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わずか60件表示に!Googleは検索結果に表示するサイトの数を絞るようになってきている

2024年01月27日

SEOの世界は常に変化しています。近年、Googleは検索結果に表示するサイトの数を絞り込む方向に動いています。以前は検索結果に表示されていたサイトが表示されないケースが急増しています。これは、検索エンジンの精度を向上させ、ユーザーにより関連性の高い情報を提供するための一環です。今回は、最近のGoogleの検索結果における表示件数の減少について解説します。


「社会保険労務士 大阪」のケース


例えば、「社会保険労務士 大阪」という検索キーワードを例に挙げてみましょう。一見すると、検索結果に表示たくさんのページが表示されるように見えますが、実際にはそうではありません。

検索結果ページの下の方までスクロールして確認すると、たったの60サイトで行き止まりになります。



それ以上サイトを見るには「もっと見る」というリンクをクリックしなくてはなりません。



「もっと見る」というリンクをクリックしていくと19ページ目で行き止まりになります。



私のように「もっと見る」というリンクを19回もクリックすれば「社会保険労務士 大阪」の検索結果は248件、つまり248サイトということになります。以前のGoogleなら数千サイトは見れましたが、現在では248サイトにまで減っています。しかも、ほとんどのユーザーはわざわざ私がしたように「もっと見る」というリンクを何回もクリックしないでしょうから、事実上「社会保険労務士 大阪」で検索するほとんどのユーザーは60サイトしか見ないでしょう。

同じような実験を「USBケーブル」、「Tシャツ 通販」、「脱毛 口コミ」、「糖尿病 原因」、「KPIとは」でもしてみましたが、結果は次のようになりました。

「USBケーブル」
60サイト もっと見るを含めると合計186サイト

「Tシャツ 通販」
60サイト もっと見るを含めると合計223サイト

「脱毛 口コミ」
60サイト もっと見るを含めると合計129サイト

「糖尿病 原因」
60サイト もっと見るを含めると合計300サイト

「KPIとは」
60サイト もっと見るを含めると合計348サイト

PC版ChromeブラウザでGoogle検索をノーマルモードで行った結果ですが、驚いたことにどのキーワードも60サイトしか表示されません。そして「もっと見る」というリンクをクリックしても129から最大でも348サイトまでしか表示されませんでした。


過去と現在のGoogleの検索エンジン


このように過去のGoogleは何千ものサイトを表示する情報量が豊富な検索エンジンでしたが、現在では基本的に60サイトまでを表示して、どうしてもそれ以上見たいというユーザーが「もっと見る」というリンクをクリックしても100から300サイトくらいまでしか見せてはくれない検索エンジンになってしまいました。

昔のGoogleは全文検索エンジンとして、インターネット上のほぼすべてのページを検索結果に表示することが可能でした。しかし、現在ではページ数が多すぎるため、Googleは実質的にまとめサイトのような形式を取るのようになったのです。このことは、関連性が低い、または少しでも怪しいサイトを検索結果から積極的に除外していることを示しており、ユーザー体験の質を向上させる方向にGoogleが舵を切ったためのものだと考えられます。


Googleの検索結果絞り込み:ユーザーにとってのメリットとデメリット


このようなGoogleによる検索結果情報の絞り込みという戦略は、ユーザーの検索体験に大きな影響を与えているはずです。そして、それにはメリットとデメリットの両面が存在します。



メリットは情報の質の向上と効率的な検索


最大のメリットは、情報の質の向上です。Googleが絞り込んだ検索結果には、より関連性の高い、信頼できるウェブサイトが優先的に表示されます。これにより、ユーザーは関連性の低い、あるいは不正確な情報を見る手間を省けます。例えば、医療情報を検索する際、質の高い、専門的な情報源からのみ情報を得られることは、ユーザーにとって大きな安心感をもたらします。

また、効率的な検索が可能になります。以前は何千もの検索結果を手作業でフィルタリングする必要がありましたが、絞り込みにより、最も適切な情報が初めの60サイトに集中して表示されるため、ユーザーは必要な情報を迅速に見つけ出すことができます。

デメリットは情報の多様性の喪失と表現の自由への影響


一方で、デメリットも無視できません。最も大きな問題は、情報の多様性の喪失です。Googleが「関連性が高い」と判断する基準は不透明であり、結果として多様な視点や意見が検索結果から排除される可能性があります。特に特定のトピックに関して、多様な視点や情報源からの情報が必要な場合、この絞り込みは問題となる可能性があります。

さらに、表現の自由への影響も懸念されます。特定のウェブサイトや情報がGoogleのアルゴリズムによって排除されることで、情報の提供者が独自の声を失うリスクがあります。特に新興のウェブサイトや小規模なブログが影響を受けやすく、インターネットの情報源としての多様性が損なわれる可能性があります。

こうした状況を受けて、すでに一部のインターネットユーザーは、Googleほど情報の選別が厳しくないDuckDuckGoや、Brave Searchという情報を絞り込んでいない検索エンジンを使うようになってきています。



《参考サイト》 DuckDuckGo  Brave Search


バランスの重要性


検索結果の絞り込みにおいては、質の向上と情報の多様性のバランスが非常に重要です。ユーザーにとっては、正確で信頼できる情報を迅速に得ることができる一方で、異なる意見や新しい情報源に触れる機会が制限されることになります。このバランスをどのように取るかが、検索エンジン会社にとってその価値を決める重要なポイントであるはずです。


Googleの検索結果絞り込み:サイト運営者への影響


Googleの検索結果の絞り込みは、ウェブサイトの可視性、トラフィック、そしてSEO戦略に直接影響を及ぼすため、そのメリットとデメリットを理解することが不可欠です。



