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SEO効果のあるサイト内リンクの張り方

執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2021年11月17日

Webサイトは昔から「リンクでいっぱい」です。これはWebサイトが生まれた30年前の黎明の時代からその原則は変わりません。サイトが成長すればするほど、どのページもリンクが張りめぐらされていくはずです。

リンクを張る作業自体は、昔も今もたいして難しいことではありません。しかし、たくさんリンクを張っていくと後から、リンクの変更を大量にする必要が出てきたときに厄介です。これは、HTMLのコーダーやオペレーターであればよく痛感しているでしょう。

リンクの修正はあまり起こしたくないものですが、SEOでも、リンクの設定はとても大切です。やり方を間違えると、時間がたってから一気に修正する羽目になる恐れがあります。

では、SEO上の望ましいリンクの張り方とは? どうやって設定していくことが妥当なのでしょうか?

サイト内のリンクの張り方、模範となる事例

企業サイトを長年観察していると、リンクの張り方が上手な事例に出くわすことがあります。

リンクの設定は、手作りのWebページではアンカータグを使うだけですし、WordPress等のCMSではリンクを張りたい部分を選択してリンク先のURLを入力するだけで終了する程度の簡単な作業です。

しかし作業だけなら簡単でも、リンクの設定は奥が深いもの。意識が足りないと、リンクの張り方が下手になってしまう恐れがあるのです。

1 ECサイトの場合

では、リンクの張り方が上手な例を見てみましましょう。

Googleで「HDMIケーブル」という言葉で検索すると次のようなサイトが上位表示されています:

それらのページを全体をキャプチャした画像もご覧ください:

HDMIケーブルは、TVやDVDレコーダーやプロジェクター等を接続するケーブルで日本のほとんどの家庭に普及しているありふれた商品です。

HDMIケーブルを買いたくなった消費者は、どのように頭を働かせるでしょうか?

「今、持っているHDMIケーブルが破損した」といった事情から、早く補充したい消費者の心理です。むしろ頭の中はシンプルでしょう。とにかく、一刻も早く目当てのHDMIケーブルを発見して注文したい、それだけではないでしょうか。

したがって、HDMIケーブルの型番等が大量に並んでいるページにさっさとアクセスしたい、というわけです。その他のケーブル商品ですとか、あまり関係のない家電製品ですとかに関心が移ることはおそらくないでしょう。

※↓これらの条件がそろったWebページに行きたいはずです。

  • 良質のHDMIケーブルを選べるページ
  • 無関係の商品の情報がないページ
  • 無関係の情報へのリンクがないページ

このように、消費者である全国の無数のネットユーザのマインドを予測することがSEOでは常に大事なルールなのです。売り手である自社の立場ばかりにとらわれていると、的を射た推察はできなくなります。

ネットユーザーのマインドを予測することを「検索意図を予測する」と言います。

ネットユーザーの検索意図を満たす度合いが高いページが上位表示するようになっています。

実際にこのキーワードで上位表示しているページのほとんどは次のようなページの構成になっています。

  • このページ構成の特徴は:

    • 商品詳細ページへのリンクがメインコンテンツ部分にたくさんある【青の部分】
    • メインコンテンツと関連性の低いページへのリンク【赤の部分】のほうが(1)よりも少ない
  • このようにたくさんの商品詳細ページへのリンクがあり、その商品と関連性の低いページへのリンクが少ない構成のページが上位表示するようになってきていることは明らかです。

  • そのページと関連性の高いページへのリンクを増やし、関連性の低いページへのリンクを極限まで減らすようにしましょう。

    2 地域ビジネスの場合

  • 物販関係のキーワード以外でも観察を試みましょう。今度は地域ビジネスのキーワードです。

  • 「歯科医院 大阪」でGoogle検索すると・・・

    この言葉の組み合わせで検索するユーザが欲している情報は、大阪市内または大阪府内の歯科医院の情報でしょう。

    したがって、大阪市内または多さ府内の歯科医院を紹介するページにたくさんリンクを張っているページが検索の1位から3位までを占めています。

    これらのページの構成は次のような構成です。

    以上が、コアアップデートと呼ばれる、Googleの最新のアルゴリズムが実装されて以後の、上位表示されやすいWebページの模範例です。関連性が高いリンクがページ内のリンクのほとんどでないと、Google上位表示は困難になります。

    ページにあるメインコンテンツと関連性が高いページへのリンクを増やし、関連性が低いページへのリンクを減らしましょう。

    このような、サイト内リンクの張り方に関して上級者を目指すには?

    自社サイトの競合となるような他社の動向を調べることが第一でしょう。自社サイトと競合が、同時に選びそうなキーワードで検索を繰り返し行いましょう。やはり、何らかの商品名やサービス名、カテゴリ名がおすすめです。

    関係性の深いリンクばかりを張っている競合のページが出てきたら、負けないように分析して対策を練らないといけません。この作業は、見込み顧客=ネットユーザが求めているサービスや情報が何なのか教えてくれる、ありがたい過程でもあります。

    それから……時間が空いたときは、自社サービスとあまり関係がないキーワードでも検索してみると参考になるサイトがたくさん見つかるものです。

    まとめ

    サイト内の各ページのリンクの張り方が間違っていると検索順位を下げてしまうというリスクがあるほど、リンクの重要性は高いです。

    • 顧客層となるネットユーザの行動心理を想定しつつ、リンクを入れる位置やリンクの内容を決めていくことがSEOの不変のルールとなる。
    • そのページと関連性が高いページへのリンクは、サイドメニューのような目立つ位置に入れてかまわない。
    • しかし、その反対で関連性が低くてそのページにやってきたユーザが欲しがらない情報ページへのリンクは、フッタにまとめたりポップアップメニューにまとめたりと、邪魔にならない方法で入れる。
    • 競合相手のサイトの中で、検索順位が高いところを中心に、たまにリンクの位置や入れ方を調べて参考にすることは良いことである。

    リンクのようなささいに感じられることでも、SEOにさまざまな形で影響を及ぼしているのです。適当にリンクを張ることは避けましょう。

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