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サイトの品質改善と改善効果が出るまでの時間

2024年02月12日

今回は、Google検索のランキングを決める際にGoogleがウェブサイトの品質をどのように厳しく評価するのか、そしてサイトの品質を高めた後にその効果がどのくらいで検索結果に反映されるのかについて解説します。

Googleの検索アルゴリズムは、ユーザーに最適な結果を提供することを目的としており、サイトの全体的な品質はこの評価に大きく影響します。つまり、上位表示を目指すページの品質を高めるだけでは不十分であり、そのページが属するサイト全体の品質を高める必要があります。

1. Googleによるサイトの品質評価とその影響


Googleの検索アルゴリズムは、数々の要因を考慮してウェブサイトの品質を評価します。たとえば、検索キーワードとコンテンツとの関連性、利便性、ユーザー体験などが考慮されます。しかし、特定のページの品質が高いとしても、サイト全体の品質が低いと判断されれば、そのサイトにあるそのページは検索結果で上位に表示されにくくなります。これは、Googleが提供する情報の信頼性と品質を保証するための措置です。サイト運営者にとっては、サイトの全体的な品質を常に高めることが求められます。

2. Googleによるサイトの品質評価基準


Googleのサイト品質評価は、その検索アルゴリズムの中核を成すプロセスです。この評価システムは、ウェブサイトが検索結果にどのように表示されるかを決定する上で極めて重要な役割を果たします。Googleの目標は、ユーザーにとって最も関連性が高く、価値のある検索結果ページを提供することにあります。

このために、Googleはウェブサイトを評価する際に多くの要因を考慮しています。これらの要因には次のようなものがあります。

(1)コンテンツの品質と関連性


・コンテンツの専門性
専門性とは、特定の分野において深い知識や経験が求められること、関わりがあること、またはその度合いのことを言います。Googleは、特定のトピックに関する詳細かつ正確な情報を提供するサイトを高く評価します。

これは、専門知識、経験、権威性、信頼性(E-A-A-T: Expertise, Experience, Authoritativeness, Trustworthiness)として知られています。つまり、その分野の素人が書いた記事よりも、専門知識を持つ専門家が書いた記事のほうがユーザーにとって信頼できるので上位表示されやすくなるという仕組みです。

また、専門家でなくても、記事内で主張していることが著者の経験に基づいている場合は、読者にとってとても説得力があるため、その記事は上位表示されやすくなります。あるいは、その分野で誰もが認める権威性があると認識されている著者が書いた記事はそうでない著者によって書かれた記事よりも上位表示しやくなるという評価方式だということです。

・コンテンツの独自性
独自性とは、英語でオリジナリティーと呼ばれるもので、他と異なり、その人またはその事物だけに備わっている固有の性質や独特の個性です。オリジナルのコンテンツ、特に他にはない独自の視点や分析を含むものは、Googleによって高く評価されます。つまり、ネット上で簡単に見つかるような記事よりも、他にはない、読者にとって初めて見る内容の記事のほうがGoogleユーザーにとって価値が高いとGoogleが判断して上位表示させるという仕組みです。

(2)ユーザー体験とアクセシビリティ


・サイトの利便性
利便性とは、便利であること、または、その度合のことを言います。ユーザーが求めている情報に簡単にアクセスできるか、ナビゲーションが直感的かなど、サイトの使いやすさが重要です。

昔のSEOはウェブデザインはあまり関係ないという意見が主流を占めていましたが、今日では非常に重要になっています。何故なら、ウェブデザインがいい加減だとユーザーにとって使いにくいサイトになってしまいユーザーにストレスを与えることになるからです。

今日のウェブマーケティングではユーザーに最高のユーザー体験を与えるウェブサイト、SNS投稿、YouTube動画などが検索で上位表示されるのが当たり前になってきています。そうした事が可能なのが優秀なプログラマーたちが日夜努力を重ねてより良いコンテンツを選別するアルゴリズムをプログラミングしているからです。このユーザー体験重視の文化は、UXと呼ばれるようになり、今日のウェブマーケティングの世界では常識となりつつあります。

《サイトの利便性が良好な例》


・明確なナビゲーション
ナビゲーションが明確で、ユーザーが容易に必要なページにアクセスできる。例えば、トップページから製品ページ、お問い合わせフォーム、Q&Aページへのリンクが直感的に配置されている。
ナビゲーションとは、「航海、航行、飛行、運航指示」という意味の英単語で、 一般には目的地までの経路や道順のことを指します。ウェブの世界ではリンクのことを指し、メニューとも言われます。



