このエントリーをはてなブックマークに追加

【解説】コアアップデートで検索順位が落ちたサイトの5つの共通点と復旧対策

2019年12月31日


前回のブログ記事ではコアアップデートで順位が落ちたページの共通点を2つ解説しました。

今回はさらに他の共通点が明らかになりましたので解説し、コアアップデートで検索順位が落ちたサイトの復旧方法を提案します。

御社のサイトがこれらの共通点のどれかに該当しているかを確認して、心当たりのある点があるならすぐに改善して下さい。

《共通点3》商品・サービスのことではなく、その提供者のことばかりを書いているページ


上位表示を目指している目標キーワードが商品・サービスに関するものの場合、例えば、「表札 通販」だとか、「矯正歯科 新宿」などの場合は上位表示を目指すページにはそれらの商品・サービスに関するコンテンツのみを載せると上位表示しやすくなります。

反対に、その提供者のことばかりを書いているページ、例えば、表札通販サイトの場合、そのネットショップの店長の自己紹介やスタッフの紹介、あるいは新宿にある矯正歯科の院長やスタッフの挨拶が長文で書かれていたりすると検索順位が落ちやすくなります。

その理由は、検索ユーザーのクエリ(問い=検索キーワード)は商品やサービスのことについてなのに、ページ内にそれとは直接関係の無いそこで働く人達の事柄が書かれていると検索ユーザーのクエリとの関連性が低いコンテンツだとGoogleのアルゴリズムが認識してしまうからです。

実際に私のクライアント企業の中で、コアアップデートが実施されるまでの長い間、「(業種名)経営」というクエリで、1位の座を守ってきたWebページがありました。ところがコアアップデートを経て、突如として20位くらいに落ちてしまったのです。

今でも覚えていますがそのトップページには、目立つ特徴がありました。それは「(業種名)コンサルタント」の紹介がたくさん書き込まれていたことでした。コンサルタントの写真が10枚くらいも貼り付けてあり、写真をクリックするとプロフィールページに遷移するように構成されていたのです。

横3列×縦3列の構造なら、9人分の紹介ということになります。

しかし、「(業種名)経営」を探しているユーザが、各コンサルタントの紹介をいきなり読みたいとは思わないでしょう。

【検索順位が落ちたページの例】



そうではなく、↓のどちらかを探しているはずです。
・(業種名)経営の方法・説明
・(業種名)経営を支援する企業の情報

このような、商品やサービスの提供者のことを書いてしまいやすい業界には次のものがあります:
 
・コンサルタント
・病院・クリニック
・整体院・整骨院・治療院
・エステ・マッサージ

これらの業界の方でコアアップデート後に検索順位が落ちてしまった方は、提供者の情報は大幅にカットしてください。
その代わりに、(業種名)経営のサポートについて案内するページにつくり変えなくてはいけません。

ただし、この傾向が当てはまらない業界もあります。たとえば、弁護士のような士業がその典型です。また、家庭教師センターのサイトも例外です。これらのサイトでは、その提供者(弁護士や家庭教師)の情報をたくさん書いてあっても上位を守れています。

これらのサイトの場合は、検索ユーザが「提供者の人柄や実績を知りたい(=それを確かめないことには、依頼をする気になれない)」、と願うことが多いからだと思われます。もっというと弁護士業の場合の商品は弁護士そのものであり、家庭教師センターにおいても家庭教師が商品そのものだからだと考えられます。

コアアップデートに対応するためには、検索ユーザーがそのクエリで検索した瞬間、長くても最初の60秒くらいの間に「何が見たいのか?」を考えてそれだけをページに載せて、それ以外の情報はゼロか、極力ゼロに近づけるようにしてください。それをやり抜いた時にクエリとの関連性が高いとGoogleが判断してそのページの検索順位を高めてくれるようになります。

《共通点4》ユーザが知識ページを探しているのに、商品・サービスの宣伝を多く内包しているページ


ユーザの検索意図が「知識・情報を教えてくれるページを読みたい」という場合は、「その知識・情報を無料で提供するページ」にしないと、上位表示できなくなってしまいます。ページコンテンツが、ほぼ100%その知識を得るための解説で占められている必要が出てきたのです。

「無料お役立ちコンテンツ」と「セールスコンテンツ」は、分離させることがポイントです。 



そうしないと無料お役立ちコンテンツを見に来ている人にとって中途半端にセールスコンテンツがあるページは中途半端な存在になりますし、セールスコンテンツを見に来た人はセールスコンテンツを見たいだけなのに中途半端に無料お役立ちコンテンツがあると中途半端な存在になってしまい、結局誰も満足させることの出来ない中途半端なページで終わってしまうことになります。誰も満足させることの出来ないページをGoogleは決して上位表示させるようなことはしなくなったのです。

