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SGEへの対応策は?Googleが検索1位に生成AIを表示した時にするべきこと

2024年04月02日

前回は、「SGE」と呼ばれる生成AIを搭載するGoogleが登場するということについてレポートしました。

今回は、「SGE」が実施された後、私達サイト運営者がどうすれば従来のようにGoogle検索からの自社サイトへの流入を維持することが出来るのかを考察します。

Google検索からの自社サイトへの流入を維持する方法の1つはGoogleの生成AIに引用されるくらいの高い質のページを作ることでしょう。


Googleの生成AIに引用されるための対策


高い質とは:

(1)正確性が高い情報であること
(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること
(3)実体験に基づいた情報であること
(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること
(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 
(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること 


の6つが今のところ考えられます。

実際に引用されているサイトへのリンクをクリックしてリンク先のサイトを見てみるとこれら6つの条件の全て、あるいは複数を見たいしているサイトであることが確認されています。これら6つの条件の全てまたはなるべく多くを満たすことが非常に重要になるはずです。

《生成AIの回答の中に表示される情報の引用元へのリンクの例》


(1)正確性が高い情報であること


Googleは情報の正確性を重んじる企業です。そのため当然、生成AIが作成した答えの情報源には高い正確性を求めるはずです。自社サイトには正確性の低い情報を無くしていきながら正確性の高い情報を増やすことが必要です。

(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること


その道の専門家は一般人が知らない希少性が高い情報を持っています。生成AIに引用してもらうためには一般人が書いたコンテンツではなく、専門家が書いたコンテンツをサイト内に増やす必要があります。

(3)実体験に基づいた情報であること


Googleはウェブ上にある情報を単にまとめたコンテンツではなく、著者自身の体験に基づいたコンテンツを高く評価するため体験に基づいたコンテンツは引用される可能性が高いと言えます。

(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること


生成AIによる答えの部分にはテキストやリンクだけでなく、画像も表示されます。そしてその画像は引用元サイトの画像が使われます。そのため、生成AIが引用したくなる画像を作成してサイトに載せることが有効です。そしてその画像が生成AIの答えの部分に表示された時にクリックしたくなるような画像であれば、その画像リンクをクリックして引用元のサイトをユーザーが見に行く確率が高まります。

(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 


記事の冒頭に専門家の肩書と氏名を掲載し、氏名をクリックするとその著者のプロフィールページに飛ぶようにリンクを張ることが有効です。

《著者のプロフィールページへのリンク例》


(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること


特定のページの著者の情報だけでなく、そのページが属するサイトを運営しているのは誰かを示すサイト運営者情報に正式な事業者名、所在地、連絡先、事業内容、沿革、挨拶などを載せることにしてサイトの信用性が高まりそのサイトに属するページの信頼性も高まります。

生成AIの答えの下にある通常の自然検索の部分に自社サイトが表示された時の対策


次に考えなくてはならないのは、検索結果ページ上にある生成AIの答えの下にある通常の自然検索の部分に自社サイトが表示された時に、どれだけの検索ユーザーがリンクをクリックして私たちのサイトに来てくれるかということです。

《生成AIの回答の下に表示される自然検索結果部分の例》


これは全く未知のことなので予測するのは困難ですが私は次のようになると思います。

【予想1】ユニークな内容のページならクリックしてもらえる

 
生成AIは優等生的な答えを返すのは得意ですが、個性的でユニークな答えを返すことはしません。そのため、ユニークな情報を探しているユーザーに喜んでもらえるような独自性が高い意見や見解、解説を軸にしてそれを前面に押し出したテーマのページを作ればクリックしてくれる可能性が高まることが期待できます。

【予想2】権威性が高いサイトのページならクリックしてもらえる


例えば、金利に関するキーワードで検索しているユーザーが、自然検索欄で「●●銀行・・・」、「三菱UFJ銀行・・・」、「●●●協会・・・」という文言を発見したら、信頼できそうな情報だということでクリックしてくれる可能性が高まるはずです。

【予想3】ブランド力が高い企業・個人が運営するサイトのページならクリックしてもらえる

 
その道で有名なブランド力を持つ企業や個人ならユーザーが見たくなってクリックしている可能性が高いはずです。

【予想4】筆者の経験に基づいた内容のページならクリックしてもらえる


生成AIの弱点の一つは、人間とは違い肉体を使った体験ができないということです。体験談を探している検索ユーザーならば生成AIではなく人が作ったコンテンツ、ブログ記事などを読みたがるはずです。

【予想5】独自の実験を発表するページならクリックしてもらえる

 
実際に商品を使って、それを検証、レビューする記事や、何らかの実験結果を発表するコンテンツは生成AIでは難しいので、そうしたコンテンツを作れば検索結果上でクリックされるチャンスが増すはずです。

【予想6】検索順位が1位か2位くらいならばクリックしてもらえる

 
生成AIのブロックは背景に色がついて、画像もあるため非常に目立ちますが、そのすぐ下に表示される自然検索の1位か、悪くても2位ならばある程度のクリック率が期待できると思います。

