ビデオ イズ キング」という標語を覚えておいたほうが良いでしょう。

テキスト主体のWebから動画主体のWebに移行することは明らかです。

従来のテキスト主体のWebページには文字だけでなく画像や動画を掲載して下さい。

そして同時にYouTube内での存在感を出しそこから新規客を獲得するために長期に渡って継続的に動画を制作しアップする体制を整備して下さい。

それにより動画が主役になるインターネットの世界でのWebマーケティングが可能になります。

【速報】Googleが9月24日にコアアップデートの実施を発表!3月・6月・9月と3ヶ月おきにコアアップデートを連続実施

2019年09月25日

Googleが前日に予告していたとおりに本日9月25日(米国時間9月24日)にコアアップデートの実施を発表しました。

『2019年9月コアアップデートが今実施され、数日以内に世界中のデータセンターに反映されます』
"The September 2019 Core Update is now live and will be rolling out across our various data centers over the coming days."


【情報元】 Google SearchLiaison

そしてその前日に予告として発表されたツイートでは:
『今日遅くに当社は毎年数回実施している広範囲なコアアルゴリズムアップデートを実施します。このアルゴリズムアップデートの名前は「2019年9月コアアップデート」です。このアップデートに対する対策は以前お知らせしたもののままです。詳しくはブログ記事をご覧下さい』
"Later today, we are releasing a broad core algorithm update, as we do several times per year. It is called the September 2019 Core Update. Our guidance about such updates remains as we’ve covered before. Please see this blog for more about that:"


【情報元】 Google SearchLiaison

というように3月12日、6月3日のコアアップデートと同様に具体的な対策や内容は教えてくれていません。
しかし、6月3日のコアアップデート後に順位落ちてアクセス数が激減して困っている人たちのために発表したブログ記事にある「サイト自己評価チェックリスト」を参照するように述べています。

現在のところ、クライアント企業や会員さんからは大きな検索順位変動は報告されていません。そして実際にクライアント企業や会員さんが狙っているキーワードや自社サイトで狙っているキーワードで検索したところ大きな順位の変動はありませんでした。

しかし、6月3日のコアアップデートのように実施発表後じわじわと一月くらいかけて検索順位が変動することが予測されます。

今回発表があった9月24日のコアアップデートに対して今出来ることは8月1日に発表された「サイト自己評価チェックリスト」を1つ1つ点検して未対応な項目を発見してサイトを改善することです。

このチェックリストは数十個の点検リストですが、大きくまとめると次の4つの要因があります:


この「サイト自己評価チェックリスト」を見ると明らかにGoogleは・・・

1、コンテンツの品質に対してこれまでに無いディープなチェックをするようになった

2、専門性の低い著者または運営者が制作したコンテンツがあるページの検索順位は下げる

3、コンテンツ以外にもWebデザインなどページの見やすさ、使いやすさもサイトの品質の一部として重要視するようになった

4、年々レベルアップしている他者のサイトと比べて相対的に上位表示する価値のあるサイトであるかを判断するようになった

ということがわかります。

結局、Googleは新しい検索順位決定の仕組みとして、サイト運営者やコンテンツ作成者の信頼性とコンテンツには高度な品質を求めるようになったということです。

この変化に対応するには、サイト運営者が抱く「基準値を引き上げる」他ありません。

つまり品質においては以前なら「・・・ここまでやれば十分かな。」と思っていたレベルではなく、「・・・ここまでやれば誰にも負けない」という高い基準を抱かねばならなくなったということです。

また、信用においては「誰でも良いのでコンテンツ作ってくれないかな。」ではなく、「このテーマのコンテンツなら経験が豊富な人が書かなければならない」というようにその情報を発信するに値する人が責任をもって情報発信するというスタンスが求められるようになったのです。

現代のマーケティング、集客ではネットを使った情報発信が必須です。

その競争に勝ち抜く鍵は「信頼性」「高品質」というこの2つのキーワードを知り、それを自社サイトに実装しなくてはなりません。

【公式発表】Googleがオリジナルのニュースレポートを高く評価すると発表!