《共通点5》本文部分はクエリへの的確な答えになっているものの……、サイドメニューのサイト内リンク等が、クエリとの関連性が低いページ


検索ユーザーもGoogleのアルゴリズムも、各Webページの本文を読むと同時にサイドメニュー等にも目を向けます。
そのため、それらサイドメニューにも、クエリと関連性が高いコンテンツやリンクを含めたほうが上位表示に貢献します。サイドメニューにサイト内リンク等を並べるなら、クエリとの関連性が高いリンクばかりになるようにすべきです。

サイドメニューの他、ヘッダーメニューやフッターメニューも同様です。関連性が低いページへのリンクはできるだけ減らしましょう。

【☓ 上位表示しにくいページのレイアウト】



【○ 上位表示しやすいページのレイアウト】


《共通点6》2種類以上の検索意図を同時に見たそうとしているページ


ひとつのWebページで、何種類ものキーワードを設定してまとめて検索上位を狙おうとする人が大勢います。しかし現在は、それをすると中途半端なページになってしまう確率が高いです。どちらの検索ユーザにとっても、あまり満足できないコンテンツに仕上がってしまう恐れが強いのです。

※たとえば、クエリが「税理士」というビッグキーワードの場合、検索ユーザの意図は数種類に分かれるでしょう↓
検索意図1:税理士事務所を探している
検索意図2:税理士という仕事・職業について知りたい
検索意図3:税理士の資格を取るための情報を欲しい

このようなケースで、↓のようなページ構成を選択して、あとから後半のコンテンツを1000文字以上も追加した〜、という事例がありました。



しかし10位以下にダウンしてしまいました。上位に復活するために、せっかく追加したコンテンツをカットしないといけませんでした(対策を実施した翌月に復活したということがわかりました)。

「税理士」というクエリだからといって、「税理士事務所」と「税理士とは?」といった系統の異なる情報コンテンツを同一ページに収めることは危険なのです。

《共通点7》流動コンテンツが多いページ


流動コンテンツをわかりやすく説明するなら、いわゆるニュースサイトのトップページや、カテゴリページをイメージしていただくとよいでしょう。Yahoo!ニュースのようなポータルサイトのほか、日経新聞のオフィシャルサイトや東洋経済オンラインあたりが良い例です。

ニュース記事は毎日新しいものが生まれ、サイトに追加されていきます。そのためニュースサイトのトップページやカテゴリページは流動コンテンツばかりになってしまいます。

【流動コンテンツが多いサイトの例】



流動コンテンツが多いと、ユーザやGoogleのクローラーがアクセスするたびにページ内のリンクが大量に入れ替わってしまうことになります。それが検索順位を非常に不安定にします。これを避けるには流動コンテンツをページから減らすか、流動コンテンツではなく、固定コンテンツが多いページの上位表示を目指すというように方針を変更する必要があります。

本物のニュースサイトや報道関係のサイトならそうなるのは仕方ありませんが、それ以外のサイトで流動コンテンツばかりのページを造り上位表示を目指すことは避けましょう。

コンテンツやリンク類の大部分を固定させるべきです。全部の固定は不可能でしょうが、流動コンテンツは全体の20%以下(たとえば、「新着情報」のリンクが5件くらいあっても、悪影響はまずないです)に抑えましょう。

【ページの一部に流動コンテンツがあるがその他は固定コンテンツが充分にあるサイトのレイアウト例】



以上が、コアアップデートで順位が落ちたページの共通点と改善案です。

次回の記事でも引き続きコアアップデートの復旧対策について提案します。


Googleが地図検索のローカル検索アップデートを11月の初旬に実施したことを発表!

2019年12月05日

Googleは12月3日に、地図検索のアルゴリズムアップデートを11月の初旬に実施したことを公式に発表しました。今回のアップデートの正式名は"November 2019 Local Search Update"『2019年11月ローカル検索アップデート』と名付けられました。

同社の公式ツイッターには:
『11月初旬に当社はローカル検索結果の順位を決めるためにニューラルマッチングの利用を開始しました。ニューラルマッチングの導入により単語がどのように概念に関連しているのかをより理解出来るようになります。その詳細はこちらをご覧下さい』
"In early November, we began making use of neural matching as part of the process of generating local search results. Neural matching allows us to better understand how words are related to concepts, as explained more here:"

『ニューラルマッチングとは当社が2018年から使い始めた人工知能をベースにしたシステムで、単語がどのようにその背景にある概念に関連しているのかを理解するものです。それはちょうど巨大な類義語辞典のようなものです。類義語とはお互いに関連性の高い単語のことを言います』
"Neural matching is an AI-based system Google began using in 2018 primarily to understand how words are related to concepts. It's like a super-synonym system. Synonyms are words that are closely related to other words..."