・シンプルなデザイン
サイトのデザインが洗練されており、ユーザーが情報を簡単に見つけられる。無駄な要素が排除され、重要な情報が強調表示されている。

《サイトの利便性が良好でない例》


・複雑なナビゲーション
メニューが複雑で、ユーザーが目的のページにたどり着くのが難しい。リンクが不明瞭で、ユーザーが迷いやすい。何がどこにあるのかが人目でわからない。

・過剰な広告やポップアップ
サイトに頻繁に表示される広告やポップアップが、ユーザーの体験を妨げ、情報を見つけるのが困難になる。
ポップアップとは、英語で「突然現れる」といった意味を持ち、ウェブの世界では画面上に別の画面が自動的に起動する仕組みのことで、起動した別の画面は「ポップアップウィンドウ」と呼ばれます。

(3)モバイルフレンドリー


スマートフォンなどのモバイルデバイスでの表示が適切かどうかも、Googleの評価に影響します。スマートフォンユーザーのとって見やすいサイト、使いやすいサイトであることをモバイルフレンドリーとGoogleは呼び、この要素が十分でないと検索上位表示に不利になるようなアルゴリズムがあります。

《モバイルフレンドリーが良好な例》


・レスポンシブデザイン
サイトがレスポンシブデザインで制作されており、スマートフォンやタブレットなど、異なるスクリーンサイズに自動的に適応する仕様になっている。テキストサイズや画像が画面のサイズに応じて適切に自動調整され、モバイルデバイスでの閲覧が快適になる。
レスポンシブデザインとは、デバイスの画面サイズに依存しないサイトを構築するウェブデザインの手法を指します。



・タッチフレンドリーなナビゲーション
ボタンやリンクがタッチスクリーンに適しており、指で簡単に操作できる。それによりご操作を防ぐことが出来ている。
タッチフレンドリーとは、タッチスクリーンデバイスでの操作が容易で快適であることを指す用語です。



《モバイルフレンドリーが良好でない例》


・頻繁なスクロールやズームが必要
モバイルデバイスでサイトを見る際、テキストや画像が小さすぎて、常にズームやスクロールが必要になる。

・長いローディング時間
モバイルデバイスでのページの読み込みに時間がかかりすぎる。読み込みに何秒もかかることによりユーザーがストレスを感じてサイトを離脱したくなる。
ローディング時間とは、Webページやアプリを表示する際に、そのコンテンツを読み込むまでにかかる時間を指します。

(4)ページの読み込み速度


ウェブページのローディング速度は、ユーザー体験に大きく影響し、Googleのランキングにも影響を及ぼします。ローディング速度が遅いとユーザーがサイトに対してネガティブな印象を持つようになり、サイトから離れてしまうからです。

《ページの読み込み速度が良好な例》


・高速ローディング
サイトのページが数秒以内にロードされる。
これは、最適化された画像サイズ、効率的なコーディング、高速なサーバーの利用などにより実現できます。

・遅延読み込み
画面に表示されていないコンテンツは、必要になるまで読み込まれない。これにより、初期のローディング時間が短縮される。
遅延読み込みとは、Webページやアプリの読み込み時に、ユーザーが画面を見ている範囲のコンテンツのみを読み込む技術のことを指します。

《ページの読み込み速度が良好でない例》


・遅いページの読み込み
サイトのページがロードするのに数秒以上かかる。これは、非効率的なコーディング、最適化をしていなの画像、低速なサーバーの利用が原因です。

・リソースを大量に利用
多くのスクリプト、大きな画像ファイル、動画など、ページのロードを遅くするリソースが多数存在する。
ウェブにおけるリソースとは、ウェブ上で利用可能な、識別できる、または名前が付けられる、参照できる、処理できる、あらゆるものを指します。

(5)信頼性とセキュリティ


・安全なウェブブラウジング
ウェブサイトが安全であること、すなわちマルウェアやフィッシング詐欺がないかどうかを、Googleはチェックしています。
危険性を察知するとGoogleは検索結果順位を降格して、ユーザーを守ろうとします。
ブラウジング とは、 閲覧(する)、拾い読み(する)、見て回るという意味の英単語。データや情報を画面に表示して見たり読んだりすることを指します。

