課題
今回ご紹介するのは、東京都内でダイビングスクールを運営している企業様の事例です。
このスクール様は長年にわたりダイビングライセンス講習やダイビングツアーを開催しており、多くの受講生を育成してきた実績を持っていました。実際に利用されたお客様からの評判も良く、講習の質やスタッフの対応にも定評がありました。しかし、その魅力がインターネット上では十分に伝わっていませんでした。
特に課題になっていたのが、「ダイビングライセンス」という最も重要なキーワードでの検索順位です。ダイビングスクールにとってライセンス取得講習は新規顧客獲得の入り口となる非常に重要なサービスです。しかし当時は、このキーワードに対応するページが検索結果の上位どころか圏外に近い状態になっていました。
せっかくサービス内容に自信があっても、見込み客に見つけてもらえなければ問い合わせにはつながりません。実際にWebサイトを確認すると、サイト全体の構造にも課題が見られました。どのページで何を伝えたいのかが曖昧になっており、検索エンジンから見ても専門性が伝わりにくい状態だったのです。
また、ダイビングに興味を持ち始めた人が知りたい情報も十分ではありませんでした。ダイビングライセンスを取得したいと考える人の多くは、
・泳ぎが苦手でも大丈夫なのか
・初心者でも取得できるのか
・費用はいくらかかるのか
・どんな講習を受けるのか
・一人でも参加できるのか
といった不安を抱えています。
ところが当時のページでは、そうした疑問への回答が十分ではありませんでした。さらに、サイト全体がテキスト中心で構成されていたため、スクールの雰囲気や講習の様子、海の魅力などが伝わりにくい状態でもありました。ダイビングは体験型のサービスです。商品のように写真1枚で魅力を伝えられるものではありません。実際にどんな人たちが参加しているのか。どんなインストラクターが教えてくれるのか。どんな海で潜るのか。そうした情報が伝わらないと、初心者は不安になり申し込みをためらってしまいます。
また、当時はGoogleの評価基準も大きく変化していました。以前のようにキーワードを増やしたり被リンクを集めたりするだけでは上位表示が難しくなり、ユーザー満足度やコンテンツの質が重視される時代へ移行していたのです。つまりこのスクール様は、
・重要キーワードで上位表示できていない
・サイトの専門性が伝わりにくい
・初心者の不安を解消できていない
・スクールの魅力が十分に伝わっていない
という複数の課題を抱えていました。そこで、Webサイトから安定してライセンス講習の申し込みを獲得できる状態を目指し、SEO対策を進めることになりました。
実施内容
まず取り組んだのは、サイト全体の設計を見直すことでした。当時はページごとの役割が曖昧になっており、複数のページで似たような内容を扱っていました。そこで「1ページ1テーマ」を徹底し、それぞれのページがどのキーワードを担当するのかを明確に整理しました。特に「ダイビングライセンス」という最重要キーワードについては専用ページを強化し、検索エンジンにもユーザーにも分かりやすい構造へ改善しました。
次に力を入れたのがランディングページの改善です。ダイビングライセンスに興味を持つ人は、期待と同時に大きな不安も抱えています。そこで、
・泳ぎが苦手でも参加できること
・初心者が多く参加していること
・年齢を問わず始められること
・講習内容が分かりやすいこと
などを丁寧に説明し、不安を解消できるページへ改善しました。
また、実際の受講生の声や講習風景も積極的に掲載し、初めて訪れた人でも安心感を持てる構成を意識しました。さらに、問い合わせや申し込みへの導線も見直しました。せっかく興味を持っても、申し込み方法が分かりにくければ機会損失につながります。そこで、ページ内の重要な位置に問い合わせボタンや申し込み案内を配置し、スムーズに行動できるよう改善しました。
今回の施策の中でも特に大きな効果を発揮したのが動画コンテンツの活用です。ダイビングの魅力は文字だけではなかなか伝わりません。そこで講習の様子やツアー風景、海の中の映像、参加者の笑顔などを動画で紹介していきました。プロモーション色の強い映像ではなく、実際の雰囲気が伝わる自然な映像を重視したこともポイントでした。
動画を見ることで、「自分でもできそう」「楽しそう」「このスクールなら安心できそう」という気持ちを持ってもらいやすくなったのです。
動画はWebサイトだけでなくYouTubeでも活用しました。その結果、検索エンジン以外からの流入も増え、新たな集客経路として機能するようになりました。また、コンテンツの品質改善も継続的に行いました。新しいページを増やすだけではなく、既存ページを見直しながら情報を追加し、内容が薄いページは統合や整理を行いました。サイト全体の品質を高めながら、ダイビングライセンス取得を検討している人にとって役立つ情報を積み重ねていったのです。
成果
こうした改善を継続した結果、「ダイビングライセンス」という重要なキーワードで上位表示できるようになりました。それまで検索結果でほとんど見つけてもらえなかった状態から大きく改善し、安定して検索エンジンからのアクセスを獲得できるようになりました。アクセス数が増えたことも大きな成果でしたが、それ以上に価値があったのはユーザーの行動が変化したことでした。動画コンテンツや充実した情報によって、サイトの滞在時間が大きく伸びました。
以前はすぐに離脱していたユーザーが、複数のページを閲覧しながらスクールについて理解を深めるようになったのです。その結果、問い合わせ数やライセンス講習の申し込み数も増加しました。単にアクセスが増えただけではありません。講習内容やスクールの雰囲気を理解した上で問い合わせをする人が増えたため、成約率も向上しました。
また、動画によってスクールの魅力が伝わりやすくなったことで、競合との差別化にも成功しました。受講前からインストラクターや講習の雰囲気を知ることができるため、安心感や信頼感が高まり、申し込みの後押しになったのです。
さらに、YouTube経由でスクールを知る人も増え、SEOだけに依存しない集客基盤も構築できました。Webサイトが単なるパンフレットではなく、新規受講生を継続的に集める営業ツールとして機能するようになったのです。
まとめ
今回の事例で改めて感じたのは、SEOは検索順位を上げることだけが目的ではないということです。仮に上位表示できたとしても、訪問した人が不安を感じたままでは申し込みにはつながりません。特にダイビングのような体験型サービスでは、安心感や期待感を伝えることが非常に重要です。
今回のダイビングスクール様も、検索順位の改善だけでなく、初心者が抱える不安を解消し、実際の体験をイメージできる情報発信を行ったことで大きな成果につながりました。現在のGoogleは、ユーザーにとって価値のあるサイトを高く評価する傾向をますます強めています。だからこそ、テクニックだけに頼るのではなく、お客様が本当に知りたい情報を丁寧に提供することが大切です。今回の成功事例は、検索順位の向上と申し込み数の増加を同時に実現するためには、ユーザー体験の改善が欠かせないことを改めて教えてくれた事例でした。