【情報元】Google SearchLiaison

実際に、私のところにも多くの会員さんたちから11月初旬にGoogleの地図検索結果が変動しているが何かが起きたのかという問い合わせが寄せられていました。
確かにそれまでGoogleの通常の検索結果ページ内に3件まで表示される地図欄に急に表示されるようになったり、表示されなくなったりしたりと順位変動が多数確認されました。

今回のローカル検索アップデートはどのようなものかというと:

1、Googleは自然検索の検索順位を決める方法をコアアップデートなどによって改善してきたが、地図検索の順位の決め方は比較的進歩が遅かった。
そのため、今回ニューラルマッチングという新しいアルゴリズムを導入して検索ユーザーが入力したクエリとの関連性が高いビジネスが上位表示できるように改善した

2、ニューラルマッチングは「ちょうど巨大な類義語辞典のようなも」だということですが、例えば「整体 渋谷」で検索したとき従来はGoogleマイビジネスのビジネス名やビジネスの紹介文、あるいはレビューの文章やそれに対する返信の文章の中に「整体」という単語が書かれていたほうが上位表示されやすい傾向があったが、「整体」という単語の意味に近い「整骨」や「鍼灸」などの関連性が高い単語が書かれていれば上位表示しやすくなったということが考えられます。

これにより、これまで「整体」という言葉をたまたま書いていて「整体 渋谷」で順位が上がっていたビジネスがその既得権を失い順位が下がり、代わりに「整体」という言葉を書いていなくてもその類義語を書いていたビジネスの順位が上がったというようなことが考えられます。

3、この変化により、これまで地図検索で上位表示するための最も効果のあるテクニックが:

(1)自分のビジネスの口コミ情報、つまりレビューを増やすこと
(2)それらのレビューに対して返信をすること


という2つの効果が相対的に低下してしまった可能性がある。

レビューを書いてもらうようにお願いするのが上手なビジネスや、レビューに返信を書くことが地図検索上位表示にプラスになるということを知っているビジネスばかりが上位表示するのをGoogleが良く思うはずがありません。

増してや、最近よく耳にする偽のGoogleレビューを投稿して地図検索上位表示を目指す一部のMEO代行会社に依頼したビジネスが実績も無いのに地図検索で上位表示するのは公正な事だとは言えないでしょう。

1つのテクニックが確立してきたかどうかというタイミングでGoogleはいつもアルゴリズムアップデートをする傾向があります。

今後も地図検索で上位表示するのはどうしたら良いのかを自社のGoogleマイビジネスの情報量を豊かにしながら考えてゆくことが求められます。

【解説】コアアップデートの実施後、文字数が多すぎるページの順位が落ちた!検索順位回復の具体策

2019年11月18日

前回の記事ではGoogleが2018年から2019年に立て続けに実施したコアアップデートの意味を解説しました。

今回からは具体的な順位回復方法を提案します。

2019年3月・6月・9月のコアアップデートで順位が低迷したWebページを調べ上げるといくつかの共通点があることが判明しています。

御社のサイトがこれらの共通点のどれかに該当しているなら、速やかに内容の見直しに取り掛かる必要があります。

《共通点1》競合他社のWebページよりも文字数を増やすために、文字数をむやみに増やしたページ


競合他社のページと比べて文字数が少なかったために、無理して文章を追加した・・・というような話は、まったく珍しいものではないでしょう。

しかしコアアップデートの結果、とにかくユーザーが期待するコンテンツを載せることが重要になりました。文字数を増やしたからといって、ユーザーが求める内容でないのなら逆効果となってしまうことになったのです。

以下の法則を、頭に入れて下さい。

「検索ユーザーが求めていないコンテンツ」=「ノイズ(Webサイトにおける、雑音のようなもの)」

ではその対策は??? 
→文字数を増やすためだけに追加した部分は、削除しましょう……しかしそれだけでは、順位が元通りになるとは限りません。

ノイズの削除に加えて、その代わりに関連性の高い文章を同じくらい追加することが必須と言えます。

ちなみに私が管理している↓のページは「SEOセミナー」というクエリで1位から陥落したことがありました



そこで見直しを行った結果「ユーザーはもっとたくさんのセミナーの情報を見たいに違いない」と考えられました。

しかしそのときは、関連性の低いリンクが多めでした。今は残っていませんが、SEOソフトのリンクが目立つところに入っていました。それらを削除することになりました。

また、「教えて!SEO」という無料お役立ちコンテンツへのリンクが5つ入っていましたが、それらも削除したのです。

そして削除したリンクの代わりに、終了した過去のセミナー案内ページへのリンクを10件程度そのページに追加しました(終わってはいても、過去のセミナーがどんな内容だったのか知りたがるユーザーがいるため、無駄ではないと判断しました)。