メリット「 質の高いコンテンツの価値が増加」


まず、メリットの面では、質の高いコンテンツの価値が増加します。Googleが関連性の高い情報を優先することで、専門的で信頼性の高いコンテンツを持つウェブサイトは、検索結果においてより高い位置に表示される可能性が高まります。これにより、コンテンツの質に注力しているサイト運営者は、検索エンジンによるトラフィックの増加を期待できます。

また、この変化はサイト運営者にとって、自身のウェブサイトのコンテンツ品質を高める機会となります。質の高いコンテンツを提供することで、ユーザーからの信頼を得ることができ、結果的にリピーターの増加やブランドの信頼性向上につながります。

デメリット「競争の激化と中小規模サイトへの影響」


一方で、デメリットも存在します。特に、競争の激化は大きな問題です。Googleの検索結果が絞り込まれることで、限られた数のサイトのみが上位表示されるため、競争はより厳しいものとなります。大手サイトや既に高い権威を持つサイトとの競争に勝つためには、中小規模のサイト運営者はさらに質の高いコンテンツを作成し、独自の価値を提供する必要があります。

さらに、新しいウェブサイトや規模が小さいサイトにとっては、この変化は大きな試練になります。これらのサイトが検索結果での可視性を獲得するためには、SEO戦略をより緻密に練る必要があります。新規サイトが上位表示を獲得するためのハードルは高まり、時間とリソースを要するプロセスとなるでしょう。


変化への適応


このような状況では、サイト運営者は検索エンジンの変化に適応する必要があります。これには、キーワードの選定からコンテンツの質、ユーザー体験の改善、技術的なSEOの最適化に至るまで、多方面の取り組みが求められます。また、ソーシャルメディアや他のマーケティングチャネルを利用したトラフィックの獲得も重要です。

Googleの検索結果の絞り込みは、サイト運営者にとって機会と試練の両方をもたらします。質の高いコンテンツへの投資は、長期的なトラフィック増とブランドの信頼性の向上をもたらしますが、それには戦略的な取り組みと持続的な努力が必要です。サイト運営者はこの新しい環境に柔軟に対応し、継続的に自サイトを改善していく必要があります。


ページを増やすだでなく、質が高いページを着実に増やす


この変化は、ウェブサイト運営者やSEO専門家にとって重要な意味を持ちます。もはや、単にページ数を増やすだけで上位表示が得られる時代ではなく、Googleは関連性の高い、質の良いコンテンツを重視しています。したがって、多くのページを作成するよりも、質の高いコンテンツを提供し、その内容が検索キーワードとしっかり関連していることがより重要になっています。

また、過去に作成したウェブページの品質をチェックして、現在の基準に照らし合わせて古い部分は新しいものに差し替え、足りないものは新たに追加していく必要があります。


質が高いだけでなく、検索キーワードと関連性が高いページを作る


コアアップデート等のGoogleが近年繰り返し実施したアップデートは、SEO戦略において質の重要性を強調しています。これは、ウェブサイト運営者やSEO専門家にとって新たな試練を意味しており、質の高いコンテンツと検索キーワードの関連性が、上位表示の鍵となります。「質の高いコンテンツ」だけでなく、「検索キーワードとしっかり関連しているコンテンツ」を作らなければなりません。具体例を考えてみましょう。

質の高いコンテンツの具体例


質の高いコンテンツは、主に次のような特徴を持っています:

1. 専門的かつ信頼できる情報
例えば、医療関連のウェブサイトでは、医師や専門家による詳細な解説や最新の研究結果を提供することが重要です。このような専門性の高い情報は、読者の信頼を得やすく、Googleによる評価も高まります。

2. ユーザーに価値を提供するコンテンツ
ユーザーが実際に役立つ情報や解決策を提供するコンテンツです。例えば、家庭菜園に関するウェブサイトであれば、季節ごとの植物の育て方、病害虫の対処法など具体的な指南を提供します。

3. 独自性と創造性
他のサイトとは異なるユニークな視点や新しい情報を提供することも重要です。たとえば、旅行に関するブログであれば、一般的な観光地ではなく、隠れた名所や独自の旅行のコツを紹介することができます。

検索キーワードと関連性が高いコンテンツの具体例


一方、検索キーワードと関連性が高いコンテンツには、次のような特徴があります:

1. 検索キーワードに対する直接的な回答
ユーザーが「ベストなコーヒーメーカー」と検索した場合、このキーワードに関連するコンテンツでは、さまざまなタイプのコーヒーメーカーの比較、選び方、使用方法などを詳しく説明して、どれがベストなコーヒーメーカーなのかという答えを伝えなくてはなりません。

2. 検索キーワードの意図を理解する
「ダイエット方法」という検索キーワードに対しては、ただ単にダイエット方法を列挙するだけでなく、ユーザーがそのキーワードで検索することにより、具体的に何を知りたいのかを予測してコンテンツ化する必要があります。それが効果的なダイエットの科学的根拠や健康的な食生活の提案だとしたら、それらをしっかりとページ内で説明しなくてはなりません。

3. 長いフレーズの検索キーワードの活用
特定のニッチなトピックに焦点を当てたコンテンツも価値があります。例えば、「初心者向けの山登り装備ガイド」など、特定のグループをターゲットにした詳細な情報を提供することで、より関連性の高いトラフィックを引き寄せることができます。

このように、質の高いコンテンツと検索キーワードとの関連性は、現代のSEO戦略において不可欠です。ウェブサイト運営者は、読者にとって価値ある情報を提供し、その内容が検索キーワードと緊密に関連していることを確実にする必要があります。このようなアプローチにより、Googleの検索結果で上位表示されるようになり可視性を高めることができるでしょう。


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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

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