《安全なブラウジングが良好な例》


・マルウェアやフィッシングの防止
ウェブサイトが定期的にセキュリティチェックを行い、不正なソフトウェアやフィッシングの試みがないことを確認している。このようなサイトは、ユーザーに安全なブラウジング環境を提供し、Googleによって信頼される。

マルウェアとは、コンピューターやその利用者に被害をもたらすことを目的とした、悪意のあるソフトウェアのことを指します。また、フィッシング (Phishing) とは実在する組織を騙って、ユーザネーム、パスワード、アカウントID、ATMの暗証番号、クレジットカード番号といった個人情報を詐取することを言います。

・セキュリティの警告への対応
もし問題が発見された場合、サイト運営者は迅速に対処し、セキュリティを強化する。これには、不正なコンテンツの削除やセキュリティパッチの適用が含まれる。

キュリティパッチとは、公開済みの OS やソフトウェア(アプリケーション)などで発見された脆弱性(プログラムの不具合などによって生じた情報セキュリティ上の欠陥)・問題点などを修正するためのプログラムのことです。

《安全なブラウジングができないと判断される例》


・マルウェアの存在
サイトがマルウェアに感染している場合、これはユーザーに対する直接的な脅威となり、Googleによって検索結果から除外される可能性がある。

・フィッシングのリンク
サイトにフィッシング詐欺を促すリンクや不審な入力フォームが存在する場合、これは信頼性の低下に繋がり、Googleの評価を大きく下げる。

・HTTPSの使用
セキュアな接続を提供するサイトは、非セキュアなサイトよりも優遇されます。

セキュアとは、安全な、安心な、頑丈な、堅牢な、などの意味を持つ英単語です。ITの分野では、情報やシステム、通信路などが保護されて安全な状態にあることを「セキュアな」と表現することがあります。

《HTTPSの使用が良好な例》


・HTTPSによる全ページのセキュアな接続
ウェブサイトがHTTPSプロトコルを使用し、全てのページでユーザーの情報を暗号化している。これは、ユーザーのプライバシーとセキュリティを保護し、Googleによって高く評価される。
※ プロトコル = 通信規約

・常時SSL/TLS暗号化
セキュアなソケットレイヤー(SSL)またはトランスポート層セキュリティ(TLS)を用いて、ユーザーのデータを常に暗号化している。
SSL とは、Secure Sockets Layer の略で、インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みのことを指します。また、TLS とは、Transport Layer Security の略で、SSL の後継となるプロトコルです。SSL と同じように、インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みを提供するものです。



《HTTPSの使用が良好でない例》


・非HTTPSサイト
ウェブサイトがHTTPプロトコルを使用している場合、これはデータが暗号化されていないことを意味し、ユーザーの情報が危険にさらされる。
HTTP は、Hyper Text Transfer Protocol の略で、Web ページや画像、動画などのコンテンツをインターネット上でやり取りするために使用されるプロトコルのことを言います。

・部分的なHTTPSの使用
サイトの一部のページのみがHTTPSで保護されており、他のページでは暗号化されていない。これは、サイト全体のセキュリティに不均一性を生じさせ、ユーザーの信頼を損ねる。



(6)ユーザー行動のシグナル


・クリック率(CTR)
特定の検索結果に対するユーザーのクリック率。
※ シグナル = 信号、合図、サイン、兆候、兆し
※ CTR = 「Click Through Rate」の略でクリック率

《クリック率が良好な例》


・高いクリック率
ウェブサイトが検索結果で高いクリックスルーレート(CTR)を記録している場合、これはそのサイトのタイトルやメタ記述がユーザーにとって魅力的で関連性が高いことを示しています。たとえば、検索クエリに対して正確で具体的な情報を提供するタイトルと説明文を使用しているウェブサイトは、ユーザーからのクリックを多く獲得する傾向があります。

・ターゲットキーワードの適切な使用
タイトルタグやメタディスクリプション等に検索者関心を引くキーワードを含めることで、CTRを向上させることができます。その理由は、タイトルタグとメタディスクリプション等に記述したフレーズが検索結果ページに表示されることが多いため、その部分に検索ユーザーの関心を引くフレーズを記述することにより検索ユーザーがリンクをクリックしてサイトに来てくれやすくなるからです。



《クリック率が良好でない例》


・低いクリック率
検索結果に表示されてもクリックされないサイトは、タイトルタグやメタディスクリプションの記述が不鮮明、関連性が低い、またはユーザーにとって魅力的でないことを示しています。例えば、一般的すぎる平凡なタイトルや、検索クエリ(検索キーワード)と関連性の低い内容を示す記述は、ユーザーの興味を引くことができず、低いクリック率をもたらす可能性があります。