すると、4日くらいたつと順位を回復することができました。 その後、ずっと1位をキープできています。


《共通点2》縦長のLP型トップページ


整体院・整骨院・治療院……等のWebサイトのトップページの検索順位が、コアアップデートの直後に落ちています。
そして、これらの業種のWebサイトのトップページは、縦長の形状をとっていることが多いということがわかりました。文字数が4,000を超えているような長文であれば、縦長になってしまうのも無理はないのですが……

それだけではありません、検索ユーザーのニーズを無視した、独りよがりな内容になっていることがとても多いのです。 

例えば、「整体院+ (地域名)」「歯科医院 + (地域名)」といったクエリで検索するユーザーは、その院の全体的な説明を広く見たいはずです。

そのニーズに合うのは、以下の6種類の項目です。

【ユーザーの検索意図を満たすために、トップページに掲載すべきコンテンツ】

(1)お店としてのあいさつ


これは最初に書くとよいでしょう。誰が何のために何をやっているのか、そこを端的に書くとよいでしょう。

(2)店長の自己紹介


これがあるとユーザーは安心するものです。しかし、書きすぎは禁物です。100〜200文字くらいならいいのですが。また、長くなるようでしたら「もっと見る」「続きを見る」といった形式で、途中まで表示して残りはリンク先で読めるようにするとよいでしょう。

(3)当店の特徴・当店が選ばれる理由


ユーザーは、各店舗の特徴を比較するために各店舗のサイトをはしごしているわけです。
というわけで、店の特徴はトップページの目立つところに配置するべきです。

(4)提供サービスの一覧・各提供サービスの詳細ページへのリンク


トップページには、サービスのメニューを掲載していないために順位を落としたサイトが多数あります。提供サービスの一覧リンクはユーザーが自分のニーズを満たすサービスを提供しているかを知るために必要としています。必ず提供サービスの一覧リンクを載せて下さい。そうすればページビューが増えてサイト滞在時間が伸びることによりGoogleからの評価が上がります。

(5)店内・外観写真と、その簡単な説明


怪しい店や医院に行きたいユーザーはいません。そこで、様子を知るための写真のニーズは高まります。

(6)アクセス情報(Googleマップ、営業時間、所在地、連絡先)


なるべく近くの店や医院に行きたい、そう考えるのがユーザーです。アクセスマップ等の情報は、わかりやすい位置に入れるべきです。

以上が、ユーザーの検索意図を満たすために、トップページに掲載すべきコンテンツですが、今度は反対にユーザーの検索意図に逆らうノイズには次のようなコンテンツがあります。

【ユーザーの検索意図に逆らうノイズ】

(1)「患者さんの声」「お客様の声」等が4人分以上掲載されている。また、それぞれの声が500文字を超えている


4人×500文字=2000文字、となりますがここまでの分量となるとノイズとみなされやすいです。
ユーザーは、患者さんの声をたくさん読みたいと思って検索するわけではありませんから。それから、それぞれの患者さんの個人的な感想や医院をほめちぎる賛辞・お世辞を読みたいと思うこともないはずです。

うまくやっているサイトでは、文字数を少なめに、人数も少なめに載せていますし、詳細な声は「もっと見る」「続きを見る」といった形式を用いてリンク先に掲載しています。

(2)推薦人の声がたくさん載っている


たとえば、推薦人が3人いて、それぞれが400文字くらいだったら? 3人×400文字=1,200文字、となりますがこれまたノイズ扱いになるでしょう。

ユーザーは、依頼を受けて書かされた推薦人の声を読みたいとは思わないでしょうから。

(3)検索ユーザーを説得するために、長文の売り込みの文章(≒自画自賛する文章)を載せている


自己PRの文章を大量に読まされると、ユーザーは通常なら苦痛に感じます。

少しなら良いでしょうが、スマホで見るユーザーが多い時代です……外を移動しながらスマホを見るユーザーは、そのような独りよがりの自慢話は歓迎できるものではないでしょう。

