課題
今回ご紹介するのは、動物病院業界に特化した求人ポータルサイトを運営されているお客様の事例です。このサイト様は以前からSEOに力を入れており、
・動物病院 求人サイト
・獣医師 求人
・動物看護師 求人
といったキーワードで検索流入を獲得していました。その結果、求職者と動物病院を結び付ける専門求人サイトとして順調に成長していました。
しかし経営者の方は、一つ大きな課題を感じていました。それは、「検索エンジンだけに依存した集客構造」です。検索順位が高い時はアクセスも増えます。しかし、
・Googleのアルゴリズム変更
・競合サイトの増加
・AI検索の普及
などによって順位が変動すると、アクセス数も大きく変わってしまいます。
私はこの状況を見て、長期的にはリスクが大きいと感じました。さらに求人市場ならではの問題もありました。求人サイトを利用する人の多くは、
・転職を決意している
・今すぐ求人を探している
・勤務先を比較している
という顕在層です。
しかし実際には、
・今の職場に少し不満がある
・良い職場があれば転職したい
・将来的には転職を考えている
という潜在層の方が圧倒的に多く存在しています。ところが検索だけでは、そうした潜在層と接点を持つことができませんでした。
また、SNSも運用していましたが、十分な成果は出ていませんでした。当時の投稿内容は、
・求人情報のお知らせ
・新着求人の紹介
・募集開始の案内
などが中心でした。しかし求職者の立場で考えると、毎日求人情報だけを見たいとは思いません。その結果、
・フォロワーが増えない
・反応が少ない
・シェアされない
という状態になっていました。
さらにYouTubeについてもほとんど活用できていませんでした。私は以前から求人市場と動画は非常に相性が良いと考えています。なぜなら求職者が本当に知りたいのは、
・職場の雰囲気
・働いている人
・院長先生の考え方
・一日の仕事の流れ
だからです。
しかし当時は、
・どんな動画を作れば良いか分からない
・動画をどう集客につなげれば良いか分からない
という状態で、ほとんど手付かずでした。
このようにコンサルティング開始前は、
・SEO依存の集客
・潜在層との接点不足
・SNSが機能していない
・動画を活用できていない
という課題を抱えていたのです。
実施内容
今回のプロジェクトで私が提案したのは、「求人情報を発信するSNSから、求職者との関係を作るSNSへ変えること」でした。多くの企業はSNSを求人広告の延長として使っています。しかしSNSで重要なのは求人を見せることではありません。まず興味を持ってもらうことです。
そこで最初に行ったのが投稿内容の見直しでした。従来のような求人情報中心の投稿ではなく、
・動物病院で働く魅力
・獣医師のキャリア形成
・動物看護師の働き方
・転職で失敗しない考え方
・現場で起きているリアルな出来事
などを発信するようにしました。求職者が、「これは自分のことだ」と感じられる内容へ変えていったのです。
例えば、
・理想の動物病院とは何か
・職場選びで重視すべきポイント
・転職後に後悔する人の特徴
・長く働ける職場の共通点
など、求人票には載っていない情報を積極的に発信しました。その結果、エンゲージメントは徐々に向上していきました。
次に取り組んだのがSNSと求人サイトの連携です。以前は求人ページへのリンクを貼るだけでした。しかし私は、
興味を持つ
↓
もっと知りたくなる
↓
サイトへ行く
という流れが重要だと考えています。
そのため、
・職場の魅力
・スタッフの声
・働く環境
を伝えた上で求人ページへ誘導する形へ変更しました。
そして大きな転機となったのがYouTubeの導入です。最初に取り組んだのは求人情報の動画化でした。一つひとつの求人案件について、
・職場の特徴
・仕事内容
・働くメリット
・職場の雰囲気
が分かるショート動画を制作しました。
この動画を、
・YouTubeショート
・Instagramリール
・TikTok
・Facebook
へ同時展開しました。すると、それまで接点がなかった求職者にも動画が届くようになりました。
さらに私は、「信頼を作る動画」が必要だと考えました。そこで、
・現場スタッフのインタビュー
・院内ツアー
・一日の仕事の流れ
・院長先生へのインタビュー
などの動画も制作しました。求職者は求人票だけでは応募を決断できません。実際に働くイメージを持てることが重要だからです。
また、長尺動画も活用しました。例えば、
・獣医師業界の現状
・動物病院選びのポイント
・転職で失敗する人の共通点
・良い職場の見極め方
などを解説しました。これによって単なる求人サイトではなく、「動物病院業界の専門メディア」としての立ち位置を確立していきました。
さらに、
ショート動画
↓
長尺動画
↓
求人サイト
という流れを構築しました。
ショート動画で認知を広げ、長尺動画で信頼を深め、最終的に求人サイトへ誘導する仕組みです。こうしてSNS、動画、求人サイトが一体となった集客モデルを作り上げていきました。
成果
こうした取り組みを継続した結果、集客構造は大きく変化しました。まず最初に成果が現れたのはSNSです。単なる求人告知ではなく、求職者にとって価値のある情報を発信するようになったことで、
・フォロワー数
・エンゲージメント
・シェア数
が大きく増加しました。「フォローする理由」が生まれたのです。
さらにYouTubeショートの効果も非常に大きなものでした。それまで接点のなかった求職者にも動画が表示されるようになり、
・今すぐ転職したい人
だけではなく、
・将来転職を考えている人
・何となく求人を見ている人
にも認知を広げることができました。
また、動画経由でサイトへ訪問したユーザーは非常に質が高いという特徴がありました。すでに動画で職場や業界について理解しているため、
・滞在時間が長い
・複数ページを見る
・応募率が高い
という傾向が見られました。
さらに指名検索も増加しました。以前は検索エンジン経由が中心でしたが、
・サイト名
・会社名
で直接検索する人が増えていったのです。これはブランド認知が高まった証拠でもあります。
また求人掲載企業からの反響も増加しました。求職者が増えたことで、
・掲載価値の向上
・掲載継続率の向上
・新規掲載企業の増加
にもつながりました。
その結果、
・SNS経由の流入増加
・動画経由の流入増加
・応募数の増加
・応募者の質の向上
・掲載企業の増加
・ブランド認知の向上
を実現することができました。そして何より大きかったのは、検索順位だけに依存しない基盤が完成したことでした。
まとめ
今回の事例で改めて感じたのは、これからの求人サイトはSEOだけでは成長しにくくなるということです。求職者は検索する前から情報収集を始めています。そのため、
・SNS
・ショート動画
・長尺動画
・求人サイト
を連携させることが重要になります。
今回の成功要因は、
・求人情報ではなく価値ある情報を発信したこと
・ショート動画で認知を広げたこと
・長尺動画で信頼を構築したこと
・求人サイトへ自然に誘導したこと
にありました。
私はこれまで多くの求人サイトを見てきましたが、これからの時代は「検索されるのを待つ」のではなく、「検索される前に見つけてもらう」ことが重要になると考えています。今回の求人ポータルサイト様も、求職者との接点をSNSと動画によって作り、その後サイトで詳しく理解してもらう流れを構築することができました。SEOで見つけてもらい、SNSで親近感を持ってもらい、動画で信頼してもらう。今回の取り組みは、これからの求人マーケティングの理想的な成功事例だったと思います。
