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Googleの動向

Googleアナリティクスのデータが消える?データ保持期限の設定が必要に

2018年04月28日

Googleアナリティクスは日本でも、世界でも最も使われている人気アクセス解析ログです。
先日Googleアナリティクスがデータ保持期間の変更を行いました。

Googleアナリティクスにログインするとページの一番上に『先日導入された新しいデータ保持の設定により、2018 年 5 月 25 日からのデータが影響を受ける可能性があります。
設定をご確認のうえ、必要な変更を加えてください。 詳細』
https://support.google.com/analytics/answer/7667196
というメッセージと解説ページへのリンクが表示されます。

《Googleアナリティクスのヘルプページ内にあるアナウンス》



このメッセージによるとデータ保持期限を「自動的に期限切れにならない」という設定にしないとアクセス解析ログのデータが一定期間を過ぎると自動的に削除されてしまい過去のデータを見たい時に不便が生じしてしまいます。

設定の変更をするにはGoogleアナリティクスの左サイドメニューにある歯車のアイコン「管理」をクリックして、中央のカラムにある

トラッキング情報 → データ保持 → ユーザーデータとイベントデータの保持のところを「自動的に期限切れにならない」にして → 保存ボタンをクリック

する必要があります。

Googleアナリティクスを使っている全てのサイトで同じことをするとデータ保持期限を無期限に出来ます。

今回の通知には2つの大きなポイントがあります。

1、2018年5月25日からヨーロッパのEU加盟国にGDPR(General Data Protection Regulation)という個人情報を保護するための法律が施行されたということ
→ これはEUの企業だけでなく、EU内のネットユーザーにWebを通じてサービスを提供する企業も今後この法律を遵守しないと罰金を課されるということです。

この法律を遵守するために今回Googleがネットユーザーの行動履歴という個人データを取得するGoogleアナリティクスの仕様を変更したのです。
Googleの他にも世界のWebで大きな影響力を持つGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)なども公式サイト上でGDPRへの対応を発表しています。

Facebook公式サイト上で発表されたGDPRへの対応策



Amazon Web Service公式サイト上で発表されたGDPRへの対応策



Apple公式サイト上で発表されたGDPRへの対応策



これまでネットユーザーの行動履歴は取り放題でした。ユーザーが閲覧したサイトの履歴に基づいて表示されるリターゲティング広告なども便利な面もありますが、プライバシーを侵害する面もあります。

GDPRは今回ヨーロッパで実施されましたが、米国や、日本の政府も似たような規制を実施する可能性があります。自社の事業モデルをこうしたネットユーザーの行動履歴に基づいたデータに依存している企業は他の特徴や機能も考えてリスク分散をする必要があるでしょう。

2、Googleはいつまで無料で各種ツールを無制限に使わせてはくれなくなる
→ リソースがたくさんあるGoogleでも全Googleアナリティクス導入サイトのデータを無料で半永久的にとっておくのは難しいはずです。

Googleアナリティクスだけでなく、Googleが提供するサーチコンソールのデータやその他データも今後はこのように遠い過去のデータは見られなくなる可能性がありますので注意しなくてはなりません。

これまでもGoogleはページランクという被リンク元の信頼性、上位表示効果の指標の公表を中止しています。

>> 参考 『ページランクの表示が停止されることになった!』(2016年03月09日)
https://www.web-planners.net/blog/archives/000180.html

また、比較的最近ではGoogleキーワードプランナーのデータをAdwardsのユーザー登録をしないと見れなくしました。
>> 参考 『新しくなったGoogleキーワードプランナーの始め方』
https://junichi-manga.com/2018-start-keyword-planner/

以上ですが、今後はサイトから取得する個人情報データの取扱は慎重にしなくてはならなくなりました。

技術的な発展を繰り返してきたWebですが、世の中に普及したことにより新しい変化が生じ、Webを通じてビジネスをする全ての企業がそれに対応しなくてはならない時代が来ました。

ついにGoogleが全ページSSL化していないサイトは「保護されていません」とChromeに表示することを決定

2018年02月12日
Googleは2月8日、その公式ブログ「Google Security Blog」で全ページSSL化していないサイトはChromeブラウザでアクセスした時に「保護されていません」という警告を2018年7月から表示することを決定しました。
(このことはChromeの新バージョンChrome 68に切り替わるタイミングで実施されます)



https://security.googleblog.com/2018/02/a-secure-web-is-here-to-stay.html

《GoogleによるSSL化要求の変遷》

Googleはこれまでも過去数年にわたって段階的にサイトをSSL化(暗号化)していないサイトに警告を発してきました。

HTTPSをランキングシグナルに使用します(2014年8月7日)
https://webmaster-ja.googleblog.com/2014/08/https-as-ranking-signal.html

HTTPSページが優先的にインデックスに登録されるようになります(2015年12月18日)
https://webmaster-ja.googleblog.com/2015/12/indexing-https-pages-by-default.html

ChromeのHTTP接続におけるセキュリティ強化に向けて(2017年7月21日)
https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/07/next-steps-toward-more-connection.html