(4)マスコミ掲載実績や、お店選びのポータルサイトでの評価やランキングを自慢している


これもまた、嫌味のように思われてしまって危険です。信頼してもらうために、そうしたコンテンツを利用してもよいのですが、やりすぎは禁物です。

(5)院の紹介ではなく、院が提供する治療法や施術のことを長文で解説している


ユーザーは院のことを知りたい(それに、じっくりと読む時間もないのです)のに、治療方法を深く掘り下げて説明してしまうと検索結果ページに引き返してしまうリスクが高まります。

治療方法を深く解説したいならそのためのページを別途作成して、トップページからリンクするべきです。

(6)院の紹介と無関係な施術内容のQ&Aをたくさん載せている


Q&Aをトップページにたくさん載せている事例はたくさんあります。しかしQ&Aは基本的に、専用のページをつくって載せるだけでOKです。

(7)副業で販売している健康器具の宣伝情報が目立っている


健康器具やサプリメントといった本業とは関係の無い副業の商材をつい宣伝したくなるのはわかります。しかしそれは違う目的で来たユーザーには関係が無いのではないでしょうか。

そのような商品についても、専用のページをつくってそこでPRするべきでしょう、

(8)サイドメニューに、何十という治療案内ページへのリンクを載せている


トップページを訪れる検索ユーザーは、院の全体的な情報を欲しています。

しかし治療内容をサイドメニューにたくさん載せてしまうと、院の紹介をするページではなく治療案内への目次ページになってしまうのです……つまり、トップページの目的を果たせません。

ちなみに今でも、上位表示に成功しているページは平均して、治療案内ページへのリンクは多くても10くらいにおさえています。その真下に「もっと見る」といった形式のリンクを入れて、治療案内メニューを大量に載せたページに誘導すればOKです。

というわけで、ある時期に流行った、「縦長のセールスレター形式のページ」「LP型の広告ページ」では上位表示できなくなっています。まして、トップページには不適格です。

その代わりに、前述したポイントに気を付けてノイズの少ないトップページをつくることが大切になってきているのです。

次回のブログではコアアップデートで順位が落ちたページの共通点をさらに紹介し、復旧方法を提案させていただきます。

【解説】Googleコアアップデートとは何か?2018年から2019年に立て続けに実施されたアルゴリズムアップデートの意味

2019年11月03日

2019年3月・6月・9月のコアアップデートの特徴


2018年8月1日に実施されたGoogleのコアアルゴリズムアップデート、いわゆる「コアアップデート」は、ペンギンアップデート以後のアップデートの中ではすさまじいスケールとなりました。

そして翌年2019年3月12日、6月3日、9月24日にもコアアップデートは続けざまに実施されました。

この重大なアップデートは早めに理解しないと、Webマーケティングの点で重大な支障をきたします。では深く理解するためには何が必要でしょうか? まずは、その経緯から掘り下げて学ぶことが好ましいでしょう。

コアアルゴリズムアップデートを取り巻く、海外での一連の騒動を振り返る


英語圏のSEO専門のニュースサイトにアクセスすると、ペンギンアップデート以来久しぶりとなる、検索順位が大幅に変動したことが大きく伝えられています。



ペンギンアップデートが実施されたのは、2012年4月のことでしたから、6年ぶりの大変化だったことになります。あのときは、不正な被リンクを増やしたりキーワードを過度に使うことで順位を上げてきたサイトの順位が一気に突き落とされたのですが、今回のコアアルゴリズムアップデートも、それに近いスケールで順位が入れ替わってしまったのです。

8月1日を境に、何割も順位および流入が上がったサイトもあれば下がったサイトもあることが、グラフから容易に読み取れます。



コアアルゴリズムアップデートを取り巻く、国内での一連の騒動を振り返る


日本国内においても、コアアルゴリズムアップデートの影響はけた違いでした。最もその影響が大きかったジャンルとそうでもないジャンルに分かれています。

8月1日以後、順位が大きく変わったWebサイトの特徴を探すと、次のようなジャンルで変動が相次いだことが判明しました。

・整体院・治療院
・病院
・歯科医院
・漢方薬局


このため、しばらくの間は「医療関係のサイトが順位変動の対象になったらしい」という噂話がネット上でよく流れていました。

実際にその噂は的外れだったわけではありません。海外のSEOニュースサイトが、その憶測を裏付けるデータを発表しています。






これらのデータが物語るのは、健康や医療関係のサイトに対していちばん影響が大きかったということです。しかしこれらのデータは、それら以外のサイトも、影響を受けていることを報告しています。総括するなら、コアアルゴリズムアップデートの影響を受けた業界はとんでもなく多かったということになるでしょう。

さて国内におけるコアアルゴリズムアップデートの影響が顕著だった業界を集計すると? これまでの情報を総合すると、次のようになります。

・医療(病院・クリニック、歯科医院、医療雑誌)
・健康(整体・治療院、健康食品)
・美容(コスメ、エステ)
・教育(語学学校、資格専門学校、学習塾、コンサルティング)
・物販(既製品販売、中古品販売、オーダーメイド品販売)
・物品買取(高級品買取)
・不動産(賃貸、買取)
・求人


やはり、日本国内でも海外と同様の特徴があることは間違いなさそうです。

したがって、あらゆる業界で自社のWebサイトを振り返って、コアアルゴリズムアップデートの影響から脱出する方法を探さなくてはならない、ということになります。

コアアルゴリズムアップデートに関する、Googleの公式発表の内容とは?