(7)滞在時間


ユーザーがサイトにどれくらいの時間を過ごすか。

《滞在時間が良好な例》


・長い滞在時間
ユーザーがサイトに長く留まるということは、そのサイトのコンテンツ(内容)が彼らにとって魅力的で価値があるということを示しているということです。例えば、詳しくて役立つ情報が満載のコンテンツや、ユーザーが参加できるインタラクティブ(相互作用的)な要素、またはユーザーの興味を持続させる他の関連するコンテンツへのリンクなどがあると、人々はそのウェブサイト上でより長く時間を過ごす傾向があります。つまり、これらの要素がユーザーを引き付け、サイト上で過ごす彼らの時間を延ばすことになりま。

・興味深いビジュアルやビデオコンテンツ
ユーザーが興味を持ちやすいビジュアルやビデオコンテンツを用いることも、サイト上での滞在時間を延ばす効果的な方法です。

《滞在時間が良好でない例》


・短い滞在時間
ユーザーがサイトをすぐに離れる場合、これはコンテンツが期待に応えていないか、ユーザーにとって関連性がないことを意味します。例えば、誤解を招くタイトルタグやメタディスクリプション内のフレーズ、ユーザーが求めている情報が不足している、または読みにくいコンテンツは、ユーザーの早期離脱に繋がる可能性があります。

これらのユーザー行動のシグナルは、ウェブサイトがターゲットオーディエンスのニーズにどれだけ適応しているかを示す重要な指標です。高いCTRと長い滞在時間は、ウェブサイトが価値ある情報を提供し、ユーザーの関心を引き続けていることを示しており、Googleのランキングにおいて好意的に評価されます。

これらの要因は、サイトの全体的な品質を形作る多くの要素の一部に過ぎません。Googleはこれらの要因を総合してサイトを評価し、その結果を検索アルゴリズムに反映させています。そのため、サイト運営者はこれらの要因を継続的に改善し、最適化することが重要です。このプロセスは、検索結果での上位表示を目指すだけでなく、訪問者にとってもより良い体験を提供することにつながります。

3. 個々のページとサイト全体の品質


サイト内の個々のページが高品質であっても、サイト全体の品質が低いと、そのページの検索ランキングは低くなります。そのため、サイト運営者が全ページの品質に注意を払うことが非常に重要です。例えば、主要なページは高品質のコンテンツで構成されていても、他の多くのページが低品質であると、全体の評価は下がります。改善には長い時間がかかることがあり、一般に1年から2年を要することが多いです。

4. 低品質ページの存在と改善の難しさ


多くの低品質ページを抱えるウェブサイトは、それらの改善に相当な時間を要します。特に、サイト運営者が自身のサイトを客観的に評価することは困難であり、しばしば運営者自身の評価は甘くなりがちです。これにより、サイトが実際に必要とする改善の程度を見誤ることがあります。そのため、定期的な見直しと第三者による客観的な分析が、品質向上のために不可欠です。自己評価の誤りを防ぐために、第三者の意見や具体的なデータ分析を取り入れることが重要となります。

5. 改善後の検索ランキングの回復


ウェブサイトの改善作業が完了した後、Googleの検索結果でのランキング回復には早くて3ヶ月、通常は1年から2年程度かかります。この遅延は、Googleがサイトの変更を検知し、新しいデータをアルゴリズムに反映させるための時間を必要とするためです。しかし、問題を早期に認識し、迅速に対応することで、回復のプロセスは加速される可能性があります。つまり、早期発見と迅速な対応が、検索ランキングの回復には不可欠です。

6. 品質改善の重要性とその影響


ウェブサイトの品質改善は、SEOでの上位表示を目指す上で極めて重要です。品質改善は単にGoogleのランキングに影響するだけでなく、サイト訪問者に対する信頼性の向上にも繋がります。品質の高いウェブサイトは、ユーザーに価値ある情報を提供し、長期的な訪問者の獲得と維持を実現します。品質改善には時間と労力が必要ですが、その投資は結果として大きなリターンをもたらすことになります。

以上が、サイトの品質改善の具体的な方法と改善効果が出るまでの時間についてです。できることからすぐに改善作業をスタートして、早期の順位回復を目指しましょう。

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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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