しかし、自然検索の順位がそれ以下の場合、特に、6位、7位だとか、9位、10位だと従来と比べてクリック率はかなり減るはずです。

しかも、最近のGoogleは昔と比べて検索結果ページが少なくなってきています。以前なら検索結果が100ページくらい表示さて上位1000ページくらいは見れましたが、最近では4ページ目くらいで止まってしまうので上位40位くらいしか見れないことが増えています。

こうした理由により、SEOの競争率は各段に高まるはずです。

恐らく、多くのプレイヤー、つまりSEOでの集客を目指す企業がこの厳しい競争で脱落していくはずです。

やり方もわからず、ただ競争率が増すのを見ればほとんどの人たちが戦意を喪失する可能性があるのは無理もありません。

しかし、こうした生成AI時代の対応策を知ることにより、戦意を喪失するのではなく、むしろこれはチャンスだと積極的に受け止めて、以前よりもSEOで成果を上げる企業もでてくるはずです。

私たちはそうした企業になることを目指すべきです。

【予想7】指名検索ならば生成AIは表示されず、自社サイトが1位か2位には表示されるのでクリックしてもらえる

 
指名検索ならば競争はありません。自社が所有する社名や、店舗名、商品名などのブランド名では自社サイトが上位表示されやすくなっています。

SEOの最終的なゴールはそこです。

一般名詞での検索ではなく、私たちが所有するブランド名での上位表示を目指すべきです。

そのために、SEOをするのです。個性的なブランド名を考えてユーザーに覚えてもらう努力をしつつ、何よりも、競合他社とは別格の独自性が高く顧客に喜ばれる商品・サービスの提供に全力を尽くすべきです。

以上が、SGE時代の新しいSEO対策です。念のため、Googleの公式発表や直近のSGEに関するテストの動向も見てみましょう。

Googleの公式情報


GoogleはSGEの意味について「生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介」
https://japan.googleblog.com/2023/08/search-sge.html
というページで説明をしています。

この中に重要な一節があります。

『Google は、@ 生成 AI を検索に組み込む工程においても、トラフィックをウェブサイトに送ることに引き続き注力しています。広告は、ウェブが機能するための重要な要素であり、ユーザーが関連する製品やサービスを見つけるのに役立つと考えています。この新しい生成 AI の体験では、A検索広告はページ全体の専用広告枠に引き続き表示されます。また、広告の透明性を確保し、検索結果と広告が明確に区別できるように「スポンサー」と表示します。』

という部分です。

1つ目の重要な部分は・・・

@ 生成 AI を検索に組み込む工程においても、トラフィックをウェブサイトに送ることに引き続き注力しています。

という部分です。

Googleは情報を独占するのではなく、引き続き、生成AIの部分から参照元という形で情報を引用したサイトへリンクを張ります。これは冒頭で説明した



という赤枠で囲った部分です。

そして生成AIの情報の下には従来のように自然検索結果を表示して他のサイトにリンクを張ります。

2つ目の重要な部分は・・・

A検索広告はページ全体の専用広告枠に引き続き表示されます。また、広告の透明性を確保し、検索結果と広告が明確に区別できるように「スポンサー」と表示します。

というところです。現在の日本語のテスト版には表示されていませんが、英語版などで複数のパターンをテストしているといわれています。ここはGoogleにとって何兆円もの売り上げを稼ぎ出すビジネス的に非常に重要な部分なので慎重に決めるということです。

直近のSGEのテストの動向


海外のSEOのニュースサイトや英語版のGoogle公式サイトではこうした広告の表示場所のテストや、生成AIが生成した画像の表示、個人の検索履歴に基づいた結果のカスタマイズなど様々なテストをしているということです。重要な発表があったら必ずこのブログで報告させていただきます。

SGEへの対策まとめ


以上が、SGEのテスト版とは何か、そこから見えてくる正式版へのSEO対策についてです。

対応策をまとめると・・・

《生成AIの部分に参照元サイトして紹介してもらい自社サイトにリンクを張ってもらうための対策》
(1)正確性が高い情報であること
(2)専門家が自らの高度な専門知識に基づいて書いた情報であること
(3)実体験に基づいた情報であること
(4)キーワードと関連性が高い独自性が高い画像を掲載すること
(5)著者情報をしっかりと載せて信頼性が高い情報であることをアピールすること 
(6)サイト運営者情報をしっかりと載せて信頼性が高いサイトであることをアピールすること 

《生成AIの部分の下に表示される自然検索欄から自社サイトにユーザーに来てもらうための対策》
(1)ユニークな内容のページを作る
(2)権威性が高いサイトになることを目指す
(3)ブランド力が高い企業・個人になることを目指す 
(4)筆者の経験に基づいた内容のページを作る
(5)独自の実験を発表するページを作る 
(6)検索順位を1位に、悪くても2位になるようにSEOに力を入れる
(7)指名検索ならば生成AIは表示されないので指名検索をしてもらうための取り組みをする

という合計13の対策があります。

SGEの事を知って驚いていた方、何をすれば良いのかがわからず不安だった方はこれらを参考にしてすぐに取り組んでください。今から準備すれば遅すぎるという事態は避けられるはずです。むしろこのピンチをチャンスにして躍進しましょう!
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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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