コアアルゴリズムアップデートに関するGoogleの声明を振り返ると、興味深い推察が可能となります。

今後のSEO施策およびWebプロモーションの方針を激しく揺さぶる、重大な教訓が見えてくるのです。その詳細を解説します。

Googleの公式声明と、そこから浮かび上がる今後のSEOの行方とは?


Googleはこれまで、「SearchLiaison (@searchliaison)」というTwitterアカウント(https://twitter.com/searchliaison)で重要なアップデートについて発表してきました。

コアアルゴリズムアップデートのときも(翌日の8月2日付でしたが)声明をリリースしています。



Twitterでは字数制限があるため、対策等はもちろん発信しづらいのですが……、その代わりに「3月に発信したアドバイス内容を参照するように」というメッセージを出している模様です↓

『今週、当社では広範囲なコアアルゴリズムのアップデートを実施しました。これまでコアアルゴリズムのアップデートは年数回実施されています。当社のこのコアアルゴリズムのアップデートへの対策のアドバイスは3月のものと同じです。詳細は
https://twitter.com/searchliaison/status/973241540486164480
を御覧下さい。』

"This week we released a broad core algorithm update, as we do several times per year. Our guidance about such updates remains the same as in March, as we covered here: https://twitter.com/searchliaison/status/973241540486164480 …"

実は、2018年3月から4月にかけてもGoogleは、アップデートに踏み切っていました。ここで海外のSEOニュースサイト「Search Engine Land」の公開内容に目を向けてみましょう。

『Googleが検索順位を決めるコアアルゴリズムのアップデートを実施。
GoogleがSEO業界内で推測されていたアルゴリズムアップデートを認め、今回のアップデートに対して検索順位が落ちたサイトのサイト管理者が出来ることはないと発言』
(2018年3月12日)
"Google confirms core search ranking algorithm update
Google acknowledged the suspected update but says there is nothing
webmasters can do to fix their sites if they dropped in rankings."



何よりも要注目な部分は? やはり、
・今回のアップデートに対して検索順位が落ちたサイトのサイト管理者ができることはない
というくだりではないでしょうか!? 

これまでのGoogleの法則によると、大きなアップデートの際は何かしらのヒントをくれたものでした。しかしこのときは、何もヒントらしいことは出していません。

Googleがあえて、できることがないと表明した理由は、
「検索キーワードとの関連性が低いWebコンテンツの順位を下げる決定を下したため」
と推察できました。

それからわずか1ヶ月経つと、また新たなニュースが飛び込んできました! 今度は、前回とはまた異なるSEOニュースサイト「Search Engine Journal」の発表です。

『Googleのジョン・ミュラー氏は3月7日のアルゴリズムアップデートは品質が低いサイトをテーゲットにしたものではなく、むしろコンテンツと検索キーワードとの関連性をターゲットにしたものだと発言した)』
Google’s John Mueller has confirmed the March 7th algorithm update did not necessarily target low quality sites. Rather, it had more to do with content relevance.


● 検索キーワードとの関連性が低いコンテンツがあるサイトの順位を落とす

● コンテンツと検索キーワードとの関連性をターゲットにした

やはり、Googleのユーザが検索したキーワードと、Webコンテンツの関連性がカギを握っていると結論せざるを得なくなったのです。

1.関連性が高いと? 
 →検索順位が上昇する


2.関連性が低いと? 
 →検索順位が下降する


したがって、自社のWebページの検索順位を高めたいなら、ユーザが好む検索キーワードとの関連性が高いWebコンテンツを用意しないといけないのです。

少し品質を上げたり文章を追加したりするだけでは、何も起こせないのです。

現代のGoogleの上位表示対策の優先順位


今回のコアアップデートの実施によりGoogleで上位表示するには次の5つの対策を以下の優先順位で実施する必要が生じるようになりました。

《優先順位 1》クエリ(検索キーワード)に対して的確な答えを返すコンテンツをつくる【関連性】


実際に海外でGoogleのカンファレンスに出席すると、Googleの社員が登壇する様子を観察できますが、「クエリに対して的確なアンサーを返すページをつくりましょう」と語ることが多いですね。