今回の全ページSSL化への勧告は直接的にはSEOに関係ありません。

何故ならGoogleの検索順位を落とすと言っているわけではなく、単にGoogleが無償で提供しているChromeブラウザというWebサイト閲覧ソフトのヘッダー部分に表示されるURL(Webアドレス)の欄の左側に「保護されていません」というメッセージが表示されるだけだからです。



しかし、「保護されていません」という危険性を匂わす言葉が表示されているとChromeのユーザーが「このサイトを見ると個人情報を抜かれるではないか?」だとか、「ウイルスにかかるのでのは無いか・・・」と思ってしまうとそのサイトを見なくなる可能性が生じるのです。

そのサイトを見ないでGoogleの検索結果ページに直帰してしまうと、その事実をGoogleはクッキー等の技術を使って認識します。

そしてユーザーがサイトの内容をほとんど見ないで検索結果ページに直接帰ってしまったということはユーザーが検索したキーワードとサイトの内容が一致していないのではないかと判断することになります。

そうなってしまうと結局は、全ページをSSL化しないとGoogleでの検索順位が下がるということになってしまいます。こうした意味で、今回のGoogleからの勧告は間接的にSEO(検索エンジン最適化)に影響することになるのです。

ところでそもそも何故Googleはここまで私達Webサイト運営者に全ページSSL化を強いるようなことをするのでしょうか?

それは世の中のWebサイトの多くがSSL化されずにユーザーの個人情報を抜き取ったり盗聴するようなリスクがあると検索ユーザーがGoogleで検索するのは危険だと判断してGoogle離れをすることが考えられるからだと思います。

Googleの競合サービスであるFacebook、Instagram、LINE、Twitterなどの大手SNSはSSL化していて安全だけれどGoogleの検索結果に表示され、そこからリンクされている一般のWebサイトの多くがSSL化されていないのでセキュリティ的に危険だと思われたらGoogleを使わずにSNSだけ使えば良いのではと世界の人々が気がつくことを恐れているではないでしょうか?



すでに主要なSNSでは#(ハッシュタグ)検索をしている人たちが増えてきています。特にユーザーと同じ目線、立場の人たちの口コミ情報などを調べる時はGoogleの検索エンジンやそこからリンクされているポータルサイトに登録されている口コミ情報よりも遥かに客観的でスピーディーなものを見つけることが出来ます。

Googleの検索にかかる情報のほとんどはそうしたSNSと比べると鮮度が低い、古い情報だとも言えます。



Webサイト運営者はサイトにある全てのページをSSL化しないと検索ユーザーからの信頼を失いGoogleがこれまで構築してきたマーケティングのエコシステムが枯れてしまう恐れがあるのです。

ここまで来たら今回のGoogleからの勧告に従わなくてはなりません。そうしなければ世界一集客力のある検索エンジン「Google」という私達サイト運営者の集客チャンネルを失うという最悪の結果になるからです。

SSLは無料で実装出来る時代です。次のような良心的な企業が無料SSLを提供しています:

【SSL導入が無料で出来るレンタルサーバー会社】

さくらインターネット
https://www.sakura.ne.jp/function/freessl.html

Xサーバー:無料独自SSL有り
https://www.xserver.ne.jp/functions/service_ssl.php

コアサーバー:無料独自SSL有り
https://www.coreserver.jp/support/manual/security-free-ssl.php

XREA:無料独自SSL有り
https://www.xrea.com/support/manual/security/free/

バリューサーバー:無料独自SSL有り
https://www.value-server.com/startup/free_ssl.html

ロリポップ:無料独自SSL有り
https://lolipop.jp/manual/user/ssl-free-order/

AWS: 無料独自SSL有り
https://aws.amazon.com/jp/

無料SSLでも何も問題はありません。

少しでも早く全サイト、全ページのSSL化を急いで下さい。

そしてせっかく自社サイトを訪れてくれたユーザーを失い、しかも直帰率が上がってしまいGoogleの検索順位を落とすという損をしないようにして下さい。


《関連情報》
【重要】Googleが警告!早急にSSL化しないとChromeユーザーがサイトに来なくなる日が迫っている!
https://www.web-planners.net/blog/archives/000256.html

【要チェック!】SSL導入前に注意すべきことは?
https://www.web-planners.net/blog/archives/000257.html

ヤフージャパンも検索結果にSSLと呼ばれる暗号化プロトコルを使用することになった
https://www.web-planners.net/blog/archives/000149.html

検索結果に表示されるサイト紹介文の文字数が増えた!検索結果ページをイジるGoogleの思惑は?

