課題
全国に数多くの葬儀場を展開されている葬儀会社様からご相談をいただいた時、最も大きな課題は「地域名を含む検索で十分に集客できていないこと」でした。この会社様は全国規模で事業を展開しており、実績や知名度も十分にありました。実際のサービス品質も高く、多くのご遺族から信頼を得ていました。
しかし、Webサイトからの集客という視点で見ると、その強みを十分に活かし切れていませんでした。葬儀を検討している方の多くは、
・葬儀場 ○○市
・葬儀 ○○区
・家族葬 ○○市
・葬儀会館 ○○市
といった地域名を含むキーワードで検索します。葬儀は地域密着型のサービスであり、自宅やご実家の近くで葬儀場を探すケースがほとんどだからです。
ところが当時のサイトは、全国向けの情報が中心になっていました。地域ごとのページは存在していましたが、その多くが施設情報を簡単に紹介するだけの内容になっており、「その地域で葬儀を検討している人」が本当に知りたい情報までは掲載されていませんでした。例えば利用者が知りたいのは、
・どのような葬儀ができるのか
・費用はどれくらいかかるのか
・家族葬は可能なのか
・事前相談はできるのか
・地域特有の風習はあるのか
といった内容です。しかし当時のページには、そうした情報が十分に掲載されていませんでした。
また、全国規模で展開している企業ならではの問題もありました。各地域ページの内容が似通っていたため、Googleから見ると重複性が高いサイトと判断される可能性がありました。さらにページごとの情報量にもばらつきがあり、内容が薄いページも少なくありませんでした。
信頼性の伝え方にも改善の余地がありました。葬儀というサービスは人生の中でも特に慎重な判断が求められるものです。利用者は料金だけではなく、
・本当に信頼できる会社なのか
・スタッフは親身に対応してくれるのか
・実績はあるのか
・安心して任せられるのか
を重視します。しかし当時のサイトでは、その安心感を十分に伝えられていませんでした。
つまり、
・地域キーワードで十分に上位表示できていない
・全国サイトの色が強く地域性が弱い
・コンテンツの独自性が不足している
・信頼性を十分に伝えられていない
という複数の課題を抱えていたのです。
実施内容
私はまず、「全国企業としての強みを活かしながら、地域ごとの専門性を高める」という方向でSEO戦略を見直しました。最初に取り組んだのは地域ページの全面的な改善です。それまでは施設紹介が中心でしたが、単なる施設案内では利用者の不安を解消できません。
そこで各地域ページを、「その地域で葬儀を検討している方のための情報ページ」として再構築しました。具体的には、
・地域で多い葬儀形式
・葬儀費用の目安
・葬儀当日の流れ
・事前に準備しておくこと
・地域特有の風習や特徴
などを詳しく掲載しました。特に重視したのは地域性です。以前のように文章を使い回すのではなく、それぞれの地域事情に合わせて内容を作成しました。その結果、一つひとつのページが独立した価値を持つようになりました。
次にサービスページの改善を行いました。家族葬、一日葬、一般葬などの各プランについて、
・どのような方に向いているのか
・どのようなケースで選ばれるのか
・費用はどれくらいかかるのか
を具体的に説明しました。単なるプラン一覧ではなく、利用者が自分の状況に当てはめて考えられる内容へ改善したのです。
さらにコンテンツの拡充にも力を入れました。葬儀を経験する機会は多くありません。そのため多くの方が不安や疑問を抱えています。そこで、
・葬儀費用の考え方
・家族葬の流れ
・亡くなった直後に行うこと
・香典やマナー
・事前相談の重要性
など、実際によく検索されるテーマの情報ページを増やしていきました。こうしたページはロングテールキーワード対策としても非常に効果的でした。
内部リンクについても見直しました。地域ページ、サービスページ、お役立ち情報ページを相互につなぎ、利用者が自然に必要な情報へ進める導線を整えました。その結果、サイト内の回遊率も向上しました。また、信頼性を高めるための改善も行いました。具体的には、
・葬儀実績
・施設写真
・スタッフ紹介
・相談事例
・お客様の声
などを充実させました。葬儀業界では信頼が何よりも重要です。そのため、安心して相談できる会社であることをサイト全体で伝える構成へ改善しました。
さらに、新しい情報の追加や既存ページの更新も継続的に実施しました。SEOは一度対策すれば終わるものではありません。継続的な改善によってサイト全体の評価を高めていきました。
成果
改善を続けた結果、「葬儀場 地域名」という重要なキーワードで各地域ページが上位表示されるようになりました。これまで十分に獲得できていなかった地域検索からのアクセスが大きく増加しました。
特に成果が大きかったのは問い合わせの質です。地域名を含む検索をする人は、すでに葬儀場を探しているケースが多く、相談や来館につながる割合が非常に高くなります。
そのためアクセス数だけではなく、実際の問い合わせ件数や来館予約も増加しました。
また、各地域ページの評価が高まったことで、新しく作成した地域ページも比較的早く上位表示されるようになりました。これによって全国規模でのSEO展開がさらに加速しました。さらにブランド認知の向上も大きな成果でした。以前よりも各地域での露出が増えたことで、「地域で葬儀を依頼するならこの会社」という認識が広がっていきました。
結果として、
・地域キーワードでの上位表示
・検索流入の増加
・問い合わせ数の増加
・来館予約の増加
・ブランド認知の向上
を同時に実現することができました。単にアクセスを増やしただけではなく、実際の契約や売上につながる集客基盤を構築できたことが最大の成果だったと思います。
まとめ
この葬儀会社様の事例で改めて感じたのは、全国展開している企業であっても、地域ごとの最適化がSEO成功の鍵になるということです。特に葬儀業界のような地域密着型サービスでは、「地域名 × サービス名」のキーワードが非常に重要になります。
しかし単に地域名を入れれば良いわけではありません。その地域で葬儀を検討している方が本当に知りたい情報を丁寧に提供することが大切です。今回の成功要因は、
・地域ごとに独自性のあるページを作ったこと
・利用者の不安や疑問に答えるコンテンツを増やしたこと
・サイト全体の構造を整理したこと
・信頼性を可視化したこと
にありました。私はこれまで様々な地域ビジネスのSEOを支援してきましたが、成果を出している企業には共通点があります。それは地域の利用者目線で情報発信をしていることです。
今回の葬儀会社様も、全国企業としての規模に頼るのではなく、一人ひとりの利用者が求める情報を地域単位で丁寧に提供したことで大きな成果につながりました。SEOとは検索順位を上げることではなく、困っている人に必要な情報を届けることなのだと改めて実感した事例でした。