※「クエリ」とは、Googleの社員が頻繁に用いる用語です。
 本来は、データベースからデータの抽出や操作を行うための命令を意味する語で、「問い」や「問い合わせ」と訳されることがあります。
 Google側は主に「検索ユーザが入力した検索キーワード」の意味で用いています。一般人は誰もがGoogleで検索しますが、それを「問い」と捉えるべきです。

《優先順位 2》Googleからの流入を増やす【トラフィック】


この点は、9月28日のアルゴリズムアップデート以降に強まっています。

Googleからのアクセス数を増やすには、ユーザのニーズに合わせたコンテンツを掲載したWebページを増やすことです。

※どんなコンテンツをつくったらいいか迷ってしまうときは無料で使えるツール「サーチコンソール」を用いてみましょう。つくるべきコンテンツの方向性が見えてきます。

《優先順位 3》エンゲージメントを高める【ユーザエンゲージメント】


Googleが評価するページは決まって、ユーザエンゲージメントが高いページばかり。
また「ユーザエンゲージメントが高い」ということは、そのユーザのクエリとWebページの内容が合致しており、関連性が高いという証拠でもあります。

したがって、ユーザの平均ページビューを増やすことやサイト滞在時間を長くする(直帰率を減らす)ことが大切です。

《優先順位 4》被リンクを増やす【被リンク】


外部サイトからリンクされているサイトは、そうではないサイトよりも人気があります。この点が、検索順位を高めてくれることがあるのです。

したがって、よそのサイトから自社サイトにリンクを貼ってもらって、紹介してもらうことは今でもプラスになるのです(ただし優先順位は、明らかに低下しています!)。

《優先順位 5》内部最適化をする【内部対策】


タイトルタグにキーワードを入れたり、本文中にキーワードを増やしたり〜といった施策を意味します。これは以前から行われていましたしいまだに大事な対策の一種ではあるのですが、優先順位および重要性は下がってしまいました。

今回のコアアップデートが実施される前まではGoogleで上位表示するには:

《優先順位 2》Googleからの流入を増やす【トラフィック】
《優先順位 4》被リンクを増やす【被リンク】
《優先順位 5》内部最適化をする【内部対策】


の3つの対策だけをしていれば何とかなっていました。

しかし、コアアップデートの実施により新たに:

《優先順位 1》クエリ(検索キーワード)に対して的確な答えを返すコンテンツをつくる【関連性】
《優先順位 3》エンゲージメントを高める【ユーザエンゲージメント】


という2つの対策が要求されるようになったのです。

しかもやっかいなことにこれら2つの要因を改善することは一朝一夕では出来ないのです。
このことにより表面的なテクニックを駆使するSEOの時代が終わり、検索ユーザーに好まれるコンテンツとサイトを作ることが新しいSEO対策になりました。
この流れについてこれない人たちはすでに「SEOはオワコンだ!」、「SEO対策は死んだ」と声高に叫んでいます。

私の意見を率直に述べます。

それは幼稚なSEOはオワコンになり、大人のSEOがやっと始まったのです。

今後は意識の高いSEOをしならければならないということです。最初は戸惑うかもしれませんが安心して下さい。

すでに多数のサイト運営者が意識を変えて大人のSEO、つまり検索ユーザーに好まれるコンテンツとサイトを作ることにフォーカスして結果を出しています。自力で検索順位を回復させてGoogleの自然検索結果ページからのアクセス数を増やしているのです。

【筆者のクライアントサイトのアクセス数推移の例】





これは決して危機なんかではなく、非常に大きなチャンスなのです。
何故なら表面的なテクニックやGoogleを欺くトリックのような手法で順位が上がっていたサイトが消えてくれたからです。
そして新しいSEO技術を素直に実施すればGoogleの自然検索結果ページから膨大な数の新規客を獲得出来るようになったのです。

【コアアップデートで順位が落ちたページの共通点と具体的な検索順位復旧対策】


文字数が多すぎるページの順位が落ちた!文字数を適正なものに改善するには?

