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2019年のコアアップデートの特徴

執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2021年8月15日

Googleのコアアルゴリズムアップデートは過去数年、年に平均3回のペースで実施されてきました。

2019年は3月12日・6月3日・9月24日と3ヶ月おきに3回実施されました。

2019年度の最後のコアアップデートは9月下旬でしたが、この直後に「検索順位がガタ落ちになってしまった」そんな嘆きがよく聞こえてきました。しかしあきらめるのは早急で、復活を目指すことは十分可能です。

2019年のコアアップデート、それぞれの特徴

Googleは一定のペースでコアアップデートを繰り返してきました。2019年の3月・6月・9月の変遷についてまとめた表があります。


2019年のコアアップデート3回の特徴を1つ1つ見てみましょう。

1.2019年3月のポイント:「クエリとの関連性」

この直後に順位が不振だったWebサイトは、往々にしてクエリとの関連性が低かったのです。早い話、検索ユーザが入力したワードとの関連性が低いことが原因でした。「クエリ」とは直訳すると「問い」という意味で、検索エンジン業界ではユーザーが検索するキーワードという意味です。

例えば、「ハワイ オプショナルツアー」という組み合わせで検索したユーザがいたとしましょう。そのユーザは何をほしがっているのでしょうか? いうまでもないことですが、ハワイのオプショナルツアーの何かでしょう。

では、関連性を高めるには?? Webページ内に、ハワイのオプショナルツアーのことが書かれていなければいけません(もっとも、キーワードをただ入れるだけではNGであって、ツアーに関して豊かな最新情報が正確に詰め込まれていないといけないのですが)。

しかし、ツアーに関する詳細が簡潔に詰め込んであったとしても、それ以外の情報もたっぷりと入っていたら?いったいどうなるでしょうか?

今では、その余分な情報があるだけで「クエリとの関連性」を損なってしまうのです。

というわけで、Webページ内にハワイのオプショナルツアーのほかにグアム島のツアーやラスベガスの情報まで入っていたら、順位は上がらなくなることでしょう。そのほかホテルの情報や交通機関の情報、飲食店の情報~と、すべて省いたほうが安全です。これらの情報はオプショナルツアーと関係があるように感じられるかもしれませんが、書けば書くほどページ全体のクエリとの関連性を悪化させてしまうでしょう。

しかもこの傾向は、リンクまでが対象となります。ツアーのWebページには、どこかの観光地や何かのツアーのページへのリンクがどこかに入れてあることが普通でしょう。しかし、ひとつふたつならまだしも何十と入っていると、ノイズとなります……順位を下げる原因になってしまっても驚きではありません。

クエリと関係がない情報は、どんどん省いていかないといけません。リンクまで含めて、ノイズになってしまう無関係コンテンツを洗い出しましょう。そしてどんどん減らしていきましょう。

※その反対で、クエリとの関連性を高めたいなら、リンクまで含めてハワイのオプショナルツアーの情報ばかりで構成することが求められます。ハワイのオプショナルツアーをテーマとしたWebページへのリンクがひとつふたつしかないなら、10以上にしたいところです。

さまざまなハワイのオプショナルツアーの詳細ページへのリンクを掲載すれば、訪問してきたユーザにとってもメリットがあるでしょう……いろいろなツアーをチェックできるわけですので。

ライバルの会社が、関連性の高いリンクを10個載せているなら、対抗するには2倍以上載せるようにしたほうが正解です。2倍どころか、10倍くらいでもいいくらいです。

1ページ内に載せられるだけ載せて、クエリとの関連性をどんどん高める努力をしましょう。

2.2019年6月のポイント:「クエリとの関連性」「コンテンツの信頼性」

クエリとの関連性が引き続き重要なことは自明の理ですが、コンテンツの信頼性まで合わせて要求される傾向が一気に強まりました。

ハワイのオプショナルツアーにしても、ハワイに渡航した経験もない人が記事を書いていたとしたら、信頼できないでしょう。とはいえ、この手の記事は案外と珍しくないものでした。紙媒体しかない時代からたくさんあったはずです。そしてインターネットが登場しても、適当に書かれた記事であふれていたのです。

