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ドメインネームを買う際の注意点とその資産価値

執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2022年3月30日

「ドメインネーム」という言葉自体は聞いたことがあると思いますが、いざ意味を尋ねられると首をひねってしまう方も多いのではないでしょうか。「ドメイン」と省略して呼ぶこともあります。

ドメインネームを簡単に説明すると、Webページのアドレス部分のことです。例えばYahoo!JAPANのサイトだとhttps://www.yahoo.co.jp/の部分にあたります。インターネット上の住所みたいなものですね。

日本だとあまり馴染みがないですが、実はこのドメインネームには大きな資産価値があり、売買も実際に行われています。特に米国ではさかんになっていて、投機目的で買っている人がいるほどです。

今回は、ドメインネームの持つ資産価値や購入する際に注意について説明していきます。

ドメインネームの構造と上手な活用方法

資産価値を理解するうえで必要な前提知識であるドメインネームの構造や上手な活用方法から説明していきます。 Webページのアドレス部分にあたるドメインですが、更に細かく分けることができます。

先ほどの”https://www.yahoo.co.jp/”を例にすると以下のようになります。

www: 第4レベルドメイン(サブドメイン)
yahoo:第3レベルドメイン
co:  第2レベルドメイン
jp:  トップレベルドメイン

ドメインネームを取得した後に自由に決めることができるのはサブドメインの部分のみです。このサブドメインの賢い使い方をYahoo!JAPANを例に説明していきます。

例えば、Yahoo!トラベルのページを覗くと、”travel.yahoo.co.jp” 、Yahoo!ニュースでは”news.yahoo.co.jp” 、ヤフオク!では”auctions.yahoo.co.jp”となっています。

ドメインネームを賢く使うには、値打ちのあるドメインネームを購入し、サブドメインにいろいろな文字列を入れることが有効です。自社で運営するサイト毎にサブドメインで上手にカスタマイズすることで、お金もかけず、管理も楽にすることができます。

SEOの観点では、Googleは「そのドメインがどのぐらい値打ちがあるか?」、「社会的評価があるか?」という点をWebサイトの評価軸としており、検索順位にも影響します。値打ちが低いドメインだとGoogleから認識されると、そのWebサイトは上位表示されなくなってしまいます。

ドメインネームの価値を高めるためには、先ほどのYahoo!JAPANの例のように1つのドメインからサブドメインを派生させ、アクセス数を増やすことです。アクセス数増により、Googleはこのドメインや、このドメインのサブドメインで開かれているサイトは人気があると評価してくれるのです。

次に人気サイトである「楽天市場」を海外サイトも含めて見てみましょう。
楽天市場はwww.rakuten.co.jp 、「楽天ブログ」では”plaza.rakuten.co.jp” になっているのは先ほどのYahoo!JAPANと同じです。楽天証券、楽天銀行など様々なサービスも同じようにサブドメインでカテゴライズされています。

次に海外サイトです。楽天は米国、ドイツ、ブラジル、台湾にも進出しています。
米国では”rakuten.com”になっています。

この”.com”というドメインは米国では一番価値が高いとされています。”.com”は”commercial”(商用の)の略からきていて、インターネットを象徴するような言葉となっているため、世界的に一番資産価値が高いとされるドメインネームの種類になっています。

一方、日本ではカンパニーの略である”.co.jp”の値打ちが高く、1法人で1個しか買えません。その他には”.jp”も人気のドメインネームとなっていて、こちらのドメインネームはいくつでも買えます。ただ年間の維持費が数千円しますので、”.com”などに比べるとちょっと高いです。

Webサイトを海外展開する際は”.com”が好ましいです。ただ、潤沢な資金や人員、エネルギーを海外事業に投入出来ないときは、先ほど紹介したようにサブドメインを有効活用するのが良いでしょう。例えば、楽天さんでしたら”usa.rakuten.co.jp”にする、などです。その理由は新しいドメインに変更すると、Googleの評価はまたゼロからのスタートとなるからです。

