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Googleのアーキテクチャを考える。 評価される新鮮さと多様性

Googleのアーキテクチャを考える。 評価される新鮮さと多様性

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SEO対策の王道は、被リンク対策とコンテンツ対策であるが、ただやみくもに行えば良いというわけではない。 
Google検索アルゴリズムの設計思想を理解していなければ、効果を得ることは難しい。 
 
Query Deserves Diversity(QDD) 
Query Deserves Freshness(QDF) 
 
という言葉をご存知だろうか。 
Googleの検索アルゴリズムに導入されている概念である。 
 
簡単に説明すると、ある検索クエリに対して 
Diversity=多様性  
Freshness=新鮮さ 
を満たすSERPS(Search Engine Result Pages=検索された時に表示されるページ)を返すというものである。 
 
Googleが考えるDiversity=多様性 
Googleのサーチディレクターによれば、 
 
「1位には多数決の原理に基づき人気のあるサイトを表示させる。 
2位には表示されるサイトは、1位と同じものが入る事を望まない。 
何故なら多様性を好むからである。」 
 
なのである。 
 
人気のあるサイトは、Googleがリンクを投票と表現している様に、被リンクの数であると考えるのが合理的であるが、トラフィック数も考慮されているかもしれない。 
 
では、Query Deserves Diversity(QDD)がどの様にSERPSに反映されているか実例を見てみよう。 
 
「テレビ」で検索をした例がわかり易いので紹介しよう。 
平成23年4月2日(土曜日)22:22にGoogle(パーソナライズドをオフにした状態)検索をした結果である。 


gu-gurunoa-kitekutya-sinnsennsatotayousei.jpg
 
具体的に見ていこう。 
 
1位 Yahooのテレビガイド 
2位 4月2日(土曜日)の17時?23時の番組表。 
3位 インターネットのテレビガイド 
4位 フジテレビ 民放テレビ局の公式ホームページ 
5位 テレビ-Wikipedia テレビとは?何かを解説した百科事典 
6位 【楽天市場】 テレビ家電のショッピングサイト 
7位 テレビジャパン 毎日24時間放送している北米で唯一の日本語チャンネル 
8位 日本テレビ 民放テレビ局の公式ホームページ 
9位 価格.COM-液晶テレビ 液晶テレビに比較サイト 
10位 ビエラ|パナソニック プラズマテレビ・液晶テレビのメーカーホームページ 
 
結果を見てどうだろうか? 
 
テレビ番組表(地上波・インターネット)
放送局百科事典ショッピングサイト比較サイト 
テレビメーカーサイト 
 
これだけバラエティに富んだ検索結果はないだろう。 
 
Googleの言葉を借りれば、1位?10位まで番組表で埋まる状態は人々が望まないのである。 
 
従って、週間テレビガイドなど著名な媒体はランクインしていない。 
 
フジテレビと日本テレビはランクインしても、TBSやテレビ朝日は入らないのだ。 
 
テレビジャパンという正直なところよくわからない放送局(失礼!)が入っているが、我々が知っている地上波にはない特性が評価されてランキングに入っている。これこそ多様性の極みであろう。 
 
そして注目をすべきは、2位にランクしているYahooのテレビガイド17時?23時の番組表である。 
22時22分に検索をした私に、Googleは実に最適な検索結果を返している。 
 
この結果から何を学ぶべきか? 
 
(1) ひとつのキーワードの中にも様々なニーズが内包されており、Googleはそれを汲み取ってランキングを構築しているのである。 
1ページ目に表示されるのは、1位のサイトが満たしている情報で極端な話十分なのである。 
従って、2位以下のサイトは1位のサイトに含まれていないオリジナルなコンテンツ(サービスや商品なども)を用意する必要がある。 
 
(2) テレビジャパン【毎日24時間放送している北米で唯一の日本語チャンネル】の結果からもわかる様に、特色のある魅力的なサービスを用意すれば、テレビ朝日やTBSでなくともランクイン出来るのである。 
他の民放は2ページ目以下で十分ということだろう。 
  シューズで検索をした時に、同じメーカで同じ価格帯の同じサイズの商品ページが、 
1位?10位までズラリと並び検索結果は誰も歓迎をしないのである。 

(3) 百科事典の様な解説ページをGoogleは好む。 
様々な検索クエリに対して、Wikipediaが表示される割合は高い事はご存知だろう。自サイトに用語集や解説ページを用意しておくことは、プラスにこそなれマイナスに働く事はないはずだ。 

(4) 1位?10位のサイトは多様性に富んでいるが、それぞれが関連性のあるサイトと認識をされている点を見逃してはならない。 
番組表もテレビメーカーも放送局もショップも関連しているのである。 

(5)  (4)を受けて、被リンク対策でサテライトサイトを作る場合、テーマの関連性を維持しつつも、多様なテーマにする事が必要になるだろう。 
例えば、テレビ番組表のサイトを運営しているウェブマスターは、テレビ番組表のサテライトサイトばかり作るのではなく、プラズマテレビや液晶テレビといった商品やメーカーショップ、放送局、百貨事典など多様性も考慮して作るべきなのである。関連性と多様性を満たすサテライトサイトからリンクを受ける事で、効果を最大限に高める事が出来ると考えられる。 
 
