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Web担当者必見のGoogle公式情報3選

執筆:一般社団法人全日本SEO協会代表理事 鈴木将司
作成:2021年10月12日

Googleは、2021年6月2日に広範なコアアルゴリズムである「コアアップデート」を実施しました。さらに、翌月の7月にも別のコアアップデートが実施されるということを予告しました

予告通りGoogleは7月1日に新しいコアアップデートを実施しました。
7月1日のコアアップデートは6月2日のコアアップデートに比べて格段に大きな影響をたくさんのサイトに及ぼしました。

下の図は私のクライアントで7月1日のコアアップデートが実施される前日と比べてGoogle自然検索からの流入が数倍以上に増えたサイトのアクセスデータ(サーチコンソールの検索パフォーマンス)です。ご覧のように7月1日のコアアップデートが実施されるまでと比べてアクセス数がほとんど垂直上昇しました。

これら2つのサイトにはこれまでサイト全体の改善を辛抱強く実施してもらいました。その期間は10ヶ月以上で、その間順位は大きく上がりませんでした。しかし、これらのサイトを運営しているクライアントさんたちには私のアドバイスを信じてもらいただひたすらサイト内にある1つ1つのページの質を上げるための改善をしてもらいました。

ここからわかったことは6月2日のコアアップデートはどちらかというと自分が上位表示を目指すページだけを改善すればそのページが上位表示する傾向がありましたが、7月1日のコアアップデートではサイト全体の質が問われるようになったということです。

私がそもそもコアアップデートの対策を研究する上で行ったことは次の3つです。

1.自分のクライアントさんのサイトで順位が高いサイトの共通点と、順位が低いサイトの共通点を洗い出す

2.Googleがウェブマスター(=サイト運営者)向けに提供している公式情報を読み解く

3.海外のSEOニュースサイトで日々発表されている重要ニュースから最新のSEO技術を見つけ出す

これら3つの中でも最近非常に参考になる情報があります。

それは:

2.Googleがウェブマスター(=サイト運営者)向けに提供している公式情報を読み解く

というものです。

コアアップデートの実施がスタートした2018年より前までは、Googleは私達SEOをする者たちに具体的なSEO対策方法を教えることはありませんでした。

2018年前に実施された大きなアルゴリズムアップデートであるパンダアップデートやペンギンアップデートを実施した時は小出しに抽象的なヒントをGoogle公式ブログや世界各地に開催されていたSEOカンファレンスで発表する程度でした。

それらのヒントのほとんどは具体的な対策というものではなく、とても抽象的ものばかりでした。

しかも、それらのヒントはアップデートが実施された後で、いわゆる「事後報告」でしかなく、長年SEOに取り組んでいるプロフェッショナルでも理解するのに困難でした。

しかし、この状況が2018年から変わってきました。変わってきた理由は2つ考えられます。

1つは、米国政府やEUの政府がGoogleを始めとするGAFA企業(=Google、Amazon、Facebook、Appleなどの主要IT企業)に対して情報開示を求めるようになってきたからでしょう。

少しでもこれら政府の要望に逆らうと政府の公聴会に呼びされるだけでなく、数千億円、兆円単位の罰金が課されるという非常に厳しい処置が下されるようになりました。これらの苦痛から逃れるため、そして世界経済においての責任を自覚するようになったGAFA企業は以前とは比べ物にならないくらい積極的に検索順位をどうやって決めているかという技術情報を一般に公表するようになりました。

下の記事はGoogleのような検索エンジンをリリースのではと報じられているApple社の独自検索エンジンがどのようにして検索順位が決められているかを公表する公式サイトの記事です。

かなり具体的に最新のテクノロジーを使った検索順位の決定要因が赤裸々に公開されています。


《出典》
https://support.apple.com/ja-jp/HT204683

Googleが上位表示対策を公開するようになった2つ目の考えられる理由はコロナ禍の影響です。

コロナ禍の時代になる前は、Googleが協賛する海外のSEOカンファレンスにGoogleの社員が登壇してカンファレンスに出席できるSEOのプロフェッショナルたちに対してほとんど口頭でだけ短いヒントを断片的に発表していました。

これらの発言はかなり大きなヒントになるものがあり、多くのSEOプロフェッショナルたちに喜ばれていました。

しかし、コロナ禍の影響でほとんどすべてのSEOカンファレンスがキャンセルされ、一部オンラインでも開催されてはいますが、以前ほどの勢いは無いのが現状です。

こうした環境の中、Googleは2018年からウェブ上で検索上位表のヒント、検索順位回復のヒントを積極的に発表してくれるようになりました。

これらGoogleがウェブ上で発表した公式情報の中で3つの情報が非常に役立つということがわかりました。

それら3つとは:

1、検索に対する Google の方針(2019年10月)
https://www.google.com/intl/ja/search/howsearchworks/mission/

2、Google のコアアップデートについてウェブマスターが知っておくべきこと(2019年8月)
https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates

3、「質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス」( 2011年5月)
https://developers.google.com/search/blog/2011/05/more-guidance-on-building-high-quality

のことです。

1、検索に対する Google の方針(2019年10月)


https://www.google.com/intl/ja/search/howsearchworks/mission/

この文書から得られる重要なコアアップデート対策のヒントは「関連性」と「信頼性」を高めれば上位表示出来るようになるということです。

2、Google のコアアップデートについてウェブマスターが知っておくべきこと(2019年8月)


https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates

これは2019年9月に私が登壇した「Googleが発表したサイト評価リストを使い順位回復する」
https://www.web-planners.net/video/sitehyouka-list.html
というセミナーで当時まだ和訳されていなかった英語のアドバイス集である「What webmasters should know about Google's "core update"」を訳して2019年6月3日に実施されたコアアップデートの復旧対策を解説したものです。

その後このGoogleの公式発表は和訳をされただけでなく、内容を数回に渡り改変して最新化されるようになりました。とても貴重なGoogleからのヒントです。この最新版は今日誰でも
https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates
で見ることが出来るようになっています。

3、「質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス」( 2011年5月)


https://developers.google.com/search/blog/2011/05/more-guidance-on-building-high-quality

これはサイト運営者なら誰もが知りたがる「質の高いサイトの作成方法」をずばりリストアップした非常に具体的なアドバイス集です。このアドバイス集も最初に公開されたのは2011年で今から10年近く前のもので古い情報です。

しかし、最初に公開されたのが古いからと言って見過ごしてはいけません。何故なら新しい情報は実際にGoogleがアルゴリズムとして確立して広く実施するのには何年もかかるものですが、古い情報は公開されてから何年も時間が経過しているのでほぼ100%Googleの検索システムに導入され現実化している情報である可能性が高いからです。

これら3つの公式情報を読むことにより今求められるコアアップデート対策をする上で何をすべきかが見えてきます。

情報の量は膨大ではありませんが、自サイトのことを思い出しながらそれら1つ1つに含まれる意味を考えるとたくさんの取るべき対策が見えてくるはずです。

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