ドメインネームの価値や信用を上げるためには、多くのアクセス数が必要であったり、多くのサイトからリンクをもらうこと(被リンク獲得)が重要です。それがないと未熟なドメインネームということで終わってしまい、Google検索で結果上位に表示されません。注意点としては、たくさんのリソース(資金、人員、エネルギー)を投下できなければ、新しいドメインネームは買わないほうが良いです。

既存のドメインネームを使いながら、カテゴライズする方法では先ほど紹介したサブドメインの他にサブディレクトリを用いる方法もあります。例えば、Auctionというカテゴリーを例にすると以下のようになります。

サブドメイン:  auction.aaaaa.co.jp
サブディレクトリ:www.aaaaa.co.jp/auction/

サブドメインとサブディレクトリによって、評価に差がないことは2018年11月にラスベガスのカンファレンスで発表されています。Googleのゲーリー・イリーズという技術者が「サブドメインもサブディレクトリも評価は同じだ」と明言したのです。

ドメインネームの資産価値

ドメインネームを決めるときに最重要なのは第3レベルドメインで、これは申請時に自由に決めることが出来ます。ユニークなネーミングや文字列が長いなど、あまり他の人が使わないドメインネームであれば使用することができますが、人気のある文字列は売り切れてしまいます。また、単語が一つで短い方が価値が高まりやすくなります。ここまで説明すると想像できるかもしれませんが、この人気のあるドメインネームには大きな資産価値がつく場合があります。

簡単な例をあげると、ホテル事業をやっていて、”hotel.com”とか”hotel.net”を希望しているとします。そして、調べてみるとほとんどのドメインネームが売り切れになっています。売れ残っている”hotel.inc”は98,000円、”hotel.or.jp”は3780円となっています。支払いは購入時の一回ではなく、年額である点も注意が必要です。
また購入者を限定されるドメインネームもあることも注意点です。例えば、上記の”hotel.or.jp”の購入者には規定があり、これは社団法人とか財団法人といった公共団体的な組織しか購入することができないのです。加えて”.net”や”.com”は一人の個人や法人でいくつでも買えるのですが、”.or.jp”は1つしか買えません。

上記の例の年額約10万円は少し頑張れば手の届く範囲かもしれません。ただ、米国では1つの単語の人気のあるドメインネームで3億円以上で売れる場合もあります。 日本では投資目的でドメインネームを買うことはあまりないですが、米国ではドメインネームの転売で荒稼ぎしている人もいるそうです。

ドメインネームの売買

ドメインネームの売買はサイト上で行うことができます。皆さんにおすすめのサイトはValue domain(バリュードメイン)です。他には「お名前ドットコム」も有名なサイトです。

Value domainを見たところ今は2019年9月ですが、「今月のおすすめドメイン.com 899円」とあります。これは先ほどもお伝えしたとおり、年間の維持、登録料金なので、毎年かかる金額です。 Value domainへ行って(<人気ドメイン>『.com』890円!)の記入欄に自分が思いついたドメインを入れてみましょう。そのドメインが売り切れでなければ、誰でもすぐ買うことができます。

ドメインネーム購入の注意点

購入の際に、他と比べて安いドメインネームが紛れ込んでいることがあります。
例えば、他が1,000円とか899円とかで販売されているなか、”.biz”が299円となっている場合などです。

しっかりと確認しないと、実は初年度だけこの価格で2年目以降、数千円かかるといった場合もあります。安いと思って即購入するのではなく、2年目以降の料金も確認したうえで買いましょう。

購入後の注意点として、支払いを怠るとドメインネームを失効する可能性があります。特に人気のドメインネームである場合は1日でも支払いが遅れてしまうと他の人(会社)に渡ることもあります。 ドメインをライバル会社に買われてしまうとお客さんをとられてしまうことも考えられます。なぜなら、お客さんはそのドメインネームを覚えていかも知れませんし、Googleでも検索に掛かっているためです。ドメインネームの支払いは絶対に忘れないようにしましょう。

まとめ ドメインネームは賢く買って、賢く使う

ドメインの購入方法からどのような資産価値を持つかについて、ご理解いただけたでしょうか。

何千万、何億円で転売できるなど無限の可能性を持ちます。
「ドメインネームは賢く買って、賢く使う」と心に刻んでおいてください。

Webビジネスをするうえで1番の財産なので大切に使いましょう。

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