コアアップデートで検索順位が落ちたサイトの5つの共通点と復旧対策

【公式発表】Googleが人工知能活用を強化してさらに検索の精度をアップした!BERTを導入

2019年10月28日

Googleは2019年10月25日にBERTという技術を導入することにより人工知能活用を強化しさらに検索の精度をアップしたという発表をしました。


『昨年当社はオープンソースのニューラルネットワーク(脳機能に見られるいくつかの特性に類似した数理的モデル)技術を利用したBERTと呼ばれるオープンソースの人工知能による自然言語処理を導入しました。この技術はハイレベルな質疑応答を可能にするものです』
"Last year, we introduced and open-sourced a neural network-based technique for natural language processing (NLP) pre-training called Bidirectional Encoder Representations from Transformers, or as we call it--BERT, for short. This technology enables anyone to train their own state-of-the-art question answering system. "

『この技術的躍進はGoogleの研究により文章内にある単語を1つ1つ順番に分析するのではなく、それら単語同士の関係性を理解するものです。これにより単語が置かれている文章の完全な文脈をシステムが理解するようになり、このことは検索ユーザーが抱く検索意図を理解するのに特に役立ちます』
"This breakthrough was the result of Google research on transformers: models that process words in relation to all the other words in a sentence, rather than one-by-one in order. BERT models can therefore consider the full context of a word by looking at the words that come before and after it—particularly useful for understanding the intent behind search queries."

『しかしこのBERTを実装するにはソフトウェアだけでなく、ハードウェアの進歩も必要です。BERTは非常に複雑な処理をするために既存のハードウェアの機能の限界を超えるものであるため当社は最新のハードウェアであるCloud TPUを導入しました。このハードウェアの導入により検索ユーザーが求める情報をよりスピーディーに提供することが可能になりました』
"But it’s not just advancements in software that can make this possible: we needed new hardware too. Some of the models we can build with BERT are so complex that they push the limits of what we can do using traditional hardware, so for the first time we’re using the latest Cloud TPUs to serve search results and get you more relevant information quickly. "


かなりの長文ですが要約するとGoogleは:

1、既存の文書解析技術では検索ユーザーが探しているWebページを上位表示させるのには限界がある
2、その限界を突破するために今回BERT技術という人工知能を導入した
3、ソフトウェアのアップグレードでは処理能力に限界があるので、ハードウェアをアップグレードするために新型サーバのCloud TPUを導入した


ということです。

Cloud TPUというのはGoogleが独自開発した、翻訳、フォト、検索、アシスタント、Gmail などの Google サービスを強化するカスタム設計の機械学習 ASICです。
Googleの公式サイトによると「そのカスタム高速ネットワークは、1 つのポッドで 100 PFLOPS 以上のパフォーマンスを発揮します。ビジネスを変革し、次の研究のブレークスルーを生み出すのに十分な計算能力を備えています。」という非常にパワフルな人工知能実行デバイスです。

【Cloud TPU】

【出典】 Cloud TPU

これまでGoogleは限定的に人工知能をその検索アルゴリズムに実装してきたと言われてきましたが遂にGoogleは最新のCloud TPUというハードウェアを独自開発してまで人工知能を活用するというになったということです。

これが私達サイト運営者にどのような影響を及ぼすかですが:

(1)上位表示をするために単に自社のWebページにキーワードを一定の比率散りばめるというような表面的な内部対策テクニックは通用しなくなる

(2)これまで以上に、検索ユーザーが見たがっている内容を知るために、実際に上位表示しているページの構成を分析しそれらを自サイトのページに盛り込む必要がある
→ つまり検索ユーザーの検索意図を推測してそれを満たすコンテンツを提供する必要がある

(3)検索ユーザーの検索意図を満たす上で邪魔になる情報(文章、画像、広告、メニュー項目)はユーザーにとってノイズなのでそれらノイズを限り無くゼロに近づける

(4)近いうちに検索意図に沿っていないページの検索順位を落とすコアアップデートがまた実施される可能性がある

ということが考えられます。

Googleは検索サイトの質を高め最高のサービスをユーザーに提供するためソフトウェアだけでなくハードウェアまで独自開発する時代になりました。

私達サイト運営者も自社サイトの質を限りなく高めなくてはなりません。

サイトの質を高めるには:

1、検索ユーザーが求めるコンテンツだけがページにあること
2、オリジナル文章を増やす
3、オリジナル画像を増やす
4、動画を増やす(主にYouTube動画の貼り付け)
5、文章内からの関連ページへのサイト内リンク
6、情報の根拠をユーザーが確認できるように根拠となる情報を載せている参照サイトに外部リンクを張る


などがあります。

自社サイトの全ページを点検して質が低いと判断したページにはこれら6つの全てあるいはいずれかの対策を実施して一刻も早くサイトの質を高めて下さい。
< 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 >
このエントリーをはてなブックマークに追加
                    
鈴木将司の最新作品
プロフィール
一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

 鈴木将司

フォローしてSEOを学ぼう!
X facebook insta tiktok youtube
2024年 04月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
最新記事