2019年09月19日

Googleは2019年9月12日にオリジナル性の高いコンテンツを上位表示するようにアルゴリズムをアップデートしたと公式発表しました。

Googleのニュース担当副社長のRichard Gingras氏は公式サイトで次のように述べました:

『最近、当社では検索順位のアルゴリズムアップデートを実施して検索評価者用ガイドラインを更新しました。そのアルゴリズムアップデートはオリジナルのニュースレポートの認識力を高め、オリジナルのニュースレポートが検索結果ページでこれまで以上に上位表示して目立つようにするもので、同時に長期間上位表示するようにするものです。これにより最新のニュースを読みたい読者が最初に報道されたニュース記事を発見出来るようにして、オリジナルの情報発信者が発信した記事が広く読者に見られることにより利益を得られるようになります』
【原文】
Recently, we’ve made ranking updates and published changes to our search rater guidelines to help us better recognize original reporting, surface it more prominently in Search and ensure it stays there longer. This means readers interested in the latest news can find the story that started it all, and publishers can benefit from having their original reporting more widely seen.


【情報元】 Google公式サイト

今回の発表はニュースレポートの検索ランキングの調整が主なものですが、ニュース記事はGoogleニュース検索だけでなく、一般のWeb検索結果ページにも表示されるものです。

そのため単にGoogleニュース検索のランキング決定方式の変更という狭い問題にとどまるものではなく、一般のWeb検索のランキング方式にも大きな影響を与えるものであると考えられます。

実際に8月末から9月初旬にかけて検索順位が落ちたという相談が多くのサイト運営者の方たちから私のところにも寄せられています。
その期間の前後には今回のオリジナル性を重視するアルゴリズムを導入したという発表以外に大きな発表をGoogleはしていません。

ということは8月末から9月初旬にかけて検索順位が落ちた理由の1つとして考えられるのが独自性が低いコンテンツをサイトに載せているサイトがGoogleによって低く評価されたために検索順位が下がったということが考えられます。

その時期に検索順位が落ちたサイト運営者の方で、何故順位が落ちたのか原因はわからなくて困っている方はぜひ検索順位が落ちたページに独自性の低いコンテンツが混入しているかを確認するべきです。

Googleはこの過去数年間、独自性の低いコンテンツを載せているサイトの検索順位を落とす方向性に舵を切るようになっています。

その最初に起きたことがDeNAが運営していたキュレーションサイトの「Welq」という医療健康情報メディアです。2016年当時、そのサイトは様々なサイトや書籍を参考にして医療の資格の無いライターたちが数千文字に渡る長文の記事を大量生産することにより、Googleの上位を占拠するということをしたサイトです。

他の大手ネット企業も似たようなリライトを中心に作成したキュレーション記事を大量投入して当時Googleの上位にランクインしていました。しかしその後各方面から非難されそれらのサイトは閉鎖を余儀なくされ消滅しました。

その後も、医師や各種専門家が監修したという触れ込みで記事を大量投入してGoogleから大量のアクセス数を獲得したサイトがGoogleがアルゴリズムアップデートを繰り返す度に上位から消えてその存在感を失うようになりました。

このオリジナル性の低いコンテンツを載せているサイトの検索順位を落とすという方向性はGoogleの既定路線です。今後も益々厳しくなるはずです。

Googleの今回のコンテンツの独自性を重視するアルゴリズムアップデートに対応するにはどうすれば良いのでしょうか?

それは自社サイト内において・・・

1、独自取材や調査によるオリジナルニュースの提供をすること
→ ニュースだけではなく、あらゆる種類のコンテンツにもオリジナル性がこれまで以上に求められるようになった可能性が高くなりました。

2、1が無理な場合は、より早くニュースを伝えて、そこに高い付加価値をつけること
→ ただ現実にはいつも必ずしも独自性の高いコンテンツを自社サイトに載せることが困難な状況にいる企業はあります。そうした企業のサイトでも例外的に上位表示している事例が無いことはありません。それらのサイトはいち早くニュースを伝え、そこに独特の意見や解釈を付け加えたり、やらせではなく真実の読者によるコメントなどが書き込める仕組みを持っているサイトです。こうした高い付加価値をつければ完全にオリジナルコンテンツでなくても他の条件を満たせば上位表示を維持出来る可能性はあります。

以上ですが、他者が提供するオリジナルコンテンツを機械的に自社サイトに載せるだとか、表面だけを弄くりまわしてあたかもオリジナルに見せかけて生成したコンテンツの提供に依存している企業や個人は一刻も早く、1か2の施策を採用することによりGoogleからはじかれない、強いサイト造りを目指して下さい。

さらにGoogleは類似コンテンツのGoogleからの追放の手を緩める事無く、容赦なくアルゴリズムをアップデートするはずです。その作業が完了する前にアクションを起こして下さい!
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