リンクを沢山つけたけど順位があがらない!ページを増やしたけれども、順位があがらない!と悩んでいるウェブマスターは、上位サイトにはないオリジナルなコンテンツ(サービスや商品も含む)を用意しているかどうか再考して欲しい。 
 
Googleパンダアップデートの項でも説明をしたが、オリジナルコンテンツの用意こそ極めてプライオリティの高いSEOなのだ。 
 
ここで、Query Deserves Freshness(QDF)についても言及しておきたい。 
 
2位に表示されている4月2日(土曜日)17時?23時の番組表。 
この検索結果こそが正にQDFである。 
 
QDFを理解する上で、少し補足説明をしよう。 
2010年6月8日にGoogleは新技術Googleカフェイン(Caffeine)が完成した事を、公式ブログ内で発表をした。 
 
Googleカフェインというインデックスシステムの完成により、従来のインデックスと比較して鮮度が50%以上改善された。 
このテクノロジーにより、ニュースやブログ、ソーシャルコミュニティーサイトなど様々な媒体から、関連性の高いコンテンツを探し出す事が可能になった。インデックスの処理スピードが格段に上がったのである。 
 
検索結果(SERPS)の中に、ニュース検索結果やブログ検索結果などが表示されているのはご存知だろう。 
タイトルの下に、【10分前】など時間まで表示されているが、それほど即時性に対応しているのである。 
これも、Freshness=新鮮さの概念の導入を証左する事象である。 
 
Googleトレンド 

http://www.google.co.jp/trends 

というツールがあるが、これは日々の検索傾向をタイムリーに表示させている。 
 
急上昇ワードという欄があるが、ここに「ラーメン二郎」が表示されている。 
実は、このレポートを書いている時に観ていたテレビ番組の中で、茂木健一郎がラーメン二郎に訪れた場面が出ていたのだ。 
これを受けて一気に視聴者が「ラーメン二郎」で検索をしたものと思われる。 
 
Googleは検索クエリやトラフィックの傾向までほぼタイムリーに把握をしている。 
Googleカフェインにより、迅速に適切な検索結果(SERPS)を返す様になったのである。 
 
計画停電が実施されると発表された際に、「スケジュール」で検索をしてみた。 
YahooやGoogleスケジュール表やAKB48公式サイトスケジュールの中に計画停電実施を伝えるブログが一時的にランクインしていた。(しばらくして消えた。) 
ホットなトピックに対して、更新された情報(ブログや投稿など)が一時的にランク上位に現れる事は良くあるのでる。 
 
GoogleはGoogleカフェインというテクノロジーの完成により、Query Deserves Freshness(QDF)という検索アルゴリズムを実現させた。 
 
では、我々はQDFを受けて何をすべきか? 
 
それは、より鮮度の高い情報に更新する事である。常にメンテナンスは欠かせない。 
(※デッドリンク=リンク切れにはくれぐれも注意をして欲しい。) 
 
ページを増やすだけでなく、既存のページにも一部改変を加えたりする事が求められるだろう。 
 
Googleトレンドにおけるラーメン二郎の事例をご紹介したが、Googleはトレンドに敏感なので、ニーズのあるホットなトピックは積極的に取り上げる事も重要だ。 
 
ここで、登録エージェントを活用した施策を提案したい。 
 
※SEOの王道を外れた自作自演に該当するので、どうか自己責任で読んで欲しい。 
 
リサイクル関係のサイトだが、yahooカテゴリなどお金を一切使わず、登録エージェントのみで、2ヶ月で1ページ目を実現させた事例をもとにしている施策だ。 
 
(1)更新情報(ニュース)のページを追加する。 
 
(2)newsフォルダを作成し、フォルダ内のindexページはニュースの一覧ページにする。 
 
(3)ニュースの一覧ページは、記事へのリンクに加えて記事の概要も記述しておく。 
 
(4)XML形式Sitemapで更新した事を検索エンジンに伝える。 
 
(5)追加或いは更新したニュースページに対して、登録エージェントを使ってどんどん登録をする。 
記事のURL、記事名のアンカーテキストで登録をする。 
登録数は分割せずに、一気に登録してしまう。QDFの事例からもわかる様に、ニュース性の高いコンテンツは、時間軸で考えると一気にリンクが集まる傾向があるからである。 
一気に登録をするのは、あくまでもニュース更新記事のみにする。 
 
以上、(1)から(5)を繰り返し行う。 
 
Googleは新鮮で良質なコンテンツを好む。 
 
→XML形式Sitemapで更新を伝える事で、Googlebot(クローラー)の巡回頻度が高まる。 
 
→良質なコンテンツ(ニュース)は人々に支持され、投票(被リンク)される。 
 
(1)から(5)の手順は、いわゆるGoogleが評価する事象を自作自演する為に作り上げたスキームである。 
 
記事URLにリンクが集まる事で、ドメインオーソリティが高まる効果も見込める。 
 
(1)から(5)は、あくまでも通常行うべきSEOの施策にプラスアルファを加えた部分である事、そして何事もやり過ぎは禁物である事はどうか注意をして欲しい。 
 
以上、Query Deserves Diversity(QDD)とQuery Deserves Freshness(QDF)を踏まえたSEOについて説明をさせていただいた。 
Google SEOのこれからを考えると、【多様性】と【新鮮さ】、そして【オリジナルコンテンツ】を意識した施策が求められる。 
Googleのアーキテクチャを理解する事が不可欠であり、成功の近道なのだ。 
 
 以上。

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