2018年01月04日
新年明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。

昨年末以来、最近私のところに寄せられている質問で多いのが「Googleの検索結果ページに表示される文字数が増えたがどうすればよいのでしょうか?」というものです。

昨年12月初旬に米国のSEO業界ニュースサイト Search Engine LandによるとGoogleのスポークスマンが:
We recently made a change to provide more descriptive and useful snippets, to help people better understand how pages are relevant to their searches. This resulted in snippets becoming slightly longer, on average.
『Googleは検索ユーザーが検索キーワードに関連性の高いページを見つけられるようにするためにページ紹介文の情報量を増加させました』

と発表したということです。


https://searchengineland.com/google-officially-increases-length-snippets-search-results-287596


実際にこの日本でもWebページの紹介文 = スニペット が従来120文字前後だったものが240文字前後まで増えています。

下図は本日(2018年1月4日)にPC版Googleで「インプラント」というキーワードで検索したキャプチャーです。



スニペットの文字数は1位のサイトが248文字、3位が233文字、4位が249文字(いずれもスペースは無視)というように従来の120文字の約2倍の240文字前後まで増えていることがわかります。

しかし、2位のサイトは98文字で5位のサイトも65文字というように少なめになっています。

この違いですが、検索キーワードと関連性が高いスニペットがページ内のメタディスクリプションにかかれている場合はそれがそのまま検索結果上に表示され、関連性が低いスニペットがページ内のメタディスクリプションにかかれている場合、Googleが独自のアルゴリズムにより自動的にスニペットを長めに創作しているということが分かっています。

こうした変化が起きた今、私達サイト管理者には3つの選択肢があります:

(1)従来通り各ページのメタディスクリプションには120文字までの範囲でページの紹介文を記述する

(2)各ページのメタディスクリプションには240文字前後までギリギリ一杯紹介文を記述する

(3)各ページのメタディスクリプションには何も書かないようにしてGoogleが自動的に240文字まで創作するようにする

(3)の選択肢はリスクがあります。何故ならGoogleは公式サイトにおいてなるべくページ毎に異なった紹介文をメタディスクリプションに記述するように推奨しているからです。


 
※ 出典:「検索結果に効果的なタイトルとスニペットを作成する」
https://support.google.com/webmasters/answer/35624?hl=ja

(2)の選択肢は一見正しいように見えるかも知れません。何故ならGoogleが240文字前後まで表示する文字数を増やしたのだからそれに従って240文字前後まで紹介文を作文するのは当然だと感じるからです。

しかし、紹介文というのは長ければ良いというものでは無いはずです。長い文章はユーザーによって読む手間が増えます。120文字以内だったものが240文字になれば手間は二倍になります。

反対に従来のように短く120文字以内ならば一目でそのページの意味がつかみやすくなるはずです。

このように読みやすさという意味でも120文字以内がベストだと私は思います。

実際に長くなったスニペットを見てみてもゴチャゴチャしているだけで読む気になれません。

見にくくなるという以外にもスニペットを240文字前後に増やすのには他にも2つのデメリットがあります。

1つは、膨大な数のページのメタディスクリプションを240文字まで増やす手間です。もう1つはGoogleがまた表示する文字数を120文字以下に減らすというリスクです。もし元の文字数に戻されてしまったら結局途中までしか表示されなくなり自社のサイトが不利になることが十分考えられます。

それでも240文字近くまで増やしたいという場合は、いつでも元の120文字以内に戻せるように全ページのメタディスクリプション内に記述した紹介文のバックアップをとっておくべきでしょう。

しばらく様子を見ないとわかりませんが、現時点では少なくともスニペットを増やすのには:

デメリット1:
長くなったスニペットを見てみてもゴチャゴチャしているだけで読む気になれない


デメリット2:
膨大な数のページのメタディスクリプションを240文字まで増やすのにはかなりの手間がかかる


デメリット3:
Googleがまた表示する文字数を120文字以下に減らすというリスクがある


以上ですが、今回のスニペットの文字数の増量についての対応は「様子見」が一番だと思います。

最後に何故今になってGoogleが検索結果ページをイジるのか、その思惑は何かです。

スポークスマンが言っているのは検索ユーザーが検索キーワードに関連性の高いページを見つけられるようにするためにページ紹介文の情報量を増加させたというのが理由です。

しかし、Googleの発表をそのまま鵜呑みにするだけでは能がありません。

その背景、つまり裏の意図は何か?1つ考えられるのは同じ検索結果ページ上に表示されるAdwords広告のクリック率を高めることが理由かも知れません。

従来のように120文字以内だとAdwords広告の紹介文とほとんど変わりませんが、240文字も書かれていれば広告の紹介文とは違った印象になるはずです。

特に、アルゴリズムによって自動的に創作される240文字近くのスニペットはゴチャゴチャしており、何が言いたいのかがひと目ではわかりにくい傾向があります。

自然検索のスニペットは読みづらくて、Adwords広告のほうは読みやすい洗練された文章ならば広告嫌いの検索ユーザーもクリックする可能性が高まるのではないでしょうか?

広告ブロックソフトも出回り益々ネット広告が多くのユーザーにとって迷惑な存在になるなかで広告のほうがよく見えるようになればGoogleの広告収入も増える可能性があります。

今後もGoogleは自由にその検索結果ページをイジるはずですが、すぐに追随するのではなく、冷静な判断が求められます。
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