課題
今回ご紹介するのは、東京都内で海外旅行やオーダーメイドツアーを提供されている旅行代理店様の事例です。
こちらの会社様は長年にわたり海外旅行商品の販売を行っており、特定の国や地域に強みを持つ専門旅行会社として一定の知名度を持っていました。しかし2024年以降、ホームページからの集客状況に変化が現れ始めました。以前はGoogle検索で上位表示されていた記事から継続的にアクセスが発生していましたが、徐々にクリック数が減少してきたのです。
Googleサーチコンソールを確認すると、
・検索順位はそれほど落ちていない
・表示回数も大きくは減っていない
にもかかわらず、クリック数だけが減っているという状態でした。さらに調査を進めると、Google検索結果の上部に表示される「AIによる概要(AI Overview)」にユーザーの疑問に対する答えが表示されており、多くのユーザーがサイトを訪問しなくても満足してしまっていることがわかりました。
また、ChatGPTやGoogleのAIモードで、
・おすすめの旅行会社
・オーストラリア留学に強い会社
・海外研修に強い旅行代理店
・シニア向け海外旅行会社
などの質問をすると、競合他社は表示されるにもかかわらず、自社がほとんど紹介されていませんでした。そのため、
・今後AI検索が普及したらさらにアクセスが減るのではないか
・SEOだけ続けていても意味がなくなるのではないか
・どうすればAIに紹介されるようになるのかわからない
という悩みを抱えるようになりました。
そこで、「AIモードやChatGPTに取り上げられる旅行会社になるにはどうすれば良いのか知りたい」ということでご相談をいただきました。実際にサイトを分析した結果、いくつかの問題点が見つかりました。
まず、旅行商品の説明は充実していましたが、
・会社の実績
・累計利用者数
・専門家としての強み
・具体的な成功事例
・お客様の体験談
などの情報が不足していました。また、
・料金例
・旅行プランの実例
・よくある質問
など、AIが好む構造化された情報も少ない状態でした。
さらに、Googleレビューは存在していたものの件数が少なく、口コミの蓄積も十分ではありませんでした。つまり、人間が見てもAIが見ても、「信頼できる旅行会社である根拠」が不足していたのです。
実施内容
今回のプロジェクトでは、AIモード・AIによる概要・ChatGPTの3つを意識した対策を実施しました。まず最初に行ったのは、AIが実際にどのような旅行会社を紹介しているのかを調査することでした。ChatGPTやGoogleのAIモードに対して、
・おすすめの旅行代理店を教えてください
・オーストラリアに強い旅行会社はどこですか
・海外研修に強い会社を教えてください
などの質問を行いました。
その上で、「なぜその会社を選んだのですか?」という追加質問を行い、選定理由を分析しました。すると共通点が見えてきました。AIが紹介している企業は、
・創業年数が長い
・実績が多い
・レビューが豊富
・事例が充実している
・専門分野が明確
という特徴を持っていたのです。
そこでまず、自社サイト上に不足していた実績情報を大幅に追加しました。例えば、
・創業年
・累計利用者数
・サポート人数
・取扱国数
・提携先数
などです。
さらに会社案内ページも見直しました。単なる企業紹介ではなく、
・なぜこの事業を始めたのか
・どんな理念でサービスを提供しているのか
・どのような専門性を持っているのか
を詳しく掲載しました。
次に取り組んだのが成功事例の強化です。AIは実績を重視する傾向があります。そこで、
・留学成功事例
・海外転職成功事例
・語学習得成功事例
・海外進学成功事例
などを増やしていきました。単なる感想ではなく、
・出発前の悩み
・実施内容
・成果
を具体的に掲載したのです。
さらにAI検索向けのQ&Aコンテンツも大幅に増やしました。例えば、
Q. 留学にはいくらかかりますか?
Q. 英語が話せなくても留学できますか?
Q. シニアでも海外留学できますか?
Q. 社会人留学は可能ですか?
などです。これらはAIが回答として引用しやすいよう、
・結論ファースト
・Q&A形式
・比較表
・箇条書き
を活用しました。
また、Googleレビュー対策も実施しました。留学や旅行を終えたお客様に対して、レビュー投稿用URLを案内し、「応援メッセージをお願いします」という形で自然にレビュー投稿をお願いしました。その結果、レビュー件数も徐々に増加していきました。
さらに、AIが理解しやすいように、
・著者情報
・監修者情報
・会社情報
・所在地
・営業時間
なども整備しました。
記事についても見直しを行いました。以前は一般論の記事が多かったのですが、
・実際に現地へ行った感想
・スタッフの体験談
・現地で撮影した写真
・取材レポート
などを積極的に追加しました。AI検索時代では、誰でも書ける一般論よりも、経験や体験に基づく情報が重要になるからです。
また、旅行費用についても改善を行いました。従来は概算費用だけを掲載していましたが、
・短期留学の実例
・長期留学の実例
・社会人留学の実例
・親子留学の実例
など、具体的なケーススタディを掲載しました。これにより、AIにもユーザーにもわかりやすい情報となりました。
成果
こうした改善を継続した結果、徐々に変化が現れ始めました。まず、GoogleのAIによる概要に自社サイトの情報が引用されるケースが増えてきました。さらにGoogleのAIモードでも、特定の留学関連クエリや旅行関連クエリにおいて自社が候補として表示されるようになりました。
また、ChatGPTでも旅行会社の候補として紹介されるケースが確認できるようになりました。その後徐々に、検索結果からのクリック数も改善しました。これはAIによる概要に表示されたことにより、ユーザーが会社名を認識し、指名検索を行うケースが増えたためです。
問い合わせ内容にも変化が現れました。以前は、「資料を送ってください」という問い合わせが中心でしたが、改善後は、
「AIで調べて御社を知りました」
「ChatGPTで紹介されていました」
「AI検索で実績を見て相談したくなりました」
という問い合わせが増えたのです。
さらにGoogleレビュー数も増加し、会社としての信頼性も向上しました。
結果として、
・AIによる概要への掲載
・AIモードへの掲載
・ChatGPTでの紹介
・指名検索の増加
・問い合わせ数の増加
という成果につながりました。
まとめ
今回の事例で改めて感じたのは、AI検索時代において重要なのは単なるSEOではないということです。AIは検索順位だけを見ているわけではありません。
・実績
・専門性
・事例
・レビュー
・著者情報
・会社情報
などを総合的に判断しています。つまり、「本当に信頼できる会社なのか」を評価しているのです。そのため、AIモードやChatGPTに取り上げられるためには、単にキーワードを増やしたり記事数を増やしたりするだけでは不十分です。自社の強みや実績をわかりやすく伝え、第三者からも評価される状態を作る必要があります。
今回の東京都内の旅行代理店様は、AIが評価するポイントを一つひとつ改善していくことで、AI検索時代にも対応できる集客基盤を構築することができました。これはAIモード・AIによる概要・ChatGPT時代における新しいWeb集客の成功事例の一つと言えるでしょう。
