課題
遺品整理サービスを提供している企業様からご相談をいただいた時、すでに遺品整理分野ではSEOによる集客に成功していました。「遺品整理+地域名」といったキーワードで安定して上位表示を実現し、検索エンジンから継続的に問い合わせを獲得できていたのです。
しかし、その運営を続ける中で一つの重要な事実が見えてきました。それは、実際の利用者の悩みは遺品整理だけではないということでした。現場では引越しに伴う不用品処分や大型家具の回収、家電の処分、ゴミ屋敷の片付け、空き家整理などの相談が数多く寄せられていました。ところが、それらの利用者は必ずしも「遺品整理」と検索するわけではありません。実際には、
・ベッド 処分
・冷蔵庫 回収
・家具 引取
・粗大ゴミ 回収
・ソファ 処分
など、もっと具体的なキーワードで検索していました。つまり、遺品整理サイトだけでは市場全体のニーズを十分に取り込めていなかったのです。実際には問い合わせの中にも不用品回収に関する相談が数多く含まれていましたが、それを獲得するための専用導線が存在していませんでした。
そこで最初に検討したのは、既存の遺品整理サイトの中に不用品回収コンテンツを追加する方法でした。しかし私は、その方法にはリスクがあると考えました。なぜなら、
・遺品整理を探す人
・不用品回収を探す人
では検索意図が異なるからです。遺品整理を探している人は故人の遺品整理という特殊な事情を抱えています。一方、不用品回収を探している人は今すぐ家具や家電を処分したいと考えています。異なる検索意図を一つのサイトへ混在させると、Googleにとっても利用者にとってもテーマが曖昧になってしまいます。
さらに不用品回収市場は競争も激しい分野でした。
・大手回収業者
・比較サイト
・地域ポータルサイト
・地域密着型の同業者
などが数多く存在しており、単純に「不用品回収+地域名」だけでは簡単に上位表示できる市場ではありませんでした。
このように当時の課題は、
・遺品整理サイトだけでは市場全体を取り切れない
・サイトテーマを分離する必要がある
・競争の激しい市場へ新たに参入しなければならない
というものでした。そこで私は、不用品回収に特化した専門サイトを新たに立ち上げることを提案しました。
実施内容
今回のプロジェクトで最も重要だったのは、「不用品回収専門サイト」として完全に独立させることでした。私はSEOにおいて専門性を非常に重視しています。そのため、遺品整理サイトの一部として扱うのではなく、別ドメインで不用品回収専用サイトを立ち上げる方針を採用しました。サイト全体のテーマを「不用品回収」だけに絞ることで、Googleに対して専門サイトであることを明確に伝えられるようにしたのです。
次に取り組んだのがサイト構造の設計です。基本構成としては、
・トップページ
・都道府県ページ
・市区町村ページ
・品目別ページ
・事例ページ
・Q&Aページ
という形を採用しました。その中でも特に重要だったのが、「地域 × 品目」の組み合わせページです。例えば、
・ベッド 処分+地域名
・冷蔵庫 回収+地域名
・家具 引取+地域名
・ソファ 処分+地域名
・洗濯機 回収+地域名
などのページを大量に作成しました。実際の利用者は「不用品回収」という言葉で検索するとは限りません。むしろ、「今処分したい物」の名前で検索するケースの方が圧倒的に多いのです。この考え方は非常に大きな成果につながりました。
また、各ページのコンテンツにも徹底的にこだわりました。単なるサービス紹介ページではなく、
・実際の相談事例
・作業事例
・料金の目安
・回収までの流れ
・利用者が抱える悩みへの回答
を掲載しました。特に事例コンテンツには力を入れました。地域名を含めた実際の作業事例を紹介することで、
・この地域でも対応している
・実際に作業している会社だ
・料金のイメージが分かる
という安心感を与えることができたからです。
さらに私はトピッククラスター戦略も導入しました。不用品回収というテーマの中で、
・ゴミ屋敷
・引越しゴミ
・家具回収
・家電回収
・空き家整理
・残置物撤去
などのサブテーマを設定しました。そして、それぞれについて関連ページを複数作成し、内部リンクで結び付けました。これによってGoogleに対して、「このサイトは不用品回収について網羅的に情報提供している専門サイトである」という評価を獲得できるようになりました。
また、コンテンツ品質にも徹底的にこだわりました。各ページには、
・オリジナル画像
・作業写真
・ビフォーアフター画像
・1500〜3000文字程度の詳細な解説
を掲載しました。競合サイトの多くは簡単な説明しか掲載していなかったため、この部分は非常に大きな差別化要因になりました。
さらに、
・地域ポータルサイトへの登録
・関連サイトからの被リンク獲得
・順位分析
・コンテンツ改善
も継続的に実施しました。順位が伸び悩むページについては、
・コンテンツ加筆
・内部リンク追加
・キーワードバランス調整
を繰り返しながら改善を続けていったのです。
成果
改善を続けた結果、不用品回収サイトは比較的短期間で大きな成果を上げるようになりました。まず目立ったのはロングテールキーワードでの上位表示です。特に、
・ベッド 処分+地域名
・冷蔵庫 回収+地域名
・家具 引取+地域名
・洗濯機 回収+地域名
などのキーワードで次々と上位表示されるようになりました。これらのキーワードで検索する人は、すでに処分したい物が決まっています。そのためアクセスの質が非常に高く、問い合わせや成約につながりやすい特徴がありました。
検索流入も大幅に増加しました。以前は広告に依存していた集客が、検索エンジン経由で安定して獲得できるようになったのです。さらに大きかったのは問い合わせの質です。
ロングテールキーワードから流入した利用者は、
・今すぐ回収してほしい
・見積もりが欲しい
・急いで処分したい
という明確な目的を持っています。そのため成約率も高く、売上増加に直接つながりました。
また、この成功は不用品回収サイト単体にとどまりませんでした。既存の遺品整理サイトとの相乗効果も生まれたのです。利用者の状況に応じて、
・遺品整理
・不用品回収
・空き家整理
・ゴミ屋敷清掃
などへ適切に案内できるようになったことで、グループ全体の受注数も増加しました。その結果、
・検索流入の増加
・問い合わせ件数の増加
・成約率の向上
・広告依存度の低下
・新しい収益源の確立
を同時に実現することができました。最終的には不用品回収事業が新たな収益の柱へと成長し、会社全体の業績拡大にも大きく貢献することになりました。
まとめ
この不用品回収専門サイト様の事例で改めて感じたのは、「サイトを分ける戦略」がSEOでは非常に有効になるケースがあるということです。多くの企業は一つのサイトにすべてのサービスを詰め込みたがります。しかし検索意図が異なるサービスを無理に一つへまとめると、専門性が曖昧になり、本来得られるはずの評価を失ってしまうことがあります。今回の成功要因は、
・遺品整理と不用品回収を分離したこと
・地域 × 品目という検索意図に対応したこと
・事例コンテンツを充実させたこと
・専門サイトとして網羅性を高めたこと
にありました。
私はこれまで数多くの地域ビジネスサイトを支援してきましたが、成長している企業には共通点があります。それは、自社が売りたいサービスではなく、利用者が検索している言葉を理解していることです。今回の企業様も、「ベッドを処分したい」「冷蔵庫を回収してほしい」という利用者の具体的な悩みに合わせてサイトを設計しました。その結果として検索順位が上がり、問い合わせが増え、新しい事業の柱を作ることができたのです。SEOとは単なる順位競争ではありません。検索ユーザーの行動を理解し、その悩みを解決する仕組みを作ることなのだと改めて実感した事例でした。