しかし、このような信頼できない記事も、Googleの技術の進化とともに淘汰される運命となってしまったのです。

ハワイのオプショナルツアーがテーマのページであれば、実際にハワイに観光に行って満喫した経験を持つ書き手が、手がけるべき。そして書き手は、実際に自分自身のハワイにおける見聞をサイト内で披露していくほうが、読者に喜ばれます。これはコンテンツの信頼性向上につながります。

※もちろん、自分自身で行きたい気持ちはやまやまでも、諸事情で行けないことはあるでしょう。

そのようなときは、

  • 誰かに実際にハワイに旅してもらって書いてもらう
      (文章を書くのも手間暇や素質が必要ですが…その場合は文章化だけはプロに任せるのもいい手です)
  • すでにハワイに詳しい専門家を探して、情報を提供してもらう
      (実際に書いてもらえたら最高ですが、難しいなら?やはり文章化は別に外注してもいいでしょう)

~といった手を使うとよいでしょう。

さて、今紹介したような手を使おうとしてもうまくいかないなら?

せめて、ページ内に掲載するリンク先を厳選しましょう!

できれば、ページ内に掲載する情報に合わせて、その情報の根拠・証拠となるようなソースをできるだけたくさん探し出して、載せることがおすすめ

もちろん、信頼のおけるソースであることが大前提です……たとえば、官庁が直々に発表したデータであるとか、誰もが安心できるようなソースを載せることがポイントです。

3.2019年9月のポイント:「クエリとの関連性」「コンテンツの信頼性」「被リンクの信頼性」

2019年最後のコアアップデートでは、この年に重視されたクエリとの関連性にコンテンツの信頼性が両方、引き続き尊ばれる~、に加えて被リンクまで重視されることが判明しました。

各Webページのコンテンツが、信頼できるように見えたとしてもGoogleはそれだけでは「不充分」と判断するようになったのでしょう。そこで裏付けの一部として、被リンクを判断材料に選んだのだと推定できます。

ハワイのツアーくらいだったら、ささいなミスが起こってもおおごとになる恐れはほとんどないでしょう。

しかし、Webサイトの内容によっては、僅かなデータの間違いが重大な過失につながるかもしれません。その誤ったコンテンツを信じてしまったネットユーザが、取り返しのつかない損害をこうむったら、サイト運営側の責任が追及されるかもしれません。

たとえば、医療や健康に関するWebサイトだったら、書かれている療法に間違いがあったら、信じた人が(あくまでも最悪のケースで、実現性は低いでしょうが……)死亡してしまうかもしれません。

また、法律に関するサイトの場合なら? また違った意味で、重大な結末を招いてしまうでしょう。

インターネットの黎明期は、各サイトのコンテンツの信頼性はおざなりでした。しかしWeb2.0時代を経て、信頼できるコンテンツを求める風潮は確実に強まっています。

その風潮に逆らうわけにはいきませんし、「現在のWebサイト運営者は、各ページのコンテンツの信頼性を証明する義務がある」といえるでしょう。

幸い2019年9月のコアアップデートでは、その証明方法として被リンクを使えることが明らかになりました。

とても信頼できる情報を載せるサイトからどしどしリンクを受けること。これに成功すれば、自然と信頼されるサイトという扱いを受けられます……少なくとも、Googleのアルゴリズムはそのように設計されているのです。

まとめ:2019年のコアアップデートで淘汰されないサイトになるために

2019年の3回にわたるコアアルゴリズムアップデートで、これまで順位がよかったWebサイトも突然、SEOがうまくいかなくなってしまいました。

  • 3月に「クエリとの関連性」の必要性が高まった
    →キーワードと無関係なコンテンツは省くことが求められる
  • 6月に「クエリとの関連性」と同時に「コンテンツの信頼性」の必要性が高まった
    →実体験にもとづいた文章を書き、信頼されるソースを引用することが求められる
  • 9月に「クエリとの関連性」「コンテンツの信頼性」と同時に「被リンクの信頼性」」の必要性が高まった
    →信頼されるWebサイトからリンクを集めることが求められる
  • とりわけ信頼性の必要性が高いWebサイトは「YMYL」にあてはまる業界で、主に「美容・医療・健康・法律・金融」といった、ユーザに与える影響が大きいジャンルのWebサイト

これらを脳裏に刻み込んでから、Webサイトに今あるページの内容を改善するとともに、新しくページを作るときは最初からこれらの条件を満たすページを作りましょう。

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