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2017年08月13日

やらせの口コミをGoogleマイビジネスに書き込むと取り返しのつかない損害を被ることになる!

2017年08月13日
最終更新日:2019年4月5日

現在のWeb集客においてGoogleの検索結果の地図部分に表示されるGoogleレビュー(口コミ)の影響度が日増しに強まっています。そのため自社のレビューを増やすことが事業者に求められる状況が生まれました。

【Googleの検索結果ページの上に表示される地図部分の例】


【地図部分に表示された事業者の口コミの例】


そうした中、Googleの本拠地である米国で気になるニュースがリリースされました。

2017年8月10日 SearchEngineLandのニュースによると現在、米国でGoogleマイビジネスへのやらせの口コミが問題になっているということです。

「What are the risks for businesses that are getting fake reviews on Google?
Creating fake reviews might seem like a great way to boost your business's local profile, but columnist Joy Hawkins warns that the consequences far outweigh the benefits. After all, you're not just violating Google's guidelines -- you're breaking the law.」

(偽レビューをGoogleにすることはどのようなリスクを企業にもらたすのか?
偽レビューをGoogleマイビジネスに投稿することは素晴らしい方法に見えるが、コラムニストのジョイ・ホーキングス氏はそうした行動は企業に利益をもたらすどころか深刻な結果をもたらすことになるだろうと述べている。結局そうした行為は、Googleのガイドライン違反だけではなく、法律を破る結果になるだろう)
(2017年8月10日 SearchEngineLand)
https://searchengineland.com/risks-businesses-getting-fake-reviews-google-280024

この記事の要点は:

・テキサス州オースチンのSEO会社がFacebookグループ内でGoogleマイビジネスのレビュー(口コミ)を相互に行おうというオファーをしている

・こうした行為を行うSEO会社に料金を払って偽口コミの投稿を依頼するとクライアント企業はGoogleによってSEO上のペナルティーを受けるリスクがある。

・さらには公正取引上の法的な問題があり、当局から告発されるリスクがある

・そればかりか、不正行為を見つけた競合企業や、訴訟先を常に探している弁護士たちに集団訴訟を仕掛けられる大きな法的リスクがある

・すでにニューヨーク州では2013年に偽口コミを利用した19社が検察庁から告発されて2,500ドルから100,000ドルの罰金を払っている

という点です。

これは非常に恐ろしい話です。

インターネットの1ユーザーの感覚ならば、偽口コミを書くことはいたずら程度の認識で済まされるかも知れませんが、SEO会社やそのクライアント企業が金銭の授受をして偽口コミの組織的な売買をすることは、米国では公正取引に関する法律に違反し、明らかな犯罪行為になるということです。

日本でも最近はGoogleの地図検索に表示される口コミにヤラセのステルスマーケティングがされたり、有名な地域ポータルサイトではお金や景品をもらった人が口コミを書くことがあると言われています。

最初は軽い気持ちでやったことだとしても、企業がそうしたことをするとネット上に悪評が書き込まれるだけではなく、刑事告発されることが今後この日本でもあり得るようになりました。

こうした事態になれば、そうしたサービスを販売するSEO会社も、そのサービスを購入したクライアント企業も同時に潰れることがあり得るということではないでしょうか?

実際に日本のGoogleで「Google口コミ 投稿代行」で検索すると・・・

● クラウドソーシングサイトでGoogleのやらせの口コミを投稿する人を募集する記事が投稿されている

● Googleマイビジネスの最適化というサービスの一つとして「口コミ投稿」という作業が明記されている

という事実があります。

クライアントのために役立つサービスを提供したいという熱意はわかりますが、そうしたことを代行すると米国では詐欺罪で訴えられるほど消費者を欺く反社会的な行為になってしまいます。事業者は自力でGoogleの口コミを増やさなくてはならないのです。それをお金をとって代行するというのは絶対にやめるべきです。

ところで何故今、海外のSEOの世界で頻繁にレビューのことが問題になるのでしょうか?

その理由の一つは、ネットの情報のいい加減さを知らないナイーブな一部の消費者がヤラセの口コミを信じて企業の売上を左右するからでしょう。

私の周りでも複数の整体院、治療院の経営者の方が非常に影響力のある地域ポータルサイトに根拠の薄い好意的な口コミがたくさん書き込まれている競合する院に患者を奪われてしまい困っています。

もう一つの理由は、恐らく将来の検索サービスの大きな柱になるであろうボイスサーチ、つまりSiriや、GoogleNOW、アレクサのような音声検索エンジンの多くが口コミ数が多いところや、評価が高いところを疑うこと無く、ユーザーに推奨するからだと思われます。

AIを使った一見、賢そうなソフトウェアは人間によって操作された偽口コミ情報を見破ることなく鵜呑みにし検索ユーザーに推奨してしまうことがあるのです。

ボイスサーチが普及する今後、益々偽口コミの世界は広がる可能性がありますが、企業にとって一番安全なのはそうしたサービスを無視することです。

そして本来の仕事である、良い口コミを投稿してもらうためのサービスの改善に全力をあげることです。


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一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

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