課題
神戸市で呼吸器内科を運営されているクリニック様からご相談をいただいた時、すでに本院ではSEOによる集客に成功していました。地域の中でも知名度が高く、検索エンジンから安定して患者様を集められる状態になっていました。
しかし、新たに大阪・梅田エリアへ分院を開設することになり、新しい課題が生まれました。それは、「新規開院したクリニックは検索から患者を集めることが非常に難しい」という問題です。
本院では長年かけて積み上げてきたSEO評価がありました。しかし分院はまったくの新規サイトです。当然ながらGoogleからの評価は存在せず、開院直後は検索流入がほぼ期待できない状態でした。実際、新しいドメインの場合は数か月間ほとんど検索流入が発生しないことも珍しくありません。つまり、開院直後から患者を集めるためには、
・開院前からSEOを設計すること
・広告による短期集客
・中長期的なSEO対策
を同時に進める必要がありました。
さらに分院ならではの難しさもありました。本院と分院は診療内容が同じです。そのため、本院のコンテンツをそのままコピーしてしまうと、Googleから重複コンテンツと判断される可能性があります。一方で、内容を変えすぎるとブランドの一貫性が失われてしまいます。実際には、
・診療内容は同じ
・提供する医療も同じ
・理念も同じ
という状況です。そのため、「同じ内容を伝えながらも別サイトとして評価される」という難しい課題がありました。
また、「呼吸器内科 大阪」や「呼吸器内科 梅田」といったキーワードは競争が激しい領域です。大阪市内には多くの医療機関が存在しており、呼吸器内科だけでも数多くの競合が存在します。その中で新規開院のクリニックが検索上位を獲得するためには、単なる医院紹介ページだけでは不十分でした。
さらに開院時の集客ではSEOだけでは足りません。
・Googleビジネスプロフィール
・医療ポータルサイト
・口コミ管理
・リスティング広告
なども同時に活用する必要があります。
コンサルティング開始当時の状況は、
・新規ドメインで評価がない
・本院との重複リスクがある
・競争の激しい地域で戦う必要がある
・開院直後から患者を集めなければならない
という複数の課題を抱えていたのです。
実施内容
私はまず、「開院前からSEOを仕込む」という方針を提案しました。多くの医療機関は開院してからSEOを考え始めます。しかし私は逆だと考えています。分院展開の場合、開院前の設計段階で勝負の大部分が決まるからです。
最初に取り組んだのは分院専用サイトの構築でした。本院サイトの中にページを追加する方法もありましたが、今回は地域ごとのSEO評価を独立して獲得するため、分院専用ドメインを取得しました。これにより、「呼吸器内科 梅田」「呼吸器内科 大阪」という地域キーワードに対して独立した評価を積み上げることができるようになりました。
次に行ったのがトップページの設計です。私は地域クリニックのSEOではトップページが非常に重要だと考えています。そのため、
・ヘッダー画像
・キャッチコピー
・こんな症状でお困りの方へ
・選ばれる理由
・診療内容一覧
・Q&A
・院内写真
・アクセス情報
という構成を採用しました。利用者が知りたい情報を一つのページで理解できるようにしたのです。
特に意識したのは、「今すぐ受診したい人」が迷わないことでした。例えば咳が長引いている人や息苦しさを感じている人は、不安を抱えながら検索しています。そのため、
・どんな症状に対応しているのか
・どんな検査ができるのか
・予約方法はどうなっているのか
がすぐに分かるようにしました。
さらに本院との重複対策にも力を入れました。診療内容そのものは同じですが、
・院内写真
・スタッフ写真
・説明文
・院内設備紹介
などはすべて分院専用に制作しました。これによってGoogleから独立したコンテンツとして評価されるようになりました。
また、開院前からブログコンテンツも準備しました。具体的には、
・咳が止まらない原因
・喘息の初期症状
・肺炎と風邪の違い
・呼吸器内科を受診するタイミング
など、患者様が検索しそうなテーマの記事を事前に作成しました。開院後すぐに公開できる状態を作ることで、SEO評価の獲得を早めることができました。
画像にもこだわりました。院内で撮影した、
・医療機器
・診察室
・検査設備
・薬剤
などの写真を活用し、オリジナル性を高めました。
また、Googleビジネスプロフィールも開院前から準備しました。
・開業日登録
・基本情報登録
・写真掲載
・医療ポータルサイト登録
などを進め、ローカル検索での露出を高めました。
さらに開院初期はリスティング広告も併用しました。SEOが育つまでの期間を広告で補い、その間にSEO評価を積み上げていく戦略を採用したのです。
成果
こうした施策を継続した結果、梅田院は比較的短期間で「呼吸器内科 大阪」「呼吸器内科 梅田」といった重要キーワードで上位表示されるようになりました。新規開院のクリニックとしては非常に順調なスタートだったと言えます。
当初は広告への依存度が高かったものの、徐々に検索流入が増加し、SEO経由で安定して患者様を獲得できるようになりました。特に効果が大きかったのは、検索意図に合わせて設計したトップページです。利用者が求める情報を網羅していたため、
・検索結果からのクリック率
・サイト滞在時間
・問い合わせ率
が高い状態を維持することができました。
また、MEOとの相乗効果も大きな成果を生みました。「呼吸器内科 梅田」と検索した際に、
・自然検索
・Googleマップ
の両方で露出できるようになったため、来院数が大きく増加しました。
さらに、本院との相互効果も生まれました。分院の認知度向上によってグループ全体のブランド力が高まり、本院への信頼にも良い影響を与えるようになったのです。結果として、
・検索流入の増加
・新患数の増加
・地域認知度の向上
・MEO流入の増加
・分院展開モデルの確立
を実現することができました。そして、この成功モデルを基盤として、その後の分院展開にも応用できる仕組みが完成しました。
まとめ
この呼吸器内科クリニック様の事例で改めて感じたのは、分院の成功は開院前にほぼ決まるということです。多くの医療機関は開院してから集客を考え始めます。しかし、実際には開院前の設計段階でSEOやMEOをどれだけ仕込めるかが重要です。
今回の成功要因は、
・分院専用ドメインの活用
・検索意図を意識したトップページ設計
・本院との差別化
・事前のコンテンツ準備
・SEOと広告とMEOの同時運用
にありました。
私はこれまで多くの医療機関のSEOを支援してきましたが、成功している分院には共通点があります。それは「開院後に集客を考える」のではなく、「開院前から集客を設計している」ことです。今回の梅田院も、開院前からSEOを設計し、患者様が知りたい情報を丁寧に整備したことで、大阪という競争の激しい市場でも短期間で成果を出すことができました。SEOとは検索順位を上げる作業ではなく、地域の患者様と医療機関を結び付ける仕組みづくりなのだと改めて実感した事例でした。
